shiganosato-gotoの日記

星の巡礼者としてここ地球星での出会いを紹介しています。

2001『星の巡礼 イスラエル縦断の旅』Ⅰ

2001星の巡礼 イスラエル縦断の旅』Ⅰ

ギリシャ/アテネイスラエル縦断⇒シナイ半島周回⇒エジプト/カイロ>

 

 

イスラエル縦断にあたって>

創世記に始まり、アダムとイブをエデンの園より追放し、この世と人類を創ったとされる神が指定された旧約の地が、ここ中東にある砂漠の国 イスラエルである。

 

同じ神を信奉するユダヤ教キリスト教イスラム教の聖地として人類愛を試される地もまた、ここユダヤ人とアラブ人が入り混じるエルサレムにある。

 

神は聖霊の地として、不毛と言っていい赤土の砂漠を選ばれ、信仰の持つ厳しさを示されたといっていい。

現在のイスラエルパレスチナは、旧約聖書の民たちの苦難の歴史をいまに引き継ぎながら、お互いを認めあわず神の理想とする国を達成できてはいない。

 

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             ネゲブ砂漠で (イスラエル縦断中)

 

 そこは、ユダヤ人とアラブ人の反目とジハードと憎しみが渦巻き、力による闘争を繰り広げている悲しみと嘆きの地でもある。

両者間に、赦しと和解と和平が訪れんことを祈りながら、今回は占領地である北はゴラン高原から、南は占領地であったシナイ半島までを縦断踏破し、モーセがイスラレルの民を率いて脱出したエジプトのカイロに至る。

 

世界幾多の国と地域から流入したシオニズム運動参加のユダヤ人たちの建国の息吹を感じる一方、領土を追われ国家を失い、狭い土地に押し込められたパレスチナの人々の苦しみと抵抗と聖戦を肌に感じつつ、歴史をのぞきながら聖書の地イスラエルパレスチナを歩いた。

 

イスラエルの中には、パレスチナ人の自治がなされる地域や飛地があり、その地を訪問するにはそれぞれの検問があるとともに、緩衝としての無人地帯が取り囲み、現在のユダヤ人とアラブ人の不信感を否応なしに見せつけられ、切ない思いにさせられた。

 

《 10月24日 イタリアを立ちイスラエルに向かう    機内泊 》

この《星の巡礼 イスラエル縦断の旅》は、ロシア・ウラジオストックよりシベリア横断鉄道でモスクワに至り、北欧・西欧・東欧よりイタリア・ローマに入り、中東・アフリカを縦断して南アフリカ喜望峰までの旅の途次にある。

途中、全世界が9・11同時多発テロ事件の悲惨さに巻き込まれる中、幾多の厳重な検問を通過する過酷な旅となったが、ようやく中間点であるイスラエルに無事たどり着きそうである。

イタリアでは、第二の故郷であるアシジに立寄りゆっくりと長旅の体を休め、バチカンに立寄ってローマの空港を後にした。

 

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          イタリアでは必ず立ち寄るわが心の故郷アシジの朝靄

                イスラエル訪問前にアシジに立寄る

 

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イタリア・アシジにて聖フランシスコに再会し、     バチカン訪問後イスラエルに向った

 

<ローマを発ち、ロッド・ベングリオン国際空港に飛ぶ>

オリンピック・エアーライン フライト#240 ボーイング737は、夕暮れ直後のローマの空港を30分遅れで離陸し、アテネギリシャ)を経由しイスラレル・テルアビブに向けて、乗客29名を乗せて飛立った。

 

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          ベングリオン空港(テルアビブ・ロッド)着陸直前

 

 

<9・11 アメリカ同時多発テロ事件の影響>

ローマの空港でのパスポートコントロールや、荷物検査が厳しくなかったことに一抹の不安を覚えた。

9・11テロ事件(2001年)のニュースは、ここローマに向かっていたシベリア横断鉄道の列車の中で知った。その後の通過地での厳重なボディチェックや荷物検査になれていただけにローマでの出国検査には、その無頓着さに驚かされたのである。

ましてや搭乗率が20%に満たないことに、ローマよりアテネ経由でイスラエルベングリオン国際空港までの所要時間1時間40分、なおさら不安な気持ちにさせられた。

アテネ空港での乗り継ぎの時間に、ギリシャ民族舞踊団一行が、バイオリンの伴奏で練習を始めた。男女10人が横一列になってスキップを踏むダンスは、ギリシャの村祭りののどかさを表現しており、みな笑顔で楽しんでいる様子である。

一方、真夜中のアテネ空港(ギリシャ)乗継検査場でのセキュリティー・コントロールは、一変して徹底した厳しい検査に変わった。

乗客1人に対して6人の検査官が、帽子から靴先まで金属探知機で念入りな検査、スケッチ用水入れボトルの中身はもちろん、ダイビング用水中カメラはじめバネ式三脚が武器に改造されないかと念入りな検査である。

特に靴底、腹に巻いていた貴重品入れは徹底的に調べられた。

1時間20分の検査時間は、これまでにない最長である。これから世界で一番厳しい臨戦態勢の国イスラエルに向かっていることにある。

乗継空港であるアテネ空港のイスラエル行検査場はすでにイスラエルのテリトリーであるといって過言ではない。

夜中02:00アテネ発ロッド・ベングリオン国際空港行に乗り込む乗客は、ほとんどがイスラエル人であり、ユダヤ人であろうか。ユダヤ人男子がかぶるキッパ(宗教的帽子)や、ハシディック(黒ユダヤ人帽子)・フェドラ(コ―シャラビ帽子)をつけた乗客がほとんどである。

もちろん東洋人はわたし一人であるから異様である。緊張感が走るなかにも、ニューヨークでの仕事仲間のほとんどがユダヤアメリカ人であり、居住区でのニュージャージではユダヤ人に囲まれて生活していた関係であろうか、なにか安心と温かさを感じたものである。仲間意識と、さらに彼らユダヤ人の夢の国であるイスラエルに向かうのであるから当然みな陽気である。

最終チェックは、空港バスで飛行機に向かい、タラップの前に並べられた膨大な乗客の預けた旅行鞄やスーツケースが整然と並んでおり、各人が自分の荷物を取りだし、最終セキュリティ・チェックがなされる仕組みになっている。

二個の荷物が暗闇に光るライトに照らされ不気味に取り残されていた。待機していた爆弾処理車に積み込まれ闇に消えていったときは、背筋に冷たいものが走った。

だが、約30年前、日本人であるアラブ赤軍数人によって、このような安堵に包まれたユダヤ人を乗せた飛行機がロッド・ベングリオン国際空港に滑り込んだとき、銃乱射という悲惨な殺戮の現場に巻き込まれたのである。

 

《 10月25日  ベングリオン国際空港(テルアビブ・ロッド) 》

ここは、1972年(昭和47)5月30夜(現地時間)、元日本赤軍(当時は自称アラブ赤軍)3人は当時のロッド国際空港で銃を乱射、24人を殺害、86人に重軽傷を負わせた事件の現場である。3人のうち2人は銃撃戦で死亡、残った一人が岡本公三である。大学紛争に敗れた過激派は、PFLPパレスチナ解放人民戦線)と連携を強め、国際義勇兵としてPFLPの報復依頼を受けて作戦を実行した。

約30年前の事件であるが、以降の日本人に対する入国審査は厳しさを増しているようである。

ベングリオン国際空港での入国審査の簡素化に反して、その後のセキュリティ・チエックの厳しさには驚かされた。

入国の目的から始まり、職業、何日間どこに誰のところに滞在するのか、どこから入ってどこからどこへ出国するのか、今回の旅行の全日程と、その間の訪問国での滞在の目的、イスラエルでの滞在先の一覧表(予約の有無・連絡先)、知人の有無、お土産・依頼品の有無、パスポート全ページの詳細チェック、なぜその国に滞在したのか・・・等々厳しい尋問が続いた。

全外国人ではなさそうで、無作為に抽出されたものに対してであるらしい。この飛行機に関しては、外国人はわたし一人であり、その上日本人であったことから尋問に全力が注がれているような雰囲気であった。

その間も、待合所ではトーラー(ユダヤ教聖典)を声高に朗読する人々がいたり、警察犬を先頭に空港施設の隅々を点検しまわる兵士の姿が目に付き騒然としていた。

また、やたらと青年男女が軍服に身を包み、機関銃を手に持っている姿が目に付き、臨戦態勢の国であることを痛感させられた。

また、空港をでたら地対空ミサイルの地下壕が目に付き、平和な空港のイメージが吹っ飛んでしまった。

厳しいパレスチナ問題を抱えての皆兵的な防衛意識というより、2000年近く離散していたユダヤ民族が国家をようやく手に入れ、新国家建設の意欲がその情熱となって溢れているようにも感じられた。

 

街は掘り返され、赤土がむき出しになっており、アラブ風の古い家が壊され、天高くビルディングがあちこちに建設中である。その赤土の埃をまき上げ走るバスの乗客の3分の2は、ここでも戦闘服を着て銃を手にした青年男女である。たぶん高校生か大学生であろうか、彼らは軍服姿で授業を受けたり、遊びに行ったり、仕事をしたりと国土防衛に24時間体制で対処しているようである。

みなはちぎれんばかりの若さと熱気を戦闘服にみなぎらせ、与えられた任務に忠実たらんとする姿と決意を見せているのである。国を守るという、常に備えている姿に感動と感銘を受けるとともに、自由と平和の重みをかみしめているイスラエルの若者にふと不憫を感じた。

紫の花を咲かせているブーゲンビリアが、若者たちの気概に応えるように乾燥した赤い珪砂の土に耐えてその美しさを見せている。その根元には一本のチューブが引かれ水滴を落している姿は、人間を信じる純粋なる思いが伝わってくる。

水一滴が絶えることがないことを信じて蜜柑の樹や、ポプラの木が生きているように、イスラエルの青年たちもまた地の一滴を信じ祖国を守っているように映った。

 

イスラエル縦断の旅>

このイスラエル縦断の旅は、イスラエル全土を、4つのエリアに分け、北部はティベリア、中部はエルサレム死海エリアはエン・ゲティ、南部はエイラット、エジプトに返還されたシナイ半島エリアではダハブを宿泊拠点として、それぞれの旧約の世界とイエスの足跡をたどる。

北部ティベリアからは、ゴラン高原ガリラヤ湖・カペナウムの山上の垂訓の地を巡り、

中部エルサレムでは、ベツレヘムヘブロンを訪ね、

死海エリア・エン・ゲディでは、浮遊体験やクムラン渓谷のトレッキングにチャレンジし聖書の世界に迷い込み、

南部エリア拠点エイラットでは、エジプト入国ビザ取得・紅海遊泳・ヨルダン越境・ネゲブ砂漠でのラクダツアーを行い、

シナイ半島エリア拠点ダハブでは、紅海に潜り、聖カトリーナを訪ね、モーセが「十戒」を授かったシナイ山に登って創世記の朝日と対面する。

 

そして、モーセのエジプト脱出行とは逆に、シナイ半島西側およびスエズ運河東岸を北上し、この旅の最終地エジプトのカイロへ抜ける。

まずは行程表を見ておきたい。

 

             2001『星の巡礼 イスラエル縦断の旅』 行程表
       <ギリシャ/アテネイスラエル縦断⇒シナイ半島周回⇒エジプト/カイロ>
       
   行程日 都市(通過・拠点)名             訪問(観光・宿泊▼)先
       

10/24 Th

イタリア・ローマ空港発オリンピア航空    飛行機代 324900L
       
10/25 F イスラエル・ロッド ベングリオン空港着 バスでナザレに向かう
  ナザレ (マリア)受胎告知教会  
       
10/26 Sa ティベリヤ    
    ゴラン高原 ▼Meyouhas Youth Hostel
    ガリラヤ湖 サンタマリア号
    カペナウム 山上の垂訓の丘
10/27 Su   タプハ(トレッキング) パンと魚の奇跡の教会
  ナブロス/ジェリコ 癒しの地<カナンの地?> パレスチナ西岸エリア
       
10/28 M エルサレム ゲッセマネ ▼Citadel Youth Hostel
10/29 Tu   岩のドーム/オリーブ山 聖墳墓教会
    ダビデの墓 最後の晩餐の地
    鶏鳴教会 ペテロ協会
    シオン山 主の祈り教会
    ゴルゴダの丘 嘆きの壁
  ヘブロン アブラハム墓所 パレスチナ直轄地
  ベツレヘム 聖誕教会 パレスチナ直轄地
       
10/30 W エン・ゲディ 死海浮遊・トレッキング・休息 ▼Ein Gedi Youth Hostel
       
10/31 Th ネゲブ砂漠 ギブツ集落 ▼Eillat Youth Hostel
  エイラート アカバ エジプト入国ビザ取得
       
11/01 F 国境ターバー通過 シナイ半島東岸南下 ▼Mohamed Ali Camp 
11/02 Sa ダハブ シナイ山ツアー 30£ エジプト入国/タハブ着
    砂漠駱駝ツアー 聖カタリナ教会
    紅海シュノーケリング マシュラバ・リーフ
  ムハンマド・アリ・キャンプサイト(Single w/AC 20US$)  
       
11/03 Su ダハブ 14:00発(エル・シェイク経由) シナイ半島周回長距離バス 65£ 
11/04 M ➡カイロ 03:30着(▼バス車中泊 イースト・デルタ・トラベル社

11/05 Tu

11/06 W

    ▼Cairo International Youth Hostel
        Scheduled by Sanehisa Goto

 

 

 

《ティベリアを訪ねてーイスラエル縦断の旅スタートの街》

テルアビブ郊外のロッド・ベングリオン空港より、イスラエルの北方の街であり、このイスラエル縦断の旅の出発点であるティベリアの街へバスで向かった。途中、イエスが育ったナザレに立寄り、聖母マリアがイエス誕生を告げられる<受胎告知教会>を訪ねた。

 

<ナザレ散策>

受胎告知教会の地下に洞穴(礼拝堂)があり、天使ガブリエルがこの場所でマリアに現れ、「あなたは身ごもって男の子を産むが、その子をイエスと名付けなさい。」と告知されたと、新約聖書ルカによる福音書1:26~31に登場する。

ここイスラエルのナザレの地にもイタリア・アシジと同じ糸杉が迎えてくれた。

昨日、アシジで聖フランシスコに再会し、今日は受胎告知のあった、イエスの育ったナザレを歩いているのである。なんと心躍る二日間なのであろうか。

 

歴史的にナザレもまた、7世紀にはムスリムイスラム教信者)に占領されたあと、11世紀には十字軍の侵攻と崩壊と再建を繰り返された。その後オスマントルコ支配下に置かれながら、フランシスコの修道士のナザレ居住を許され多くの教会が建てられた。現在はクリスチャンとムスリムが半々住む静かな街である。

 

ナザレは古き良き静かな歴史の街である。それに反してイスラエルという国は若い国である。

アラブに囲まれたイスラエルは、たえず緊張感に満ち、生き抜く力を蓄えているようである。

そのような新しい国造りに励む若いイスラエルを、受胎告知教会の庭に立つマリア像は静かに見守っているように見えた。

 

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                     ナザレの受胎告知教会とマリア像

 

幼いイエスが伝道を始められるまでの約30年間両親と過ごし、育ったナザレの敬虔な雰囲気あふれる街を散策したあと、乗合バスで50分ほどにある今回の旅のイスラエル北部拠点ティベリアに向かった。

イスラエルの乗り物は、路線バスのほかにシェルートというミニバスがあり、行先は番号で表示され、例えばティベリア行はプレートに800とナンバーだけが書かれている。注意して乗車したい。

 

ナザレからティベリアへの路線バス#431、待つこと2時間超。隣のアラブ君がじっと待つ忍耐には驚いたものである。誰も文句も言わずただただ待っている。誰一人立ったり座ったりしないなか、短気な日本人はイライラが嵩じてきて、ミニバスのシェルートに乗り換えたほどである。

イスラエルの時間は大河のようにゆったり流れている。4000年の間ただただ耐えたユダヤ人は時間という大河に逆らわない<なるようにしかならない>という楽観的な民族と言っていいのだろうか。

ナザレの街には信号が一つもない。なぜこのような非合理がまかり通るのであろう。車は、お互いに譲らないので止まった状態、交差点は特にひどい。不思議なことに怒鳴りあうこともなく、警笛も鳴らされることはない。ここイスラエルでは、日本では出くわさない情景に多々出くわすことになる。

排ガスだけがもうもうと立ち上がる様にもみな無頓着であるから呆れてしまった。

 

<ティベリア滞在>

ティベリアに着いたら、公園の広場で子供たちがフェスティバル開催中、日本の運動会のように賑やかな声が行き交っている。300人はいるのであろうか、踊ったり、歌ったり、風船を飛ばしたりと賑やかである。異常なのは、子供たちを守るように多くの兵士が配置され、機関銃がにらみをきかしている風景である。

やはりティベリアもまた戦時体制下にあることを気づかされる。

 

ティベリアは北部の拠点都市、大変な人出、騒音、汚物で埋まり、まるでゴミ箱に放り込まれたように感じた。

やはり、聖フランシスコは豊かな緑の地アシジにあるがゆえに聖人としてあがめられ、イエスはこの騒然の中で神の子となられたことが理解できるような気がした。例えれば、泥の中の蓮の花がイエスであれば、清流の中に咲く清貧なバイカモ聖フランシスコといえる。

 

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                 ティベリアの中心街

 

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             ガリラヤ湖 (背景の高地がゴラン高原

                    Sketched by Sanehisa Goto

 

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           ガラリア湖に浮かぶ<サンタ・マリア号>

 

<▼ ティベリア  MeyouhasYH  ユースホステル連泊  18US$ VISA払い>

 

 

 

《10月26日 ティベリア2日目  快晴 28℃》

 

星に導かれて、とうとうガリラヤ湖にやって来た。

北斗七星の7番目の星はガリラヤ湖に発し、ガリラヤ湖北極星と私を結んでいる。

エスは今から約1970年前、このガリラヤ湖で人々に教えを説き、人々を苦しみから救われた。人々はイエスを神の子として受け入れ、付き従った。その宣教は、新約聖書のマルコの福音書第1章に詳しく書かれている。

第1章17節に「わたしについて来なさい。人間を取る漁師にしよう。二人はすぐに網を捨てて従った」という有名なイエスの言葉がでてくる。

 

エスの教えに聴き入った群衆と共にここガリラヤ湖にいることにいたたまれず、早朝、水と食料と懐中電灯を入れたリュックを担いで、宿泊先のユースホステルを抜け出し、瞑想するためガリラヤ湖畔に向かおうとしたが、各出入り口の戸はテロ警戒のためか、頑丈なロックチエーンで閉められ断念せざるを得なかった。

いたし方なくユースホステルのバルコニーから眼下のガリラヤ湖と、天空の星座を見ながらこの日記を書き、瞑想にふけることにした。

当時の群衆の一人として、イエスの教えに聴き入り、お魚のおすそ分けにでもあずかるという気分にさせられている自分に満足した。

 

早朝のガリラヤ湖は、神の恵みを受けてまぶしいほど朝日を照り返している。

おじいさんが静かな湖に釣り糸を垂らし、一匹の猫が魚のおすそ分けを待っている。その魚はセント・ピーターズ・フィッシュ(聖ペトロの魚)という。名の由来は、十二使徒の一人ピーター(ペテロ)がガリラヤ湖で釣りをしていると、口に銀貨をくわえた魚が釣れた事から来ている。

おじいさんは、1匹を腹をすかした猫に、1匹を私に、残りのすべての魚をガリラヤ湖にレリースして、にっこり笑って帰って行った。餌は食パンを丸めたものである。

スケッチし終えたセント・ピーターズ・フィッシュを、わたしもガリラヤ湖に返してやった。

セント・ピーターズ・フィッシュは、「ありがとう」と湖面を跳ねたあと、ガリラヤ湖奥深くの我が家へ帰って行った。今頃、今日の出来事を家族に聞かせていると思うと温かい気持ちにさせられた。

 

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          定番魚料理<セントピーターズフィッシュの唐揚げ>

 

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            セント・ピーターズ・フィッシュ

            Sketched by Sanehisa Goto

 

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             セントピーターズフィッシュ料理の看板の前で

 

 

<セント・ピーターズ・フィッシュ(聖ペテロの魚)

セント・ピーターズ・フィッシュは、ガリラヤ湖で獲れる白身魚である。焼くか揚げて塩とレモンをかけて食べる。

聖書(新約マタイ伝17:24)の中で、神殿に納める税についてイエスは次のように述べている。

ある日、神殿の集金人が弟子のペテロのところに納入金の集金にやって来たとき、イエスは弟子ペテロに「この世の為政者は税金を誰からとるのか。自分の子からか、それとも他の人たちからか」と尋ねた。ペテロ曰く「ほかの人たちからです」と。「それでは子は納めなくてよいわけだ」とイエスは言った。

すなわち、神の子イエスは神殿に納める税など支払う必要がないと言っている。

しかし、イエスは集金人の顔を立てるため、先程述べたようにペテロに魚を釣らせたところ、口に金貨をくわえた魚が釣れたので、問題を起こすことなく税金を納めたという話である。金貨をくわえた魚が、セント・ピーターズ・フィッシュ(聖ペテロの魚)といわれる。

 

イエス・キリストガリラヤ伝道の本拠地として有名なカペナウムの街がガリレヤ湖北西にあったが、歴史のある期間、廃墟となっていた。

その廃墟になったと言われるカーペナウムに是非行ってみたかったので、ティベリアから船で向かうため船着き場に行ってみると、朝8時出航の船は乗船者が少ないので欠航するという。いたし方なく徒歩とバスで向かうことにした。今日は金曜日(安息日前日)なので、午後2時から一切の交通機関が止ってしまうので、早く戻らねばならない。

ティベリアから09:30発カペナウム行きのバスに乗るが、帰りが心配である。カペナウム発の帰りの最終は12:30という。

 

 

カペナウムからの帰り、セント・ピーターズ・フィッシュ(びわ湖のブラックバスとそっくりな淡水魚)を積んだトラックがあったので写真を撮っていたら、運転手が帰ってきて「これは俺の魚だから俺の許可をとっていない」と言い出したので、魚に写真を撮ってもいいかと尋ねたら「いいよ」と言ってくれたから撮っていたのだと言い返したら、大笑い。

ユダヤ人はおっかないほど大声でまくしたてるが、相手が分かれば、急に親しくなり、楽しくなるのである。

 

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             今朝ガリラヤ湖で獲れたセント・ピーターズ・フィッシュ

 

 

<カペナウム遺跡散策>

カペナウムは、イエスガリラヤ宣教の本拠地であったことで有名であるが、その後7世紀からながい間廃墟となっていた。19世紀になってフランシスコ修道会の発掘によって現在の街になった。

カペナウムの背後の丘の上に「山上の垂訓」を述べられた場所があり、山上の垂訓教会が建っている。

 

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                       カペナウム遺跡

 

 

ガリラヤ湖 - イエス・キリスト宣教の地 - 山上の垂訓協会>

ここガリラヤ湖は、イエス・キリストがいろいろな奇跡を起こされながら神の教え(宣教)を宣べ伝えられた地である。

イエス・キリストガリラヤ湖の一望できる山上で説教された<山上の垂訓>がマタイ伝5~7章に書かれている。

この間イエス・キリストは、ガリラヤ湖北西のカペナウムに起居し、船(サンタマリア号)を湖に浮かべ、

「悔い改めよ。天国は近づいた」(マタイの福音書4-17)と湖岸の聴衆に教えを説いている。

また。ここガリラヤ湖の宣教で、イエスガリラヤ湖の漁師であったペテロとアンデレの兄弟と、ヤコブヨハネの兄弟の4人をはじめ生涯の弟子(12人の弟子)を決められている。

「わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしよう」(マタイの福音書4-18~22)と誘われている。

 

山上の垂訓は、わたしたちへの教訓でもあるのでいくつか書きだして心に留め置きたい。

山上の垂訓は、八角の<山上の垂訓教会>の壁にラテン語で書き記されている。

 

<山上の垂訓 - 新約聖書マタイの福音書5章~7章>

 

「心の貧しい人は、幸いである。天国はその人たちのものである。」

「あなたがたは地の塩である。あなたがたは世の光である。」

「腹を立ててはならない。」

「姦淫してはならない。」

「復讐してはならない。」

「敵を愛しなさい。」

「見てもらおうとして、人の前で善行をしないように注意しなさい。」

「施しをするときは、右の手のすることを左の手に知らせてはならない。」

「天に富を積みなさい。」

「明日のことで思い悩むな。」

「人を裁くな。」

「求めよ、さらば与えられん。」

 

<山上の垂訓の丘を歩く>

山上の垂訓の丘を歩きながら、喜太郎の<古事記>、エンヤのアルバムを聴き、瞑想にふけった。

今朝、カペナウムを訪ねるため、ティベリアからカペナウム行きのバスに乗ったが、運転手のうっかりミスでカペナウムを通過してしまい、随分走ってから告げられた。

こちらの確認でようやく気付いたのであろう、随分とのんびりしていたのには驚いたものである。パレスチナとの闘争でピリピリした都市部とは違い、地方は案外平穏であり日常の生活をうかがい知ることが出来た。

カペナウムに戻り、山上の垂訓教会に立つには、瓦礫の赤土の丘陵地を歩いてのトレッキングとなった。しかし幸運にもこのガリラヤ湖を眼下に歩く道は、イエスの歩かれた野道と一緒であることに気づき、わたしの内なる興奮は否応なしにも高まった。

わたしは今ただ一人、イエスと共に山上の垂訓の丘を歩いているのである。

ゴラン高原からの清い風が、ガリラヤ湖にさわやかに流れているではないか。

バスの運転手に感謝である。「イエスが歩かれた丘を歩いてごらんなさい」と私を連れて行ってくれたに違いない。

清々しく、幸せであった。

 

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                 ガリラヤ湖の闇夜を照らす光明の月 

 

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           カペナウムの小高い丘に建つ山上の垂訓教会で

 

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         山上の垂訓協会からガリラヤ湖・カペナウム/タプハの街を見下ろす

 

<タプハ ― パンと魚の奇蹟教会>

山上の垂訓教会のあるカペナウムから5分ほどのタプハ村に、イエスがこの地ガリラヤ湖で起こした奇跡に基づいて建てられた<パンと魚の奇跡の教会>が建つ。イエスの宣教を伝えている福音書は、イエスが5つのパンと2匹の魚で5000人を満腹させたと書かれている。(新約聖書 マタイの福音書14章14~21節)

 

カペナウムの小高い丘に建つ<山上の垂訓教会>から<パンと魚の奇蹟教会に足を延ばし、五千人のパンの奇蹟が行われた場所(この一帯をタプハと呼ぶ)を、聖書物語を思い出しながら歩いてみた。(ヨハネによる福音書6章4-13)

 

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       パンと魚の奇蹟教会              パンと魚のモザイク

 

ゴラン高原に立つ>

カペナウムの山上の垂訓の丘を訪ねたあと、ゴラン高原に足を延ばした。

ゴラン高原は、従来、ガリラヤ湖の北東に広がるシリアの領土であり、レバノン・ヨルダン・イスラエル及びシリアの国境が接する。

イスラエル第三次中東戦争(1967)で、北方の領土に対する脅威であったゴラン高原のシリアの砲台を占領し、実効支配をつづけ、その後(1981)併合して現在に至っている。

イスラエルにとって、ゴラン高原は、戦略的にはもちろん、ガリラヤ湖に流れ込む水源地としての大きな価値を有する生存権確保の地でもある。

ゴラン高原では、多くのキブツ(共有財産方式集落)やモシャブ(個人資本色の強い集落)が建設され、現在も併合が進められている。

 

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            世界の火薬庫の一つと言われるゴラン高原に立つ

 

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     ガリラヤ湖周辺トレッキング         ゴラン高原の地図 (Asahi Student News)

 

 

ヨルダン川

ゴラン高原ヘルモン山を源流とするヨルダン川は、ガリラヤ湖にそそぎ込み、ヨルダンとの国境を流れ、死海に注ぎ込む全長約425kmの内陸河川である。その流域は豊かな緑に恵まれているが、取り巻く丘陵や山岳地帯は乾燥した砂地や岩石のころがる不毛地帯である。

 

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              ゴラン高原に発するヨルダン川

 

 

ゴラン高原に思う「平和の願い」>

この荒涼とした赤き砂地のゴラン高原にも2月から3月にかけて緑の中に野花が咲くという。

国境のない紺碧の天空に吸い込まれて飛翔する自分を想い描いていると、地球に存在する自分が小さく見えてくるから不思議である。人類は戦いをやめず、平和を犯しあって己のテリトリーを広げようとする。そこには不安と、神をも恐れない欲が渦巻く汚い地球があるに過ぎない。

 

ご存じだろうか、ここゴラン高原には、聖書の時代5000年のルーツをもつ人類に平和の象徴・ワインを提供し続けてきた世界最古の産地の一つがある。ゴランのワイン生産の起源は、世界に散らばるユダヤ教徒向けの聖酒としての<コーシャ・ワイン>である。現在ではゴラン・ハイツ・ワイナリー産の<ヤルデン ピノ・ノワール>が有名である。

 

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              GOLAN HEIGHTS WINERY YARDEN Pinot Noir

 

 

イスラエル支援ボランティアーエズラ作戦>

ゴラン高原より戻り、ティベリアの街では、世界各地から集まった老若男女の<イスラエル支援ボランティア>のグループに出会った。

これらボランティア達は、イスラエルに献身するボランティアを支援する団体<エズラ作戦>等によって運営されている。

街角でボランティアを終え、帰国前のアメリカ人・リタイアグループ3人から、ボランティアの動機について聞いてみた。

彼らはユダヤ人ではなく、アメリカ人だという。リタイア―(引退)後、イスラエル建国の役に立ちたく<イスラエル支援ボランティア>に参加して6年目、コロラド・ニュージャージ・サウスカロライナ各州から参加しているという。

支援プロジェクトは色々あって、自分たちは医者だったので、医療現場での支援にあたったとのこと。衣食住の支援があり、ボランティア後イスラエル各地を旅行して帰国するのが楽しみだという。

福音教会派のクリスチャンであり、聖書に出てくるイエス・キリストの宣教の道をたどるのが至福の時間だという。

<I SERVED IN ISRAEL>ロゴの入ったTシャツを見せて、写真に撮ってくれという。

好々爺の嬉しそうな、ボランティアをおえ幸せそうな顔が印象的であった。

エズラ作戦>は、里親・キッズ・フードバンク・ホロコースト生存者・新移民ウエルカム・大工・テロ被害者・救出・医療・ボランティア・希望の糧・災害ほか多くの支援プロジェクトを用意している。ほかにボランティアやプロジェクトを支援する献金も受け付けている。

 

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          イスラエル支援ボランティア参加のアメリカの老戦士たちと

 

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               イスラエル支援ボランティアのTシャツ 

 

 

<十分の一税・献金> 

ユダヤ人やキリスト教徒等が宗教組織や祖国を支援するため支払う、ある物の十分の一の部分のことをいう。

アメリカに在住していた時、多くのユダヤアメリカ人と接したが、そのほとんどの友人がユダヤの国イスラエルに対して毎年<十分の一献金>を送金していたことを覚えている。

これらの世界中からのユダヤ人による献金は、イスラエル防衛・移民促進・国家財政・共同体支援・教育医療等に回され、イスラエル国の発展維持に使われている。

 

紀元前1世紀ごろ、ここパレスチナの地に形成していたユダヤ人国家は、ローマに征服され世界中にディアスポラ(離散)した。 

以来ユダヤ人は、2000年近く統一した民族集団を持たず、ヨーロッパを中心に世界中に移住し、離散した。

彼らは、ユダヤ教信者又はユダヤ人の親を持つユダヤ人として、ディアスポラ以降世界各地で共同体を形成し、タルムードを中心にユダヤ教の信条と秘儀を厳守してきた。

その後、彼らは各家庭を中心に、ユダヤ人コミュニティーを作り、信仰を守り、迫害に耐え続けていたが、19世紀からシオニズムイスラエルの地パレスチナに故郷を再建する)運動がおこり、パレスチナの地にユダヤ人の帰還が始まった。

結果として、20世紀に入りパレスチナへのユダヤ人の流入が止まらず、パレスチナのアラブ人とユダヤ人の対立は収拾がつかなくなった。

1947年、国際連合パレスチナ分割決議がなされ、翌年ユダヤ人国家「イスラエル」の独立宣言がなされた。

 

その誕生間もない新国家形成を援助するため、世界中のユダヤ人の多くが<十分の一献金>運動に参加し、その献金額は莫大な額となり、中堅国の国家予算に匹敵するとも言われている。

世界の各国に定住するユダヤ人の職業である医者・弁護士・学者・貴金属ブローカー・世界有数のIT起業家はじめ、ノーベル受賞者が多いことからもわかるようにその献金能力の高さがうかがい知れる。

イスラエル建国に反対したアラブ諸国との数次にわたる戦争にあたっても、小国であるはずのイスラエルが勝ち続けているのも世界中の仲間からの浄財による圧倒的な最新兵器の保有と、敵地に囲まれた兵士の祖国防衛の意識の高さにあるといえる。

このイスラエル縦断旅行でも、各地でイスラエルの決死の防衛姿勢を度々目撃することとなった。

そこには<選ばれた民族の存亡>を自覚した全国民いや全ユダヤ民族の決意がみなぎっているからだとみた。

現在も、休むことなくパレスチナの砂漠を緑に換える運動が、祖国防衛のかたわら続けられている。

その情熱と理想郷の建設と祖国防衛にユダヤ人の心髄と覚悟を見た思いである。

 

《10月27日 土曜日 ユダヤ教安息日  ティベリア2日目 快晴 》

 

ティベリアでの滞在先である<メヨウハス・ユースホステルMeyouhas Youth Hostel>は、ほぼ街の真ん中にあり、どこへ出かけるのにも便利である。お世話になるドミトリーは二段ベットが3台、6人部屋である。(ドミトリー朝食付1泊@18US$ VISA使用)

バス停にも近く、正面にはスーパーもあって便利である。

ユースホステルの朝食は、ハム&エッグ、チーズ、コーヒー、ミルク、イチゴジャム、ロールパン2、ヨーグルト、野菜サラダ(トマト・キューり・ピーマン)であった。

この朝食で、イスラエルに来てはじめて沢山の小さい蝿に襲われたというより、刺された。多分、老バックパッカーが発する長旅の匂いに対して食いついてきたのであろう。今日はどうしても温泉につかり体をきれいにしたいものである。

 

今日は、ユダヤ教安息日・シャバット(ユダヤ人の安息日で、ユダヤ教の存続の源泉)である。ユダヤ系の商店はみな閉まり、あの騒然とした街中は静まり返り、シナゴークヘ急ぐ正装の数組のユダヤ人家族と、観光客のみが目に付く静かな土曜日の朝である。

ユダヤ教が6000年近く保たれてきたのは、この安息日・シャバットを中心にトーラやタルムードの戒律を守り、学んできたことにあるといっていい。

 

朝食のあと、ガリラヤ湖の遊覧船<サンタ・マリア号>に乗って、湖上よりイエスの奇跡をたどった。

まず驚いたのは、乗船場の周りには鉄条網をはりめぐらせた高い塀が立ちはだかり、スタッフ全員がラフな格好にむき出しのピストルを太い皮ベルトに、無造作に突っ込み、乗船客を出迎え、案内してくれたことである。パレスチナとの緊張関係がひしひし伝わる場面である。

日本のような安全と平和は、ここイスラエルにはないことが分かる。自衛こそビジネス成立の最大の要件であるといっていい。08:00出航というが、いつになることかのんびりしたものである。

昨晩、深夜まで隣のドミトリーに泊っていた高校生たちが大声で激論というか、推測だがタルムードを輪読しながら、各自が意見を述べ戦わせていた。

お陰で寝不足である、サンタ・マリア号の出航までこちらは居眠りである。

 

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      ガリラヤ湖上体験乗船―イエスが湖上より宣教したサンタ・マリア号         

 

 

ガリラヤ湖に学ぶ>

ガリラヤ湖には多くの高校生が聖書やタルムード研究を兼ね、修学旅行に来ていた。もちろん世界各地にあるユダヤ人学校の生徒たちである。彼らは大切そうにタルムート(ユダヤ教徒の生活・信条がおさめられている聖典)を手に、このヘブライ語で書かれた貴重な教科書を開きながら、引率のラビ(ユダヤ教聖職者)の解説を真剣に聞き、生きた勉強に励んでいた。

<Gods always with us>とラビはしめくくり、サンタ・マリア号は帆先をティベリアの港に向けた。

船を下りる直前には、一列になって全員手をつなぎガリラヤ湖に向かって祈りをささげる姿こそ、次世代のユダヤ人を育てる教育の原点であるように思えた。

この祈りの隊列越しにカペナウムの街を望見していたら、背後に鋭い視線を感じた。生徒を守るために乗船していた若い兵士の銃口がこちらに向けられていた。彼は唯一人のアジア人に警戒心を怠っていなかったのである。一瞬緊張が走ったが、若き同胞である生徒を守ろうとする兵士の心情を理解することが出来たので畏敬の念を持つとともに、静かに心を落ち着かせることにした。

 

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                                     ガリラヤ湖に降り注ぐ天使の梯子(はしご)に迎えられる

 

 

ガリラヤ湖で泳ぐ>

サンタ・マリア号を下りたあと、とうとうガリラヤ湖で泳いだ。あのイエスの弟子たちが恐れた暴風のガリラヤ湖で泳いだのである。

ユダヤの住民や観光客が体力づくりのためか、イエスの教えを肌で感じるためか、また瞑想をしているのか多くの人がガリラヤ湖の水中歩行を楽しんでいる。

少し濁ったガリラヤ湖に起こる波の音を聴きながら、紺碧の青空に溶け込んで、背泳ぎを楽しんだ。

対岸の坊頭山であるゴラン高原の山々は、紫の夕陽に照らされて、静寂の中で同じく瞑想をしているように見える。

ガリラヤ湖畔で白い半月が残るガリラヤ湖ゴラン高原をスケッチしながら、イエスが宣教された約2000年前の歴史の日差しを楽しんだ。

しかし、聖なるガリラヤ湖もまた、多くの観光地と同じく湖岸のゴミの山には目を覆いたくなるほどであり、痛ましい限りである。

いつものようにささやかな湖岸のボランティア清掃、少しはおのれの心の掃除が出来たようで、軽やかになった。

 

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      ガリラヤ湖畔より紫染まるゴラン高原を遠望    ガリラヤ湖畔で2000年前の歴史の日差しを浴びる

 

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                             ガリラヤ湖畔より対岸のゴラン高原をスケッチ

 

 

ガリラヤ湖の温泉>

ティベリアの街より20分ほど南に行ったガリラヤ湖畔にある温泉に出かけ、泳ぎによって冷えた体を温め、長期の旅行での疲れた体を癒した。

今日は金曜日で午後4時までの営業であるという。(入浴料57FINとロッカー代’7FIN、計64FIN)

ユダヤ教安息日前日で、あすの土曜日(安息日)に備えているようである。

ここティベリアの温泉は、多くのヨーロッパの温泉と同じくプール型で水着着用である。

 

屋内・屋外温泉プールとサウナで構成され、古風なレンガ造りの建物の中の各施設は清潔であり、明るい。

温泉は地元の交流の場でもあり、プールサイドでファッションショーが行われていた。飛び入りの肥満のおばさん達にみな手をたたいて爆笑、若い娘さんたちも美しい姿態を輝かせてのオンパレード、天真爛漫な民族性に大喝采である。

イスラエル全土の戒厳令的な生活の中で、人々はこの国の建国に自信と夢を託し、ひとり一人が役割を自覚しているようであり、笑いとユーモアが満ちていた。

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                     Hamei Tveria Hotspring                        ティベリア温泉の施設・温水プール

 

ガリラヤ湖は、海抜マイナス213mにある淡水湖であり、わたしの住むびわ湖によく似ていて懐かしい。湖面の波紋は、平常は穏やかであるが、荒天時の波高は最高で1.5mを越えるらしく、八講降しのびわ湖によく似ている。

またびわ湖(674km2)も<びわのうみ>というように、かなり小さいここガリラヤ湖(166km2)も聖書では<ガリラヤ海―Sea of Galilee>と呼んでいるのも、その歴史の深さを感じる。

更にガリラヤ湖に棲むセント・ピータ―ズ・フィッシュは、びわ湖に棲む外来魚ブラックバスにそっくりであり、これまた親しみ深いものがある。

2000年ほど前、イエスはここガリラヤの地を宣教の地として選ばれ、山上の垂訓を述べられた。

弟子たちが小さな船に乗りガリラヤ湖を渡り、カペナウムに向かっていた時、強風に煽られ船が沈むほどであった。そのような時イエスは湖上を歩かれて近づき、

「恐れることはない。わたしだ。」<ヨハネ福音書6章16~21>

 といわれ、恐れる彼らを勇気づけて、無事カペナウムに導かれたとある聖書の一説を思い出していた。

 

ここティベリア温泉を中心とした避暑地は、昼間の32℃から夜間の3℃と、特に夜は涼しい。ゴラン高原に展開する国連平和維持軍の将兵が休暇を楽しむ姿が多く見かけられた。

 

夕食は、久しぶりに栄養をつけるため中華料理を食べにティベリア市内にある<文茗閣>に出かけた。

メニューは、ビーフ・チャイニーズベジタブル炒め、ポークのスイート&サワー、フライドライス(炒飯)、セント・ピーターズ・フィッシュの唐揚げ、エッグスープと豪華である。もちろん食べきらないので残りをテイクアウト、夜食に充てることにした。

 

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ガリラヤ湖畔に面したティベリアの街     ガリラヤ湖上のサンタ・マリア号にてティベリアを背景に

 

<▼10月25~27日 ティベリア滞在  Meyouhas Youth Hostel連泊  ドミトリ1泊18US$ >

 

 

 

《 10月28日 エルサレムをベースに旧約の地巡礼 ヘブロン/ベツレヘム散策 》

 

エルサレムに向かう>

エルサレム行バス(バス#963 エリコ経由)は、夕闇迫るヨルダン川の流れを紅く染め、対岸のヨルダンの村々の灯火が点き始めている風景を見せてくれる。

またバスは、ティベリアとエルサレムの中間、Nabulus/ナブルスでトイレ休憩、途中沢山の防禦用半地下トーチカや検問所を通過、臨戦態勢のイスラエルの国を守る姿勢と覚悟を見せられる。

 

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           イスラエル全土でみられる防禦用半地下トーチカ

                                           

現在のイスラエルは、主権と生存権を認めないアラブ諸国との本格的戦争は避けられてはいるが、いまなおイスラエルの独立を認めないパレスチナとの臨戦体制下にあることには変わりない。

 

すでに述べたように、1947年国際連合パレスチナ分割決議を成立させたのに応じ、シオニズム運動はイスラエルの独立宣言に引き継がれる一方、分割に反対する周辺アラブ諸国パレスチナに侵攻し、第一次から第四次中東戦争へと発展していった。

その後、アラブ国家との戦争は避けられ、非政府組織であるパレスチナ解放機構PLO)などとのゲリラ・テロ戦争へと変化してきている。

イスラエルは、徴兵制のもと臨戦態勢下にあるのである。

<注 : 2020年11月末現在、アラブ諸国の一部、UAEアラブ首長国連邦)やスーダンサウジアラビアは、アメリカの仲介によるイスラエルとの技術提携を求めて国交正常化を持ち始めている>

 

 

天地創造の地、パレスチナ

そこは地の塩を囲む、赤い砂の世界である。

過酷なまでに人を寄せ付けないこの不毛の地に、人の精神だけで生きてきた時の流れがいまなお脈打ち続けている。

純粋にしてすべてをもぎ取られたような涸れ果てた地の底から、沸き起こる純粋な光が神々しさを醸し出している不可思議な地である。

小さな一粒の赤い砂、手植えされた緑の葉っぱ、砂漠にしみ込んで消えゆく引かれた一滴の水、そこに降り注ぐ一条の太陽の光、一陣の風に舞う砂埃、目に飛び込む一瞬の砂漠の風景にここパレスチナの流れゆく時の豊かさとともに、不毛のなかにみなぎる宗教性を感じる。

不毛の土地でありながら、そこには慈愛に満ちた神のあたたかい導きを感じるのである。

 

いま、ティベリヤからバスに揺られて緑豊かなヨルダン川の西岸<ウエスト・バンク>を南下し、飛び地であるエリコを経てエルサレムに向かっている。

 

<エリコ・Jelichoという聖書の街>

バスは、ここウエスト・バンク、パレスチナ自治地区であるエリコの街に立寄り、エルサレムに向かって走り出した。

いまから3000年も前、モーセに率いられてエジプトを脱出したイスラエルの民は、シナイ山モーセ十戒を授かり、モーセの後継者ヨシュアの指揮のもと、シナイ半島の砂漠を40年間彷徨したあと、神によって約束された待望のここカナンの地に入った。

ここエリコは、街の周りを7回ラッパを吹いて回ったら城壁が崩れ落ちたという有名な<エリコの戦い>の舞台である。

旧約聖書ヨシュア記6章3-5)

 

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       ヨルダン川西岸を染める聖なる夕焼け (ウエスト・バンク・エリコ)

 

 

エルサレム到着>

エルサレムのセントラル・バス・ステーションでは、発着するすべてのバスを利用する乗客に対して、空港で行われるX線検査ではなく、より丁寧確実な手/目/鼻/耳を使っての徹底したマンツーマンの手荷物・身体検査を受ける。

バス停を出た時には、すでに夜9時ごろになり今夜泊るユースホステルを探すのも億劫になって来たので、タクシーの運転手に頼んでみた。連れていかれたのはユダニズム(シオニズム)の世界連盟が運営する宿泊施設でユースホステルと同じく世界中のユダヤ青年に安全な宿泊施設を提供している。もちろんユダヤ人以外の宿泊も大歓迎であるが、わたしのエルサレムでのスケジュールを聞き、旧市街にあるシタデル・ユースホステルを紹介するという。

 

エルサレム巡礼の前に、ヘブロンベツレヘムを訪問することにしてエルサレムでの滞在先であるシタデル・ユースホステルエルサレム旧市街アルメニア人地区・ヤッフォ門から約5分)に荷物を置き、ヘブロンベツレヘムに出かけることにした。短期間のエルサレム滞在になるため、同室者に気を使わなくてもいいように部屋はシングルルームとし、次なる旅先であるアフリカ縦断に備えて体を休め、アフリカ行きの準備に備えることにした。

朝食付き1泊43US$で、シングルルームといっても、ドームである4人部屋を借り切るだけのことであるが、久しぶりに広い部屋に一人寝である。

 

このYHの部屋から旧エルサレムを取り囲む城壁が見える。ライトアップされ美しく、聖書の世界にいることを実感させられる。しかしできれば、わたしにはイエスの生涯最後のエルサレムという暗闇と静寂の舞台設定が欲しかった。

 

<▼10月28~29日    エルサレム  

             シタデル・ユースホステル連泊  シングル@43US$>

 

ヘブロンベツレヘムの街は、エルサレムやエリコと同じくヨルダン川西岸地区パレスチナ自治区/ウエストバンク>にあり、1967年の第三次中東戦争以来イスラエルの占領地となっている。

現在、エルサレムヘブロンベツレヘム・エリコを含む西岸地区は、イスラエル軍パレスチナ政府によって統治されており、多くのイスラエル軍兵士よってパトロールされている。

 

エルサレムからは、アラブバスが運行されており、北西にあるセントラルバスステーションのヤッファ通りに面するバス停のバス#23に乗車(5NIS)し、約1時間30分でヘブロンに着く。

また、ダマスカス門を出たところからもヘブロン行ミニバスが出ている。

 

ヘブロン散策― 旧約聖書・マクペラの洞窟>

エルサレムから一歩郊外に出るとイスラエル軍は臨戦態勢である。ヘルメットをかぶり、重機関銃を構え、装甲車で停止線をつくり、引き金に指をかけている。アラブ・パレスチの襲撃(テロ)に備えているのだろうが、実に生々しく、緊張感が走る。

平和な日本から来た者にとっては異様に感じるが、ここ聖書の地は、旧約の時代から緊張の中に平和が保たれてきたのである。

パレスチナ側の心情も痛いほど理解できる。

再度、ユダヤ民族のディスポラス(離散)の歴史をのぞいておきたい。

エス誕生の1世紀ほど前、支配者ローマに反乱してユダヤ民族は追放され、ディアスポラ(離散)を余儀なくされた。このユダの地(イスラエル)を離れ、世界中に散らばったのである。

1945年シオニズム運動のもと、2000年程前のパレスチナの地への帰還を国際連合の決議によって認められたが、その間エルサレムや各聖地を守り続けてきたのは、ユダヤ民族無きあと祖国としてきたパレスチナの国であり、パレスチナ人であった。いくら祖父の地であるといって帰還してきたユダヤ人に、これまた彼らの祖父の地を明け渡す理不尽さに抵抗するのは当然であるとパレスチナの人々は考えているのである。

この両者の当然の主張が、相譲ることのできない不審と憎しみと戦いを続けさせているのであり、交わることのない主張が存在し、終わりなき敵対が続いているように思える。

ユダヤ人の理不尽なパレスチナ帰還、イスラエルの建国は、反対にパレスチナ人のディアスポラス(離散)を引き起こそうとしていると、パレスチナ人やアラブ諸国は危惧しているのである。

 

エルサレムを離れると、瓦礫と岩がゴロゴロした赤い丘が続く。このような荒れた土地だからこそ人々は神にすがったのであろう。イエスがこの地に生まれたことが当然なように思えてならない。

自然との熾烈な戦いのない豊かな地にイエスが誕生することはなかったといえる。

 

ヘブロンは、パレスチナ政府の管轄下にあり、ヘブロン出入りの車やバスはイスラエル軍によって厳しくチェックされる。

ヘブロンには、イスラエル最初の族長アブラハムの墓がある。

アブラハムは、ノアの洪水後、神による人類救済の出発点として選ばれ祝福された最初の預言者であり、「信仰の父」とも呼ばれる。ユダヤ教イスラム教、キリスト教の祖であり、預言者であり、聖人でもある。

旧約聖書『創世記』23章8-9節におけるマクペラの洞穴の記述は、妻サラを埋葬するためにアブラハムがマクペラと呼ばれる地を含んだ畑をヘト人エフロンから買い取ったとある。

「民族の父母」と呼ばれるアブラハム、サラ、イサク、リベカ、ヤコブ、レアの6人が埋葬されており、「マクペラの洞窟」はユダヤ教第2の聖地であり、キリスト教だけでなく、イスラム教徒からも聖地とされ、巡礼者があとをたたない。

 

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イスラエル軍ヘブロンへの検問所  ヘブロン市街への緩衝地帯を抜けて<マクペラの洞窟>へ向かう

 

緊迫したイスラエルパレスチナの争いのなか、どこから迷い込んできたのか真っ白い鳩がアブラハムの墓の上にとまっているのに出会った。緊迫した情勢の中にものどかさと、融和を求めるしるしに見えた。アブラハムやその家族の墓を管理するのはパレスチナ側で、中ではイスラム教徒もユダヤ教徒も共に詣でているが、礼拝所はそれぞれ別々になっている。

 

