2025年度
宇多野ユースホステル舎営
徒然短歌
短歌・詩 後藤實久(60年度生)
写 真 草野裕司(84年度生)
短歌発表に寄せて
秋の風薫る宇多野ユースホステルに、同志社ローバースカウトOGOBの仲間が再び集いました。
かつて青春の炎を共に燃やした友は、いま白髪を交え、腰を曲げつつも、その眼差しに変わらぬ輝きを宿しています。
舎営の夜を彩った営火、語り合う酒席、そして湯船に映る老いの姿、 そのすべてが、懐かしき日々と現在とを結ぶ温かな時の流れでありました。
ここに詠まれた短歌は、老友との再会の喜び、歳月の重み、そしてなお燃え続けるスカウト精神を綴ったものです。
どうぞ、同志社ローバーの絆を映す短歌として、お読みください。

《老友の 腰曲がりおる 昔日の 炎に吠えし 宇多野の夜や》
―ろうゆうの こしまがりおる せきじつの ほのおにほえし うたののよやー
フジバカマ咲く宇多野の地に
老兵つどい来てや久闊を叙す
腰の曲がりにスカウトの面影
湯船に浮ぶその老いを眺むる
懐かしき想い出に営火燃えて
老友に見る成し遂げし日をや
おいおまえと深ける宇多野に
酔いて重なる老友の鼾ありて

《屁糞なる 一発放つ 澄まし顔 われは存ぜぬ 姿たくまし》
―へくそなる いっぱつはなつ すましかお われはぞんぜぬ すがたたくましー
早朝、宇多野の径を散策
可憐な白花を折ってしまった
<ごめんね 屁糞葛/ヘクソカズラさん>
探偵ごっこに夢中だった
少年時代、雪の糞壺に落ちた
あの強烈な悪臭が迫り来た
英名はスカンク蔓草だという
おのれを守る自己防衛に・・
その英知に拍手を贈り 称えた
帰り来てみる老友の寝顔
そのしぐさに童(わらべ)見る・・・
ほのかな幸せに包まれた

《老骨の 姿怪しく 湯船揺れ 浮立つ波に 重ね憐れむ》
―ろうこつの すがたあやしく ゆぶねゆれ うきたつなみに かさねあわれむ―
《昂ぶりし 老体沈む 湯船にて 背中の丸み 伸ばし晴ればれ》
―たかぶりし ろうたいしずむ ゆぶねにて せなかのまるみ のばしはればれー
連れたち湯あみ嬉しき宇多野にて
ヒグラシセミに見る老いの叫びを
老骨に見る人生の深きあゆみをや
ただただ讃えたき君の越えきし時
湯船揺れ おこる波に 老体くねり
若き肉体おもう 宇多野の夕暮れ

《着飾りし 野の花たちに 重ねてや 枯れしローバー 輝きおりて》
―きかざりし ののはなたちに かさねてや かれしろーばー かがやきおりてー
宇多野の地 曇り空のもと
ファッショナブルな衣装に
今なるいのちを楽しんでいる
花、ユーパトリウムがいた
ふと、我々はどんな姿かと
鏡に姿映すローバーたち
枯れかけているけれど
心優しい顔に和んだようだ
老仲間と宇多野で営火の夜
しんみりと昔帰りの話聴き
老瞳に映る若き血潮燃えて
人生に酔いし今嚙みおりし
《久方の 妹背を誓う 老友の 集いし宇多野 炎燃え立ち》
―ひさかたの いもせをちぎる ろうゆうの つどいしうたの ほのおもえたちー
《帰り来し 京の宇多野に 集いてや 波乱の人生 和み爽やか》
ーかえりきし きょうのうたのに つどいてや はらんのじんせい なごみさわやかー
《高鳴りし 青春蘇る 宇多野にて 輝きし顔 響き合いてや》
―たかなりし せいしゅんやどる うたのにて かがやきしかお ひびきあいてや―
《各々の 足跡荷う 光背に 昔日浮かぶ 追憶の日や》
―おのおのの そくせきになう こうはいに せきじつうかぶ ついおくのひやー
《発したる 言霊飛びし 老友と 眼光まじえ 笑みを交わせし》
―はっしたる ことだまとびし ろうゆうと がんこうまじえ えみをかわせしー
《それぞれの 人生背負い 集いてや ローバーのもと こころ結びし》
―それぞれの じんせいせおい つどいてや ろーばーのもと こころむすびしー
《揺蕩うと 時過ぎ去りて 集い来る 友と久闊 至福の時や》
-たゆとうと ときすぎさりて つどいくる ともときