2019『星の巡礼 鯖街道踏破』
―鯖街道<針畑越えルート> 縦走日記―④
<同志社ローバースカウト仲間の追悼縦走>
<4日目を迎えた>
比良山系に朝日が昇る
昨夜は花脊峠(標高759m)で、夜空が広がり星座を楽しむことができた。
真夜中に起きだして星と語り合いながら、高吟した。
腹から染み出る魂の声が星に届いたのであろうか、星たちが一斉に歌いだした。
森の黒いのっぽたち(樹木達)も、陰のマントを揺らしながらハミングで参唱。
ここ露営地が、豊かな音楽会場に様変わりした。
最後の野営の夜を楽しんだ。
露営の楽しみは、自然との共生・共遊にある。
《 詩吟 不識庵機山を撃つの図に題す》 漢詩 頼山陽作
鞭聲粛々夜河を過る べんせいしゅくしゅくよるかわをわたる
暁に見る千兵の大牙を擁するを あかつきにみるせんぺいのたいがをようをすうるを
遺恨十年一剣を磨き いこんじゅうねんいっけんをみがき
流星光底長蛇を逸す りゅうせいこうていちょうだをいっす
声をからせている間に朝を迎えた。
今日は最終日、花脊峠を出発、鞍馬から京都市内を縦断し、出町柳の近くにある<鯖街道口 升形商店街>へのゴールを目指す。途中、一部歩道のないところもあるので車に特に注意が必要である。
いよいよ<京への>入洛である。
同行三人、慈しみ深き導きに感謝しつつ花脊峠を後にした。
① 花脊峠より国道477を左折し鞍馬へ向かう ①花脊峠に建つ標識<鯖街道>
先年の台風による北山杉の倒木の惨状に心が痛む
② <百井分岐>左手より下ってきて国道477はここで左折するが、
鯖街道は県道38を南下直進する
北山の杉並街道を下っていくと ③<くらま温泉>にたどり着く
⓸鞍馬本町の古き街並みを下って鞍馬寺へ向かう
➅叡電<叡山電車・鞍馬駅>で WC/水が利用できる。 ⑥鞍馬の天狗がお出迎え
⑦貴船口を通過後、 ➇鯖街道は<二ノ瀬トンネル>の右手の旧県道に入る
叡山電車の高架をくぐり、⑨市原交差点を直進し、鞍馬街道である県道40に入る
⓾県道40<鞍馬街道>を進み、長代川にかかる橋の手前を右折して深泥池に向かう
(迷い道あり、標識に従う)
⓾鯖街道と並走する<鞍馬街道>は圓通寺を左に、⑪狭い坂を越えて深泥池へ下っていく
比叡山を借景とする雄大な庭園を持つことで有名な臨済宗妙心寺派の「圓通寺/円通寺(えんつうじ)」を左に見ながら、狭い坂を越えて深泥池に向かう。今回は歩きだけで精一杯なので、またぜひ訪ねてみたい。
深泥池に近づくにつれて、細い路地的な小道を歩くことになるので、道迷いに注意。
北山通りを直進し、⑬北大路通り交差点で、正面の細い道<下鴨中通り>に入って行く
⑭<下鴨中通り>の景観を楽しみながら、<御影通り>に向かう
<下鴨中通り>は、加茂川の流れに並行するように市内を斜めに葵橋に向かっている。
⑰下鴨本通りを進み加茂川にかかる葵橋を渡ると、東の鯖街道の京の起点<升形商店街> に到着する。
⑰われわれ同行三人は<東の鯖街道―針畑越え(根来坂)76㎞>を3泊4日で踏破、
ここ鯖街道京起点・升形商店街に無事ゴールした。
<鯖街道の終着点に立ちて>
若狭街道は、江戸時代には、日本海で取れた鯖(さば)を都に運ぶために使われたことから、鯖街道の名で知られている。 京の出町柳は、鯖街道の終着点であり、加茂川にかかる出町橋西詰には<鯖街道口 従是洛中>の石碑が建っている。
われわれ同行3人は、石碑<鯖街道口>に迎えられ、東の鯖街道終着点である升形商店街、入口歩道に埋め込まれている<さば街道・升形モール>のプレートにタッチして、3泊4日の<東の鯖街道―針畑越え/根来坂ルート76km踏破>を祝った。
道中、リュック滑落紛失という事故もあったが、鯖街道を歩きたいという長年の夢と亡き友二人の声援に支えられて、共に踏破できたたことを喜んでいる。
また老体を最後まで見守って下さった神に感謝したい。
<鯖街道口 従是洛中>加茂川出町橋西詰
凛として 月下の初冬
独り酌み 美酒に酔ふ
落ち来る 流星頬濡し
同行三人 鯖街道終し
われ独り 君も又仏哉
志賀の里弧庵にて
完