アブラハムの墓のあるマクペラの洞窟の周りは、誰も住まない死の街だが、追い出されたパレスチナ人の家にイスラエルの旗がひるがえり、電気屋が商売を始めている。入植は危険だが、ユダヤ人はこの危険こそ国のためだとの考えから、どんどん入植を進めているのが現状である。ユダヤ人のイスラエル建国への想いは、入植という形で拡張されて行っているように思える。

 

無人である緩衝地帯<死の街>をとおり、アブラハムの聖所に向かっている時、若いイスラエル兵の一隊が私を取り囲み、「よくここまでたどり着きましたね。ここからは私たちがあなたを守ってこの緩衝地帯を通過します。これは私たちの役目であり、義務です。」と、声をかけてきた。

さっそく防弾チョッキを着せられ、各人自動小銃を構え、先頭の指揮官、わたしを中に前方・後方の左右に兵士4人が守り、後方に無線機を持った兵士の6人の構成である。たえずテロによる狙撃を警戒しての前進防禦の姿勢である。緊張感に解放されたとき、すでにアブラハム墓所である<マクペラの洞窟>の入口に立っていた。

 

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               ヘブロン・マクベラの洞窟付近地図

 

 

人が生活している、人がそこにいる、それだけで人間というのは安心感にひたれる。

戦場や国境の無人地帯ほど不気味さを感じ、不安を感じる所はない。この世から人間が消えてしまったような無が支配する空間といえる。これは山や氷河や海上での孤独感とは違って、生命の鼓動を感じることのできない虚無の世界であるといえる。

小学1年生の時、日本への引揚げ前に経験した、北朝鮮に侵攻され廃墟となったソウル(京城)を彷徨した時も死の街を歩いた。また世界各地を回りながらそれぞれの国境を徒歩で横断するときの無人地帯の不気味さを思い出していた。

 

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   無人緩衝地帯の不気味さ       マクペラの洞窟(ヘブロンアブラハム・モスク 

 

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    マクペラの洞窟にはアブラハムや妻サラ、家族の墓がある          アブラハムの聖所

 

             

アブラハムの墓では、警戒のイスラエル兵も銃をおき、防弾チョッキを脱ぎ、キパ(ユダヤ教男子の帽子)をかぶり墓に詣でていた。墓所では、神のもとジューイッシュもムスリムも、クリスチャンも平等公平であり、それぞれの信仰を邪魔しないという暗黙のルールが成立しているようである。

この日、アブラハム墓所には観光客はわたし一人であり、ムスレムの行者数人がコーランを唱え、瞑想にふけっていた。

どうも現在のイスラエルパレスチナ関係の険悪化から観光ツアーは組まれていないようである。

この時期のただ一人の観光客として、イスラエルパレスチナ両サイドからそれぞれの歓待を受けていたようである。また両サイドからそれぞれの和平願望の度合いを伝えるため、好意的待遇を与えてくれたのであろう。

 

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      ヘブロン旧市街入口             ヘブロン旧市街市場

 

アブラハム墓所にぬかずいたあと、イスラエル小隊による6人の護衛を受け帰路に就いた。

ヘブロンの旧市街を散策し、ヘブロンよりベツレヘムの街に乗合バスで向かった。

しかし途中、道路がバリケートで封鎖されているということで、バスは通過できないとのことである。乗客は降ろされ、シェルートという乗合ワゴンでヘブロン脱出ということになった。

 

ベツレヘム散策―イエス生誕地>

西岸地区(ウエストバンク)にある飛び地・パレスティナ自治区ベツレヘムへは、ボーダライン(イスラエルパレスチナの境界線)を越えて旧市街に、われわれの乗ったシェルート(乗合ワゴン)は入れないということで、乗客は降ろされた。

ヘブロンと同じく入域するためにはイスラエル軍の厳重な検問を受け、緩衝無人地帯を歩いて行くことになる。

 

私はいま緩衝無人地帯、戦闘地区の最前線にいて、いつ狙撃されるかもしれないと思うだけで恐怖を感じる。この荒涼とした無人地帯が、もし登山中であれば冒険心をかきたてられるであろう。人間さえいなければ、ここパレスチナの地も蜜に溢れた桃源郷であろうと思う。人間の存在は、愛と共に醜さをもたらすものであることを強く感じた。

 

蝋燭の光が揺れるこの薄暗い<聖誕教会>が、イエス・キリストが生まれた飼い葉桶のあった聖なるところである。あの東方の博士たちがラクダに乗り、流れ星に導かれて、この地にやってきて幼子イエスに拝したように、わたしも又東方日本よりやってきてこの聖なる場に座ってしばし瞑目した。

外の騒しさは消え、静寂だけが漂っている。ヘブロンアブラハムの墓の物々しい警戒に比べたら、ここ聖誕教会の聖なる地にはほとんど人影無く、だれでも自由に詣でることが出来た。

 

ここベツレヘムは、ヘブロンと同じくパレスチナ自治区が統括管理しているが、その治安に驚くほどの違いがあるのには驚かされた。

 

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           ベツレヘムパレスチナ自治区)のメインストリートで

 

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    パレスチナ武装闘争民兵募集の貼紙          聖誕教会のメンジャー広場にて

 

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     聖誕教会             洞窟跡にあるイエス生誕飼い葉桶

 

聖誕教会の入口付近に馬小屋として使われた洞窟があったといわれ、現在はベツレヘムの星を配した祭壇が置かれ、イエス生誕地であることを示している。

燭台の上の蝋燭の炎が揺れ、その前にある飼い葉桶に生誕のイエスが寝かされたのである。

子供のころ教会学校ではじめて聞いた、あの清らかな主イエス降誕を祝う讃美歌(109)とオルガンの音が、こころに響き広がって行った。

久しぶりに、清々しい<無の風が>体を吹き抜けていった。

 

「きーよしこの夜 星はひかり すくいーのみー子は まぶねーの中に ねむりーたもうー いーとやーすくー」

 

イスラエル兵による厳重な警戒のもとにあるヘブロンやベツレムヘムの散策で、おおくのパレスチナの住民にであった。露店でバナナを買ったとき、貧しい服装のパレスチナの主人は東洋からの客人と知って<Welcome to Palestine !>といい、代金を受け取ってもらえなかった。多くのパレスチナの人々は人懐っこく、純真な人びとである。いつの世も政治と民衆は切り離してみることであろうか。

乗合バスでも、運転手の手渡してくれたヒマワリの種を口に含んで、バスの窓から殻をお互い吹き飛ばしては友情を深めたのである。

しかし、ヘブロンにしても、ベツレヘムにしても大きな街であり、雑然とした街並み、騒然とした賑やかさに少し失望させられたことも事実である。ひっそりとした聖書的静寂さと人々の生活を想い描いていただけに、願望に過ぎなかったことに気づかされた。

 

ヘブロンベツレヘム訪問を終え、アブラハムの墓では帽子をかぶれと警備のイスラエル兵士に言われ、聖誕教会では帽子を脱げといわれた真逆の指示に、いまだ真意を計りかねている。帽子を脱ぐと云うことは聖なる場所では当然のマナーと思うがいまだその意味を解しかねている。これまたテロへの警戒からか。

 

ヘブロンベツレヘムというパレスチナ自治区への路線バスは、その時のイスラエル・パレスチニア間の政治情勢やテロによる騒乱などにより突然の運転休止が度々行われる。代わりに乗合ワゴンが地区別に乗客が集まり次第出ているから問題はない。

またバス路線には、緊急突発時に備えて脱出路があり、道路がバリケートやブロックでふさがれたり、爆弾による道路陥没を避けるための裏道が完備している。ただ慌てることなく乗客と同じ行動をとっていれば安心である。道なき道を脱出することになるが、これまた問題はなく、心配することはない。ここはパレスチナなのであり、すべて覚悟して行動すればいいだけである。

 

危険を感じたといえば、ヘブロンアブラハムの墓に向かう道中の無人地帯であろうか。この無人地帯を抜けなければイスラエル兵が占拠しているアブラハム・モスク・エリアに入れないのだから、覚悟が必要である。この緩衝・無人地帯の向こうに護衛のイスラエル兵が迎えてくれたことは先に述べた。イスラエル兵に迎えられるまで、死の恐怖を感じたといえば大げさだが、猫一匹の動く音に肝を冷やしたり、こわれた窓からの狙撃におびえて軒下を縫って歩くのだから、まるで真剣な戦争ごっこである。

住民の強制退去によって出来上がった無人地帯は、住民の生活があっただけに、その廃墟は空虚な空間として無機質に残された遺跡の静寂さが漂う。不気味であり、おのれの足音にも冷汗をかいたが、イスラエル兵の小隊に出迎えられた時には、こころから安堵したものである。

 

では、ベツレヘムを後にして、乗合ワゴンでエルサレムに戻ることにする。

 

夕方、嘆きの壁に出かけ、広場のうしろに座ってユダヤ教徒の敬虔な祈りの場に接した。

 

 

             

                 

            『星の巡礼 イスラエル縦断の旅』Ⅱ

              <エルサレム旧市街を歩く>

                   に続く

 

 


     

 

 

 

2020『星の巡礼 志賀の里歳時記』Ⅱ

『2020志賀の里・歳時記』 Ⅱ (5月25日~ 12月末日) 

2020 Shiga-no-Sato Glossary of seasonal words (for haiku poets)Ⅱ

<May 25, 2020 ~December   >

 

 

■2020_05_25   亡き父の122回目の生誕日

122nd birthday of my late father

 

今日は49年前に召天した私たちの父であり、祖父、祖々父である誠(まこと)の生誕122回目の誕生日である。

彼は激動の歴史を生き、東洋の民主主義のあけぼのに立ち会った一人であり、自由と平等の世界が到来した現代を喜んでいる一人であった。

尊敬する父の子、孫、曾孫としてこの世に生を受けたことに感謝し、こころより生誕日を慶び、偲びたいと思う。

彼は、創世記3:19 「あなたは、顔に汗を流して糧を得、ついに、あなたは土に帰る。」人であった。

 

《 父偲び 想ふ心や 鶯の 

        晴れやかな歌 いまだ響きし 》

  ―ちちしのび おもうこころや うぐいすの 

               はれやかなうた いまだひびきしー

 

Today is the 122nd birthday of Makoto, our father, grandfather and great-grandfather who was 49 years ago.
He lived in turbulent history, witnessed the breaking down of oriental democracy, and was delighted with the present age of the world of freedom and equality.
We thank you for being born into this world as a son, grandson, and great-grandson of your respected father, and we would like to congratulate and remember your birthday from the heart.
He was a Genesis 3:19 man, "You sweat on your face to gain food, and at last you return to the soil."

 

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■2020_06_14   ① コロナによる自宅待機でデッキ改修に励む

              ② ブログ作成:『シルクロード・イラン横断』

① Work hard to repair the deck by waiting at home by Coronavirus

② 2004 Blog <Pilgrimage of the Stars across the Silk Road and Iran>

 

アジアでは一定の終息に向かっている新型コロナウイルスも、いまだ世界各地でその猛威を見せつけて多くの病死者をだしている。特に移住先であったブラジルや米国の感染拡大のニュースに心痛めている。先日、買い物に出かけマスク不着用に気づき、気のゆるみに猛省させられた。一人ひとりの他人を思いやるマスク着用と家族を守る手洗いというマナーは今少し続けたいと思う。

 

《 雨垂れに 樹々の歓び  重なりて 

         浮世の一隅 命分かちし 》

 -あまだれに きぎのよろこび かさなりて 

              うきよのいちぐう いのちわかちしー

 

梅雨入り前にデッキ改修をと汗して励んだが、一本の支柱を残して休業状態。木造デッキ(14畳)の耐用年数は10年といわれていたが、約30年間の防腐剤塗布のメンテにより、だましながら寿命を3倍に伸ばしてきた。しかし老デッキの幾層もの防腐剤に包まれた支柱や横木の中はボロボロスカスカ、電動鋸で切る豆腐やカステラのように劣化、まるでおのれの体幹を覗き見たような恐怖に駆られた。あと10年はデッキと己の寿命を延ばしたいと頑張っている。

後期高齢者にとってのデッキ改修は肉体的限界があり、休みながらの長期戦を強いられる。気分転換に続けているブログ、『星の巡礼 シルクロード16000㎞踏破の旅』の<シルクロード・イラン横断編>を仕上げたので上梓した。 

 

今日も一日、神の導きに感謝である。

 

The new coronavirus, which is approaching a certain end in Asia, is still showing its rage in many parts of the world, causing many deaths. In particular, I am deeply distressed by the news of the spread of infection in Brazil and the United States, which were the destinations. The other day, I went shopping and noticed that I didn't wear a mask. I would like to continue the manners of wearing a mask that cares for each other and handwashing to protect my family.

 

Before the rainy season, I sweated and worked hard to repair the deck, but it was closed with one pillar left. The wooden deck (14 tatami mats) was said to have a useful life of 10 years, but due to the maintenance of antiseptic coating for about 30 years, it has been fooled and its life has been tripled. However, the pillars and crossbars wrapped in many layers of antiseptic on the old deck deteriorated like tattered scrapers, tofu cut with an electric saw, and castella, and I was scared as if I looked into my trunk. .. For the next 10 years, I am working hard to extend the life of the deck and myself.

 

There is a physical limit to the deck modification for the late-stage elderly, and they are forced to take a long-term battle while taking a break. I have finished the <Silk Road-Iran Cross Section> of the blog “The Pilgrimage of the Stars: The Silk Road 16000km Trip” that continues to change the mood, so I was able to finish it.

<shiganosato-goto@hatenablog.com>

I am grateful for God's guidance today as well.

 

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■2020_06_29  蝋梅の實に出会いて・・・

Encounter the fruit of Japanese allspice ...

 

今朝も創世記と同じ朝がやって来た。

また森の生活が始まり、小鳥の小噺に耳を傾け、樹立ちに筋引く木洩れ日に心を寄せ、生活に忙しい昆虫たちのうごめきに感動する朝である。

びわ湖畔の散歩の道すがら新しい命との出会いがあった。

早春に黄色い花を咲かせる蝋梅も緑濃い葉をつけ、逞しい枝に無数の果実をつけていた。わが家にも蝋梅の木があるが、いづれも果実をつけることなく、驚きの出会いである。

その密やかなたたずまいといい、繊細な色彩を施した表情は、沈黙の似合う美しき姿である。

なんと素敵な時の流れにおのれを沈めていることであろうか。

素敵な出会いに感謝である。

 

《 人知れず 實を隠しおる 蝋梅の 

         ひとに重ねし 坐する姿や 》

  ―ひとしれず みをかくしおる ろうばいの 

               ひとにかさねし  ざするすがたやー

 

This morning, the same morning as Genesis came.

It is the morning when the life of the forest begins, listening to the little birds , attracting the attention to the daylight of the trees, which makes the trees stand, and moving the insects busy in their lives.

There was an encounter with a new life along the way of lake Biwa.

The plum blossoms, which bloom yellow flowers in early spring, also had dark green leaves now, and numerous branches with a lot of fruits.

There is a Japanese plum tree in my house, but it is a wonderful encounter without any fruit.

Its secret appearance and delicately colored expression is a beautiful figure in silence.

What a wonderful time it is!

Thank you for your rich encounters.

 

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■2020_07_14  アヤソフィア :  ビザンチン建築の最高傑作>

<Hagia Sophia: A masterpiece of Byzantine architecture>

 

現在、ブログ『星の巡礼 シルクロード16000㎞踏破日記』の中で、トルコ編を書き綴っている。

その最中、トルコ大統領がイスタンブールにあるアヤソフィア博物館をイスラム教のモスク(寺)に戻すという声明をだしたことを知った。

報道とともに世界各地でアヤソフィアのモスク(イスラム寺院)への回帰に反対する声が持ち上がっている。

 

《 悲劇なる 血に染まりしや アヤソフィア 

        同床異夢の アツラーとマリヤ 》

  ―ひげきなる ちにそまりしや アヤソフィア 

               どうしょういむの あつらーとまりやー

 

シルクロード西進途上、イスタンブールの元キリスト教大聖堂でありイスラム教モスクであったアヤソフィア博物館で、世界でも代表的なキリスト教イスラム教とが同居する空間に坐り、ビザンチン建築の最古傑作といわれるアヤソフィアの数奇の運命をたどってみたことを想い出したのである。

そこには、聖母マリアに抱かれた幼子イエスや洗礼者ヨハネ聖母マリアに囲まれたイエスのモザイク画

とともに、イスラム教のメッカの方向を示すミフラーブや、金の文字でアツラーやイスラム預言者の名が刻まれた黒い円板が同一空間に飾られ、世界平和のシンボルとして輝いていたことをおぼえている。

アヤソフィアは、自由な空間であって欲しいと願う一人である。

https://shiganosato-goto.hatenablog.com/entry/2020/07/11/115026

 

<Hagia Sophia's masterpiece of Byzantine architecture>

 

I am currently writing the Turkish edition in my blog, “The Pilgrimage of the Stars: The Silk Road 16000km Diary”.

In the meantime, I learned that the Turkish President made a statement to return the Hagia Sophia Museum in Istanbul to the Islamic mosque.

Along with the press, there are voices all over the world against the return of Hagia Sophia to the Mosque (Islamic Temple).

 

On the way to the west on the Silk Road, at the Hagia Sophia Museum, which was the former Christian cathedral and Islamic mosque in Istanbul, sit in a space where Christianity and Islam, the world's representative, live together. I remembered trying to trace the mysterious fate of Hagia Sophia.

There is a mosaic of Jesus surrounded by the Virgin Mary's infant Jesus and the Baptist John and the Virgin Mary.

At the same time, remember that Mihrab, which shows the direction of Islamic Mecca, and the black disk in which the names of Atsura and Islamic prophets were engraved in gold letters were displayed in the same space and shined as a symbol of world peace. There is.

https://shiganosato-goto.hatenablog.com/entry/2020/07/11/115026

Hagia Sophia is one who wants a free space.

 

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左 : アヤソフィア(博物館)   Wikipedia

右 : アヤソフィアの天井にあるマリアに抱かれた幼子イエスのモザイク画と、

    大きな円板に見られるイスラム聖者の名前が同居する

 

 

 

■2020_07_21   亡き母生誕114年目

114th anniversary of the birth of his late mother

 

梔子(クチナシ)の花を摘み、母の短歌遺作集を読み返している。

今は亡き明治39年生まれの母の114回目の誕生をささやかに祝うとともに、その子としてこの世に生を受けた恩寵、神の恵みと慈しみをかみしめている。

 

《 氏の息吹   隅々にまで ただよへる 

          旧居を訪ね 心洗わる 》 初子

  ―しのいぶき すみずみにまで ただよへる 

               きゅうきょをたずね こころあらわるー

 

この短歌は、母の目白における卒業論文志賀直哉と文学」の集大成として、晩年、志賀直哉の旧居である奈良学園セミナーハウスを訪れた時の作品である。

母はまたここ志賀の里をもこよなく愛し、庭に咲く梔子(くちなし)の花をめで、その匂いにこころ寄せる姿が美しくもあったことを想い出している。わたしも一句・・・

 

クチナシの 母の姿や 月のなか 

         懐かしき影 宿りてうれし 》 實久

  -くちなしの ははのすがたや つきのなか 

               なつかしきかげ やどりてうれしー

 

梔子の花を愛でる母の在りし日の姿が、月に映えてその影が宿っている。なんと懐かしいことであろうか。

 

I am reading back my mother's collection of TANKA(Japanese short poem) works.

Now, while celebrating the 114th birth of mother born in 1891, I worship the grace of God as a child of this world.

My mother also loves Shiga-no-Sato here, and I remember that the smell of the flower of Cape-jasmine flowers in our garden made her feel beautiful. I have a phrase...

 

The appearance of the mother's day when she loves Cape jasmine's flowers shines in the shadow of the moon. How nostalgic it is!

 

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■2020_08_02 デッキ改修が完了し、新作の囲炉裏で祝杯をあげた。

The deck renovation was completed, and we celebrated with the new hearth.

 

5月当初、新型コロナウイルスの外出自粛も長くて2か月ほどで終息するものとデッキ改修を始めた。しかし、改修完了と共にウィルスの終息ではなく、より大きい第二波が襲ってきている。

大好きな山歩きも当面先に延ばし、階段の上り下りで弱った足腰を鍛えておきたい。

 

《 一人でも ひとりじゃないよ うぐいすの 

         森に染み入る  いのち奏でし 》

  ―ひとりでも ひとりじゃないよ うぐいすの 

                 もりにしみいる いのちかなでし-

 

周りの森では、何事もなかったように今朝も鶯がのんびりと詠い、蝉たちも命の限り鳴きさけび現世を生き抜いている。お互い新型コロナウイルスによる自粛の中でも、励ましあい精一杯生きたいものである。

 

The deck renovation was completed, and a toast was given at the new hearth“IRORI”.

At the beginning of May, the new type of coronavirus refraining from going out started to be completed in about two months, and the deck repair was started. However, with the completion of the renovation, not the end of the virus but a larger second wave is attacking.

I would like to extend my favorite mountain walk for the time being, and train the weakened legs as the stairs go up and down.

 

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■2020_08_03      自画像を贈られた   Be given a self-portrait

 

 

《 自画像に 己見るなり 恥ずかしさ 

         見透かれし友 誰かな君は 》

  ―じがぞうに おのれみるなり はずかしさ 

                みすかれしとも だれかなきみはー

 

 

『 今日のイラスト365+55は、尊敬して余りある「後藤實久さん」を。デザイン専門学校時代からお世話になり、ニューヨークでナンバーワン歯科技工所を開業されている時、

ニュージャージの家で1週間居候させてもらったこと鮮明に覚えている。

引退後は自然いっぱいの志賀の里で、エキサイティングなアドベンチャーライフを楽しんでおられる。真似のできない人生の大先輩のお一人。

 

       2020(令和2)年8月2日  イラスト&文 奈良盤雄 』

 

                        

Today's illustration 365 + 55 is "Mr. Sanehisa Goto" who is too respected. Design college days When he was opening the number one dental laboratory in New York, I vividly remember being at home in New Jersey for a week. After retiring, enjoy an exciting adventure life in Shiga no Sato, which is full of nature. I am in. One of the great seniors in life that cannot be imitated.

       August 2, 2020 (Reiwa 2) Illustration & text Iwao Nara 

 

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■2020_08_04   コロナウイルスに向き合う   Face the coronavirus

 

全世界に疫病が蔓延し、人類崩壊へ向かうのか、新しい秩序への助走なのか、自由主義全体主義に席を譲ろうとしているのであろうか・・・不安の流れに映る夕陽は、山をどす黒く染めていく。

 

揺蕩うと 流れし時の 蝉しぐれ 

        夕焼け染める 山のあなたや 》

      ―たゆたふと ながれしときの せみしぐれ 

                ゆうやけそめる やまのあなたやー

 

そして、定まらない時の流れに 蝉たちが夕暮れの刹那の向こう側にある夢の世界にむかって、不安を吹き飛ばすように鳴き叫んでいる・・・

 

いまこそ内なる声に導かれるときのような気がする・・・

 

Whether the plague is widespread all over the world and it is going to collapse humanity, is it a run to a new order, or is liberalism trying to give up seats on totalitarianism?

The setting sun, which is in the flow of anxiety, dyes the mountains black.

 

And in the flow of uncertain times, the cicadas may be screaming to blow away their anxiety toward the dream world on the other side of the moment at sunset.

 

We feel like we are now being guided by our inner voice...

 

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                                                       高島トレイルの神々しい夕陽 

               

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                                                      高島トレイルの希望あふれる夕焼け

 

 

 

 

■2020_08_06    森のかすかな光に誘われて

Invited by the faint light of the forest

 

早朝の森は、小さな命が輝き、満ち溢れるている。

蝉たちは鳴き叫び、小鳥たちはお喋りに忙しく、虫たちは静かに聴き入っている。

今朝もまたかすかな命の光あふれる森に、わたしを誘ってくれるのである。

 

《 かすかなる 命ひかりし この森の 

          導きの手や われ誘いし 》

    ―かすかなる いのちひかりし このもりの 

                みちびきのてや われいざないし―

 

誘われるままにブナの木に耳を近づけてみると、その喜びの声が伝わってきた。

―ありがとう、君に出会えるなんて嬉しいんだ。よく来てくれたね。-

 

The early morning forest is when little life shines and overflows.

The cicadas scream and sing, the birds are busy talking and the bugs listen quietly.

This morning, God invites me to the forest, which is full of faint light.

As I approached the beech tree as I was invited, I heard the voice of joy.

" Thank you, I'm glad to meet you. You came a lot. "

 

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■2020_08_16   敗戦記念日を迎えて

 the anniversary of the defeat

 

猛暑がつづくなか、新型コロナウイルスの第二波が猛威をふるっている。自宅での自粛待機にも限界があり、外に飛び出して草刈りや、伸び切った樹木の枝の剪定に汗した。家周りがさっぱりしたことはもちろん、何といっても己の鬱積したエネルギーを発散することが出来、身も心も軽くなったことを喜んでいる。

 

《 コロナなる 疫病慣れし 人々や 

         手洗いマスク うわの空かな 》

  ―ころななる えきびょうなれし ひとびとや 

                  てあらいますく うわのそらかなー

 

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この夏も75回目の敗戦記念日を迎えた。戦争犠牲者、日本人約310万人、米国人約17万人、関係国犠牲者数約2000万人という膨大な犠牲者の上に太平洋戦争は終息を見たのである。平和の尊さを肝に銘じ、戦争無き世を望みたいものである。

 

続けているブログも、「星の巡礼 シルクロード踏破16000㎞の旅日記」の内、ギリシャに立寄り<幻のアトランティス大陸>の古代遺跡を駆け巡ってみた。

 

 

 

shiganosato-goto.hatenablog.com

 

 

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                                            デロス古代遺跡ギリシャエーゲ海・デロス島にて)

                                               Sketched by Sanehisa Goto

 

As the heat wave continues, the second wave of the new coronavirus is in full swing. There was a limit to the self-restraint waiting at home, and I jumped outside to mow and sweat on the branches of trees that had grown up. Not to mention the refreshing atmosphere around the house, I am delighted that I was able to release my accumulated energy and lighten my body and soul.

