shiganosato-gotoの日記

星の巡礼者としてここ地球星での出会いを紹介しています。

鯖街道<針畑越えルート> 縦走日記②

2019『星の巡礼 鯖街道踏破』


鯖街道<針畑越えルート> 縦走日記―②
同志社ローバースカウト仲間の追悼縦走>

 


いくつかある鯖街道

鯖街道は、若狭国小浜藩や高浜藩領内と都のあった京を結ぶ街道の総称であることはすでに述べた。下記<鯖街道イラストマップ>に4っの主要ルートが示されている。

鯖街道の由来> 「若狭街道は海を持たない京都の人々が鮮魚を得るために不可欠な道が若狭街道であった。若狭から運ばれた物資の中で特に鯖が有名で鯖街道の別名がある。鯖街道と呼ばれてはいるが、鯖のほか、アマダイ(グジ)、イカ、カレイも運ばれた。」 (若狭熊川宿にある<鯖街道ミュージアム>解説版より)

 

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  鯖街道ミュージアムにある<鯖街道イラストマップ>

 ① 左ルート・鯖街道周山街道国道162号線

 ② 中ルート・鯖街道(針畑峠超え・鞍馬街道
 ③ 右ルート・鯖街道(朽木・途中越え) 国道367号線
 ④ 淡海路ルート・九里半越え/船旅(今津港―湖上経由―大津港)/陸路逢坂越え

 

<丸子船による鯖街道

往時の鯖街道の中で、最も多くの物や人の往来があったのは意外にも、小浜から熊川宿を経て近江今津に至る<九里半街道>(国道303号線)であるという。日本海側の小浜から<九里半街道>を歩き、琵琶湖にある今津から丸子船という舟運を利用して大津に至り、陸路逢坂山を越え、京に入ったルートであった。

 

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  琵琶湖博物館に展示されている丸子船のレプリカ

特に、国道303号線(九里半街道)沿いにある道の駅<熊川>の裏に延びる、宿場としての熊川宿の景観は、当時の賑わいを見る思いである。宿場・熊川宿をのんびりと散策することをお勧めしたい。
このルートは陸路距離が最短で、先ほども述べたが今津港からの丸子船を利用し大津港に至る労力が少なくて済み、老若男女はもちろん、商業ルートとしても流通が盛んであった。

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       鯖街道の宿場・熊川宿の景観

また、わが家の裏、比良山系の西側には現在の鯖街道としてにぎわう若狭街道国道367号線)が朽木集落を中心に南北に走っており、多くの観光客を楽しませている。

西の鯖街道と呼ばれるもう一本の大動脈が、高浜より周山街道国道162号線)をへて京に至っている。 この周山街道は、わがハーレダビットソンと共に幾度か走ったツーリング街道でもある。
美山のかやぶきの里が懐かしい。 いつかまた歩いてみたい。

 

 

鯖街道<針畑峠越えルート>案内

まず、<針畑峠越えー鯖街道>の全ルートをA)~G)の7エリア区分に分けてルート案内をすることにする。
ここで使用する地図は不鮮明なため、各自<地理院地図>をPC画面に表示したうえで、ルート案内にしたがって<東の鯖街道>を研究していただくことをお勧めする。


鯖街道―針畑越え(根来坂)ルート地図 エリア区分>

A)<鯖街道起点/小浜市泉商店街➡根来坂峠登山口>舗装道ルート
B)<根来坂峠登山口➡小入谷バス停>登山ルート
C)<小入谷バス停➡久多の里>舗装道ルート
D)<久多の里➡二ノ谷管理舎>登山ルート
E)<二ノ谷管理舎➡大見集落分岐>舗装道ルート
F)<大見集落分岐➡花脊峠>登山ルート
G)<花脊峠出町柳・升形商店街>起点ゴール・舗装道ルート

―――――黒点線 舗装道ルート
―――――赤点線 登山道ルート

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A) 起点スタート<小浜市泉商店街 ➡ 根来坂峠登山口>ルート案内
  
この間のルートA)は国道・県道の舗装道を歩く。

林道や登山道はなく、歩行難易度ゼロといっていい鯖街道である。
ただ車に注意し、各分岐での正しい道選びさえ正しければ目的地の<根来坂峠登山口>に到着する。
では地理院地図と写真を見ながら<東の鯖街道>を歩き始めることにする。

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起点スタート<小浜市泉商店街 ➡ 根来坂峠登山口>ルート解説

