shiganosato-gotoの日記

星の巡礼者としてここ地球星での出会いを紹介しています。

2003 『星の巡礼・カミーノ・デ・サンチャゴ自転車巡礼800kmの旅日記』 Ⅷ

2003 『星の巡礼・カミーノ・デ・サンチャゴ自転車巡礼800kmの旅日記』 Ⅷ
 
  《カミーノ・デ・サンチャゴ 自転車巡礼のすすめ》 ⑧


2003/8/20Wed. 《 カミーノ・デ・サンチャゴ巡礼路 10日目最終日》 

アルスー / Arzua  ⇒  サンチャゴ・デ・コンポステーラ / Santiago de Compostela  

自転車走行距離 /積算距離  53km/804km


8月20日   朝5:00 スタート


アルスーア村は、カミーノ・デ・サンチャゴ巡礼路の最終地・コンポステーラまで徒歩で36kmの地点にある。

ほとんどの巡礼者が最終地・コンポステーラを前にこの村で疲れをとり、心身を整えることにしているようである。


熊野古道・中辺路の伏拝王子や祓戸王子のように最終地である熊野本宮大社に詣でるまえに、身体を清める王子と似ている。


埃にまみれ、疲れ切った心身をここ最終巡礼村であるアルスーア村で宿をとり、清めてサンチャゴ・で・コンポステーラに向かうのである。


《 ウルトレーヤ!  ビバ・カミーノ! 》


あちこちで歓声が響く


<典型的な巡礼者は、清貧に甘んじ、清貧に生きることを学び、清貧を実践する>


このカミーノ・デ・サンチャゴ巡礼路850kmを歩き終える徒歩巡礼者は、清貧な営みと祈りに行きつく。


神に導かれ、広大な地を歩きながら宇宙や自然に接し、アルベルゲ(巡礼宿)に泊まり、質素な食事をし、
並べられた鉄製ベットに横たわり、同じ巡礼の仲間と交歓し、洗濯物を手洗いし、
フォンティーン(水飲み場)に感謝し、村人達のあたたかい声掛けにこたえるうちに巡礼者は魂の純化
促され、清貧の人に変化していくのである。


この巡礼者の純化は、四国八十八ヵ所、熊野古道でも同じくみられる。

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朝一番出立、巡礼者である若者たちも約820kmを歩き通し、あと30kmほどでゴールだ

 
<巡礼で学ぶこと・教えられること>


   テーマ : 『すべては神に導かれている』 という真理のもとカミーノ(巡礼路)を歩きなさい


1.喜び・怒り・哀しみ・楽しみ、すべて神が与えたもうたものである


2.不平・不満・選り好み・贅沢・利己心・妬み・嘘偽り、おのれを捨て神に従いなさい


3.すべてに感謝の念をもちなさい、それは神への愛であり、神への忠節である


4.すべてに喜びを感じなさい、それは神からの贈り物である


5.すべてを通して神へ近づきなさい、それは生かされている者の義務である


6.「神を識る」、それは栄光である


7.すべてに神の存在を自覚しなさい、それは神の偉大さに首を垂れることである


8.すべての死は、神に召された喜びのときである


9.「生きるとは」、おのれを捨て神の御言葉に耳を傾けているときである


10.「すべてに時がある」、すべて神の御業によるものである


11.「死んでも生きる」とは、神のもと魂は永久に生き続ける


 

今回のカミーノ・デ・サンチャゴ巡礼路を自転車で走るにあたって、こころの糧(座右の銘)

としている聖句を持参した。


 


                               Happiness


 Happiness keeps You Sweet,      幸せはあなたを優しくし、


 Trials keep You Strong,           試練はあなたを逞しくし


 Sorrows You Human,             悲しみは思いやりを育て


 Failures keep You Humble,        失敗はあなたを謙虚にし、


 Success keeps You Glowing,       成功はあなたを輝かす、


 But Only Godkeeps You Going


しかし神だけがあなたを正しく導いてくれる!