This summer marks the 75th anniversary of the defeat. The Pacific War had come to an end with a huge number of victims: 3.1 million Japanese, 170,000 Americans, and 20 million in the countries concerned. With the preciousness of peace in mind, we would like to hope for a world without war.

In the ongoing blog, in the “The Pilgrimage of the Stars: The 16000km Trip Diary of the Silk Road”, I stopped by Greece and ran through the ancient ruins of the <phantom Atlantis Continent> floating in the Aegean Sea.

 

 

 

■2020_08_25   バイク<HONDA-MAGNA 50cc>去る

Bike <HONDA-MAGNA 50cc> leave

 

終活をむかえ、体力に耐えないオートバイも処分の日を迎えた。約21年の間、日本中を駆け巡ったホンダ<MAGNA 50>との別れの日である。

先に長年親しんだパートナー、ハーレーダビッドソンとも別れているので寂しくなる。

パートナーとの別れは格別である。最後の日、洗車し、錆である染みも愛くるしく見えるボディをきれいに磨き上げた。去りゆく君を想い詠んでみた・・・

 

《 お別れの 悲しき日来て 君の背や

          エンジン響く 雄姿蘇りし 》

  ―おわかれの かなしきひきて きみのせや 

                 えんじんひびく ゆうしやどりしー

 

With the end of life, motorcycle that could not withstand gravity reached the day of disposal. It was a day to say goodbye to Honda <MAGNA 50>, who ran all over Japan for about 21 years.

I am so sad to be parting with a partner. On the last day, I washed the motorcycle and cleaned up the body that looks adorable with rust stains. I thought about you as be going away and wrote a phrase・・・

The sad day of farewell to you has come. Looking off your back, I remember your strong figure that made the engine sound.

 

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                        日本一周中のホンダ・マグナ50

 

 

 

■2020_08_25   花に生まれて<ランタナ

Born in a flower <Lantana>

 

散歩をしていると、ランタナの花が語りかけてきた。

その肉厚の花びらを持つ福よかな顔たちを輝かせて、あなたは幸せですか、と問いかけているようである。

 

《 賑やかに  踊りしランタナ 七変化 

         優雅まといて 我を仰ぎし 》

  ―にぎやかに おどりしらんたな ななへんげ 

                 ゆうがまとい われをあおぎしー

 

As I was taking a walk, the lantana flowers spoke to me. It seems that you are asking if you are happy, shining the blissful faces with the thick petals.

 

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■2020/09/13  立木の伐採

Cutting of standing trees

 

台風による大木(直径約30㎝3本)の屋根への寄りかかりを取り除くためにチエンソーを使って伐採することになった。ボーイスカウトで習った伐採法を思い出しながら、切れ込みを入れるが思うように倒れてくれないから大変である。伐採した木は、乾燥させ、暖房やキャンプファイアの薪として利用することにしている。炉で燃え盛る火は幾つになっても男のこころを怪しく燃えたたすものである。

 

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《 生きし木に 聴こゆる鼓動 耳に当て 

        お詫び入れてや 鋸をあてにし 》 

  ―いきしきに きこゆるこどう みみにあて 

                 おわびいれてや のこをあてにし ー

 

 

一方、コロナウイルスによる長引くステイホームで、ブログ『星の巡礼 シルクロード16000㎞踏破日記』も順調に最終章<イタリア・ルート編>を迎えた。

 

 

shiganosato-goto.hatenablog.com

 

 

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              サン・フランチェスカ大聖堂(アシジ・イタリア)

                         Sketched by Sanehisa Goto 

 

シルクロード最終地であるローマ近郊アッシジにあるサン・フランチェスカ大聖堂で無事の踏破を感謝し、祝福を受けた。

I was blessed to thank for my successful passage at the Cathedral of San Franceska in Assisi, near Rome, the final destination of the Silk Road.

       

 

It was decided to use a chain saw to cut down large trees (3 trees with a diameter of about 30 cm) due to the typhoon in order to remove the leaning on the roof. Recalling the logging method I learned from the Boy Scout, I made a cut, but it didn't fall down as I expected, so it's difficult. The felled trees will be dried and used as firewood for heating and campfires. The fire that burns in the furnace suspiciously burns the heart of a man.

On the other hand, the blog "Journey of Silk Road 16000km -Traversal Diary" has steadily reached the final chapter <Italian Route> at a long-term stay home caused by the coronavirus.

 

 

 

 

■2020_09_15 コロナによる悲しいびわ湖花火大会中止

Sad Lake Biwa Fireworks Festival Canceled by Corona

 

ここびわ湖の夏の風物詩である大津港花火大会が、コロナウイルスの蔓延で中止を余儀なくされた。

残念である。

 

《 コロナなる 疫病散りし びわの湖 

         花火待たるる いつの日かや 》

      ―ころななる えきびょうちりし びわのうみ 

                  はなびまたるる いつのひかや―

 

The Otsu Port Fireworks Festival, a summer feature of Lake Biwa, was forced to be canceled due to the spread of the coronavirus. It was a shame.

 

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                                                 びわ湖 大津花火大会 (2019年度)

               Sketched by Sanehisa Goto

 

 

 

Facebook2020_09_16  秋の登山口整備に汗を流す

Autumn mountain trail-entrance maintenance

 

わが家はびわ湖バレーのロープウエーの山麓駅近くにあり、秋になるとたくさんの観光客が比良の山々を楽しむ。またここには、多くの登山愛好家が利用する比良登山の「(金毘羅峠ルート)蓬莱山登山口」(現在、倒木により閉鎖中)と「(打見山ルート)木戸登山口」がある。今日は恒例の登山道整備のボランティアの日である。鋸・鉈・鎌・枝鋏をもって「木戸登山口標識」の周りの野薔薇・雑木を刈り、夕暮れに下山する登山者の安全・安心・安堵の道標を整備してきた。毎年、比良の山々では多くの遭難者がでている。心して山を楽しみたいものである。登山届の提出・転倒滑落防止の体力づくりの事前準備・迷ったら戻る・早めの下山を心したい。

 

《 道迷い 地図も読めぬや パニックに 

          一息つきて 戻るがベスト 》

  ―みちまよい ちずもよめぬや ぱにっくに 

                 ひといきつきて もどるがべすとー

 

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             f:id:shiganosato-goto:20201219175533j:plain

                                 比良山系 蓬莱・打見山<木戸登山口>の整備

 

 

Our house is near the foot of the ropeway station in the Lake Biwa Valley, and many tourists enjoy the mountains of Hira in the fall. In addition, there are "(Konpira Pass Route) Mt. Horai Climbing Entrance" (currently closed due to fallen trees) and "(Uchimiyama Route) Kido Climbing Entrance" of Hira Mountaineering. Today is the annual volunteer day for mountain trail maintenance. I have mowed wild roses and miscellaneous trees around the "Kido mountain climbing entrance sign" with a saw, hatchet, sickle, and scissors, and have prepared a guidepost for the safety, security, and relief of climbers descending at dusk. Every year, many victims come out in the mountains of Mts. Hira. We want to enjoy the mountains with all our heart. We want to submit a mountain climbing notification, prepare in advance to build physical strength to prevent falling and slipping, return if we get lost, and go down the mountain early.

 

 

 

 

■2020_09_24 孫たちからのプレゼント ジジ&ババ似顔絵 と 大作ドラゴンの画

Presents from grandchildren Gigi & Baba caricature and masterpiece dragon drawing

 

《 孫の目に 映る爺婆 笑いおり 

        ただただ優し 似顔絵ありや 》

 ―まごのめに うつるじじばば わらいおり 

                ただただやさし にがおえありやー

 

孫たちの目に、爺婆はいつもにこやかで優しく映っているのであろう。笑いの似顔絵を描いて送ってくれた。特に、男の子はドラゴンが大好きで、男の子らしい巨大なドラゴン戦士の絵をかいてくれた。

 

 

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In the eyes of our grandchildren, Jiji-Baba(Grandpa & Grandmom ) are always smiling and tender. A load of laughter drew a picture and sent it to me. In particular, boys love dragons and drew pictures of boyish dragon warriors.

 

 

 

■2020_09_29   シーカヤック解体収納

Sea kayak dismantling storage

 

米国ニュージャージ在住時、息子が在籍していたボーイスカウト隊(ABS NJ11)のスタッフとしてデラウエア―川でカナディアンカヌーの漕ぎ方を教え、川下りをしたあと、シーカヤックに転身した。

1号艇(ドイツ製クレッパー/Klepper)をびわ湖底に沈め、現在の2号艇(モンベル製アルファック)に乗り換えてから、約半世紀のシーカヤック人生を楽しんできた。

終活の一環として、次世代にバトンを引き継ぐため、フォールディング・カヤックを洗い、解体収納して劣化を防ぐことにした。

カヌーによる穏やかな川下りや、シーカヤックによる荒海との戦いは、わたしの人生を豊かなものにしてくれた。感謝である。

 

《 荒海の 人生漕ぎし カヌー乗り 

         独りたどるや 北斗七星 》

   ―あらうみの じんせいこぎし かぬーのり 

                ひとりたどるや ほくとしちせいー

 

 

2号艇<アルフェック・ARFAQモンベル社製 日本2006年製シーカヤック二人乗り・日本海常神半島および琵琶湖で帆走を楽しむ>

 

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       シーカヤックによるびわ湖一周挑戦の勇姿を友人が描いてくれた

                Sketched by Iwao Nara

 

When I lived in New Jersey, USA, he taught how to row a Canadian canoe on the Delaware River as a staff member of the Boy Scout Troops (ABS NJ11) where my son was enrolled, and after going down the river, I turned into a sea kayak.

I have enjoyed the sea kayaking life for about half a century since I sank the first boat (Klepper made in Germany) to the bottom of Lake Biwa and switched to the current boat No. 2 (Alfac made by Mont-bell).

As part of the end of life, in order to pass on the baton to the next generation, I decided to wash the folding kayak, disassemble and store it to prevent deterioration.

The calm river rafting by canoeing and the fight against the rough seas by sea kayaking enriched my life. Thank you.

 Boat No. 2 <Alfeck ARFAQ made by Montbell Japan 2006 sea kayak two-seater, enjoy sailing on the Sea of ​​Japan Tsunegami Peninsula and Lake Biwa>

 

1号艇<クレッパーaerius-545-classic-side ドイツ1973製シーカヤック二人乗り>

木製フレーム・布キャンバス/ラダー・帆付き(米国NY在住時大西洋ロングビーチで帆走・びわ湖横断中に強風「比良八講おろし」に遭遇、2008年夏沖島付近で沈)

Boat No. 1 <Klepper aerius-545-classic-side German 1973 sea kayak two-seater>

Wooden frame / cloth canvas / rudder / with sail (Sailed at Atlantic Long Beach while living in NY, USA ・ Encountered strong wind "Hira Hakkou Grated Wine" while crossing Lake Biwa, sank near Oki-Shima Island in summer 2008)

 

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ユーコンリバー360㎞川下りに使用したカナディアン・カヌー

Yukon River 360km Canadian-canoe used for river canoeing

 

shiganosato-goto.hatenablog.com


 

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■2020_10_04    『星の巡礼 比良大縦走―リトル比良トレッキング』

比良縦走<打見山~釈迦岳/リトル比良~音羽ルート>を歩いてきた

 

Pilgrimage of the Stars Hira Great Traverse-Little Hira Trekking

We walked the Hira traverse <Mt. Uchimi- Mt. Shaka - Little Hira-Otowa route>.

 

<母なる峰々にいだかれて>

山に入ると、緑に満たされ人間本来の姿である胎児の気持ちにさせられる。そこには原始のこころが宿り、雄大な樹海を泳いでいるような安寧を味わうのである。緑の覆いのほころびから漏れ来る太陽の光が、まるで命あるシャワーのように降りそそぎ愛の賛歌を歌い上げてくれる。今回もまた比良山系の神々の峰にいだかれて、比良大縦走のうち<リトル比良ルート>を、パートナーを同伴し、ゆっくりと歩を進めてきた。

 

《 抱かれし 母なる峰に 枕して 

          沈みし夜空 星流れしや 》

  ―いだかれし ははなるみねに まくらして 

                しずむよぞらに ほしながれしやー

 

<Being in the mother's peaks>

When entering the mountain, it is filled with greenery and makes you feel like a foetation, which is the original human figure. There, the primordial heart dwells there, and you can enjoy the peace of mind as if you were swimming in the magnificent sea of trees. The sunlight leaking from the cracks of the green cover pours down like a living shower and sings a hymn of love. This time as well, I was struck by the peaks of the gods of the Hira Mountains, and took a slow walk along the <Little Hira Route> of the Hira Mountains with my partner.

 

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10:00 am 打見山山頂(1108m)から、蓬莱山(1174m)をバックにスタートする

びわ湖を見下ろす神々の棲む比良の峰々に爽やかな風が吹き抜けている。

 

10:00 am Start from the summit of Mt. Uchimi (1108m) with Mt. Horai (1174m) in the background A refreshing breeze blows through the peaks of Hira, where the gods live, overlooking Lake Biwa.

 

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■2020_10_5~7 <Go To トラベル 立山連峰散策>

Tateyama mountain range walk

 

Go To トラベルの呼びかけに賛同し、立山黒部アルペンルートの紅葉に色づき始めた立山連峰を散策してきた。しかし、新型コロナウイルスによる観光地の疲弊を目の当たりにして愕然とした。多くの飲食関係、宿泊先が臨時休業に追い込まれ、開業しているところでさえコロナウイルス対策<うつさず・うつされず>に対し予約宿泊を半減し、涙ぐましい努力をされ頭の下がる思いであった。万全の対策をしていまこそわれわれも消費行動を起こし、経済活動に参加すべき時ではないかと思う。

約40万年前に隆起して出来上がったといわれる立山連峰の少し早い紅葉・黄葉をマスクをして楽しんできた。

 

《 コロナなる 疫病暗き この世にて 

           懐温し 自然の恵み 》

  -ころななる えきびょうくらき このよにて 

               ふところぬくし しぜんのめぐみ―

 

In support of the call for Go To Travel Campaign, I took a walk in the Tateyama mountain range, where the autumn colors of the Tateyama Kurobe Alpine Route began to change color. However, I was shocked to see the exhaustion of tourist spots caused by the new coronavirus. Many restaurants and accommodations were forced to take temporary closures, and even when they were open, I thought that I would be depressed by making a tearful effort by halving the number of reserved accommodations against the coronavirus countermeasures <depression / depression>. .. I think it is time for us to take consumer action and participate in economic activities after taking all possible measures.

I have enjoyed wearing a mask on the slightly early autumn colors and yellow leaves of the Tateyama mountain range, which is said to have been raised about 400,000 years ago.

 

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               紅葉の立山アルペンルート 

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               紅葉の立山室堂より立山連峰を望む

 

 

 

■2020_10_11スケッチ『秋の立山黒部の峰々』

Sketch "Autumn Tateyama Kurobe Peaks"

 

立山黒部アルペンルートを散策したおり、紅葉した美しい立山を囲む連峰をノートブックに描き残してきた。

立山黒部をも含む日本アルプスは、太平洋岸より日本海へ抜けたアルプス大縦走、百名山完登途次の各峰登頂、アルプス裏銀座縦走や立山連峰縦走、穂高連峰縦走というロマンの山旅つづけ、それも単独で楽しんできた懐かしい峰々で満ちている。

今回初めて、立山黒部アルペンルートを利用し、日本アルプスの裏側から登頂した峰々や縦走した壮大な山並みを眺めてきた。一歩一歩たどった思い出の足跡をこの目で確かめ、楽しむことが出来たことを喜んでいる。

 

《 黒部なる ロマンの峯も 暮色映え 

          彩り換えて 衣散りしや 》

  -くろべなる ろまんのみねも ぼしょくはえ 

                いろどりかえて ころもちりしやー

 

 

As I strolled along the Tateyama Kurobe Alpine Route, I left a notebook drawing of the mountain range surrounding the beautiful autumn colors of Tateyama.

The Japanese Alps, including Tateyama Kurobe, continue to travel in the romance of the Alps, which runs from the Pacific coast to the Sea of Japan, climbs each peak on the way to the completion of 100 famous mountains, runs Uraginza in the Alps, runs along the Tateyama mountain range, and runs along the Hotaka mountain range. , It is also full of nostalgic peaks that I have enjoyed alone.

For the first time, I used the Tateyama Kurobe Alpine Route to see the peaks that climbed from the back of the Japanese Alps and the magnificent mountain range that ran vertically. I am glad that I was able to see and enjoy the footsteps of the memories I followed step by step.

 

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                                             立山   一ノ越2700mより後立山連峰を眺める

 

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                                                    立山黒部アルペンルートより立山連峰を望む

 

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                                             立山 一ノ越2700mより中央アルプス裏銀座縦走路を望む

 

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                                             一ノ越より 立山室堂・みくりが池方面を見下ろす

 

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                                               立山     一ノ越より槍ヶ岳を背景に竜王岳2872mを望む

 

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                 立山室堂より峰々をスケッチ                                          立山室堂より剣岳スケッチ三景

 

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                    立山室堂より立山連峰(上)  

              立山 大観峰2316mより裏銀座縦走コース(下)を望む

 

 

 

■2020_11_06 比良山の空中庭園・八雲ケ原(湿原)の紅葉散策

A walk through the autumn leaves of the Hira Mountains Yakumogahara Marsh"

 

今年も美しい日本の紅葉の季節がやって来た。

標高1000m級の比良山系の紅葉は今が見ごろである。

11月の初旬、比良山系標高900mに広がる広大な八雲ケ原湿原、天空の庭園と呼んでいる紅葉のパラダイスは湿原から流れ出る小川の流域に広がる。

紅葉散策へのルートは、イン谷口(250m)より正面谷(比良川)の険しい急登<青ガレ>を登りきって、金糞峠(かねくそとうげ 881m)を越える。

峠を越え、坊村・中峠方面へ直進、西へ下ると、間もなく右手より八雲が原入口に出て、空中庭園をつらぬく小川をさかのぼる。この間の流域の紅葉が真っ盛りで、思わずその美しさに歓喜の声をあげた。

 

《 染まり往く 比良の峰々 衣替え 

         八雲の池で 握りほほばる 》

  ―そまりゆく ひらのみねみね ころもがえ 

                やくものいけで にぎりほほばるー

 

比良山八雲ケ原湿原の美しい紅葉の風景はブログでご堪能いただきたい。

 

shiganosato-goto.hatenablog.com

 

すでに枯葉に彩られたヤクモ池(910m)で、あたたかいインスタントラーメンとお握りを頬張り、北比良峠(962m)よりダゲ道を下山し、イン谷口にもどった。

下山路であるダゲ道での標高差に見られる紅葉もまた、赤黄葉から黄緑葉、そして緑葉に変わる紅葉の絶妙な混合配色が味わえて楽しい。

比良山系の1000m以上の山頂付近(11月5日現在)はすでに落葉し、現在標高1000~500m間の紅葉が真っ盛りである。今年の11月中下旬、標高500~200m間が紅葉に染まると思われる。

高山での紅葉観賞にはフリースやダウンの防寒服を持参することをおすすめする。

今回も、パートナーに助けられ8時間の紅葉登山に、気持ちいい汗をかいてきた。

 

比良山の空中庭園・八雲ケ原(湿原)の紅葉散策でカメラに収めた移りゆく秋の風景をお楽しみいただければ幸いである。

 

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            比良山 八雲が原 八雲池にて(右奥・武奈ヶ岳

                Sketched by Sanehisa Goto

 

Walking around the autumn leaves of Hira Mountain's aerial garden Yakumo-ga-Hara (wetland):

 

At Yakumo-Pond (910m), which was already colored with dead leaves, we took on warm instant noodles and rice cakes, descended the Dage-Road from Kitahira Pass (962m), and returned to In-Taniguchi.

The autumn colors seen in the difference in altitude on the downhill road, Dage-Road, are also fun to enjoy the mixture of the colors of the autumn leaves that change from red-yellow leaves to yellow-green leaves and then to green leaves.

The leaves have already fallen near the summit of the Hira Mountains over 1000m, and the autumn leaves are currently in full bloom at an altitude of 1000-500m. In mid-November, the area between 500 and 200m is expected to be dyed with autumn leaves.

We recommend bringing a fleece or down jacket to see the autumn leaves in the high Mts.

I sweated comfortably for 10 hours of climbing the autumn leaves with the help of my partner,again.

 

I hope that you will enjoy the changing autumn scenery captured by the camera while strolling through the autumn leaves of Yakumogahara (wetland), an aerial garden on Mt. Hira.

 

 

 

■2020_11_12    秋の花蕾<はなつぼみ>

Autumn flower buds

 

散歩で出会ったマサキや椿の花蕾に語りかけられて、家に持ち帰って飾ってみた。彼らに似合う花瓶を選ぶのも楽しい。

 

《 浮世なる 命見たさや 花つぼみ 

          透かせし光 覗く我おり 》

  -うきよなる いのちみたさや はなつぼみ 

                すかせしひかり のぞくわれおりー

 

まだ見ないこの世の命見たさに、花咲を待っている椿の子らは、透かした光を通してのぞき見する姿に、己を重ねてみた。

 

I was told by Masaki(Japanese spindle tree) and camellia flower buds that I met on a walk, and I took them home and decorated . It's fun to choose a vase that suits them.

The camellia children waiting for blooming to see the life of the world that they haven't seen yet, I tried to overlap themselves with the appearance of peeping through the open light.

 

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                                   蕾もつマサキと椿の投げ入れを楽しむ

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                                 マサキの蕾                                                             ツバキの蕾

 

 

 

■Facebook2020_11_23 かずら温泉の紅葉を訪ねて(四国祖谷の里)

Visit the autumn leaves of Kazura Onsen (Shikoku Iya no Sato-Hot Spring)

 

《 無の風に おのれ見つめし 紅葉花 

        神の息吹や すみずみまでも 》

       ―むのかぜに おのれみつめし もみじばな 

                かみのいぶきや すみずみまでもー

 

ただ一枚のモミジに目を止めてみると、そこには微かな風に体を震わせて、見つめるわたしに応えているモミジに出会う。モミジ一枚にもその役割があり、その存在に意味を感じる一瞬である。はかなくも散りゆく命が、この世に輝くひと時でもある。

実に美しいこの世の営みに感嘆する。

人も又おなじ美しい存在であることをうれしく思う。

 

Visit the autumn leaves of Kazura Onsen / Hot Spring

(Iya no Sato, Shikoku, Japan,)

 

When I stop my eyes on just one leaf of maple, I meet him that is responding to me, shaking his body with a faint breeze. One maple also has that role, and it is a moment when I feel the meaning of its existence. It is also a time when the ephemeral life is shining in this world.

I admire the beautiful activities of this world.

I am glad that people are also the same beautiful beings.

 

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                                  かずら温泉ホテルの紅葉 と ケーブルカーで行く天空の露天風呂

                 Kazura Onsen Hotel's autumn leaves and an open-air bath in the sky by cable car

 

 

 

 

Facebook2020_11_26木洩れ日に遊ぶ蕾(つぼみ)たち

Buds playing in the sunlight through the trees

 

《 落葉射す 木洩れ日淡き 裏庭で 

        コーヒー片手に 蕾たらんと 》

  -おちばさす こもれびあわき うらにわで 

               こーひーかたてに つぼみたらんとー

 

裏庭に出て、コーヒー片手に初冬の柔らかい陽を頬に浴び、マシュマロのように膨らみを感じるのが大好きである。周りの花蕾も私の分身のように目を閉じて太陽に向かい幸せを噛みしめているではないか。平和である。

 

I love going out into the backyard, basking in the soft early winter sun on my cheeks with a cup of coffee and feeling the bulge like a marshmallow. The flower buds around me also close their eyes like me and face the sun, biting happiness. It is so peaceful.

 

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                                       甲武信(こぶし・バレリーナ)の花蕾(はなつぼみ)
                                                     Flower buds of Kobushi (Ballerina)

 

 

 

■2020_11_28  仲間を偲びて

In memory of our friend:

 

今日は、天に帰って行った仲間を偲ぶ集いがある。

ここ志賀の里の藪ツバキは、満開である。互いに美しさを競う様は生きる喜びを表している。

そのようななか、一生を終え地に落ち、天に帰って行った藪ツバキに出会った。黄昏の静寂の中、満ち足りた響きを残して・・・

 

《恥じらいて 姿隠すや 藪つばき 

        たそがれ野道 落つる音かな》

 -はじらいて すがたかくすや やぶつばき 

               たそがれのみち おつるおとかな-

 

Today, there is a gathering in memory of our friend who went back to heaven. The bush camellia in the village of Shiga-no-Sato is in full bloom. Competing for beauty with each other represents the joy of living. Under such circumstances, I met a camellia that had fallen to the ground after a lifetime and returned to heaven. In the silence of twilight, leaving a satisfying sound ...

 

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■2020_12_03   紅葉山麓に達する

Reach the foot of autumn leaves

 

ここ12月上旬の志賀の里―比良山系の紅葉は、標高400mより山麓にかけて真っ盛りである。

人知れず散りゆくものは美しいものである。

 

《 満ち足りて 散りゆく紅葉 教えしや

        続きし我ら かくありなんと 》

  -みちたりて ちりゆくもみじ おしえしや 

                つづきしわれら かくありなんと-

 

満ち足りた顔で散りゆく紅葉達は、われわれ人間も<われただ足るを知る=吾唯足知>ことを学んでほしいと教えているようである。

 

The autumn colors of the Shiga no Sato-Hira Mountains in early December are in full bloom from an altitude of 400m to the foot of the mountain. Things that are scattered unknowingly are beautiful.