鯖街道>起点・泉商店街をスタートする

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鯖街道起点 小浜いづみ商店街をスタート  《写真同行の亡き仲間と共に》

 

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          ②<さば街道起点>プレートを後にする

 

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② <さば街道起点>いづみ商店街に今なお残る鮮魚店「加福」        

③<鯖缶>を並べるお店も

 

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③  お店に吊るされた鰯・烏賊・甘鯛の一夜干し   ③いづみ商店街の紹介

 

<いづみ商店街> 
「一塩して、若狭から運ばれた鯖(サバ)が京に着く頃には、ちょうどよい塩加減になったといわれ、京都の食文化の中に今も若狭の魚がいきています。この地は『鯖街道の起点』」として知られています。」

 

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④ いづみ町商店街前に沿って立ち並ぶ商人街   ⑤ 最初の信号を左折<住吉交差点>

 

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 ⑥陸橋前の信号を右折<神田交差点>       ⑦最初の交差点左折 

 

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 ⑧蓮如上人建立の立光寺にて偈に学ぶ(⑦を左折すぐ、左側に建つ

 

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 ⑨JR小浜線踏切を渡る     ⑩国道27号線を横断(角にコンビニ)

 

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  ⑪国道の裏道を道なりに進む       ⑫カラフルなお地蔵さんがお見送り

 

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 ⑬国道27に架かる南川<湯岡橋>を渡る   ⑭暑い<舞鶴若狭自動車道>橋下で休憩

 

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    ⑮R27<北国街道>より旧鯖街道右に入る    ⑯ゆるやかな検見坂を越える

 

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          ⑰<遠敷昔絵図>看板を右折・県道35に入る

 

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⑱若狭姫神社に参って旅の無事を祈る    ⑲日本遺産<鯖街道―根来坂越え>歓迎幕

 

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      ⑳若狭彦神社を経て        ㉑お水送りの神宮寺山門に至る

 

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   ㉒お水送りの<鵜の瀬>  資料館にはWCもあり、名水百選の水も豊富である

 

<鵜の瀬> 「お水送り」神事の日、夕闇迫る頃になると、神宮寺の大護摩から松明にもらい受けられた火が、ここ上流の鵜の瀬まで松明行列として続くのである。遠敷川の河原で大護摩が焚かれ、神宮寺住職が川に御香水を注ぎ込み、東大寺二月堂のお水取りの神事へと引き継がれていく。

 

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鯖街道は遠敷川に沿って南下する(下根来) ㉔<谷口地蔵尊>の声援を受け上根来へ

 

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㉕遠敷川は美しい渓谷に変わってくる     ㉖中の畑集落を守る<中の畑地蔵尊

 

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㉗<中の畑集落>を通過          ㉘上根来集落の入口に建つ標識<鯖街道

 

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 ㉙上根来集落を守るお地蔵さんたち   ㉚上根来を経て<根来坂登山口>に向かう 

 

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<根来坂登山口> 林道右手より登山道に入る  ㉛<根来坂峠/針畑峠>に向かう

<根来坂登山口> 
「日本遺産である鯖街道は、奈良時代以来の古道であり、根来坂峠(針畑峠)までに海と都をつなぐ若狭の往来文化遺産群として<ゴザ岩>や<池の地蔵>などの史跡が残っている。
起点である若狭小浜・いづみ商店街から京・桝形商店街へ向かう最短の道であり、最古の道であることで知られている。」


<針畑越えー鯖街道は三峠の登山道越えとなる>

鯖街道・針畑越えルート>は、全長76㎞のうち、3分の2にあたる57㎞が国・県道の舗装道であり、ルート上の歩行踏破に問題はないといえる。
登山道と林道からなる峠越えの最初の登山ルート・B)<根来坂峠=針畑越え峠ルート>を次に案内する。

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B) <根来坂峠=針畑越え峠> (標高833m)ルート案内

 

このルートは<東の鯖街道>の中でも一番山歩きを楽しめるコースである。今回も山中の暗闇のなか、鹿の遠吠え(仲間との交信)を聴きながら露営を楽しんだ。

また、2日目このルート上でリュックを滑落紛失するという経験することとなった。

 

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<根来坂峠=針畑越え峠>(標高833m)ルート解説

 

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                    鯖街道起点看板> ➡<根来坂峠>➡<小入谷>ルート地図 

