shiganosato-gotoの日記

星の巡礼者としてここ地球星での出会いを紹介しています。

2020『星の巡礼 蓬莱山雪中キャンプの春嵐』

2020『星の巡礼 蓬莱山雪中キャンプの春嵐』
    ー比良山系・春嵐<比良八荒>からの脱出―

       ―蓬莱山登山<金比羅峠ルート>の現況―

 

どんな山も登山者を拒まない。
そこにある山はいつも優しく誰でも迎えてくれる。
山々はいつもそこにどっしりと腰を落ち着かせ、哲学者のように自分を見つめ、己を深め、己の運命を甘んじて受け入れている。


その不動にして寡黙なる姿に、人々は神の存在を感じるのである。
この愛する山々も自然の猛威に耐え、己の存在に時を刻み込んでいる姿はいつの時代にあっても人々に感動を与えるものである。
山への畏敬の念をもって接する心が人々に芽生える瞬間でもある。


山の姿はその自然の移ろいによって変化しつつ、静かに登山者を見守ってくれるのだからうれしい。
今日も又、愛する山に抱かれ、優しい春の風に包まれている喜びを体いっぱいに感じた。
しかし、夜半に吹き荒れた春嵐である春一番<比良八荒>はまた、季節の変わり目の山の厳しさ、死を招く強い風の恐ろしさを登山者に教えてくれた。

 

《 八荒や 琵琶に吹き落つ 比良の神 》  實久
        ―はっこうや びわにふきおつ ひらのかみー

(比良八荒とは、比良山系からここ志賀の里―志賀より近江舞子にかけてーを駆け抜けて琵琶湖に向かって吹く、冬衣を捨て、春を知らせる強風のことである。)

 

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木蓮が咲くころ、雪中キャンプを楽しみに蓬莱山に登っている。今年は極端に積雪少なく、びわ湖バレーのゲレンデもコロナウイルスの影響もあってか人影もまばらであったが、大自然の美しい夕暮れや夜空に輝く星座に魅了された。寝袋に潜り込んでからの深夜の強風(体感風圧30)にテントごと吹き飛ばされる直前、急遽避難、ヘッドランプを頼りに深夜の撤退下山というハップニングに見舞われた。長年の登山の中での貴重な体験に少し興奮したものである。

 

《 咆哮の 怯え縮みし 春嵐 》 實久
 ―ほうこうの おびえちぢみし はるあらしー

テントを揺さぶる春嵐の咆哮に、身を縮め怯えた一夜であった。

 

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               びわ湖バレー打見山ゲレンデをバックに 

 

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                  びわ湖を見下ろす蓬莱山での露営

 

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残雪少ない蓬莱山(ゲレンデ)を眺める        打見山を見下ろすテントで夕食の準備

 

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                   蓬莱山の夕日に映える鱗雲

 

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                   蓬莱山頂より夕陽観賞

 

先日、NHKBSで田中陽希氏によるグレートトラバス3 日本三百名山全山人力踏破として55座目の蓬莱山が紹介されていた。その蓬莱山に何度登ったことだろうか。

 

             1174m蓬莱山☟        ☟打見山1108m

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        NHK BS グレートトラバース3で、 三百名山 蓬莱山1174mが紹介された

 

今回も残雪の比良山系に連なる蓬莱山の春を迎える懐に抱かれて眠るため、十分な準備をして蓬莱山に登ってきた。
春の陽気は、テントに敷かれた山の土の柔らかい温もりとなって、寝袋をとおして優しく体を包み、冬の厳しさを乗りきった日々を聞かせてくれるのである。
蓬莱山の寝物語を聞きながら、眼前の暗闇に広がるびわ湖に映る湖畔の灯火に哀愁のメロディーを聞き取るとき、神に抱かれている喜びにひたるのである。
ふちどられた湖畔に比良の山々の雪解け水が黒く浮き立っているのが見える。
なんと素晴らし影絵であろうか。


優しい春風がテントに溢れた。

 

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             テントから眺めるびわ湖(堅田)のファンタスティックな夜景

 

闇夜をとおして対岸の近江富士と呼ばれる三上山のシルエットがほんのりと東に腰をおろし眠りにつこうとしている。

当初の計画では、天気予報に合わせて18~19日の二日間の野営を決めていた。それは16日夜半に積雪があり、17日の母の命日に彦根へ墓参した折、雪をかぶった比良山系の銀峰の美しさが目に飛び込んできたからである。
墓参より帰宅し、この時を逃してはならないと急ぎパッキングに取り掛かった。
18日朝、いざ蓬莱山への雪中キャンプに出掛ける段になって、前日までの墓参・登山準備に疲れたのであろうか、倦怠感のままでの登山をあきらめ、一日延期させたのである。
想いは強くても体がついていかない年齢に達しているのだ。

19日朝の天気は、快晴であり、気温も18度と登山日和に気をよくして、一日延期の天気予報を確認しないまま登山に出発した。
帰宅して天気予報や天気図を確認したところ19日夜から20日の明け方にかけて、日本列島は東西に低気圧が居座り、強風を伴った北風が吹き荒れることを示していた。
そう、天気図は湖西地方に吹く春一番<比良八荒>を描いていたのである。

老ゆるのもいい。 
枯れゆくとは、素晴らしい人生の黄昏である。
山に登るにも一歩一歩味わいながら、己を見つめながら時間をかけるようになってきた。
老ゆるとは、歳と共に己の若さを削って老いの楽しさを加えていくことなのであろう。

老が始まってから、若さに任せた無謀というか無茶な登山が出来なくなってきた。
百名山を踏破していた頃のように山頂に立つこと、征服することの満足感や達成感は過去のものとなった。
老いてからはそれなりに山と語らい、その山の持つ魅力を味わいながら登らせていただくという姿勢に変わってきたのである。

今回も、冬季の厳しい雪山ではなく雪残る春爛漫の低山での雪中キャンプンを楽しみに出かけた。
残雪の上にテントを張り、雪をバーナーで溶かし熱いコーヒーをすすりながら、ヒーリング・クラッシックを聞き、びわ湖を囲む峰々の眺望を楽しみ、夜景の美しさに心奪われ、夜空に輝く星座に見とれたこれもまた老いの楽しみの一つである。

打見山を経由し、蓬莱山に着いた頃は、晴天のもと照り付ける太陽をさんさんと浴び、春を迎える優しい山の風を胸いっぱいに吸い込んでいた。

久々の山登りである。心も晴ればれ、汗も山の風に清々しい。


山の上で、雪に囲まれ独りいることの豊かさ、何にもまして贅沢である。

 

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                                         春うららの山に臥すー独り寝の楽しみよ~

 

年一回の雪中キャンプ、今年は積雪少なく、いつもの設営地である金比羅峠ルート上には雪は消えていた。二日前対岸の湖東からみた雪帽子をかぶった比良山はどこにも見当たらない。18度を越える気温に雪は溶けてしまっていた。

 

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              1174m蓬莱山☝        ☝打見山1108m

 

ただ、びわ湖バレーのゲレンデには今なお雪が残り、太陽に輝くなか軽装のスキーヤースノボーを楽しむ人たちが散見された。

 

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                  びわ湖バレー<蓬莱ゲレンデ>

 

蓬莱山東尾根からはじまり、JR蓬莱駅びわ湖バレー山麓駅へ下る<金毘羅峠ルート>下山口には、立入禁止の標識がいまだ立つ。この金比羅峠ルートのうち、峠からのびわ湖バレー山麓駅コースは一昨年の台風による倒木で立入禁止になっているからである。


この標識より約100m入ったルート上が恒例の露営地である。
この露営地からの雄大な景色であるびわ湖とそれを取り巻く鈴鹿山脈の絵画的な風景が好きである。
夜は灯火に囲まれたびわ湖が漆黒の水がめとして浮かび上がり、その神秘性にも心揺さぶられる。