The autumn leaves scattered with a satisfying face seem to teach us human beings to learn to "I just know, what is enough".

 

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■2020_12_05 還りゆく命

Returning life - Reincarnation

 

一生を終えた枯葉たちが、地上に散り、みんなで第九を歌いながら煙となり、祈りのなかアメージング・グレイス③をハミングし、燃え尽きて天に帰っていく様は清く、美しい。

お互いまた会おうね、と言いながら・・・

 

《 柔光の 染み入る一葉 終えし身や 

         燃えて昇りし 化身の祈り 》  

    -にゅうこうの しみいるいちよう おえしみや  

                もえてのぼりし けしんのいのり-

 

多くの危険、苦しみと誘惑を乗り越え、
私はすでにたどり着いた。
この恵みがここまで私を無事に導いた。
だから、恵みが私を家に導くだろう。 (アメージング・グレイス③より)

 

 

It is pure and beautiful that the fallen leaves that have finished their lives are scattered on the ground, singing Symphony No.9 together and becoming smoke, humming Amazing Grace ③ in prayer, burning out and returning to heaven. While saying that we will meet each other again ...

 

Through many dangers, toils and snares.
I have already come;
'Tis grace has brought me safe thus far,

And grace will lead me home. Amazing grace③>

 

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2020_12_07   冬支度の溝掃除(雪対策)

Cleaning the ditch for winter preparation (snow measures)

 

毎年師走を迎える前に、雪に備えての溝掃除と、夏の間に繁った雑草を刈ることにしている。

Before December, I plan to clean the ditch in preparation for snow and mow the weeds that grew during the summer.

 

《 雪迎え 溝にたまりし 枯葉とり 

        血管ふさぐ デブリス似たり 》

         ―ゆきむかえ みぞにたまりし かれはとり 

                けっかんふさぐ でぶりすにたりー

 

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                                         雑草に覆われた溝の草刈りから始める

 

 

 

■2020_12_13大津絵の世界に遊ぶ

Play in the world of Japanese Traditional Folk Painting “Otsu-E”

 

わがボーイスカウト仲間 篠田常生氏から「令和2年 現代大津絵展」開催の案内状が届いた。

わたしも居を構えている大津市、この際、郷土の民画<大津絵>の魅力を探ってみたいと出かけてきた。

 

《 大津絵の 民あざむきし ユーモラス 

         異なる寄せ絵や 含み笑いし 》

  ―おおつえの たみあざむきし ゆーもらす 

                 いなるよせえや ふくみわらいしー

 

大津絵は、模写する愛好者の手によって、その表情や情景の豊かさを変え、取り合わせを変えることによって、進化を続ける世にも珍しい民画である。

版画的要素に、手を加える点描によって作品の強弱を表現する方法もまた庶民的で親しみが持てる。彩色もシンプルで、その古色になんとも言われない素朴さを感じるのである。

 

My boy scout fellow-Mr.Tsuneo Shinoda, sent me a letter of invitation to hold the "2021 Contemporary Otsu-E Exhibition".

So I went out to see the charm of Otsu-E (Japanese Traditional Folk Painting).

Otsu-e is a rare folk painting that continues to evolve by changing the richness of its facial expressions and scenes and the combination of the paintings by the hands of copying enthusiasts. The method of expressing the strength and weakness of the work by modifying the print elements with pointillism is also popular and familiar. The coloring is simple, and I feel the simplicity of the old colors.

 

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       友人・篠田常生氏の軸装作品大津絵「傘さし美人」と「鬼の三味線」の前で

 

 

 

 

2020_12_17 初雪 と雪帽子   First Snow &  Snow Hat

 

ここ志賀の里の森は、初雪に歓喜の声をあげている。

散る紅葉たちが雪の妖精と出会い、恥じらう姿に、幼少期に歌った童謡・雪<雪やこんこ>を懐かしく思い出し、口ずさんだ。

今年も、暮れゆく師走を迎えて、寒さも一段と厳しくなってきた。

焚火に火照るのも又うれしい。

 

《 初雪に 散る散る紅葉 恥じらいて 

        思い出せしや 雪やこんこン 》

  -はつゆきに ちるちるもみき はじらいて 

               おもいだせしや ゆきやこんこンー

 

雪やこんこ 霰(あられ)やこんこ 降っても降ってもずんずん積もる

山も野原も 綿帽子かぶり 枯れ木残らず 花が咲く

 

Here, a forest in Shiga-no-Sato , the first snow is crying out for joy. The fall foliage meets the snow fairy, and when she is ashamed, she hums, remembering the nursery rhymeYuki” <Yuki-ya Kon-ko> that I sang in my childhood. This year as well, the cold weather has become even more severe with the arrival of December. It's also nice to shine on a fire.

 

真っ白な雪の帽子をかぶってのファッションショー、庭木の顔が凛々しく輝いている。

冬陽というスポットライトを浴び、雪帽子の形が変わり、消えゆく様は、人の世の常をみているようである。

 

《 会えたよと 庭木嬉しき 雪帽子 

         姿変えしや  淡き冬陽に 》

  ―あえたよと にわきうれしき ゆきぼうし 

              すがたかえしや あわきふゆひにー

 

A fashion show wearing a pure white snow hat, the face of the garden tree is shining dignifiedly. In the spotlight of winter sun, the shape of the snow hat changes and disappears, which seems to be the norm in the human world.

 

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                                                   2020/12/17 16:30 初雪の降り始め

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            一晩降り続いた積雪 2020/12/18  06:30 

             15:00頃には完全に雪は溶け消滅

 

 

 

■2020_12_19  一枚のCDが届いた <One DVD arrived

 

周防大島の荘厳寺 白鳥文明老師より一枚の自作DVD<PB81南半球旅行>が届いた。

感謝である。

いまから6年前だろうか、ピースボートの船内で京都の美術大学で彫塑を学ばれた異色の老師と出会い、知遇をえた。老師は、船内の絵画教室を主宰し、自主企画で仏法の教えを講じられ、乗船客である老若男女の人生相談に耳を傾け、寄港地ラバウルでの戦没者の慰霊に尽くされるなどお役目を率先されておられた。

わたしは、そのお心の優しさに招かれていまなお人生考を学ばせていただいている自称弟子の一人である。

 

ピースボート ぎゅっと詰まりし 語り部の 

           喜怒哀楽や 人生航路 》

  -へいわせん(平和船) ぎゅっとつまりし かたりべの 

                きどあいらくや じんせいこうろ―

 

《 蓮の船 泥掻き混ぜし 大海の 

           七情乗せし 煩悩菩提 》

 -はすのふね どろかきまぜし たいかいの 

               しちじょうのせし ぼんのうぼだい-

 

A self-made CD <PB81 Southern Hemisphere Trip> has arrived from Shogonji Temple in Suou-oshima Island. Thank you for it.

Six years ago, I met a unique old master who studied sculpture at an art university in Kyoto on the Peace Boat, and got acquainted with him. The old master presides over a painting class on board, teaches Buddhism on his own initiative, listens to life counseling for men and women of がall ages, and serves as a memorial service for the war dead at the port of call Rabaul.

I am one of the self-proclaimed disciples who are invited by the kindness of his hearts to still learn life thoughts.

 

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■2020_12_20  冬の雨垂れ Winter raindrops

 

ここ志賀の里は、一転して冷たい雨である。多分、大雪になりそうだ。

明けやらない闇に響いてくる軒下の雨滴音に耳を傾けていると、夜の帳(とばり)に、年(歳)の瀬を想うのである。

 

 

《 軒の下 雨垂る朝の 静けきや 

        明けゆく帳 静寂染まりし 》

  -のきのした あまたるあさの しずけきや 

              あけゆくとばり しじまそまりしー

 

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Here in Shiga no Sato, it is a cold rain. Maybe it's going to be heavy snow. When listening to the sound of raindrops, I think of the year end

in the darkness dawn of the night .

 

 

 

 

2020_12_25  2020回目の聖誕日・クリスマスの日に

 

いまから丁度20年前、ディアスポラという民族離散を経て、ユダヤ人のシオニズム運動により始まったパレスチニア帰還。建国に燃えていたイスラエルを縦断し、旧約と新約の聖書の世界を歩いてきた。2020回目の聖誕日・クリスマスの日にようやく旅日記をとりまとめることが出来た。

マリアが受胎告知を受けたナザレ、イエス生誕地であるベツレヘムを訪れた日を懐かしんでいる。

 

《 諸人の 喜び溢れし 命満ち 

        今ぞ生まれし 君を称えよ 》

  ―もろびとの よろこびあふれ いのちみち 

              いまぞうまれし きみをたたえよー

 

 

 


 

2020th Holy Day / Christmas

Exactly 20 years ago, after a diaspora ethnic group, they returned to Palestine, which was started by the Jewish Zionist movement. I traversed Israel, which was burning in the founding of the country. I walked through the world of the Old and New Testament Bibles. Finally, I was able to put together a travel diary at that time.

I miss the day when I visited Bethlehem - the birthplace of Jesus, Nazareth - Mary received the Annunciation.

 

 

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   モーセ率いるイスラエル人が40年間彷徨した旧約の世界を歩く(ネゲブ砂漠で)

Walk the Old Testament world (in the Negev Desert) where Moses-led Israelis have wandered for 40 years.

 

 

 

■2020_12_28 今年もまたに出会った

I met the Japanese allspice again this year.

 

今年も暮れゆく寒空のもと、京都伏見の実家の庭より移植した思い出深き蠟梅の花が咲いた。老木ゆえに花の色も香りも弱々しいが、生き続けてくれる姿に感銘を受けるのである。

 わたしも年を重ねたものである。みなさんからの祝いを糧に今少し励みたい。感謝である。

 

《 蝋梅の ほのかに香る 朝坐禅

  ―ろうばいの ほのかにかおる あさざぜん-

 

《 蝋梅も 生かされし身や 七拾九 》

 -ろうばいも いかされしみや しちじゅうきゅう-

 

Under the cold weather this year as well, the memorable Japanese allspice flowers transplanted from the garden of my parents' house in Fushimi, Kyoto bloomed. The color and scent of the flowers are weak because they are old trees, but I am impressed by how they continue to live.

I am also old. I would like to encourage you a little now with the celebration from everyone. Thank you.

 

 

 

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■2020_12_30 新年迎える歳末大掃除
Year-end cleaning for the new year
 
積雪の比良の峯を眺めながら、老いてもコントロールできるホンダ・スーパーカブ・プロ110で墓参ツーリング、風切るオートバイの爽快さを忘れられないものである。
帰宅してからは、年納め恒例の窓ふき、床のワックス掛け、玄関のタイル磨き、雪の準備と心地よい汗をかいた。
 
《 カブ走る 彦根路さやか 墓参り 
           新年迎ふ 花も嬉しや 》
 -かぶはしる ひこねじさやか はかまいり 
            しんねんむかふ はなもうれしや-
 
While looking at the snow-covered the Hira mountains, I can't forget the exhilaration of a motorcycle touring to the grave with the Honda Super Cub Pro 110, which can be controlled even when I am old.
After I got home, I wiped the windows, waxed the floor, polished the tiles at the entrance
window cleaning, prepared the snow as annual, and sweated comfortably.
 
 

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■ 2020_12_31 雪の大晦日  Snow New Year's Eve
 
目を覚ますと白銀の世界、わが家の木々が美しい雪のマントを着飾って嬉しそうである。
ここ志賀の里の雪の妖精たちの美しいシルエットをご紹介しよう。
 
《 疫病の 過行く暮の 埋もれ雪 
         詠いしこころ 温もりありて 》
  -えきびょうの すぎゆくくれの うもれゆき 
              うたいしこころ ぬくもりありて―
 
新型コロナウイルスも、埋もれ雪と共に年を越しつつある。雪の妖精は、温もりある歌声で新しい年を迎えようとしている。
When I wake up, I am happy to see the world of pure silver, and the trees in my house dressed up in a beautiful snow cloak.
The new coronavirus is also passing over this year with buried snow. The Snow Fairy is about to be welcome the new year with a warm singing voice.
 

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■2020_12_31 今年最後の満月<Last COLD MOON in this year>
 
大雪の一瞬を裂いて、今年最後の満月である寒月<Last Cold Moon>が天空に顔を出してくれた。
 
《 夜半見る 寒月冴えし 闇の里 》
-やはんみる かんげつさえし やみのさと-
 
令和2年(2020)最後の夜、雪降る暗闇の志賀の里の夜空を裂いて、一瞬美しい寒月(コールド・ムーン)である満月が姿を見せてくれた。希望の満月に見えたひとも沢山いたであろう。くる年は希望に満ち、平和でありますように・・・
感動である。
On the last night of the second year of Reiwa (2020), the full moon, which is a beautiful cold moon, appeared for a moment, tearing through the night sky of the snowy dark Shiga-no-Sato.. I think there were many people who looked like a full moon of hope.
May the coming year be full of hope and peace ...
I'm impressed.
 

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<Photo- Last Cold moon in this year – 31/12/2020 19:28 Otsu-Shiga, Japan >
 
 
 
■2020_12_大晦日   2020年を顧みる

 

新型コロナウイルスという疫病に閉じ込められ、

お陰で、家族で観る<鬼滅の刃>がヒットし、

結局、GO TO キャンペーン(経済)と疫病は共存できず、

SNSに振り回され、真実とフェイク(嘘)を見極めることが出来なかった。

 

共産主義大義と理想が崩れ、独裁の道具として利用され、

民主主義国家である米国が分裂し、絶対的優位性が崩れ、

不安定な世界に変貌し、新たなる冷戦の戸口に立った年であった。

 

共産主義が隠ぺいに走り、市場経済・自由と平等を標榜し、

AI・IT・SPACEの覇権をにぎり、国際ルールを破壊し、

人権を、イデオロギーという国権で強制束縛するという世界秩序に挑戦する国家が成立した年でもあった。

 

宇宙・経済・情報支配をスローガンとし、共存共栄を破壊し、一国集中の強権を確立し、世界の覇権を握るための国家政策を進める国が現れた年であった。

 

領海を線引き強奪し、他民族を矯正し、同化させ、愛国心を持たせるという帝国主義的押し付け政策で領土拡張、世界制覇をもくろむ独裁国家が肥大化し、戦争がまた繰り返されるのではないかと危惧する年でもあった。

 

新型コロナウイルスへの全世界的一致した対策をとれないでいる現状は、すでに人類滅亡に向かっている一歩であるといってよいだろう。なぜなら発生源を絶対に認めず、事実を隠匿することは、協力しての原因究明、対策立案、医療対処、ワクチン開発に障害であるからである。

 

安全と自由、平等と繁栄、信仰と真実、誠実と努力、地域と国際(グローバル)という人類共通の理念が曖昧になり、相互不信に陥った年であったともいえる。

 

お互いを理解し、お互いを許し合うという人類愛の基本に対峙する強固な信念が薄れてきた年かも知れない。

 

人類の競争、国家間の競争に、明るい未来と、夢を追及するという理想が失われた年ではなかっただろうか。

 

いまこそ、ひとり一人が平和を望み、自由を愛するという確固たる信念と姿勢が必要であることを痛感させられる年であった。

 

自由と平和、平等と信条を守るためには、強い意志と覚悟が必要である。

くる年が平和でありますように・・・

ご多幸を祈ります。

 

Looking back on 2020   at Shiga-no-Sato>

Trapped in a plague called the new coronavirus, Thanks to that, the <Kimetsu no Yaiba> that we watch with our family became a hit,

After all, the GO TO campaign (economy) and the new coronavirus cannot coexist,

We were swayed by SNS and could not distinguish between truth and fake (lie).

 

The cause and ideals of communism collapsed, and it was used as a tool for dictatorship.

The United States, a democracy, splits and its absolute superiority collapses.

It was a year of transformation into an unstable world and standing at the door of a new Cold War.

Communism runs in hiding, advocating market economy, freedom and equality, take control of AI, IT and SPACE, destroy international rules,

 

It was also the year when a nation was established that challenged the world order of forcibly binding human rights with the national right of ideology.

 It was the year when a country emerged with the slogans of space, economy, and information control, destroying coexistence and co-prosperity, establishing the power of one-country concentration, and advancing national policies to seize world hegemony.

I am afraid that the war will be repeated again as the territorial waters are delineated, the other races are corrected, assimilated, and the patriotism is imposed by the imperialist policy to expand the territory and expand the territorial nation with the intention of conquering the world.

 

It was also a year. It can be said that the current situation in which global unanimous measures against the new coronavirus have not been taken is already a step toward the extinction of humankind.

This is because concealing the facts without recognizing the source is an obstacle to cooperative investigation of the cause, planning of countermeasures, medical treatment, and vaccine development.

 

In a year of mutual distrust, the common philosophies of security and danger, freedom and binding, equality and prosperity, faith and dictatorship, truth and falsehood, honesty and effort, and region and international (global) became ambiguous.

It can be said that there was. It may be the year when the strong belief in confronting the basics of human love to understand each other and forgive each other has diminished.

Wasn't the year that the ideal of pursuing a bright future and dreams was lost in the competition of humankind and the competition between nations?

It was a year that made us realize that each and every one of us needs a firm belief and attitude to desire peace and love freedom.

Freedom and peace, equality and beliefs require strong will and determination.

 

It seems that the coming year is peaceful.

 

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          良いお年をお迎えください

           Have a nice New Year !

 

 

 

          《 2020 志賀の里 歳時記 》

 

                  

 

 

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2020『星の巡礼 志賀の里歳時記』Ⅰ

『2020志賀の里・歳時記』 Ⅰ (1月1日~5月19日)

2020 Shiga-no-Sato Glossary of seasonal words (for haiku poets)

 

2020(令和2)年は、コロナウイルスに始まり、コロナウイルスに終わる疫病の年となった。

ここ志賀の里は、過疎の地だが、近くにあるびわ湖バレーは全国から観光客を集める賑やかな山である。

コロナの三密から逃れ、新鮮な空気や自然にいだかれるためにやってくる人があとを絶たない。

一日も早く疫病を克服し、自然を愛でる生活に戻れることを祈るものである。

日本国民一人ひとりが、すべてを犠牲にし、耐えた一年であった。

お互いをたたえ、誉めたい。

 

ここに、<2020志賀の里 歳時記>を書き加え、令和2年を締めくくりたい。

 

2020 (Reiwa 2) was the year of the plague that started with the coronavirus and ended with the coronavirus. The village of Shiga is a depopulated area, but the nearby Lake Biwa Valley is a lively mountain that attracts tourists from all over the country. There is no end to the people who come to escape from the Three Cs of Corona and get into the fresh air and nature. We pray that we can overcome the plague as soon as possible and return to a life that loves nature. It was a year of enduring at the expense of everything. I want to honor each other.

 

I would like to add <2020 Shiga's Saijiki> here to finish the second year of Reiwa.

“Saijiki” is a glossary of seasonal terms for haiku composers.

 

 

■2020_01_01   2020(利和2年)1月1日 元旦

HAPPY NEW YEAR  

 

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         明けましておめでとうございます 

         HAPPY NEW YEAR

                                                           

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                                           2020年 元旦  後藤實久

                                     

 

 

 ■2020_01_11 満月のもと美酒に酔い漢詩を吟ず

Under the full moon, get drunk with sake and sing Chinese poetry

 

ここ数日、令和2年の初満月が比良や鈴鹿の峰々に微笑みかけている。

美酒「越乃寒梅」の熱燗に酔い、鯖街道踏破の途次 昨初冬の

満月のもと花脊峠で詠んだ漢詩五言絶句《酔月酒》を高らかに吟じて、

楽しんだ。

 

<鯖街道踏破ブログ:shiganosato-goto.hatenablog.com>

shiganosato-goto.hatenablog.com

 

For the past few days, the first full moon of Reiwa 2(2020) has been smiling at the peaks of Mts.Hira and Suzuka. Drunk with the hot sake of the sake "Koshinokanbai", the process of traversing the Saba Kaido ( Japanese ancient trekking road). in the early winter of last year,the five-word Chinese poetry "Suigesshu" that was sung at the Hanase Pass under the full moon. Enjoyed it.

 

 

          漢詩《酔月酒》  後藤實久作

 

         凛月下初冬    凛として 月下の初冬

      酔美酒独酌    独り酌み 美酒に酔ふ

      濡頬落流星    落ち来る 流星頬濡し

      了鯖道共仏    仏と共に 鯖街道了る

 

           りんとして げっかのしょとう

           ひとりくみ びしゅうによう

           おちくるりゅうせい ほほぬらし

           みほとけとともに さばかいどうおえる

 

 

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■2020_01_28  手書き便に薫る墨の匂いがいい

The smell of ink scented on handwritten flights is so nice.

 

《 手書き便 蝋梅愛でつ 想ふ君 》

  -てがきびん ろうばいめでつ おもふきみー

 

手書き、それも毛筆による炭香る便りはめったにお目にかかれなくなった。そんな一枚を見つけて友の生き方を味わうのもまた老人の喜びである。

 

I rarely see the charcoal-scented news from handwriting and brushstrokes. It is also an old man's pleasure to find such a piece and enjoy the way of life of my friend.

 

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「 謹賀新年 凛と生き 矍鑠を祈る 」

 ―きんがしんねん りんといき かくしゃくをいのるー

 

庭に咲いた蝋梅を愛でながら、

友からの手書きの賀状を読み返している。

歳をとっても凛と生き、丈夫で元気な老人たれと友はいう。 

(矍鑠―かくしゃく― 年をとっても丈夫で元気なさま) 

 

While loving the plum blossoms in the garden,
I am reading back a handwritten greeting card from my friend.
He is telling me even if you get older, you are a durable, healthy old man.

 

 

 

■2020_02_06  雪の精 Snow Fairy

 

ふわふわと雪の精が天から舞い降りてくる。

待ちに待った志賀の里の初雪・冬景色である。

Fluffy and snow spirits come down from heaven. The long-awaited first snow and winter scenery of Shiga-no- Sato.

 

《 出会いてや 夢受け止めし 雪の精 》

     ーであいてや ゆめうけとめし ゆきのせいー

 

天から落ち来る雪の舞を見上げていたら、少し薄口をあげていたのであろうか雪の精が舞い込み、その冷たい雪の精の体温が伝わってくるではないか。幸せを味わう一瞬である。

 

When I was looking up at the snow dance falling from the heavens, I would been opening

a little bit of my mouth.  And then the spirit of the snow would come in, the body temperature of the cold snow would be transmitted. It is a moment to enjoy happiness.

 

《 たわわなる 白き重みの 老いの背や 》

    -たわわなる しろきおもみの おいのせやー

 

初雪の重みにたわむ樹木の枝葉が、あたかも老いた自分の背に見えてくる。 その曲線に何とも言えない親近感を覚え、いつまでも温かい背中のシルエットを眺めていたものである。

 

The branches and leaves of a tree that flex under the weight of the first snow appear as if they were my old back.  I felt an intimacy with the curve and I was kept looking at the warm back silhouette.

 

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■2020_02_13   時が過ぎるのは早いものである。

Time goes by so quickly.

 

《 君想ひ 流離うままに 暮れし日々 

       沈みし残り香 時を見つめし 》

  ―きみおもひ さすらうままに くれしひび 

            しずみしのこりが ときをみつめし―

 

亡き人を想うとは、さすらうままに時が過ぎ、かの人の残り香をなつかしむようなものである。

 

Thinking of the deceased is like passing the time, wandering, and grabbing the remaining incense.

 

今日は大切な人の21回目のメモリアルデーである。お墓にお花を飾り、今日一日彼女を偲びたいと思う。

 

Today is the 21st Memorial Day for a loved one. I want to decorate the grave with flowers and remember her all day long.

 

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■2020_03_07 『星の巡礼 淡路島一周サイクリング老人の旅』

<Awaji Island Cycling Old Man's Journey>

 

淡路島は、古事記にでてくる神話<国生み>の島である。

タイムレースもいいが、風に遊び、雲に導かれ、海と語り、テントを張り、天の川に泳ぎ、俳句を作り、詩吟を吟じる。そして火をおこし、熱いコーヒーを流し込む・・・ロマンチックな2泊3日のサイクリングの旅に出かけてきた。 お互い体を鍛え、コロナに備えよう。

 

《 国生みの たどりし淡路 爺の春 》     

    ―くにうみの たどりしあわじ じじのはるー

 

Awaji Island is an island of mythology <national birth> that appears in Kojiki. Time race is good, but playing in the wind, being guided by clouds, talking to the sea, setting up tents, swimming in the Milky Way, writing haiku, and singing poetry. I set fire and pour hot coffee. I went on a romantic two-night, three-day cycling trip. We train each other and prepare for the corona Virus.

 

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               夕陽に浮かぶ明石海峡大橋

 

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2020『星の巡礼 淡路島一周サイクリング老人の旅』①

https://shiganosato-goto.hatenablog.com/entry/2020/03/04/222114

 


 

 

■2020_03_20   蓬莱山雪中キャンプを楽しむ

Enjoy snow camp on Mt. Horai

 

木蓮が咲くころ、雪中キャンプを楽しみに蓬莱山に登っている。今年は極端に積雪少なく、びわ湖バレーのゲレンデもコロナウイルスの影響もあってか人影もまばらであったが、大自然の美しい夕暮れや夜空に輝く星座に魅了された。寝袋に潜り込んでからの深夜の強風(体感風圧30)にテントごと吹き飛ばさる直前、急遽避難、ヘッドランプを頼りに深夜の撤退下山というハップニングに見舞われた。長年の登山の中での貴重な体験に少し興奮したものである。

 

When the magnolias bloom, I am climbing Mt. Horai looking forward to camping in the snow. There was extremely little snow this year, and although the slopes of the Lake Biwa Valley and the people were sparse due to the influence of the coronavirus, I was fascinated by the beautiful dusk of nature and the constellations shining in the night sky. Immediately before the tent was blown away by the strong wind (experienced wind pressure 30) at midnight after sneaking into the sleeping bag, I was suddenly evacuated and was hit by the happening of withdrawing from the mountain at midnight relying on the headlamps. I was a little excited about the precious experience of many years of mountaineering.