      赤線ー根来坂峠(針畑峠)ルート /  黒線ー林道  /  黄線ー登山道

 

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①根来坂<鯖街道>登山口より峠へ向かう       ② 根来坂峠へのルート風景

 

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         ② 根来坂を重いリュックを担いで上って行く

 

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        ③ 根来坂登山道より南方(八ケ峰)方面の雲海を楽しむ

 


 △1日目露営地  ピーク567付近で露営

針畑越え峠の手前、地図にあるピーク567付近の雑木林で簡易テント(ツエルト)を張って、露営することにした。

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④ ピーク567付近のブナ林で1日目の露営  ⑤ アルミフイルム製超軽量ツエルト150g

 

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      翌朝、リュックとパックした携行品一切を滑落で失うことになる

 

<2019年9月1日 2日目を迎えた>

 

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早朝4時30分起床し、暗闇の中で撤収作業を終え、朝日を待たずに根来坂峠/針畑峠に

向けて出発した。

 

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    東の空が明るくなってきた       朝が明けきらないうちに林道に出る

 

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再度<鯖街道>の旧道に入る       旧道(登山道)は今なお暗い

 

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  <池の地蔵>と<古井戸>を過ぎると、旧街道は不鮮明になってきた

 

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   <根来坂峠 833m>に到着       峠の地蔵堂は台風で崩壊

 

峠は<高島トレイル>との交差点でもある。

峠にあった経堂は先年の台風で壊滅、針畑地蔵尊は風雨に晒されていた。

一日も早い再建と安置を望みたい。

 峠での一服をすませ、小入谷へ下山開始。
しばらくするとルート上にブナの大木が倒れ、登山道をふさいでいる現場に出くわした。
登山中によく出くわす障害物であり、いつもの通りリュックをおろし、枝の隙間からリュックを倒木の向こう側の道に落とした。その瞬間、谷間に転がり落ちていくリュックの音が耳に響き、一瞬にして谷間に消え、静寂が戻った。

 

<リュック滑落・紛失>

リュックが消えたという現実にも、意外と落ち着いて行動をとっていたことを覚えている。
谷への途中で木に引っかかっているかもしれないと、崖を下りてリュックを探してみたが発見できず、これ以上の探索は身に危険をおよぼすと判断し、もとの登山道に戻り下山を決断した。
下山中、まず小入谷バス停より高島市コミュニティバスにて帰宅し、再度準備し、縦走を続けることにしたのである。
食料・水ほか一切を失ったので、下山中の滑落や遭難、道迷いをふせぐため慎重の上に慎重を期して行動した。
途中、岩の窪みに溜まった雨水の美味しかったこと、天の恵みに感謝したものである。

 

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百里ケ岳手前の針畑谷に消えたリュックを探索後、登山道に這い戻って安堵する

 

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⑧ リュック滑落現場より林道に出る    ⑧ 林道に出ると焼尾地蔵尊に迎えられる

 

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⑩ 林道より焼尾地蔵尊先登山道左へ下り<小入谷>に向かう

 

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⑩小入谷下山路        ⑩飲み水一切を滑落させ、窪みにたまった雨水を飲む

 

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⑪小入谷登山口に下りてくる         ⑫針畑川にかかる橋が崩壊

 

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⑫針畑川上流方面を望む(針畑谷入口)       ⑫針畑川下流方面を望む

 

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⑫針畑川の支流を渡ると、小入谷集落に入って行く

 

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  ⑬ダルマサンガ/朽木學道舎     ⑭高島市営(コミュニティ)バス<小入谷>バス停

 

根来坂付近で倒木迂回中に小入谷へリュックを滑落させ、紛失した。
携行品再パックのため一時帰宅することにする。
<小入谷バス停>より、高島市コミュニティバスで朽木、安曇川経由し一時帰宅する。
翌朝、同じルートで新しい携行品をもって<小入谷バス停>に戻り、2日目のルートを再スタートさせた。

 

<参考:「リュック滑落に関する事故報告書」>

<リュック滑落に関する事故報告書及び遺失届>を警察に提出し、小入谷(渓谷)でのリュック発見時の遺体捜索への未然防止を願って報告した。 参考までに<事故報告書/遺失届>をサンプルとして取り上げておくことにする。
この場合、県警への電話による口頭報告と、居住先の駐在所に対して書類による届を提出した。

 

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 次回は<小入谷➡久多の里/オグロ坂登山口>ルートを紹介したい。

 

 

につづく