また、テントから眺める夜空一杯の星座の美しさは格別である。
何といっても狭いテントで独り闇夜と向きあい、山の鼓動に耳を傾け、神と語る喜びにひたれること、
これこそがここ蓬莱山で露営する魅力である。

夜7時半、赤ワインを流し込み、NHKの深夜番組に耳を傾ける。ジャパニーズポップスの軽快なメロディーを流している。


幻想的な霧がかかりはじめたと思うや、その二時間後には灰色の重たい雲の中にテントは孤立していた。
荒ぶる気流にテントは徐々に鳴き声を上げ、悲鳴をあげだしたのである。
灰色の雲が時速30~40k/h(推測)で黒雲に襲い掛かり、漆黒の天空は一瞬にして戦場と化した。
テントはただただ身をひそめ時を過ごすつもりだが、強風は容赦なく襲い来る。

そうだ、この暴風は比良特有の春一番<比良八荒>であるのではないのだろうか。
この時期、昔からびわ湖での漁に襲い掛かる強風があり、多くの犠牲者を出していたこと、荒ぶる死を招く恐ろしい強風<比良八荒>を鎮めるための祈りがささげられたことを聞き知っていた。

顔を出して様子を見るに、意外にも天空の隙間、雲間に星空がひろがり、星たちが駆けっこをしているように見える。そう、星たちは悠久にその位置を変えはしないが、近くの雲たちの駆けっこが星を動かし、走らせれているように見えることに気づいて、恐怖の中の一瞬、こころが和んだ。

まだこの時点では強風も、露営で味わえるエンターテイメントに思われていたが、深夜に近づくにつれて、咆哮は暴風に変わり、テントは春一番<比良の八荒>に耐え切れずに悲鳴をあげだしたのである。


緊張が走り、停滞か退避かを考え始めた。

 

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金比羅峠ルート<蓬莱山下山口>          露営地よりの打見山眺望

 

 

<強風に大荒れの蓬莱山より退避・下山する>

 ―蓬莱山登山<金比羅峠ルート>の現況―

 

比良山系の春一番<比良八荒ーひらはっこう>の洗礼

 昼間の快晴、優しい風、高い気温では考えられない天候の急変は、夜半の強風に見舞われるまで心することはなかった。

ただ、設営にあたって、ラジオが伝える今夜の気象状況で、気になる<風が吹き小雨があるかもしれない>という点を頭に入れながらテントを張ることにしていた。

特に強風は要注意である。ここ比良山系には比良八荒という強風が季節の変わり目にあるということを山麓住民として経験上その強風の威力を知っていた。強風に耐えるロープの張り方・ペグ打ちにこだわった。
このこだわりが夜半に襲いかかる強風<比良八荒>から身を守ってくれたのである。

特に比良八荒という強風に煽られないために、二本のロープを枯れた大木に結んだ。そして反対側の二本のロープを、根っこを束ねた枯れ笹にくくりつけた。また強風でテントが移動しないように四隅にペグを打ち込んだ。
しかし強風の絶え間ない来襲で、テントは凧のように風を受け、くノ字に曲がり今にも谷底に向かって吹き飛ばされそうである。 必死で風圧に対して立ち向かうが、体そのものを吹き飛ばすような圧がかかりテントともに体をも動かし始めたのである。

そう、強風に立ち向かう雨傘をすぼめて風圧を和らげようとする行動によく似ている。しかし一瞬にして強風は傘を破壊して吹き飛ばしてしまう様に似ているのである。


その危険な一瞬を思い描きながら、必死になってテントを自分の体重で抑えようと頑張ったが、風圧に抗しきれず少しずつテントの移動と共に己も体重移動し始めた。


このままだと危険であり、死へとつながる。

 

