shiganosato-gotoの日記

星の巡礼者としてここ地球星での出会いを紹介しています。

比良山・金糞峠877mで初冠雪を楽しむ

  比良山・金糞峠877mで初冠雪を楽しむ      2014126
 
    歌川広重の錦絵「比良の暮雪」と「金糞峠」の原風景を堪能 =
 
 
金糞峠(かなくそとうげ)は比良縦走路のチェックポイントの一つであり、「イン谷口」へ下る重要なエスケープルートでもある。そして比良山系最高峰「武奈ヶ岳1214m」登山の琵琶湖側最短コースの中間点でもある。
 
今回はすこし早いが、近江八景の比良の暮雪(広重の錦絵として有名)と比良山系の初冠雪を楽しむため金糞峠を往復した。
 
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広重の近江八景「比良の暮雪」
 
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  堂満岳(暮雪山)の初冠雪
 
 
数年前までは京阪電車が運営する登山リフトとロープウエイーで北比良峠に到達、比良縦走、武奈ヶ岳登山、八雲が原散策、北比良スキー場でのスノーシューを楽しんだものである。
現在、軌道は撤去されたが週末になると登山客の車でにぎわう。11月末までの夏の間、江若バスによる「比良登山線」がJR湖西線比良駅」と「イン谷口」の間を走っているようだ。
 
 
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江若バス比良登山線終点「イン谷口」バス停
 
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  山と高原地図46「比良山系」   堂満岳1057m(暮雪山)ルート図
 
 
この日はバス運行も終了した金曜日だったが、約10台の車が駐車場にみられ、登山中も下山する5名の男性登山客と出会っている。
 
金糞峠往復初冠雪登山のコースを紹介しておこう
<イン谷口 ⇒30/25 ⇐ 大山口分岐 ⇒ 65/50 ⇐ 青ガレ⇒ 60/45 ⇐ 金糞峠>
 
わが家のデッキからびわ湖バレーの冠雪を見上げたら、無性に初冠雪を踏みしめたくなった。
すでに昼近かったが、常備の「登山グッズ」を背負うとオートバイにまたがりイン谷口に向かった。
 
午前1108分、北比良登山口「イン谷口」に駐輪し、すでに紅葉は散り去ったが、正面谷から流れ来る豊富な水量がはじけ飛び、こころ和ませてくれるなか登山を開始した。
 
携帯電話(Softbank)は金糞峠へ25分ほど手前のところで電波をとらえた。
登山届ボックスはイン谷口より正面谷にはいり約300m先左側にある。
 
午前1138分、さんさんと降りそそぐ冬日をあびながら、鹿の群れに導かれて標高334m大山口分岐に立つ。大山口までの間に駐車場や公衆簡易水洗便所がある。大山口分岐より右へとるとダケ道(稜線)をたどり北比良峠へ達するが、今回は左の正面谷をすすみ、青ガレをへて金糞峠へむかった。
 
 
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「大山口」分岐  右・カモシカ台経由北比良峠、左・金糞峠
 
大山口分岐前後の正面谷には大小の土石流ダムがつづく。この河川敷に本格的なテントを張り野営生活を楽しんでいる風流人がいたのには驚かされた。ハンターであろうか、フライ付テントには防風対策用張り綱はもちろん雨対策として側溝も掘られ長期滞在型天幕に見受けられる。
 
ユーコン川をホワイト・ホースよりドーソンまで約480kmをカヌーで下った時、たくさんの狩人がフライテントをはり焚火をしている光景を目にしたが、まさか日本で同じような情景に出くわそうとは思いもよらず興奮させられた。そしてつい「こんにちわ」と声をかけていた。
 
イン谷口から正面谷をへて金糞峠の間には二カ所のガレ場がある。落石、転倒に注意しながら通行することになる。青ガレともう一つは峠近くにある。シニアは転倒時の頭部強打を防ぐためにヘルメットの着用をすすめたい。三点確保はもちろんである。
 
この初冬の時期、谷間いたるところに流水を求められるが、飲料に適している伏流水は二カ所あった。地中よりのパイプから清水がながれ、ありがたいことにコップが添えられていた。
 
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わたしの地酒・伏流水は甘い
 
 

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 青ガレの岩場
 
 ヘリによる救助待機場所であるレスキューポイント(大津消防署管轄)も4カ所(正面谷①②③と縦走⑪)があり安心登山ができる。
 
 正面谷登山路はほとんど冬日がささず薄暗さを感じた。見上げると稜線をのぼる北比良峠への「ダケ道」登山路には冬日がさんさんと降りそそいでいた。どちらをとるかは悩むところである。分岐で一瞬どちらにしようかと迷った。
 
決め手は登山開始時間が遅いこと、たぶん武奈ヶ岳登山者の帰路は正面谷ルートが多いであろうこと、それだけ対面登山者に出会えることは緊急事態が発生したとき発見してもらえるチャンスが増えるということ、水場がおおいことを瞬時に判断して正面谷ルートをえらんだ。そして何と言っても目標地点の「金糞峠」(かなくそ)という名前に惹かれた。
 
 
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金糞峠877mにゴール、初冠雪を楽しんだ                     
 
金糞峠に着いて、案内板に歌川広重がこの峠を174年前浮世絵にしていることをしり感動した。峠から見るびわ湖であり、浮かぶ沖島であり、遠くかすむ鈴鹿山脈を描いている。
 
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1840年頃に描かれた広重の錦絵「金糞峠」
 
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 2014年 174年後の同じ景色を写真に残す
 
 
帰路は約2時間でイン谷口に下山、冷えた体を温めるために麓にある天然温泉「比良トピア」に立寄る。
 
老体で登山ができる、この恵みに感謝したい。またこの恵みをできる限り継続させたいと願っている。まずは山での遭難事故をさけ人々に迷惑をかけないようにすることが肝要であろう。
 
次回は「シニア単独登山における遭難対策―携行品編」をまとめたいとおもう。
 
   
                     完