  Be JoyfulAlways,                  いつも喜んでいなさい


  Pray At AllTimes,                 絶えず祈りなさい


  Be Thankful InAll !                どんな事にも感謝しなさい


                                                                       <新約聖書テサロニケ 1>


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  巡礼最終地サンチャゴ・デ・コンポステーラへ向かう巡礼者たち、最終巡礼村アスール通過中①

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巡礼者、最終巡礼村・アスールを通過中②


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最終巡礼村・アスールで休憩中の高校生グループ

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最終巡礼村・アスールで休む高校生たちの重いバックパック

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自転車巡礼者もアスール村の公園で最後の休憩を楽しんでいる


<カミーノ・デ・サンチャゴ巡礼路における自転車巡礼で走るときの注意点⑥>


1.   自転車巡礼における「飲み水の確保」


自転車巡礼において、安心安全な飲み水(ミネラルウオーター)を、カミーノ巡礼路全行程において確保できる。巡礼村の主要個所、聖堂前には必ずフォンティーン(水飲み場)が常設されている。海外での生水に敏感なわたしの胃腸に異変(細菌性胃炎・下痢)が見られなかったことから、カミーノ(巡礼路)での水は重宝させてもらった。


ただ、カミーノ(巡礼路)で手に入る生水を受け付けないと考えられる方は、自分に適した方法をとられることをお勧めする。道中、ペットボトル入りミネラルウオーターの購入は可能であり、心配はない。


使わなかったが、胃腸の異変に対処するための薬として<正露丸・ストッパー>を持参した。


2.  カミーノ(巡礼路)の道路状況と自転車巡礼

 カミーノ・デ・サンチャゴ巡礼路の道は砂利道、赤土、アスファルト道路がまじりあっている。

  現在の自転車巡礼路は、巡礼村を貫く道と村と村を結ぶ道路を中心に、巡礼路が前後左右に出入りし、
  並行して走っている。道幅は歩道のあるアスファルト道路から、巡礼者がやっと通れる小道まで色々である。

  巡礼路は峠を越え、向日葵畑をみながら、牧草地を横切り、昔のまま目的地・コンポステーラへ向かって
  いる。

  カミーノ・デ・サンチャゴ巡礼路に比べ熊野古道のほうが昔の山岳地帯の古道を歩く距離が長いと思われる。
  熊野古道にしても、並行して国道が走っていることはカミーノとなんら変わりはない。
       巡礼路は砂利道も多い、パンクに要注意だ
 
 
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徒歩巡礼路をいく自転車巡礼者グループ<走行注意>
 
自転車巡礼は、これら自転車巡礼路と並行する道や徒歩巡礼路をぬいながら自転車を走らせることになる。

徒歩巡礼と同じコースをとる場合、道幅が狭い所では自転車を降りて押して進むことになる。


たとえば、カミーノ・デ・サンチャゴ巡礼路約850kmの徒歩巡礼の場合、約25日~39日を要する。
それに比べ自転車巡礼は徒歩コースにくらべ、時として舗装道路を走ることになるので、わたしの場合のように約10日で完走することができる。


時には坂下を同時に出発したとしても自転車巡礼コースは徒歩巡礼路を迂回しながらのルートとなり、
坂上では徒歩巡礼の方がはやく到着していることも起こりうる。徒歩巡礼は直登で坂を上って行くから、意外と
自転車よりはやく到着することもある

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 グループ自転車巡礼の仲間たち

自転車巡礼で走る道は、舗装され、道幅があり、路肩もひろく自転車が走りやすく、安全であった。

今回は、暑さ対策として夜間走行が多かったが、月光に助けられヘッドライトを使用せずとも、

安全走行ができたほど道路状況は素晴らしかった。


自転車巡礼では、行先標識の確認が重要である。よく似たスペルの都市名があったりするからである。
間違って従えばとんでもない方向に走ることになる。先に述べたが、わたしも行先を間違え往復32kmも
走ったことがあった。