谷間に落下していくのは時間の問題であるように思われた。
それからの脱出行為は脱兎のごとく果敢に行動した。全体重でテントを押さえながらまず登山靴を履き、リュックに寝袋はじめ携行品を押し込め、思い切って強風の中へ飛び出したのである。それは立っていることすら困難な強風であった。

リュックを飛ばされないように枯れ木に結び付けているあいだ、テントは風にはためき今にも千切れんばかりの勢いである。大凧が今にも糸を切り大空へ飛び出す勢いである。
そう、テントを離れたと同時に四隅のペグは抜けてしまっていたのである。

当初、テントを放棄し、リュックだけをかかえて避難するつもりであったが、長年連れ添った愛着のあるテントを見捨てるにしのびず、危険をかえりみずテント救出に取り掛かった。
今から考えると無茶な行為であったと反省しきりだが、自分の分身を失い、悔いをのこすことよりも、最善を尽くしてみることの方に無意識に体が動いていたのである。

それは、昨年の鯖街道縦走での<根来坂峠>での倒木回避中に起こったリュック滑落紛失での喪失感にある。

まず、枯れ大木にくくりつけたメインロープ二本を解き、テントを懐に巻き込みながら、残りの枯れ笹の根っこにくくりつけていた二本のロープを解きにかかった。しかし、なかなか解くことが出来ないのである。
風によるテントの吹き上げによって、結び目がより強固になり解けない。枯れ笹の根っこも大地に張り付き抜くこともできないではないか。

更なる強風の加圧にこれ以上時間を無駄にすることは身の危険にさらすことになる。
枯れ笹に申し訳ないが、ナイフで二本のロープを切り離すことにした。
いまにも強風に体をさらわれそうになりながら、リュックを担ぎ、テントを胸に抱きしめ<金比羅峠ルート>上の150m先の窪地に転がり込んだ。

 

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蓬莱山・金比羅峠ルート上の窪地に退避

 

暗闇の天空は強風の轟音と、音に合わせて強風が舞い、蓬莱山頂を覆っている白雲や黒雲がぶち当たっては千切れ、激しくその形を変え、北から南に向かって咆哮を残して走り去っていく。
まるで悪夢であり、戦場である。

しばらく息を凝らして窪地でテントを体に巻き付けて低体温をふせぎながら、激しい雨雲の乱舞を見ていたが、疲れのためかうとうとしたようである。
目を覚ますと深夜3時過ぎであった。

強風がおさまりかけていたこの時とばかりに窪地を抜け出て、下山することにした。
暗闇の下山は滑落や転倒の危険性はあったが、それよりも強風による低体温の危険が迫っていたからである。
手足の指の感覚がなくなりつつあった。

 

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            昼間の快晴から深夜の強風への急激な天候の変化に驚く

 

帰宅して過去2日間の天気図を調べてみると急激な天候の変化がみられ、特に
19日深夜から20日早朝にかけての日本列島は、気圧の谷に入り、猛烈な北風<春一番>が吹き荒れたことがわかった。
山は急激な天候の変化を伴うという原則を知りながら、春の陽気に誘われて入山したことへの反省しきりである。

 

<比良・金比羅峠ルート>倒木・崖崩れによる危険地帯情報

(2020年3月20日現在)

 

深夜の暗闇、ヘッドランプを頼りに下山するとき、緊張感が走り、浮石や岩に足を取られ、倒木を避け、ロープを頼る腕にも力がはいる。

永年の登山をしている間に幾度も命を落としかねない数多くの場面に出会ってきた。
最近では、昨夏踏破した鯖街道の峠<根来坂峠―ねごろさかとうげ 833m>を越したあと、倒木に出会い、突破しているときにリュックを谷間に滑落させた苦い記憶がよみがえった。一歩間違えリュックの代わりにわが身の滑落であったならば命を落としたであろうことを思い出していた。

(参照:ブログ「東の鯖街道<針畑越えルート> 縦走日記②」)
https://shiganosato-goto.hatenablog.com/entry/2019/11/27/150923

