shiganosato-gotoの日記

星の巡礼者としてここ地球星での出会いを紹介しています。

2019『星の巡礼 びわ湖冬景色・老人自転車ひとり旅』④

びわ湖冬景色―近江の歴史をたどる老人自転車ひとり旅』 ④
                                                                

■ 1日目 <JR志賀駅前 ⇒ 膳所城址公園 35km>  Ⅲ


<義仲寺>   大津市番場1丁目)
 
義仲寺に何度も足を運ぶのは近江をこよなく愛した「芭蕉の墓」があるからである。
義仲寺の名は、源義仲を葬った塚のあるところからきている。
寺門を入った左奥に、義仲を慕った松尾芭蕉の墓と並んで木曽義仲の供養塔が立っている。
 
<木曽殿と 背中合わせの 寒さかな>    芭蕉門人・又玄(ゆうげん)作
 
境内にはこの句をはじめ、芭蕉辞世句など多くの句碑があり圧巻である。
 
<旅に病んで 夢は枯野を かけめぐる>          芭蕉―辞世の句

<古池や 蛙飛びこむ 水の音>                      芭蕉―代表作 
         
< 行春を あふみの人と おしみける>           芭蕉―義仲寺
 
また、義仲の愛した巴御前を弔う巴地蔵堂が山門横にある。

イメージ 4
          義仲寺山門 と 巴地蔵尊 (山門右)


義仲寺を出て、門前の旧東海道と旧中山道である道を南へ行くとフレンドマート平和堂/WC・水補給・食料)にでる。
ここで食料を仕入れ、びわ湖岸にある<なぎさ公園/WC・水補給>で休憩。
近くに近江大橋比叡山、遠くに比良や鈴鹿山系と素晴らしい眺望を楽しむことができる。

近江大橋の下をくぐり、今夜の露営地である膳所城址公園WC/水補給/近くにコンビニあり)に足を踏み入れる。

イメージ 5
         西の庄にあるフレンドマート平和堂


西の庄にあるフレンドマート平和堂)も<ビワイチ・サイクルサポート・ステーション>である。
青地に白の旗が目印である。パンク修理の空気入れや、工具など万一の故障に対してのサポート
を受けられるそうである。
 
 
<なぎさ公園>  WC/水補給/自販機/コンビニ  

イメージ 6
         びわ湖北湖 三上山(近江富士)方面を望む


イメージ 7
               近江大橋を望む


 
<▲一日目露営地―膳所城址>    WC/水補給/コンビニ/△東屋(雨天避難用)

膳所城跡の湖岸際の浜にテントを張り、暮れゆく時間に身を任すことにした。

ここは、広重筆による近江八景「瀬田の夕照」の写実をもっとも楽しめる地である。夕暮れ、千頭岳(醍醐笠取)あたりに沈みゆく夕陽がきれいである。

静寂の湖面に一筋の波なく、霞ゆく夕闇にカイツムリ、オオバンマガモたちも首を縮め夜を迎えようとしている。

これこそ自然の中での楽園体験といえようか・・・

命を与えられているものすべてが、天なる姿を見せてもらい、天に誘われていることの幸せをかみしめるひと時といえる。

朝、砂浜に打ち寄せるさざ波のささやきに目を覚ますと、対岸の山間から朝日が顔を出し始める。
水鳥たちが羽ばたき、一斉に喜びの声を上げ、繰り返される天地創造の朝が騒々しさの中に再現されていくのである。

イメージ 8
       膳所城址は多くの水鳥が集まるパラダイスである

 
▲一日目露営地・膳所城址(公園)の本丸跡の真上にあたる湖の東岸でテントを張る 
 
 
関ヶ原の戦いに勝利した徳川家康は、関ヶ原の戦いの翌年、慶長61601)年、東海道を制し、
湖上の船運を抑える目的で、現在の膳所城址公園(膳所崎)に膳所城を築城させた。
築城計画は藤堂高虎が担当し、それまで膳所崎に流れていた相模川を北方に付け替えるという
大工事を成し遂げる。

江戸時代、東海道を旅する人たちとって、湖水に写る天守閣はひときわ美しかったらしく、多くの絵に膳所城は描き残されている。

この地に立ってみるとわかるが、近くに瀬田の唐橋をまたぐ旧東海道中山道があり、西国に攻め込むためにはどうしてもこの地を突破通過しなくてはならない。
また、京から東国へ密使が放たれた場合、この膳所城でまず抑える必要があったともうかがい
知れる。
信長は天下を征するにあたってこの地、びわ湖の水の利、地の利を誰よりも理解し、戦略に
取り入れた武将であったといえる。
膳所城そのものが、関所としての役目も果たしていたのである。

イメージ 9
            びわ膳所崎浜での野営(奥に近江大橋と三上山が見える)
 
 
 
 

    『びわ湖冬景色―近江の歴史をたどる老人自転車ひとり旅』 ⑤
                 につづく
 
 

 
イメージ 10
⑤広重 ≪近江八景―瀬田の夕暮れ≫  (せたのゆうぐれ)   瀬田/大津市
 
<露時雨(つゆしぐれ) もる山遠く 過ぎきつつ 夕日のわたる 勢多の長橋―広重>


イメージ 1
 膳所城の概略平面図
 
イメージ 2
    夕焼けに映える近江大橋
 
イメージ 3
 膳所崎からみる対岸の夜景
 


   2日目びわ湖一周のルート案内 Ⅰ (2019年2月17日)

 につづく

shiganosato-goto.hatenablog.com