 

《 咆哮の 怯え縮みし 春嵐 》

―ほうこうの おびえちぢみし はるあらしー

 

テントを揺さぶる春嵐の咆哮に、みを縮め怯えた一夜であった。

It was a night that I felt to be scared of a spring storm when I stayed in a tent on the top of Mt. Horai

 

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                 蓬莱山頂の残雪

 

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         残雪淡き蓬莱山頂よりびわ湖西岸を見下ろすテント

 

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             比良山系 蓬莱山頂の落日と地蔵尊

 

 

 

 

■2020/04/29 『星の巡礼 シルクロード踏破16000㎞日記』後編

 <タシュクルガン/中国 ⇒ ペシャワールパキスタン

  Silk Road traversal 16000km diary Part 2

   <Tashkurgan / China Peshawar / Pakistan>

 

 コロナウイルスとのながいお付き合いになりそうである。自宅待機の時間を生かして森の再生に汗を流しながら、『星の巡礼 シルクロード踏破16000㎞日記』を整理し、パミール高原を越えカラコルムハイウエーをバスで走った<中国/タシュクルガン ⇒ ペシャワール/パキスタン>間の日記を書き上げてみた。

It is likely to be a long-term relationship with the coronavirus. Taking advantage of the time spent waiting at home, while working hard to regenerate the forest, I organized the "Star Pilgrimage Silk Road 16000km Diary" and ran the Karakorum Highway over the Pamir Plateau by bus <China / Tashkurgan ⇒ Peshawar / Pakistan > I wrote a diary between them.

 

《 おさまらぬ コロナ踊りや 過ぎし春 》

    ーおさまらぬ ころなおどりや すぎしはるー

 

コロナ騒動がおさまらないうちに春も過ぎてしまった

Spring has passed before the corona turmoil has subsided.

 

お体を大切にされ、人類を震撼させている疫病に耐えて、お互い元気な姿での再会を楽しみにしております。志賀の里にいるわれわれは元気です。

写真は、パキスタン/アフガニスタン国境ハイバル峠にて

We look forward to seeing each other in good spirits, enduring the plague that cherishes our bodies and shakes humankind. We are fine in Shiga-no-Sato. The photo is at the Khyber Pass on the Pakistan / Afghanistan border.

 

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           アフガニスタン ハイバル峠にてガイドと

 

 shiganosato-gotoの日記 (hatenablog.com)


 

 

■2020_05_05  コロナに負けじと風に舞う鯉のぼり

A carp streamer that dances in the wind, losing to Coronavirus

 

《 暗き世も 泳ぎ切るらん のぼり鯉 》

    ―くらきよも およぎきるらん のぼりこいー

 

この世はいまコロナウイルスで暗い気持ちになっているが、鯉のぼり(子供)たちは

大空を元気に泳ぎ切ることであろう。

 

The world is feeling dark now because of coronaviruses, but carp streamers (children) will be able to swim well in the sky.

 

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■2020_05_06  コロナわれ関せずと葱坊主は独り坐禅

    Coronavirus is zazen alone without being involved

 

世間は、コロナウイルスという疫病に騒然となっているが、わが家の葱坊主たちは

我関せずと泰然自若の体である。

 

《 疫病に 独り坐禅や 葱坊主 》

 ―えきびょうに ひとりざぜんや ねぎぼうずー

 

In this world, the plague of coronavirus has been a cause of noise, but the green onions of our family are self-sufficient without any concern.

 

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■2020_05_07  コロナに負けじと溝掃除

No losing to Coronavirus and cleaning the ditch

 

《 梅雨入りや コロナ追いやる 溝掃除 》

    ―つゆいりや ころなおいやる みぞそうじー

 

われわれが現在、深い関係を持っている未知なる新型コロナウイルスは高温多湿、特に太陽光に弱いという説が専門家や、ホワイトハウスから発表されている。その先陣を切って日本は梅雨を迎え、夏場に突入する。疫病の一日も早い終息を願って溝掃除に汗を流した。

 

Experts and the White House have announced that the unknown new coronavirus, which we have a deep relationship with, is weak in high temperature and humidity, especially sunlight. Japan is approaching the rainy season and enters the summer. I sweated to clean the ditch in hopes of ending the plague as early as possible.

 

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■2020_05_10 母の日に寄せて

For Mother's Day

 

わたしたち兄弟姉妹にとって最愛なる母が召天して20年目の母の日、幼い小鹿たちを女手一つで守ってくれた日々が懐かしく、感謝の気持ちでいっぱいである。

 

《 母慕ふ 小鹿の千鳥 怪しげや 

        振り返し笑み いまだ忘れじ 》

  ―ははしたう こじかのちどり あやしげや 

           ふりかえしえみ いまだわすれじー

 

My mother, the beloved mother of our brothers and sisters, celebrated her 20th year of Mother's Day after calling, and the days when she protected the little fawns with her hands are nostalgic and full of gratitude.

 

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■Facebook2020_05_16 義父94歳の誕生を祝って

Celebrating the birth of my father-in-law, 94 years old

 

高齢に伴い老人ホームに入居中の義父に変わって、山里にある実家の庭木を剪定してきた。

どの庭木も義父が慈しみ育てた庭木たち、なかでも老梅の朽ちた大木が玄関先にその姿をさらしている。よく見ると朽ちた老梅に一本の若々しい子梅の腕が天を衝いてその枝を伸ばしているではないか。

命を引き継ぐ、その愛の営みに心震える感動を覚えた。

 

《 慈しみ 義父の育てし 庭木刈る 

         朽ちて老梅 子梅遺せし》

   -いつくしみ ちちのそだてし にわきかる 

              くちてろうばい こうめのこせしー

 

As my father-in-law he grew older, instead of who is living in a nursing home and has been pruning the garden tree of his house in mountain village.
All the trees are grown by his love and kindness, and among them, the old tree of plum exposes itself to the front door.  Look closely, the arms of a youthful plum on it is growing.

I was deeply moved by the love that took over new life.

 

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         義父の生家

 

 

 

■2020/05/19  コロナウイルスからの経済回復

Economic recovery from coronavirus (in Chinese market)

 

中国のコロナウイルス終息宣言からの経済回復速度を見ていたが、案外早く経済システムの回復が見られ驚いている。今後の日本経済回復の目途になるのではないだろうか。

1月23日 武漢都市封鎖

3月20日 アマゾン通販で<AC/DC 変換アダプター>注文

4月5~16日お届け予定日

4月8日  武漢封鎖解除

5月18日 注文商品受領

I was watching the speed of economic recovery from China's declaration of the end of the coronavirus, but I was surprised to see the recovery of the economic system unexpectedly quickly. I think it will be a prospect for the recovery of the Japanese economy in the future.

 

《 春風に 森の妖精 謳いあげ 

       鋸に和してや コロナ散せし 》

  ―はるかぜに もりのようせい うたいあげ 

             のこにわしてや ころなちらせしー

 

コロナウイルスによるステイホームの間、森の再生作業を終え、デッキの改修に取組み、ヨモギ餅づくりを楽しみながらブログ「星の巡礼 シルクロード踏破16000㎞日記⑤―パキスタン編」を仕上げた。

https://shiganosato-goto.hatenablog.com/

 


During the stay home with coronavirus, I finished the forest regeneration work, worked on the deck repair, and finished the blog " Pilgrimage of Star: “Silk Road Crossing 16000 km diary ⑤-Pakistan edition" while enjoying making mugwort rice cake.

 

 

 

 

     

 

 

      『2020志賀の里・歳時記』 Ⅱ 

          (5月19日~12月31日)に続く

 

 

shiganosato-goto.hatenablog.com

                 

 

 

 

 

 

 

 

          

 

 

 

 

 

 

 


 

 

2020『星の巡礼 大津絵の世界に遊ぶ』

2020『星の巡礼 大津絵の世界に遊ぶ』

―Play in the world of Otsu-e (Japanese folk caricature)-

 

わがボーイスカウト仲間 篠田常生君から「令和2年 現代大津絵展」開催の案内状が届いた。

わたしも居を構えている大津市、この際、郷土の大津絵の魅力を探ってみたいと出かけてきた。

 

Our boy scout fellow, Mr. Tsuneo Shinoda, sent me a letter of invitation to hold the "Reiwa 2nd - 2021 Contemporary Otsu-e Exhibition". In Otsu City, where I also live, I went out to explore the charm of Otsu-e in my hometown.

 

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     f:id:shiganosato-goto:20201212221959j:plain               現代大津絵展会場入口

 

彼は大津絵同好会に所属し、古き良き郷土民画である大津絵の技法を学び、後の世へと伝えたいという情熱に駆られ、精進しているようである。

この暮、今迄に学んだ大津絵技法の集大成として2021年大津絵・丑年のカレンダーを作ったので見て欲しいと送ってくれた。

 

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      現代大津絵展会場にて 篠田常生君(右)の軸装作品前で

 

大津絵は、模写する愛好者の手によって、その表情や情景の豊かさを変え、取り合わせを変えることによって、進化を続ける世にも珍しい民画である。

 

版画的要素に、手を加える点描によって作品の強弱を表現する方法もまた庶民的で親しみが持てる。彩色もシンプルで、その古色になんとも言われない素朴さを感じるものである。

大津絵は、日本古来の隠し持った土着の風格と、おのれを押し殺した風流と教訓が同居する<表現する民画>であるといってもいい。

 

     

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        <傘さし美人>   篠田常生作   <鬼の三味線>  

 

<傘さし美人> 浮世絵を踏まえた風俗画として   

<鬼の三味線> 酒や音曲に遊び浮かれ、心を奪われてしまわないように

 

He belongs to the Otsu-e club, and seems to be devoting himself to learning the technique of Otsu-e, which is a good old folk painting, and to pass it on to future generations. He sent to me a calendar for 2021 Otsu-e with his technic that he has learned so far.

Otsu-e is a rare folk painting that continues to evolve by changing the richness of its facial expressions and scenes and the combination of the paintings by the hands of copying enthusiasts.

The method of expressing the strength and weakness of the work by modifying the print elements with pointillism is also popular and familiar.

The coloring is also simple, and we can feel the simplicity of the old colors. It can be said that Otsu-e is a <Minhwa - folk story to express> in which the indigenous style that has been hidden since ancient times in Japan and the style and lessons that killed us coexist.

 

<大津絵 おおつえ>

江戸時代初期の寛永年間(17世紀前半)頃から、東海道<逢坂の関>の京都側に下った<近江国追分にあった>大谷町、追分町付近で売られていた民画<である>。青面金剛などの仏画や、藤娘・鬼の念仏・瓢箪鯰などの世俗画が画題としてとりあげられた。後には、大津絵に道歌<教訓歌―人間関係や社会に関する教訓を風刺を込めて表現したもの>を付したもの<や神仏、人物、動物がユーモラスなタッチで描かれたもの>が登場したり、鬼の念仏は赤子の夜泣きに効き目があるなどの庶民信仰も生まれた。旅の土産として普及したため、合羽刷りで輪郭をかたどり、細部を手彩色するという大量生産の手法がとられ、一枚物か描表装(かきびょうそう)に細竹の軸を付けた、簡単な装丁で販売されていた。 

<また、大津絵に護符としてのご利益を取り込んだ大津商人の一端もうかがえるから面白い。>                 (大津市歴史博物館・<一部補足>)

 

名産としての民族絵画・大津絵は、東海道中山道を旅する旅人の江戸絵画の一つとして土産物や、護符(災厄・魔除け)として愛されたということはすでに述べた。。

最初は信仰対象の仏画として描かれたらしいが、その後、風俗画より教訓や風刺的な道歌を添えたお土産としての大津絵と変わって行ったといわれる。

現在の愛好家が好む大津絵画題には、「雷と太鼓」・良縁を願う「藤娘」、子供の夜泣きを抑える「鬼の寒念仏」・雷除けの「雷公」・「外法の梯子剃り」・「鷹匠」・「座頭」・「瓢箪鯰」・「槍持奴」・「釣鐘弁慶」・「矢の根」などがあるという。

ほか、仏画としての大津絵には、 阿弥陀不動明王、大黒、十三仏大日如来、千手観音などがあげられる。

ここでは帰宅時、三井寺で巡り合った大津絵<鬼の念仏>二題と題材となった<釣鐘弁慶>の写真を載せておきたい。

大津絵装丁には、耳付和紙色紙・短冊・掛け軸・木板・絵馬・瓢箪・舟板壁掛けなどが好まれるようである。

 

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        三井寺に奉納された大津絵<鬼の念仏>二題

 

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           釣鐘弁慶の原題となった<弁慶鐘>

 

 

《大津絵同好会制作大津絵カレンダーより13の大津絵画題を追う》

 

ここでは、友人の2021年(令和3年)のカレンダーに出てくる12の画題を取り上げることにする。

Here, I will pick up 12 themes that appear in my friend's 2021 (Reiwa 3) calendar.

           

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    大津絵同好会制作2021大津絵カレンダー

 

表紙画題 <牛に松>(丑 令和3年干支)

大津絵最古で、奉納される神牛を描いたものではないかといわれている黒牛と松の定番大津絵である。

江戸時代の農耕牛を大切にするさまが表現され、心温まる正月の情景が新玉って見える。

Cover title <Cow and pine> (Ox, Reiwa 3rd year zodiac)

Otsu-e A classic Otsu-e of black cows and pine trees, which is said to be the oldest painting of a devoted god cow. It expresses the importance of farming cows in the Edo period, and the heartwarming New Year's scene looks like, in Japan.

 

 

<カレンダーにみる 篠田常生作 大津絵12点>

 

 

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1月画題 <大黒>   篠田常生作            

七福神の一人として今でも人気の高い大黒の図である。大津絵でも小槌に大きな袋を背負ったお馴染みの姿で描かれており、財の神としてお守り代わりに求められることも多い絵である。
道歌に、 「上を見ず稼ぐ打出の小槌より 萬の宝湧きいづるなり」と詠われてる。

    -うえをみずかせぐうちでのこづちより よろずのたからわきいづるなりー

 

January title <Daikoku>

It is a figure of Daikoku, which is still popular as one of the Seven Lucky Gods.

 Even in Otsu-e, it is depicted in the familiar form of a gavel carrying a large bag on its back, and it is often requested as a talisman as a god of wealth.

 

 

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2月画題 <五人男>   篠田常生作

町奴と題し、浪速五人男 の中の一人雁金文七(かりがねぶんしち)。
歌舞伎の白波五人男の役者絵と対比できる。

 

February title <Five men>

Titled as a town guy, one of the five Naniwa men, Kariganebunshichi. It can be compared with the actor picture of Kabuki's five Shiranami men.

 

 

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3月画題 <踊り娘>   篠田常生作

白椿に短冊をもつ大津絵踊りの娘さんの画題は珍しい。

大津絵では藤娘が主流である。

 

March title <Dancing girl with wisteria flowers - Fijimusume>

The title of the daughter <Fujimusume of Otsu-e dance, who has a strip of paper on a white camellia, is rare, is it a camellia girl.

Fujimusume is the mainstream in Otsu-e.

 

 

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4月画題 <槍持ち奴>   篠田常生作

毛槍を担ぎ大名行列の先頭を歩く奴の図である。

奴の威勢のよさは庶民の憧れであり、リアルでユーモアで動きを感じる。

 

April title <Spear holder>

It is a figure of a guy carrying a hair spear and walking at the head of the Daimyo procession. His dignity is a longing for the common people, and he feels real, humorous and moving.

 

 

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5月画題 <藤娘>   篠田常生作

初期の藤娘、大津絵を代表する画題である。

 

May title <Fujimusume - girl with wisteria flowers >

This is a representative theme of Otsu-e, an early wisteria girl.

 

 

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6月画題 <天狗と象>    篠田常生作

天狗と象という全く異質なものを比較することは空しいという教訓画である。

バランスと構図がむつかしい大津絵の一つといえる。

 

June title <Tengu and Elephant>

 It is a lesson that it is empty to compare the completely different things of a tengu and an elephant. It can be said that it is one of the Otsu-e paintings where the balance and composition are difficult.

 

 

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 7月画題 <雷と太鼓>   篠田常生作

雷公(日本の民間信仰 神道における雷と神)が落とした太鼓を引き上げようとしている風刺画である。熟達者でも失敗することがあるといった教訓。

 

July title <Thunder and drums>

This is a caricature of a drum that was dropped by Raijin (the god of thunder in Japanese folk beliefs and Shinto). The lesson that even an expert can fail.

 

 

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8月画題 <釣鐘弁慶>   篠田常生作

怪力豪放の弁慶は、身体剛健の護符である。

義経に出会う前の比叡山僧兵時代の弁慶で、三井寺(園城寺)の鐘を奪い、

引き摺っていく途中で谷底に投げ落としたという故事の鐘が寺にある。

 

August title <Benkei Tsurigane>

Benkei, a superhuman strength, is a talisman of physical strength. At Benkei during the time of Mt. Hiei, there is a bell in the temple that was thrown to the bottom of the valley while dragging.

 

 

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9月画題 <若衆>   篠田常生作

江戸元禄時代に生まれた大津絵<若衆>は、美人画と共に人気を博したという風俗画である。

美人画のような着こなしをしているが、顔たちは精悍であるところに魅力があったのであろう。

September title <Wakashu - Young men>

Otsu-e <Wakashu>, which was born in the Edo Genroku era, is a genre painting that gained popularity along with Bijin-ga. He is dressed like a bijin-ga, but his faces may have been attractive because he was fearless.

 

 

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10月画題 <三味線弾きの女>   篠田常生作

大津絵では、狐女と三味線や雷と三味線という風刺画で表現されるものが多いが、この<三味線弾きの女>は美人画のように無難な構図で描かれている。

 

October title <Shamisen playing woman>

In Otsu-e, many are represented by caricatures of fox and shamisen and thunder and shamisen, but this <shamisen-playing woman> is drawn with a safe composition like a Bijin-ga.

 

 

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11月画題 <大黒外法の相撲>   篠田常生作

外法とは七福神の1人、福禄寿をさしている。

大黒と外法が相撲をとり、長寿と財福が共倒れする風刺画である。

 

November title <Sumo of Daikoku Gaiho>

Foreign law refers to Fukurokuju, one of the Seven Lucky Gods in Japan. It is a caricature in which Daikoku and Gaiho wrestle and longevity and wealth fall together.

 

 

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12月画題 <鬼の寒念仏>   篠田常生作

鬼が念仏を唱えるという、偽善を表現した戒めの画である。

鬼はほかに、子供の夜泣きを沈める護符(お守り)として人気があったようである。

 

December title <Oni no Kannenbutsu>

It is a picture of a commandment that expresses hypocrisy that a demon recites Nembutsu. Oni also seemed to be popular as a talisman to sink children's night crying.

 

 

 

<現代大津絵展を後にして>

大津絵は、地方の民芸画として庶民の喜怒哀楽を表現し、教訓やお守りとしての護符、土産として情報を発信し、地方創成に寄与したようである。

なんとも言えない表現をユーモラスに変え、笑いの中に人生訓をたれる様は、大津絵として東海道中山道の大津宿が果たすべき地方の役割をしめし、地方文化の一翼を担っていたといえる。

 

大津市歴史博物館で開かれた「令和2年度 現代大津絵展」を鑑賞したあと、三井寺で弁慶が引きずったという鐘や、お寺に奉納された木版に描かれた大津絵を見つけては写真に収め、大津市役所に向かう植え込みに隠れた「松山画 大津絵」に添えられた解説文を楽しみながら家路についた。

 

大津絵に触れて、まるで江戸時代にタイムスリップしたような、昔の漫画風草紙というか、懐かしい童話の世界に遊んだような気持ちにさせられた。

 

Otsu-e expresses the emotions of the common people as a local folk art painting, and seems to have contributed to the creation of the region by disseminating information as lessons learned, amulets as amulets, and souvenirs.

It can be said that Otsu-e, which changes indescribable expressions into humorous expressions and hangs life lessons in laughter, shows the role of the region that Otsu-juku on the Tokaido and Nakasendo should play, and plays a part in local culture.

After watching the "Reiwa 2nd Year Contemporary Otsu-e Exhibition" held at the Otsu City Museum of History, I can find the bell that Benkei dragged at Mii-Temple and the Otsu-e drawn on the woodblock dedicated to the temple. I took a picture and went home while enjoying the commentary attached to the "Matsuyama painting Otsu-e" hidden in the planting toward the Otsu city hall. Touching Otsu-e made me feel like I was playing in the world of old fairy tales, like an old paper (manga) that made me feel like I made a time slip in time to the Edo period.

 

 

<現代大津絵に関する問い合わせ先>

日本大津絵文化協会 520-0023 大津市茶が崎6-2-509 

TEL:077-515-4497

 

 

 

           大津絵の世界に遊ぶ

 

                 

 

 

 

 

 

 

 

 



 

 

 

 

2020『星の巡礼 朋友・琥衆を偲ぶ追悼短歌集』

                              『星の巡礼 朋友 竹内正照君を偲ぶ追悼短歌集』

                          20191114日 午後8時永眠帰天す

              2020年11月14日 一周忌を偲ぶ

              

                                     短歌 『偲ぶ草』  
                                           詠み人 後藤實久

 

この短歌集は、晩年、京瑠璃玉(トンボ玉)に情熱を傾けた朋友 竹内正照君(号 琥衆)の治療入院を励ますための愛語と、帰天した朋友への哀惜の念を綴ったものである。

彼との出会いは京都における高校時代のボーイスカウト活動を通してであった。大学に進み、彼をはじめ7人と共に発起人となって同志社大学ローバースカウト(青年)隊を結成させた仲である。

すでに半世紀を越える友情を重ねているが、彼は手広く飲食業を経営しながら、ボーイスカウト活動をはじめ、朝日カルチャ―スクールのキャンプインストラクチャーとして活躍、京都キャンプ協会でも奉仕していた。

彼は人生半ば、一念発起し、趣味のトンボ玉から京瑠璃玉へと境地を広げ、琥衆の号のもとに高島屋工芸展を通して多くの同好の士の魂を揺さぶる作品を世に出した。

晩年、彼は京瑠璃玉を天職として愛し、全精力をつぎ込んでの取り組みをしていた。友人としてその完成を心待ちにしていたが、琥衆としての京瑠璃玉完成と共に天に召された。

病床にある彼を見舞って交わした愛語は、いついつまでも忘れることのできない宝であり、思い出となった。

彼が入院する数か月前には、有志の夫婦で「青春(あおはる)会」の名のもと思い出の食べ歩き会を持てたことがせめての絆の証となった。

 

君を見舞いて

 

《見舞いゆき 勝負魂 こころ失せ 連敗せしや へぼ将棋かな》

 -みまいゆき しょうぶだまし こころうせ れんぱいせしや へぼしょうぎー

 (へぼ将棋に勝っての得意顔、嬉しいね、その童心の顔がいい)

 

 

《夏休み ロボット残し 孫帰り 君と将棋 指すを楽しむ》

 -なつやすみ ろぼっとのこし まごかえり きみとしょうぎ さすをたのしむー

 

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《声明の ツクツクボウシ せわしきや 清けき老いを 楽しむもよし》

 -しょうみょうの つくつくぼうし せわしきや きよけきおいを たのしむもよしー

 (運命に従うツクツクボウシの声は、清く透明な声明に聞こえてきて、その老いを

  楽しむ姿に感銘を受けるものである)

 

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《清らかに 湖岸風切る 湖西線 列車乗れば 君に会えしや》 

 -きよらかに こがんかぜきる こせいせん れっしゃのれば きみにあえしやー

  (われらが利用する琵琶湖西岸を走るJR湖西線の列車)

 

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《山百合の 清き姿や 凛と立ち 時を見つめて 風に揺れにし》

 -やまゆりの きよきすがたや りんとたち ときおみつめて かぜにゆれにしー 

 

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《情熱の いのち顔色 吉野葛 君や輝く 京瑠璃玉や》 

 -じょうねつの いのちかおいろ よしのくず きみやかがやく きょうるりたまやー

 

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《ダンディな 君も今乗る 車椅子 友情架けし 近江大橋 

 -だんでぃな きみもいまのる くるまいす ゆうじょうかけし あうみおおはしー

 (9月度<青春会>定例昼会食・ドイツレストラン・大津市近江大橋で開催)

 

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《秋風に 寄添うススキ 触れあいて 振り返りし日を クスッと笑う》 

 -あきかぜに よりそうすすき ふれあいて ふりかえりしひを クスっとわらうー

 

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《琵琶に咲く 曼珠沙華 背を伸ばし 天上の華 たらんと欲す》 

 -びわにさく まんじゅしゃげ せをのばしてんじょうのはな たらんとほっすー

  (君もまた、びわ湖に咲くトンボ玉の花たらんと望みしや)

 

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《人の道 その時なきて 今は無し 水の流れに 己まかせし》 

 -ひとのみち そのときなきて いまはなし みずのながれに おのれまかせしー


  <岩もあり 木の根もあれど さらさらと たださらさらと 水は流れる> 作者不詳

 

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君恋し 男心を 燃えしひと 友情の花 咲きて乱るる》

 -きみこいし おとこごころを もえしひと ゆうじょうのはな さきてみだるるー

  

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          病床に野道で摘みし萩の花を届ける

 

 

《秋風に 一瞬ひやり 鳥肌の 気づきに感謝 今朝の一歩や》

 -あきかぜに いっしゅんひやり とりはだの きづきにかんしゃ けさのいっぽやー 

 

