shiganosato-gotoの日記

星の巡礼者としてここ地球星での出会いを紹介しています。

2016『星の巡礼・比良山系・堂満岳1057m登山日誌』Ⅰ

星の巡礼・比良山系・堂満岳1057m登山日誌』1


■山行記録 :高齢者向きトレッキング「比良山系・堂満岳」


■実施日 : 2016624日(金曜日)曇り後雨  18


■コース :


イン谷口・出合橋 ⇒ 比良管理事務所(登山届) ⇒ 公衆便所・駐車場     大山口     青ガレ 
255                                        275                     400m                     400m        715m  
6:30am出発               015H          6:45am             021H              7:06am  106H    8:12am   048H


 
金糞峠      堂満・比良縦走路分岐     ▲堂満岳⇒   大岩尾根ピーク      谷川水場  
885m                950m                             1057m                 950m                   590m     
9:00am   040H    9:40am        046H            10:26am  030H   10:56am    053H    11:49am   009H


 
谷尾根分岐      ノタノホリ(池)      山の家群落・分岐      イン谷口・出合橋(下山・帰着)
560m                    460m                       310m                             255m
11:58am    020H     12:18am     032H       12:50am         015H         1:05pm下山


 


■所要時間:6時間35  (休憩・昼食・記録・観察・写真・探索含む)


■歩行距離:14513歩X45㎝=約6.5KM(万歩計)~7.5KM(地図実測)


■使用地図:山と高原地図46「比良山系」130000 2001年度版)

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<総評・山行日記>


・梅雨の合い間をぬって山登りとなると、曇りのち雨模様でも出かけることとなる。今日も昼から雨ということ
 だが、梅雨のなかに山もまた衣替えをする。その瞬間の姿を観察する楽しみを求めて登ってきた。

・イン谷口より金糞峠のあいだには「青ガレ」という難所がある。比良山系でもめずらしく巨岩をぬって登る
ことになる。梅雨時は岩が濡れており、転倒をともなう危険なコースである。注意して登りたい。できれば転
ばぬ先にヘルメットをつけることをすすめたい。

・青ガレでのロッククライミングといえばお笑いだが、老人にとってはその一歩一歩がスリルに満ちた冒険心
一杯の一歩であった。とり付いた最後の一歩、顔をあげたらそこに峠があった。金糞峠である。

・峠から振り返った細い谷間に、曇り空のもと灰色の琵琶の水が静かにこちらを見上げている。爽やかな
一涼の梅雨風が頬をなぜていった。

・堂満岳は暮雪山として浮世絵の時代から近江八景のひとつとして愛でられていた。調べてみるとここ
堂満岳(暮雪山)を含めた比良暮雪の浮世絵は北尾政美や 鈴木春信の画いた「比良暮雪」があった。
その代表的な歌川広重のものを紹介しておく。


◎比良暮雪    <雪ふるる 比良の高嶺 夕暮れは 花の盛りに すぐる春かな> 


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  歌川広重画「比良暮雪」


シャクナゲが花を捨てて命の種を宿し、生き活きとしたその生命力を表現する様にであったり、
 老衰枯れのブナの古木に新しい命が宿り葉脈にひかりを求める姿があったり、
 石に寄生した苔の群生が雨に濡れて深呼吸する姿などが見ることができる命の季節なのである。

 山歩きの醍醐味はここにある。万物の命の躍動に触れることができるのだ。
 それもあたらしい生命(いのち)に出会える喜びをかみしめられるのだ。


・山からにじみでてくる一滴の水が、谷に集まって小川となり、びわ湖に流れ込む。その湖水が蒸発して
 この山を潤わし、緑を育てて命をはぐくむ。
 人間もまたおなじ循環の中にいるのだなと思いつつ山登りをするのも粋なものである。


・比良の山々の琵琶湖側は峻厳であり、比良を発する川は土石流をふせぐダムなくして成立しえない。
 びわ湖側の谷は砂防ダムで水勢をそいでいる。昔の村々は土石流を防ぐためおおくの石塁堤(百閒堤)
 を山の麓に造って村を守ったほどである。


・巨大な石を何層にも積み重ね堅牢な包みを形成している。 今も散歩道である湖西道路西側山林に百閒堤
 の一部が残る。
また土石流や水害から村落を守った石堤が約400mにわたって荒川に残っている。


◎百間堤(南比良)  
嘉永五年(1852年)に大物(だいもつ)一帯が流される水害があり、多くの人命と田畑が失われた。
この救済事業として村民全体の奉仕により5年を越える月日を費やして築き上げた、
長さ百間(約180メートル)、幅18メートル、高さ  最大9メートルの石垣を百間堤という。(解説看板より)

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・比良山系に降りそそいだ雨はほとんどは鯖街道側を流れる安曇川に注がれ、比良山系最北の朽木
  を経由して琵琶に流れこむ。湖西より琵琶湖に流れ込む唯一の大きい川が安曇川である。


・ここ堂満岳周辺にも、小紫陽花(こあじさい)が咲き乱れ、その淡い匂いが、少年時代に胸をときめかした
  隣の少女のものであったことのように想いをはせた。


・ノタノホリ(池)で出会ったモリアオガエルの卵を包んだ白泡の大玉に不思議な妖幻の世界を見た。雨煙る
 深淵の池に映る白玉が、まるでクリスマスツリーのガラス玉のように飾り付けられていたのであるから
 驚きの声をあげたものである。


・今回は、ガレ場である「青ガレ」を慎重に攻めれば全体として山を楽しめるトレッキング・コースといえる。
  所要  時間・距離とも典型的な高齢者向けおすすめコースである。


・堂満岳頂上からのランドスケープもいい、天気さえよければ伊吹山、霊仙山から鈴鹿山系を望め、琵琶湖
 に浮かぶ竹生島沖島芭蕉によって「比良三上 雪さしわたせ鷺の橋」とうたわれている、比良蓬莱山
 あたりから近江富士である三上山を観賞できる。


・ここでうたわれている「鷺の橋」が、現在は「びわ湖大橋」として眼下に存在するのだから、昔の人は夢多き人が多かったと言える。 驚きである。

・午前中は曇り空のもと紫外線をきにせず山の声を聴きながらの楽しい山歩きであったが、下山時には雨も激しさをまし山も靄の中にあった。

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  161号線に「比良登山口」
  標識がある 
   左に堂満だけの雄姿が見
 える     




 









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  正面が暮雪山として有名
  な堂満岳  1057m     












 イン谷口バス停
 夏季週末のみバス運行あり
 <JR湖西線比良駅より>















至・大山口/金糞峠標識に従う               

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比良管理事務所にて登山届       














   公衆便所・駐車場あり
















正面谷にはテント生活を楽しむ者あり 














「大山口」715m
左・青ガレ/金糞峠へ向かう
これより正面谷、谷道に入る
浮石、苔岩、転倒に注意   













昨日の雨で、
砂防ダムの水量も増す 















これよりガレ場「青ガレ」にさしかかる、こころして乗り切りたい