2019『星の巡礼 比良蓬莱山頂雪景色』 Ⅰ 2019/03/09
3月11日は、東北大震災8年目のメモリアルデーである。
消えゆく雪を惜しんで、比良山系の蓬莱山に登り、雪中キャンプのなか、被災地を想い、祈りの短歌を詠んできた。
山麓より左・蓬莱山、右・打見山を望む
蓬莱山の雪景色
今年は例年になく降雪が極端に少なく、比良山系の美しい雪景色も短い期間で終わりそうである。
雪の消え去らないうちにと、蓬莱山(標高1100m)に登り、びわ湖を一望できる猫の額ほどの露営地を見つけ、テントを張り、雪景色を楽しんだ。
雪に足を取られながら蓬莱山を目指すパーティ
この日は快晴で、週末とあって多くの登山客が「木戸登山口」より打見山(標高1108m)を目指した。
ルート上の天狗杉の先あたりまで積雪はなく、快調な上りである。
クロトノハゲ(標高953m)を通過する
「天狗杉」は、木戸登山口を起点とする打見山ルート「キタダカ道」の標高730m地点にある。
毎回の登山にあたり、休憩地であり、チェックポイントでもある。
昨年の台風被害による多くの倒木は、関係者やボランティアによる整理が進み、登山に支障はない。感謝である。
残雪は天狗杉の先、200m先あたりから散見される。
護国英霊の鎮魂碑(標高1060m)
天明水<飲料可―給水地点>
打見山直下に湧きでて、決して枯れる
雪の深さは、膝ほどあり、雪中歩行は困難を伴うが、すでに出来上がった踏み跡をたどると別に問題なく歩くことができる。万が一を考えて持参した和環(かんじき・スノーシュー)を使用することもなくすんだ。
お椀型ゲレンデのある蓬莱山<びわ湖バレー>
晴れ渡った空のもと、南にスキー場として整地されたお椀型の真っ白な蓬莱山(標高1174m)が立ちはだかり、その奥に比叡山(標高848m)が小さくその姿を見せている。
また、北西には武奈ケ岳(標高1214m)が目に飛び込んでくる。
外国語が飛び交うゲレンデはすでに賑わっていた。
登山客はスキーやスノーボードからの危険を避け、ゲレンデの端(エッジ)を雪踏みしめて蓬莱山を目指すことになる。
ゲレンデの危険防止柵の外側に登山用ルートが設定されていたらと思いつつ、スキーヤーとの衝突を避け、注意しながらすすんだ。
打見山より武奈ヶ岳を望む
まず、今夜の露営地を決めることにした。
蓬莱山の南側の斜面をうかがうが、強風をまともに受ける雪原であり露営のための適地ではない。
金平峠ルートの雪上にテントを張る
びわ湖を見下ろす立地に露営
蓬莱山から打見山に下る東側に現在通行禁止の「金平峠ルート」の分岐がある。
この分岐を150mほど入ったルート上を露営地に決め、テントを張ることにした。
蓬莱の山によって強風を防げること、万が一でもびわ湖バレーのゲレンデに逃げ込めること。
びわ湖バレーの照明が届き、安心安全であること、に露営条件を満たしていた。
その上、日の出を拝め、星の観察に最適であること、また眼下にびわ湖を眺められ、近江の夜景を楽しめる最適な露営地である。
びわ湖畔の幻想的な灯火が揺れる
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