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《導かれ 雑草の中 我らおり 共に祈るや 生きる喜び》

 -みちびかれ ざっそうのなか われらおり ともにいのるや いきるよろこびー

 

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《栄光の 勲章さげし 老兵の 遠き夕日に 喇叭吹きしや》 

 ーえいこうの くんしょうさげし ろうへいの とおきゆうひに らっぱふきしやー

 

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《燃え尽きて この身捧げし とんぼ玉 光と遊び 露に宿るや》 

 -もえつきて このみささげし とんぼたま ひかりとあそびし つゆにあそぶやー

 

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             琥衆作 京瑠璃玉(トンボ玉)

 

 

《台風の 停電闇夜 慌ててや スイッチぱちぱち あれ点かんがな》 

 ーたいふうのていでんやみよ あわててや すいっちぱちぱちと あれつかんがなー

 

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   台風の襲来、停電に慌ててスイッチを探し・・あれっ点かんがな! ボケ老人のお笑いコミック

 

 

《渋柿の 渋を変えてや 甘を生み 労苦重ねて 神技磨きし》 

 ーしぶがきの 渋を変えてや あまをうみ ろうくかさねて かみわざみがきしー

 (奥深い 京瑠璃のこころを 玉に託する技に磨きをかけた君の修練を讃える)

 

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《老ゆる秋 すべて直され 恥をかき いまだ男の 意地に生きしや》 

 -おゆるあき すべてなおされ はじをかき いまだおとこの いじにいきしやー

 (われら後期高齢者のレッテル貼られしが、いまだ忘れぬ男の意地残りしや)

 

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《行き過ぎて 金木犀の 残り香に ふと病床の 君思いしや》 

 -いきすぎて きんもくせい のこりがに ふとびょうしょうの きみおもいしやー

 

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《団栗の 背比べ楽し スカウトの 友と遊びし 日々懐かしや》 

 -どんぐりのせくらべたのし すかうとの ともとあそびし ひびなつかしやー

 

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《悠々と 白雲浮かぶ 秋日和 人の一生 かくありたしや》 

 -ゆうゆうと しろくもうかぶ あきびより ひとのいっしょう かくありたしやー

 

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《せせらぎに 夢を託せし 紅葉船 旅を終えてや 一息つきし》 

 -せせらぎに ゆめをたくせし もみじぶね たびをおえてや ひといきつきしー

  (君の安らぎの顔を見るに、やりつくした男を見る思いである)

 

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《カーテンに 影のごとく 踊る陰 今日も生かさる 君が揺れるや》 

 -かーてんに かげのごとく おどるかげ けふもいかさる きみがゆれるやー

 

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《一筋の 光の温み 心さし 広がる幸や 君を想いし》 

 -ひとすじのひかりのぬくみ こころさし ひろがるさちや きみをおもいしー
  (君を想う奥さんに感謝やね)

 

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《友求め 共に称えつ 認めあい 支えしこの世 美しきかな》 

 ーとももとめ ともにたたえつ みとめあい ささえしこのよ うつくしきかなー

 

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《不思議だね あれこれあれど 人の道 生かし導かれ ゴールは一つ》 

ーふしぎだね あれこれあれど ひとのみち いかしみちびかれ ごーるはひとつー

 

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        ベトナム・ダナンのスケッチにみる満月の夜、寺院を見て人の道を想う

 

 

《吐く息の 一つ一つに 生きし君 熱き思いで 満ちてあふるる》 

 -はくいきの ひとつひとつに いきしきみ あつきおもいで みちてあふるるー

 

 

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《嬉しいな 心の友と 呼べる君 握りし手をや 握り返せし》 

 -うれしいな こころのともと よべるきみ にぎりしておや にぎりかえせしー

 

《自分史を 飾る人生 とんぼ玉 喫茶を愛し スカウトを愛す》 

 ーじぶんしを かざるじんせい とんぼたま きっさをあいし すかうとをあいすー

 

《ありがたや 今日も生かされ 出会いあり 今日の善行 一日笑顔》 2019/11/14

 ―ありがたや けふもいかされ であいあり けふのぜんこう いちにちえがお

   (2019年11月14日旅たちの朝に贈ったスカウトの標語<一日一善>が最後の短歌となった)

 

 

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               君の笑顔に感謝

 

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        同志社ローバー隊発団式にて(59年前 同志社教会前)

          (前列左より 後藤・岩口・前田・竹中・竹内・福井・桐山・井上)

 

 

 

朋友・竹内正照(号 琥衆)を見送る

2019(令和元)年111415日 志賀の里弧庵にて

 

 

2019(令和元)年1114日午後8時、I病院313号室にて帰天す・・・
君を見舞いてのち、翌日夜、君の旅たちの悲しき知らせあり・・・
ここに、短歌を添えて君・琥衆を見送る・・・

 

 

《無の風に 戯れ遊ぶ 雲遮月 悲しみ深き 君の旅たち》 

 -むのかぜに たわむれあそぶ うんしゃげつ かなしみぶかき きみにたびたちー

 

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《つとめ終え 清きこころに 包まれて 笑みつつ去りし 我友の顔》

 -つとめおえ きよきこころに つつまれて えみつつさりし わがとものかおー

 

《時来たり 旅立ちし君 スカウトや こころ清めて 弥栄(イヤサカ)贈る》

 -とききたり たびたちしきみ すかうとや こころきよめて いやさかおくるー

 

《君の愛 花咲き実る とんぼ玉 命の調べ いついつまでも》

 -きみのあい はなさきみのる とんぼたま いのちのしらべ いついつまでもー

 

《君なりの ガラスの世界 切り拓き 苦難の技を 宝に変えし》

 ーきみなりの がらすのせかい きりひらき くなんのわざを たからにかえしー

 

《安かれと 祈りし我に 微笑みて 清けき風に 戯る君や》

 -やすかれと いのりしわれに ほほえみて こよこかぜに たわむるきみやー

 

《風そよぎ 白雲浮かぶ 秋日和 聖なる君や 天に召さるる》

 ーかぜそよぎ しろくもうかぶ あきびより せいなるきみや てんにめさるるー

 

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《君去りて さすらうままに 日は暮れて 悲しみふかし 我胸のうち》

 -きみさりて さすらうままにひはくれて かなしみふかし わがむねのうちー

 

《早くして 天に召されし 君なれど 幽玄の世を 創りてや君》

 -はやくして てんにめされし きみなれど ゆうげんのよを つくりてやきみー

 

《永遠の ローバースカウト 天に往き 湖畔に沈む 夕日静けき》

 -えいえんの ろーばーすかうと てんにゆき こはんにしずむ ゆうひしずけきー

 

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《友往きて 香り遺せし 白菊の 想いて哀し 君の残像》

ーともゆきて かおりのこせし しらぎくの おもいてかなし きみのざんぞうー

 

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                  弥栄合掌

                   -イヤサカがっしょうー

 

 

初七日、君に別れを告げる

 

20191116日 家族葬営まれる

2019(令和元)年11月16日午後2時、琵琶湖大橋会館<洛王セレモニーホール>にて家族葬が営まれ、<志賀聖苑>で荼毘に付されたとの連絡がもたらされた。
永年の友情に感謝し、君の旅たちに弥栄<イヤサカ>を三唱し、見送るものである。

今朝は君の大好きなコーヒーを点てたよ。楽しい思い出を語りあいながら一緒に飲もう・・・

 

《一杯の コーヒーを点てて 供えしは この日忘れじ 君との別れ》

 -いっぱいの こーひーたてて そなえしは このひわすれじ きみとのわかれー

 

《一筋の 線香煙る 朝坐禅 君を見つめて 祈り贈るや》

 -ひとすじの せんこうかおる あさざぜん きみをみつめて いのりおくるやー

 

《膝屈伸 曲げるたびに 笑み浮かべ うなずき催促 最後の別れ》

 -ひざくっしん まげるたびに えみうかべ うなずきさいそく さいごのわかれー

 

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     君より贈られた初期の作品<ワイングラス>に赤ワインを注ぎ、線香を立てたよ

 

今朝は、素敵な秋晴れ、自宅に帰り、ほっとしただろうね。お疲れさまでした。
君の初期の作品であるギアマンに赤ワインを満たし、君の前に備えたよ。

お味はどうかな。

 

《青春の 夢追いかけし 君おりて 赤いグラスに 血潮見るなり》

 -せいしゅんの ゆめおいかけし きみおりて あかいぐらすに ちしおみるなりー

 

《西方の 満ちし星たち 我招き 語り歩きし 黄昏小路》

 -せいほうの みちしほしたち われまねき かたりあるきし たそがれこみちー

 

《嵐にも 雨にも耐えし 君ゆえに 京瑠璃の技 極めつくせし》

 -あらしにも あめにもたえし きみゆえに きょうるりのわざ きわめつくせしー

 

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おはようさん、今朝の地上は薄曇り、そちら天国は秋晴れかな・・・
君のトンボ玉への心を読んでみたよ・・・

 

 

《京瑠璃の 琥珀に沈む トンボ玉 究極の技 求めしや君》

 -きょうるりの こはくにしずむ とんぼたま きゅうきょくのわざ もとめしきみやー

 

 

そちらはどう? こちらとっても寒くなったよ。そうそう、京都キャンプ協会の会長から君の訃報を事務局から聞いたと連絡があったよ。
今朝の一句は、われわれが還暦を記念して、比叡平にある<喫茶 叡林>だったかな、そこで<ちぢみ>を食べながら、熱く語り合った日を思い出したんだ。憶えているかな?

 

《還暦に 比叡平で ちぢみ喰い 童夢のごとく 熱く語りし》

 -かんれきに ひえいたいらで ちぢみくい どうむのごとく あつくかたりしー

 

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           大津赤十字病棟より懐かしの比叡平を眺める

 

 

わが祭壇に飾られた君の遺影、トンボ玉に真剣に取り組んでいる姿は実に美しくもある。そこには高貴な匂いすら漂っているよ。
そうそう比叡平で一緒に食べた<ちぢみ>は、どうも記憶によると<中華料理 南山>であるらしい。

 

《向き合いて 溢れる慈愛 涙する 挑みし姿 高貴なるかな》

 -むきあいて あふるるじあい なみだする いどみしすがた こうきなるかなー

 

 

君の初七日、散歩中に出会った沢蟹に誘われて、森の木陰で、君の再来とばかり話し込んだよ。

 

《君去りて 姿変しや 沢蟹の 愛語交わせし 森の木陰で》

 -きみさりて すがたかえしや さわがにの あいごかわせし もりのこかげでー

 

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君去って、初七日までゆっくりと君を見送ることができて喜び、感謝してるよ。
これで日常に戻ることができるというものだ。

 

 

《ちっぽけな 命はぐくむ 我らとて 悠久背負う 太陽の子や》

 -ちっぽけな いのちはぐくむ われらとて ゆうきゅうせおう たいようのかやー

 

《わが一歩 君の一歩に 重なりて 人の道をや 神に託せし》

 -わがいっぽ きみのいっぽに かさなりて ひとのみちをや かみにたくせしー


《君往きて 姿亡きあと 香あり 無垢なる笑みを 風に乗せてや》

 -きみゆきて すがたなきあと かおりあり むくなるえみを かぜにのせてやー

 

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                     では、ゆっくりお休み

 

        

 

■2020年11月14日 ダンディな朋友 竹内正照君(号 琥衆)の一周忌を偲んで

 

 

君想ふ 去りて遺すや 人ごころ 絆ふくらむ 過ぎし日々かな

 ーきみおもう さりてのこすや ひとごころ きずなふくらむ すぎしひびかなー

 

《とんぼ玉 君なる世界の 深みにて 優美に舞いし 幽玄の世や》

 ーとんぼだま きみなるせかいの ふかみにて ゆうびにまいし ゆうげんのせかいやー 

 

《相寄りて 昔懐かし 友の顔 染みる話に 時を超えてや》

 -あいよりて むかしなつかし とものかお しみるはなしに ときをこえてやー

 

 

 

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《過ぎ去りし 懐かしき日々 君おりて 眺むるかなた 笑顔ありてや》

 -すぎさりし なつかしきひび きみおりて ながむるかなた えがおありてやー

 

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          もう一年もたったんだね、そちらはどう・・・

               赤ワイン届いたかな・・・

 

            

 

 

 

                  2019-2020

         朋友 竹内正照君(号 琥衆)の一周忌を偲ぶ短歌集

 

                   完



 

 

 

2020『星の巡礼 比良山系八雲ケ原湿原の紅葉散策』

2020『星の巡礼 比良山系八雲ケ原湿原の紅葉散策』

 2020 "Pilgrimage of the stars: A walk through the autumn leaves of the Hira Mountains-

Yakumogahara Marsh"

 

今年も美しい日本の紅葉の季節がやって来た。

標高1000m級の比良山系の紅葉は今が見ごろである。

比良山系標高900mに広がる八雲ケ原湿原ー天空の庭園と呼んでいる紅葉のパラダイスは湿原から流れ出る小川の流域に広がる。

紅葉散策へのルートは、イン谷口(250m)より正面谷(比良川)の険しい急登<青ガレ>を登りきって、金糞峠(かねくそとうげ 881m)に出る。

峠を越え、坊村・中峠方面へ直進、西へ下ると、間もなく右手より八雲が原入口に出て、空中庭園をつらぬく小川をさかのぼる。11月初旬、この間の流域の紅葉が真っ盛りで、思わずその美しさに歓喜の声をあげた。

 

すでに枯葉に彩られたヤクモ池(910m)で、あたたかいインスタントラーメンとお握りを頬張り、北比良峠(962m)よりダケ道を下山し、イン谷口にもどった。

下山路であるダケ道での標高差に見られる紅葉もまた、赤黄葉から黄緑葉、そして緑葉に変わる紅葉の絶妙な混合配色が味わえて楽しい。

比良山系の1000m以上の山頂付近(11月5日現在)はすでに落葉し、現在標高1000~500m間の紅葉が真っ盛りである。

今年の11月中下旬、標高500~200m間が紅葉に染まると思われる。

高山での紅葉観賞にはフリースやダウンの防寒服を持参することをおすすめする。

今回も、パートナーに助けられ8時間の紅葉登山に、気持ちいい汗をかいてきた。

 

比良山の空中庭園・八雲ケ原(湿原)の紅葉散策でカメラに収めた移りゆく秋の風景をお楽しみいただければ幸いである。

 

Walking around the autumn leaves of Hira Mountain's aerial garden Yakumo-ga-Hara (wetland):

 The autumn colors of the Hira Mountains at an altitude of 1000m are in full bloom now. From In -Taniguchi (250m), climb the steep climb <Aogare> in the front valley (Hira River) and we will reach the Pass of Kanakuso (881m). Go straight toward Bomura / Naka-Touge, and soon after going west, you will go up the stream in the hanging gardens of Babylon from your right. During this time, the autumn leaves were in full bloom, and I was surprised at the beauty of the leaves.

At Yakumo-Pond (910m), which was already colored with dead leaves, we took on warm instant noodles and rice cakes, descended the Dage-Road from Kitahira Pass (962m), and returned to In-Taniguchi.

The autumn colors seen in the difference in altitude on the downhill road, Dage-Road, are also fun to enjoy the mixture of the colors of the autumn leaves that change from red-yellow leaves to yellow-green leaves and then to green leaves.

The leaves have already fallen near the summit of the Hira Mountains over 1000m, and the autumn leaves are currently in full bloom at an altitude of 1000-500m. In mid-November, the area between 500 and 200m is expected to be dyed with autumn leaves.

We recommend bringing a fleece or down jacket to see the autumn leaves in the high Mts.

I sweated comfortably for 10 hours of climbing the autumn leaves with the help of my partner,again.

I hope that you will enjoy the changing autumn scenery captured by the camera while strolling through the autumn leaves of Yakumogahara (wetland), an aerial garden on Mt. Hira.

 

<天空の紅葉庭園―八雲ケ原―散策ルート地図>

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<比良八雲ケ原紅葉散策行程表>

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<天空の紅葉庭園 比良八雲ケ原からのスケッチ>

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            比良山八雲ケ原紅葉散策 コヤマノ岳1181m(中央)と武奈ヶ岳1214m(奥)―ヤクモ池より

            Poem & Sketch by Sanehisa Goto

 

         《 染まり往く 比良の峰々 衣替え 八雲の池で 握りほほばる 》

                 ―そまりゆく ひらのみねみね ころもがえ やくものいけで にぎりほほばるー

 

          

<比良山系八雲ケ原湿原の紅葉を楽しむ> 

 

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             06:30 落葉を踏みしめイン谷口を出発(300m)

 

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                                  天然の手水に沈む紅葉もまた、暮れゆくわれを想う

 

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                                                          堂満岳1057m上に半月が沈む

 

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              06:50am 大山口分岐/青ガレ・左に入る  400m 

 

 f:id:shiganosato-goto:20201107173427j:plain                 08:00am ガレ場<青ガレ>標高536m

 

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                    青空を切り裂く金糞峠に出た 

 

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                                                     09:00am 金糞峠  (標高876m)

 

<金糞峠越え西側斜面の紅葉散策 標高850m付近>

 

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             金糞峠西側直下の水場あたりの紅葉

 

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                  金糞峠越え西側周辺の紅葉

 

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                 紅葉に 和して嬉しき 山音色

 

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            黄昏の背に 黄葉まぶしい 落葉であることよ

 

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               落葉また 堆肥なりしや わが命

 

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              それぞれの 彩混ざりてや 歓喜あげ

 

 

<天空の庭園・八雲ケ原の紅葉散策>  標高850m⇒910m

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            八雲ケ原<天空の庭園>入口付近テント場広場の紅葉

 

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    09:15am 八雲ケ原入口 (標高850m) 

 

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             巨杉また 彩着飾りて 恥じらいし

 

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             岩もあり 木の根もあれど さらさらと

                  たださらさらと 水は流れる (作者不詳)

 

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      八雲ケ原湿原に発する小川に沿ってヤクモ池に向かう紅葉のトンネルを楽しむ

               <比良修験道青少年部道場 回峰満行記念仏>

 

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                流水の 紅葉着飾る 時の中

 

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               地蔵尊  秋の日うらら 君の影

 

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              森深く 紅葉覆いて 滝清し

 

 

<11:00am 八雲ケ原湿原にあるヤクモ池で昼食 標高910m>

 

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         11:00 ヤクモ池で昼食 910m(紅葉は過ぎ、すでに冬支度)

 

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             インスタントラーメンとお握りで体を温める

 

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                                八雲ケ原旧スキー場より コヤマノ岳1181mと武奈ヶ岳1214m (右奥)

                     11月初旬、比良山系の標高900m以上の峰々はすでに紅葉を終え、冬景色が広がっている

 

 

<12:30  北比良峠 標高962m ダケ道を下り、イン谷口に向かう>

 

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                  12:30 北比良峠より琵琶湖を眺める 962m

 

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                                                             釈迦岳1060m 斜面の紅葉

 

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                 北比良峠より武奈け岳方面を望む                            北比良峠の下山口の紅葉

 

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                                                                カラ岳1032mと釈迦岳1060m右

 

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               13:30  カモシカ台 694m

 

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                                         標高500mより下るにしたがって紅葉はこれからである

 

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             ダケ道ルートを下り比良川正面谷を渡る

 

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              14:30   大山口に下山 標高400m

 

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      比良山麓いまだ紅葉せず  14:45 イン谷口の駐車場に帰着する 標高300m

 

 

 

 

       2020『星の巡礼 比良山系八雲ケ原湿原の紅葉散策』

                 

                  



 

 

 

 


    

 

 

 

 

 

 

 

        

 

 

 

2020『星の巡礼 比良縦走<釈迦岳⇒リトル比良⇒音羽ルート>』

2020『星の巡礼 比良縦走<打見山~釈迦岳/リトル比良~音羽ルート>』

 

<母なる峰々にいだかれて>

山に入ると、緑に満たされ人間本来の姿である胎児の気持ちにさせられる。そこには原始のこころが宿り、雄大な樹海を泳いでいるような安寧を味わうのである。

緑の覆いのほころびから漏れ来る太陽の光が、まるで命あるシャワーのように降りそそぎ愛の賛歌を歌い上げてくれる。

太陽の光はまた、葉の上に転がる夜露の玉を宇宙の凝縮した姿に変え、その小さな宇宙である玉の中に己の姿を映し出してくれる。

ああ何という神秘なる世界の展開が山の峰々にはあるのであろうか。

人びとを惹きつけてやまない温かい山の抱擁を感じる瞬間であり、この瞬間の営みを演出されている神に感謝する一瞬でもある。

今回もまた比良山系の神々の峰にいだかれて、比良大縦走のうち<リトル比良ルート>を、パートナーを同伴し、ゆっくりと歩を進めてきた。

 

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             びわ湖を見下ろす神々の棲む比良の峰々

          北比良峠付近より琵琶南湖・比叡山・蓬莱山方面を眺める

 

 

 

<比良大縦走区間 / 打見山~釈迦岳~音羽ルート行程表>

3年前の夏、ブログにも上げた<比叡比良大縦走>を成し遂げた。しかし、比良大縦走路にはもう一つのルート、北比良峠(八雲が原東の入口)から東北東に向かう<リトル比良>ルートがあり、釈迦岳を経由し音羽高島市)へ抜ける。

今回は、比良大縦走の一つ《リトル比良ルート》<蓬莱山~北比良峠~釈迦岳~音羽>を1泊2日でトレッキングしてきた。

まずは、地図で比良大縦走の一つ《リトル比良ルート》を俯瞰しておく。

 

■ 比良大縦走路区間<蓬莱山~釈迦岳~音羽の高度・推定距離・所要時間>

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 ■ 比良大縦走区間<蓬莱山~釈迦岳~音羽>行程表

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■ 1日目<比良大縦走路/蓬莱山スタート~釈迦岳区間(露営地)>   (下図)         

■ 2日目<リトル比良縦走路/釈迦岳~鳥越峯~音羽下山口>    (上図)

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       (地図:昭文社「2012山と高原地図45比良山系」提供)

 

<参照:ブログ2017『星の巡礼 比叡比良大縦走』<比叡山~北比良峠~武奈ヶ岳~蛇谷ケ峰~朽木>

https://shiganosato-goto.hatenablog.com/entry/15440831

shiganosato-goto.hatenablog.com

 

<高齢者登山の工夫> ―転倒・滑落防止ほか―

後期高齢の最初の3年間は、まだまだ若さを誇る気持ちからどうしても単独行をあきらめられず続けてきたが、昨年の<東の若狭街道縦走>中の根来坂(ねごろざか)峠越(標高832m)直下で倒木回避中にリュックを谷底に滑落させたのを契機に反省し、今年からの山行にはパートナーに同行してもらうことにした。それは体のバランス崩れからくる転倒・滑落を防ぎ、他人に迷惑をかけないように単独行を断念したことによる。

 

<参照:ブログ2019『星の巡礼 東の鯖街道』<若狭小浜~針畑越え~京都出町柳

https://shiganosato-goto.hatenablog.com/entry/2019/11/27/150000

 

また、今回の高齢登山で心したことは、転倒滑落はもちろん捻挫骨折といった肉体的衰えからくる危険をカバーするためにリュックの重心を下げることにした。

まず、使用リュックのヒップベルトを厚手で機能的なものに換えて、出来るだけ重心を腰(ヒップ)に落とし、体全体の安定を図ってみた。

ヒップベルトの効果は、ほかにリュックの重量からくる老人性肩圧迫を軽減してくれるだけでなく、体へのリュックの密着・一体感により急な上り下りの自由度が増した気がする。

 

百名山をめざして以来、トレッキング・ポール(ダブル)を使用する四輪駆動派でもある。高齢者がどうしてもバランスを崩しての転倒が多くなるのは致し方ないことではあるが、ポールの使用により転倒を出来るだけ少なくすることに心がけることによって、捻挫・滑落といった致命的アクシデントを防止できると確信している。

ただ過度にトレッキング・ポールに頼ることもまた危険であることを知っておくべきである。特に急登・急下り・岩場・濡れ場・ガレ場・崩落崖などでは素手の役割を忘れないことである。逆にポールに頼る危険性が増すことを心したい。

各山行において高齢者としての危機対応能力を磨くことが肝要である。

高齢の体に対し、危険現場に対処する術を体験によって体に覚えさすことしかないといえる。

高齢であっても日々精進し、鍛え、経験し、体で覚え危険を予防・回避し、残りの人生を満喫できる山行にしたいものである。

 

登山・トレッキングは青春であり、人生である。

しかし、危険だけは避けたいものである。

心からなる老人の願いである。

 

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         老人三点セット<ヘルメット・トレッキングポール・厚手ヒップベルト>

 

<高齢者の露営>

もし若者であればテントを背負って快適なテント泊となるところだが、今回の一泊二日の縦走トレッキングでは水場が少なく、命綱である飲料水の常時携行が必要であり、携行重量を高齢者限界のリュック総重量7㎏にしなければならなかった。

テント代わりに、軽量ツエルトに代え、その中に二人がもぐりこんで超過密の夜過ごしとなり、寝床を確保するための陣取り合戦もまた思い出に残る一夜となった。

単独行の場合は、炊事・バーナーセットも持参せず、インスタントのアルファー米やチキンラーメンに水をぶっかけて、ふやかして食していたが、パートナー同伴ではそうはいかず、温かい食事提供が同伴条件であり、致し方なく自説を曲げてバーナーセットを持参しコッフェルで湯を沸かし食事を提供させられた。

この炊事およびバーナーセットが思ったより重いのである。この分の携行重量を減らさないと限界の7㎏をオーバーする。

そこで、夜間の熊除け用ラジオ、タオルや洗顔セット、道迷い防止GPS、道迷い引き返し赤色テープほかグラム単位で間引くことと相成ってしまった。(今回のルートは、何回も縦走しており道迷いはないと判断)