蓬莱山からの下山路<金比羅峠ルート>は、金比羅峠までに二か所の<危険立入禁止>や<遭難多発危険>の標識のもとルート変更を余儀なくされ、指示された下山方向へ向かった。
各危険・立入禁止個所にはロープが張られ前進を阻んでいるので従ったからである。
特に、金比羅峠手前の<立入禁止>標識には倒木による危険性、遭難多発、婦女子は絶対避けるべきであるとの警告書が貼られていた。

迂回路として熊笹の繁る急斜面に左右2本のロープが張られ誘導しているので、暗闇のなかロープに身を託し、足を笹に滑らせながら金比羅峠にたどりついた。
通常、金比羅峠より左に入ると<びわ湖バレー・ロープウエー山麓駅>ルートに下っていくのであるが、ルート途中の一昨年の台風被害による倒木地帯が横たわり、登山道が失われ遭難の危険性があるとのことで完全通行禁止となっている。
ただ、金比羅峠を左に<JR蓬莱駅>へ向かうルートは異状なく、安全な登山道が確保されていた。

 

 

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金比羅峠手前(下山時)の危険個所には次のような警告書が貼られ、ロープが三重に張られている。

 

<この先、事故多発!! 倒木が進路をふさいでいます
 昨年の体位21号のえいきょうにより、この先の「金ピラ峠コース」は、写真のように大量の倒木が登山道を塞ぎ進路を阻んでおり、下山できないなどの救助事故が多発し、負傷者も発生しています。
可能な限り、このルートへの入山は避けてください。
特に情勢やお子様連れのパーティは入らないことをお勧めします。>

 

暗闇の中での下山中だったため、詳細をお伝え出来ないのは残念だが、金比羅峠を通過して蓬莱山へ向かうときには、峠先の登山路を右へ行かずに、迂回路に入ってロープの力を借りて上りきって登山路に出ることを記憶に留めておいていただきたい。この迂回区間の登山道はがけ崩れのため死者も出ているという。

 

  ☟蓬莱山1174m

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   比良山系・蓬莱山登山道<金比羅峠ルート>付近地図               JR蓬莱駅☝ 

 

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           2020年3月20日現在 比良<金比羅峠ルート>現況

 

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金比羅峠に立つ標識<至びわ湖バレー山麓駅/至JR蓬莱駅>   <山麓駅ルート下山路・立入禁止>   

 

金比羅峠分岐では、左へ下り<JR蓬莱山>へのルートをとることになる。
峠より先は問題なく、林道のある登山口(下山口)に到着する。

 

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林道に立つ登山口標識「金比羅峠経由 至蓬莱山」  

 

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               JR蓬莱駅への林道にて穏やかな朝を迎えた

 

その先の登山届ポストの前にも警告板が立てられ注意を促していた。

 

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<注意  この先の金比羅峠から山麓駅ルートは
現在通行止めです。又峠の直後の蓬莱山ルートは崖崩れで危険ルートです。
滑落死亡事故個所です。十分注意して通行してください。>

 

金比羅神社あたりで朝日に迎えられ、一夜の強風の洗礼から脱出、安堵から歩をゆるめた。下山と共に、低体温からの手足の指のしびれも感覚が戻っていた。
南東の空にうかぶ上限の月が優しく無事の下山を喜んでくれていた。

無事生還したという気持ちになったとともに、貴重な体験をさせてもらったことに感謝した。
比良山系の春一番<比良八荒>を身をもって体験をさせてもらった一人となった。

これから<比良・金比羅峠ルート>の登山計画を立てられる方への参考になれば幸いである。

 

 

         2020『星の巡礼 蓬莱山雪中キャンプの春嵐』
          -比良山系・春嵐<比良八荒>からの脱出―

 

                完

 

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          比良・蓬莱山頂の鱗雲に夕陽が輝く瞬間を楽しむ

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            比良・蓬莱山頂より京都・西山方面に沈む夕日

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             春一番<比良八荒>に備えて設営したが・・・