カミーノ(巡礼路)の夏、自転車巡礼は高原地帯を走るので、直射日光に悩まされることになる。

どうしても夜間走行を選択することになる。それも夜間、暗闇のなか周囲の情況確認や行先標識の読取を

8時間近くも続けながら走ることになるので、月明かりがとても重要となってくる。先にも述べたとおり、
カミーノ(巡礼路)でのこの時期8月の月明かりは十分助けとなった。


夜間の自転車走行で、大切なアドバイスがもうひとつある。「自転車が走っていることを車の運転者に確実に
知らせる」ことである。
日本国内とちがい、夜間走行の車は100~120kmで走る。自転車はその風圧で危険を感じることがある。
今回は、前後の点滅灯と反射鏡を多用し、危険を回避した。

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徒歩巡礼路から離れた自転車巡礼路でサイクリストたちが昼食をとっている
スエーデンからの自転車巡礼者・ボブが手を振ってエールを送ってくれている


3. 自転車巡礼での携行品について


今回のカミーノ・デ・サンチャゴのような海外遠征では、使用する自転車に適合する部品・工具・補修用具を
携行する必要がある。


チエーン・チューブ・スポークは必携である。巡礼路では1回のパンクに見まわれただけで、ゴムパッチでの
修理ですませ、持参したチューブは温存した。あとブレーキ修理は針金で済ませた。スペアタイヤはカミーノ
850kmでは不必要であると判断し、携行しなかった。

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マウンテンバイク「星の王子様号」のハンドル周辺装備

<地図・高度計・コンパス・スピードメーター・距離計・ヘッドランプほか>


 

4.   カミーノ自転車巡礼での露営上の注意点


今回は露営3泊、巡礼宿5泊となった。


その日の体調や天候により、露営・舎営を決めた。とくに暑さ対策として夜間に自転車を走らせたので、
露営は仮眠といってもよい。そう、シエスター(午睡)といった状況であった。


大聖堂前や公園、川岸などを露営地として使用する場合は、かならず管理人や近所の人に声掛けしておく
ことは常の事である。

これは不審者の野営・野宿にたいする近隣住民の警戒感を和らげ、カミーノを自転車巡礼中であることを

伝えて理解をえておくためである。


声掛けは村民との交流にもなり、情報収集として欠かせない大切なアプローチである。
明日の天気やバル、マルケード(市場や商店)、レストランやカフェーの所在や村の歴史、名所を聞きだす
絶好の機会でもある。


野犬の姿も目にした。登山用ストックを持参していたので護身用として寝床の横に備えて置いて寝た。

笛(ホイッスル)も撃退用や緊急用として身に着けた。(巡礼者であっても自分の身は自分で守ること)


カミーノ(巡礼路)の夏(8月)、昼は最高36℃を記録していた。巡礼路は木陰が少なく直射日光に悩まされた。

体感は40数℃であっただろうか、Tシャツを水に濡らして着用しても2時間ほどで乾燥するほどの猛暑である。

結局、夜走るのだかこれまた昼とは反対に寒さに震えた。(夜間の寒さには、雨具の重ね着が役立った)


どちらかといえば昼間の暑さより、走行に効率的な夜間を選んで自転車を走らせることになった。


露営に際しては救急用品も必携である。<バンドエイド・便秘用浣腸・正露丸・下痢用ストッパー・筋肉弛緩用

オイントメント・リップスティック・消毒用塩ほか>を持参した。


非常食・行動食・水 <チキンラーメン・氷砂糖・チョコレート・干しブドウ・ビスケット・飴・水2Lほか>を携行した。

不必要なものとしては、 <蚊取り線香・フェイスネット>がある。  カミーノ(巡礼路)では蚊による安眠妨害は

なかった。


食料品、飲み物は、巡礼村にある雑貨店や、バルなどで購入することが出来る。
パスタも作ってもらえる。

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セブレイロむらの雑貨店で食料購入

 

 

 
 
《カミーノ・デ・サンチャゴ 自転車巡礼のすすめ》 ⑧につづく