とうとうレインギアー(雨具)も、100円ショップの超軽量ポンチョに代えてのリュック総重量7kgに抑え込んだのである。

ただSOS用品としての必需品スマホと、緊急用水嚢(ウオーターバッグ2L用)、救急用品、寝袋代わりの上下ダウンを持参した。

高齢者にとっては携行総重量7㎞でさえ重さを感じるものである。

今後はさらに軽量化を研究する必要がありそうである。

いよいよ老人の露営による縦走は困難になるかもしれないと思うと寂しい。

そろそろルート上のエスケープルートを利用した日帰り縦走トレッキングに代えなければならない年齢なのかもしれない。

 

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             設営地を選ばないツエルト露営も楽しい              

 

<熊対策は、露営での重要事項の一つである>

比良山系での露営で注意することに、クマ対策がある。

比良山系にはツキノワグマが生息し、過去に三度出くわしている。それ以来熊除け鈴の携行を心がけている。今回は持参しなかったが、ほかにラジオも効果がありそうである。

熊除け鈴としては、低音の牛首用鈴と高音の巡礼鈴を携行し、ラジオの場合はスピーカによる高音量を使用することにしている。

露営では、食料品のインスタント麺や行動食としてのチョコやピーナツ・干しブドウ、残飯の匂いは野生動物を呼び寄せることになり、特にその保存に気を配る必要がある。

携行の食料品一切と残飯などゴミ類、食器類はナイロン袋等に一括して取りまとめ収納し、露営地(テント設営地)より少なくとも100m以上離れた風下の枝に引っ掛け、熊や野生動物から守る必要がある。

このことはテント内に食料品を収納したために起こる、熊の襲撃から身を守るためである。

もしものツキノワグマ襲撃に備え、トレッキングポール2本をツエルト(簡易テント)出入り口に置くとともに、持参した鈴をツエルトに吊るし、ときどき寝返りする度に鳴る鈴の音を熊への警告音とした。

比良山系に生息するツキノワグマの臭覚は、人間の21倍もあるといわれ、野生動物の中でも群を抜いて鼻が利くといわれている。

 

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             熊対策・枝に吊るされた食料品袋やコッフェル(飯盒)

 

熊対策は、露営での重要事項の一つである。

もし、熊がテントに近づいたときにどのような対策を取っておくべきであろうか。

いまから10年ほど前にユーコン川カナディアンカヌーで360㎞下った時に露営地でとった対策を見ておきたい。

カナダのユーコン準州には、グリズリーベアという超大型で、獰猛な熊が生息する地である。

その生々しい足跡に恐怖を感じたものである。

テントより5m程離れた周縁に細引き紐を張り巡らせ鈴をぶら下げて、時々紐をひいてはここが人間の露営地であることを知らせるとともに、熊の気配を鈴で予知するようにしていた。

またユーコン川の決められた露営地は、食料品等を保管する鉄製の鍵付きのストレージボックスが設置されているので利用した。

またグリズリーベア撃退用に、唐辛子スプレーガンの携行が義務付けられていることも心強かったが、それだけ危険性との隣り合わせであることに慄然としたことを覚えている。

 

<参照:ブログ2008『星の巡礼 ユーコン紀行』<ユーコン・カヌーの旅360㎞日記>

https://shiganosato-goto.hatenablog.com/entry/15644823

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  ユーコンテリトリーの熊<グリズベリー>と足跡 

 

 

<比良縦走 1泊2日トレッキング ルート案内>

      打見山―釈迦岳―リトル比良―音羽ルート

 

■比良縦走1日目 (9月21日)

《打見山スタート⇒汁谷分岐⇒木戸峠⇒比良岳⇒葛川越⇒烏谷山⇒荒川峠》 7H / 8Km

 

今回は、連休後半の秋分の日、多くの観光客と共にJR志賀駅よりびわ湖バレーロープウエー山麓駅へ江若交通バス(360円)を利用する。09:00始発のロープウエー(登山客片道1700円)は長蛇の列、蓬莱山をバックに写真を撮り、打見山を10:00amにスタートした。

快晴、琵琶の湖も朝日に輝き最高のトレッキング日和である。

2日で約20数㎞という年齢的にハードな山歩き行程なためと、一泊の携行品の重さや、途中での水補給の困難さを考慮して体力を温存するためにスタート地点の打見山へはロープウエーを利用した。

 

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     10:00 am 打見山山頂(1108m)から、蓬莱山(1174m)をバックにスタートする

 

びわ湖バレー・ロープウエー山頂駅北西側にある急なゲレンデ―をくだり、<汁谷分岐>を右折(東入る)し、キャンプ場を見ながら150mほど進むと、地蔵尊群に迎えられ<木戸峠分岐>に着く

 

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これから向かう比良縦走路を眺めながら打見山ゲレンデを下り、道標<汁谷分岐>より、木戸峠に向かう

 

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                木戸峠 標高H972m   10:20通過 

 

木戸峠を直進すると崩落個所をへてクロトノハゲ経由JR志賀駅に向かうが、本ルートは木戸峠を左折(北方向)して歩を進め比良岳に向かう。

 

《比良縦走水場① 比良岳南側ルート上の左側沢》

ゆるやかな上りを進むと比良岳源流の沢(小川)に出会う。これまでの経験から通年水の流れがあり、比良山系縦走時の水場として利用している。

 

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    比良岳源流の南沢の水場①                   比良岳通過 H1051m  10:50am

          

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                                                                    大岩胎内くぐり 

 

上りきると<比良岳>(H1051m)の標識がある。標識はルート上の標高H1038mの地点にある。

比良岳を下ると昔、木戸村より葛川坊村への<葛川越>に出るが、現在坊村への道はない。木戸への下り道は、急峻な大岩谷を流れる大谷川源流の中を歩くことになり、ルートフアインディングの技術が必要となるので迷い込まないように注意したい。

 

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       烏谷山を眺めながら歩く                   葛川越通過 H945m  11:15am

 

JR志賀駅方面へ、どうしてもエスケープルートとして利用したいときは、これから通過する<荒川峠>を利用することをおすすめする。比良縦走路水場②ー荒川峠を下った左側に伏流水(湧水)の水場もあり、緊急時の給水に利用できることを覚えておくとよい。

<葛川越>から急な登りを上りきると眺望のきく山頂<烏谷山H1076m からとやま>に着き、山頂を右に入り、急で滑りやすい登山道を<荒川峠>に向かって下っていく。

<荒川峠>は今回のエスケープルートの一つで、下山に関しては先に述べた。

 

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                烏谷山山頂 H1076m からの眺望 12:00 noon

 

<荒川峠 ⇒ 南比良峠 ⇒ 堂満岳西側トラバース ⇒ 金糞峠(水補給) ⇒ 北比良岳 ⇒ 釈迦岳>

荒川峠より進み水晶小屋・大橋小屋への分岐を右折し、ゆるやかな上りを行くと間もなく堂満岳南下にある

<南比良峠>に着く。

 

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          レスキューポイント縦走15 通過      昼食(おにぎりとチキンラーメン)             

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                  荒川峠H959m    12:35通過 

 

ここより、堂満岳の西側をトラバース(尾根や山頂を避けて山裾を横切ること)して<金糞峠>に至る。途中、雨天時渓流となるところや、金糞峠前の右手崖に注意する以外は問題のないルートである。

 

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                               杉林を下り          堂満岳を見ながら <南比良峠905m>を13:10通過

 

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     堂満岳西側をトラバースする         杉の巨木に迎えられる

 

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               金糞峠H878m   2:35pmに着く

 

<金糞峠 H878>は、比良縦走ルート上重要拠点である。

金糞峠の重要性は、登山期間中の週末や休日に登山口である<イン谷口>とJR比良駅との間に江若交通の登山バスが運航するからであり、また、武奈ヶ岳への日帰り登山や、比良縦走時のエスケープルートとして利用されるからである。ただ、ルート上に「青ガレ」という難所があり、下山時は特に足場・滑落・転倒に注意する必要がある。青ガレ付近から水場もあるので緊急用としても利用できる。

それ以上に、命に係わる飲料水の最重要補給地点が金糞峠の西側直下の沢にあるからでもある。今のところ通年沢水の流れを確認しており、比良縦走における最重要水場➂であるといっていい。

この日(9月21日)は、通常より水の流れが少ないようであったが、飲料水として補給するには十分な量であった。

われわれも今夜の炊事用としてポリ水嚢(2LX2)と、2日目の飲料水としてペットボトル(0.7LX4)を満たして北比良峠に向かった。

 

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                            <比良縦走路 水場➂ 金糞峠西直下の沢で2日目の水補給>

 

<北比良峠 H961m>は、比良縦走の重要な十字路である。

2004年まで、北比良峠には、ロープウエーの山頂駅があった。

1990年代以前の比良登山、特に二百名山武奈ヶ岳>へのアクセスとして多くの登山客が利用していたが、残念ながらその後の登山客の減少により運営会社が撤退した。

いまでも、武奈ヶ岳登山は坊村からの御殿山コースと共に、イン谷口からのダケ(大山)道として親しまれているコースがある。

当時は、ケーブルカーで釈迦岳の中腹駅でロープウエーに乗り換えて北比良峠にある山頂駅にハイヒールで向かい、八雲ケ原を散策して山頂ホテルで宿泊したり、冬は京阪神を中心にゲレンデでスキーを楽しむ客で一年中楽しむことのできる一大リゾート地であった。

現在の北比良峠は、ロープウエー山頂駅が取り壊され、山に戻され平地として残り、この日も多くのテントが咲き乱れ、往時をしのぶ登山者で賑わっていた。

 

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                                        テントの花咲く北比良峠 961m(八雲ケ原) 3:35pm通過

 

比良大縦走路は、ここ北比良峠でY字別れ、左<武奈ヶ岳ルート>と右(直進)<リトル比良ルート>に別れる。

武奈ヶ岳経由、蛇谷ケ峰より朽木村に下山する<奥比良>ルートと、釈迦岳経由<リトル比良>ルートを縦走し、音羽村に下山する二つの比良大縦走ルートがある。

 今回の比良縦走は<リトル比良>ルートをとるため、北比良峠の分岐を直進(注・武奈ヶ岳はここで左折)し、二日目の行程を考え、出来るだけルート中間点に近い釈迦岳に向かった。

北比良峠は<リトル比良>ルートの入口でもある比良山系の重要拠点であり、十字路である。

 

カラ岳 H1023m付近の道標は朽ち果て、その文字すら不鮮明であり、判読がむつかしい状況である。利用登山者の少なさからか、レジャー施設の廃墟からか、管理補修者の不明からか標識は朽ち果て無残である。

カラ岳にある白亜の電波塔を過ぎたすぐ先の釈迦岳とイン谷口への分岐の窪地に今夜の露営地を決め、ツエルト(簡易テント)を張ることにした。

丁度、夕方17:00である。

今日は、朝10:00に打見山を出て、露営地まで約8㎞、約7時間の行程を歩いた。

 

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 判読不能標識<レスキューポイント縦走7>        カラ岳 H1023m に立つ電波塔

 

<1日目の露営―簡易テント・ツエルト泊>

比良大縦走ルート上の釈迦岳への入口である分岐<至 イン谷口>の南東角の窪地にこの夜の設営地とした。

ここは、比良の強風を防ぎ、夜露をしのぐ樹林があり、安眠を保証する落葉の堆積があり、ツエルト(簡易テント)を支える樹木が立ち、トレッキングルートやエスケープルートの近くにある最適な露営地である。

水場がない不便さはあるが、約3Lの水を金糞峠直下の沢で採水携行したので問題はない。

 

まず、ツエルトを設営、次にガスバーナーで湯を沸かし、お湯を注ぐだけの5分で出来上がる禁断の味(と評判)のNISSINのカップメシ<ハヤシメシ・デミグラス432Kcal>と、スープとして<チキンラーメン377Kcal>を夕食とした。

アルファー米のもっちりとした食感に、高級レストランの味に劣らないハヤシライスに舌つつみを打った。

一杯の赤ワインが腑蔵に染み込んでいくさまは、疲れを吹き飛ばし、夜空の星に吸い込まれていくような気持ちにさせられた。

山行でのどのような食事も、それは決して家や高級レストランでは味わえない至福の贅沢な料理に不思議と早変わりするのだから、いつも満足なのである。

ボーイスカウトに入隊して最初のハイキングで、スタッフがつくってくれたカレーライスの美味しかったこと、絶品であり、世界一のカレー味であったことを想い出す。

トレッキング泊での願望である焚火による手料理を作りたいが、水場の少ない比良山系での焚火を慎んでいることと、年齢からくる携行品の最小重量を心がけている限り、夢の夢ではある。

 

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 今夜の露営地は分岐<至釈迦岳&至イン谷口>近くの窪地    強風を避け窪地に設営されたツエルト

 

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                  今宵の我が家 

 

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 スカウト時代の懐かしの飯盒使用      ツエルトに映る懐中電灯の心躍る怪しい光影

 

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                  熊対策としての食料品の吊り下げ

 

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            ダイヤモンドの輝き びわ湖西岸の灯火(露光不足だが)

 

食後、熊から食料を守り、野生動物の接近を防ぐための対策を講じたあと、樹間に漏れ来る堅田から大津にかけての琵琶湖岸に浮かぶ灯火の輝きを観賞し、しばし闇の絵画に陶酔した。

 

翌日の12㎞にわたるロングトレイルを考え、夜8時前には、スリーピングバッグの重さを避けて持参したダウンの上下を着こんで、ゴアテックスの寝袋カバーにもぐりこんだ。

落葉にひかれた防湿シートの上のマットに疲れた体を横たえ、宇宙船のような一畳のスペースにパートナーとわずかの陣地を取り合いながら、眠りについた。

深夜、遠くに響く鹿たちの会話に、山のぬくもりに包まれている幸せを感じた。

また深夜の山は、不思議なことに一瞬風がやみ、すべてが無の世界になることがある。それは、すべてが空になり平等のなかに溶け合う瞬間である。

人間もまた、大自然界の、大宇宙のちっぽけな一構成物であり、一単位であると自覚する瞬間でもある。

 

人類の姿さえ存在しなかった古生代には、ここ比良の山々は海の底にあり、中世代になって花崗岩が盛り上がり、さらに断層をもって隆起し、浸食されて現在の山姿になったと思うと、人類はまた時間とともに宇宙の営みの中に消え去る存在なのであろう。

心して一日一日を生きたいものである。

 

  《ああわれいま釈迦岳に臥して》

 一寸の先をかき消す漆黒の闇に

 樹間の灯枯葉のぬくもりを伝えし

 ああわれいま釈迦岳に臥してや

 風止みて山動ぜずして我又観ず

 

 

■比良縦走2日目 (9月22日)

《釈迦岳 ⇒ヤケオ山⇒ヤケ山⇒寒風峠⇒滝山⇒鵜川越⇒岩阿砂利山⇒鳥越峯⇒岳山

 ⇒ 白坂⇒音羽・大井神社⇒JR近江高島駅》       約10H / 約12㎞

 

2日目早朝、4時30分に起床し、手分けしてツエルト撤収と携行品のパッキング、朝食(コーヒーと菓子パン)、設営地の清掃復旧点検を終え、感謝の祈りを残して露営地を出発した。

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     露営地に朝の明るさが戻ってきた            パッキング準備完了

 

 

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         リトル比良縦走出発準備完了 (2日目釈迦岳付近露営地にて)

 

<露営地 ⇒ 釈迦岳 ⇒ ヤケオ山 ⇒ ヤケ山 ⇒ 寒風峠>

6時過ぎ露営地(標高 1030m) に感謝の気持ちを残し、釈迦岳(標高1060m)に向かう。

釈迦岳は懐かしくもあり身近な山である。

比良山の麓にある我家から毎日のように釈迦岳のふくよかな山姿を眺めている。

尖った堂満岳の北側に、どっしりと腰を据える老師の姿を彷彿させる釈迦岳はびわ湖に向かって鎮座している。

また比良縦走のリトル比良ルートをトレッキングするときは、ここ釈迦岳を必ずピークスルーする馴染みのある山でもある。

また、イン谷口をベースとした釈迦岳往復の<大津ワンゲル道>は、多くの山男が挑戦し続けている古典的なルートの一つである。

釈迦岳の三角点近くの平らな山頂は、幾度も野宿やツエルト泊をした懐かしい露営地なのだ。特に夜間の大津方面やびわ湖東岸の夜景の美しさは目を見張るものがある。今回は強風を避けるために設営地として釈迦岳山頂を見合わせた。

 

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     釈迦岳1080m 6:30am通過            ヤケオ山に向かう尾根道

     <レスキューポイント縦走5>

 

釈迦岳からヤケオ山(標高 966m)にかけては稜線を歩き、びわ南湖や縦走ルートの峰々の眺望がよく、爽やかな風を楽しむことが出来る。稜線のルートは緑濃き苔が敷き詰められ、まるで天空の絨毯のうえを歩いている気分である。

また低木の合間からは、西側の奥比良の峰々(釣瓶岳・地蔵山・蛇谷ケ峰)の山並みを観賞しながらトレッキングを楽しめる。

 

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   近江舞子を見下ろしながら稜線を歩く         緑濃い苔の絨毯の稜線を歩く

 

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                   朝日と雲のコラボが神秘的だ 

 

<ヤケオ山  H966m 眺望良し>

360度の眺望を楽しめるヤケオ山頂もまた素晴らしい。思わず蓬莱山方面をスケッチした。

 

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  比叡山        ⇑霊仙山   ⇑蓬莱山・打見山   ⇑堂満岳       ⇑釈迦岳

           <比良の峰々> 2020/09/22  07:45 ヤケオ山頂(標高966m)より

                    Sketched by Sanehisa Goto

 

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                  ヤケオ山頂 H966m  7:00am

                      <レスキューポイント縦走4>

 

リトル比良ルートに入ってはじめて、ヤケオ山で中年男性の登山者と出会った。

楊梅の滝登山口よりヤケ山を通ってやって来たとのことである。このルートは<大石道>と呼ばれ、今回のエスケープルートの一つでもある。

ヤケオ山を下り、上り返すとエスケープルート大石道の下り口であるヤケ山(標高705m)に着く。

 

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  奥びわ湖を眺めながら尾根道を下っていく     視界のないヤケ山頂 H705m 7:45am通過

                        <レスキューポイント縦走3 >

 

視界のきかない狭い山頂で、八雲が原でテント泊したという4人組パーティに追いつかれ、楊梅の滝を見たあと下山するとのことである。<比良大縦走路主ルート>は、ここヤケ山よりびわ湖方面に下っていく。

われわれは休憩のあと、<リトル比良>縦走路である寒風峠に向かって下った。

 

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      緑豊かな混合林を下っていく         寒風峠 標高601m 8:30am 通過

                           <レスキューポイント/リトル比良5>

 

ここ寒風峠(標高601m レスキューポイント・リトル比良5)をびわ湖側に下ったところに<オトシ湿原>に沢水の水場④があるので水補給として利用したい。

 

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           <比良縦走路 水場④ 寒風峠を下ったオトシ湿原を流れる沢水>

 

この辺りは数年前にハイキングしたルートであり、懐かしい記憶にひたりながら大きな岩をたどり滝山(標高703m)へゆるやかなに上ったあと、下りの先に鵜川越の林道(アスファル道)がある。

 

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           大岩に見送られ鵜川越に向かう途中の琵琶南湖の風景

 

滝山(標高703m)は、 標識<鵜川越>との分岐を稜線に向かって直進したところにありそうであるが、未確認。

滝山には寄らず、分岐標識を左に下り、嘉嶺ケ岳(標高660m)を経て、舗装された立派な林道の鵜川越<標高553m・林道鵜川村井線 10:00am通過>に出た。

 

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標識を左に下り鵜川越<アスファルト林道>に向う   鵜川越 H553mより「岩阿砂利山登山口」に入る

     (滝山703mは標識を直進?)

 

岩阿砂利山への登山口は、鵜川越林道に下りて左10m先右側にある。

地図(昭文社山と高原地図― 比良山系武奈ヶ岳)には、ここ鵜川越近くに水場があるとのことだが、今回は確認せずに通過した。

 

鵜川越からは、ハイキング気分で歩いたあと、ルートから少し入ったところにある視界のきかない岩阿砂利山頂(三角点有・標高686m・京都北山ハイキング同好会作成山名標有り・レスキューポイント/リトル比良3)に出る。

腹がすいてはトレッキングも楽しからずやということで早めのランチを済ませる。

ここ岩阿砂利山頂の北西角に迷い込み防止ためのロープが張られている。滑落に注意が必要である。

小雨が降りだし、山にガスがかかりだした。

 

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             鵜川越より岩阿砂利山への途中の風景

 

 

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   岩阿砂利山 H686m三角点  10:30am    標識設置者(京都北山ハイキング同好会)

  <レスキューポイント/リトル比良3>

 

<岩阿砂利山より鳥越峯分岐へ向かう>

たくさんの天使たち、キノコや紅葉が出迎えてくれる中、なだらかなハイキングコースが続く。

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     巨岩に迎えられ                  雑木林を歩く

 

<鳥越峯分岐より岳山へ>

見張山分岐よりJR近江高島駅に向かう支尾根がびわ湖に向かって伸びている。一度歩いたことがあるが、道迷いの危険性や、最後の急な下りに膝を痛めたことがある。以来、岳山経由音羽ルートを使っている。

 

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                鳥越峰 H702m 11:45am通過

 

鳥越峯(標高702m)分岐を岳山方面に道をとると、まもなくオウム岩(レスキューポイント/リトル比良2)に立つ。遠くびわ湖にかすむ竹生島や、整然と収穫を待つ実った稲穂で色づいた田圃の風景(高島市)が眼前に広がる絶景ポイントである。

その後、黒谷の富阪口方面と岳山・音羽方面の分岐である<鳥越>を右へ向かい岳山(たけやま・標高565m)に至る。

山頂の趣きはなく、尖った三角錐の大岩が鎮座している。山岳信仰の比良の山らしく、岳山を回り込んだところに<石造観音三尊/元獄岩屋観音>が岩屋に祀られている。

歩きながら山からの恵みに感謝する姿は、古今を問わず引き継がれてきた祈りの世界であり、ここ比良の山にはある。

山岳信仰の修行地であった比良山系には、多くの寺坊の遺構が確認されており、修験者の山であったことがうかがい知れる。

今回のスタート地点の打見山(標高1108m)東側直下(標高1080m地点)に、寺坊(復元)としての木戸寺屋敷遺跡(西方寺跡)がある。

 

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         オウム岩           オウム岩からの絶景(奥びわ湖・高島市方面)

    <レスキューポイント/リトル比良2>

 

 

             

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        鳥越分岐 12:30通過            岳山に向かう平坦な尾根道

 

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                   オーム岩頂にて

       

 <岳山<ダケヤマ・白峯>山頂 H565m 12:55am通過>

 

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    岳山<ダケヤマ・白峯>山頂 H565m       石造観音三尊/元獄岩屋観音と岩室

 

音羽・大飯神社にある「リトル比良登山口」に下山する>

岳山より<リトル比良登山口>のある音羽・大飯神社までは、花崗岩の白砂と、シダの群生と、水流でえぐられた粘土質の凹道で成り立っている。それもシダのジャングルで覆われた凹道は、ロングトレイルで弱り切った老人の脚には結構こたえる。特に雨に降られると凹道は雨水が流れ、岩が滑り大変であろうことが想像できる。

高齢者は、捻挫と、つんのめり(前倒)による顔面強打を注意したい。

また、このルートには大飯神社の奥社なのでだろうか、石材を使った階段跡が残されている。

奥社あたりから小田川の源流が始まり、沢水の水場⑤がある。

 

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               《リトル比良・小田川源流沢水 水場⑤》

 

ほかに花崗岩の風化が進んだ白砂が広大な範囲で分布され<白坂>と呼ばれている。その花崗岩の白砂に巨岩が屹立し、日本庭園の枯山水のような景観を楽しむことが出来る。

南側の見張り山ルートがある支尾根を眺めながら下山すると、獣柵を開けて音羽の村に到着する。

 

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   シダのジャングルに隠れた山道を下る     岩場やガレ場もある   平穏な尾根道もある

 

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  日本庭園風白砂に黒岩が広がる    深い窪地の道を下る         大岩の屏風

 

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    奥宮への石段が続く                 弁慶の切石

 

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   白坂から遠く奥びわ湖・伊吹山方面を望む       防獣柵を開けて音羽村に入る

 

<リトル比良登山口>にある大飯神社には、WC・補水のための施設(水場)があり、鳥居前には登山届ボックスがある。

 

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            比良縦走を終えゴール音羽登山口に着く 標高100m  2:30pm 

 

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       登山口にある長谷寺            大飯神社(境内にWC・水場あり)

 

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              水場として神社よりご提供いただいている手水

             <リトル比良 水場⑥ 大飯神社境内の手水>


 

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        音羽登山口全景(左に登山届箱)          近江交通バス停<音羽

 

   

 

音羽からJR近江高島駅には、江若交通バスが走っているので利用することが出来る。ただ運行本数が少ないので歩くことにした。20分ほどで駅に着く。

JR近江高島駅からは1時間に1本の網干行新快速が停車するので京阪神エリアへのアクセスは便利である。

 

後期高齢の仲間入りをしてからは、ロングトレイル縦走や登山にあたっては、どうしても最後の山行になるかもしれないという覚悟を決めて歩いている。

山でのすべての風景、出会い、何気ない経験が愛おしさとなって蓄積されていく気がしてならない。

 今回も無事下山できたことと、導きに対して喜び溢れる気持ちで一杯である。

感謝である。

     


                                           

 

 

   星の巡礼 比良縦走<打見山~釈迦岳/リトル比良~音羽ルート>』

 

 

                  完