『星の巡礼・比良岳1051m・烏谷山1076m登山日誌』 2
副題 ・ 比良山系「クロトノハゲ ⇔ 木戸峠」崩落ルートの現況
◎「クロトノハゲ ⇒ 木戸峠」崩落現場を歩く ② (2016年7月1日現在)
・ここクロトノハゲから木戸峠にかけての崩落個所は、葛峠より中谷出合へ下る岩谷の情況とよく似ている
危険個所である。
・砂岩の崩落は長年にわたって続いている。いまなお止まることがない。7年ほど前まではルート上の
架設橋も問題なく、滑落を注意すれば問題なく縦走路として利用できていた。
・その後、崩落が進み縦走路としての危険度が増すと共に、敬遠されてきた感がある。また関係者に
よってせっかく架橋された付属物も耐用年数をすぎ腐食が進むと共に崩壊しているのが現状である。
・クロトノハゲ⇒木戸峠への所要時間は40分ほどかけ慎重に歩いた
・このまま砂岩の崩落が止むとは考えにくい。現在のルートを修正補正することになるであろう
・近い将来、今までの素晴らしいクロトノハゲ⇔木戸峠のルートが姿を消す恐れも出てきた
・すでに崩落により一部ルートが消え、ルート替えが始まっている個所も出てきていた
・<クロトノハゲ⇔木戸峠>ルート上の崩落による危険個所については多くの方が憂慮しブログで報告
されている。 ルート利用を計画されているグループや単独行のみなさんは山行情報を分析し、
最善の計画を立てていただきたい
・ここではクロトノハゲ⇔木戸峠間のルートを推奨しているのでは決してない。最新の現状(2016年7月現在)
を知っていただくための現場レポートである
・自己責任においてルート利用することになる。こころして利用したい
写真では平面に見えるが、現場は急峻な壁である。それも水が壁に沿って流れており、滑りは即
滑落を招く危険性がある。細心の注意が求められる。
手前の尾根は比良岳に発する
後の尾根は烏谷山(かとやま)より発する
後尾根中央に堂満岳の山頂が見える
滑落に注意する
ロープは引っぱりながら歩を進めるとよい
登山路が崩落し、山側に新ルートができ、安全確保用ロープ張られていた
木戸峠には所要時間20分の倍の40分をかけて到着、安全登山に徹した
<総評>
今回のルートは何度も歩いたことがある。
最近の「クロトノハゲー木戸峠」の崩落ルートを歩き、その崩落規模拡大の悲しい現実と
人が遠のいていくルートのわびしさをみた。
そのルートから見る雲をかぶった山尾根が琵琶湖へおちていく様はまた格別な美しさがあった。
ちょうど、この日はびわ湖バレーの年数回の定期点検で休園日、ロープウエーも運休、登山客には
出会わず静かなおらがお山であった。
いつも比良の山並みを下から見上げて感じるのはその平尾根をゆっくり歩きたいという思いである。
しかしいったん登ると、その崩落の厳しさ、谷への絶壁に近い落ち込みに驚かせるのである。
遭難発生も昨年度42件もあり、静かな山でないことを知ることが大切である。
この日も烏谷山山頂近くの南壁にご夫婦の戒名が刻まれた地蔵菩薩が蓬莱山を拝んでいる石仏に
出会った。
木戸峠より北へ比良縦走路を進むと比良岳である。山頂近くを小川が流れているのも比良でよく見られる
光景である。
比良では小川だけでなく池や滝も多いことに驚く。豊かな山である。
少し違和感があるが、「比良岳」山頂をしめす標識が平らな場所に建てられていたことである。すこし西に
山頂らしい山影がみえているのだが・・・。
比良岳だけでなく、烏谷(かと)山をしめす標識も山頂から北側に下りたところあり驚いたものである。
なにか意味が隠されているのだろうか。
木戸峠―比良岳―葛川峠―烏谷(かと)山―荒川岳 この▽▲▽▲▽、というか凹凸凹のリズムがいい。
940m---1050m----944m-----1078m------965m
荒川峠からの下山路、大雨による流水あとの登山路は岩石がゴロゴロ、難儀な歩きとなった。
今回は自宅から自宅とぐるっと一周した。下山口である中谷出合から自宅まではアスファルトであり、
登山靴での歩きに泣いた。
朝は雲の中を歩き、朝霧の中に曇る杉林の幾何学的風景が幻想をみせていた。
また山頂から見る景色は、山稜の東から雲が侵入し、山稜の西からの風と戦う姿に風雲の激しい
せめぎ合いをみた。
素晴らしい山行に今日も満足である。
感謝合掌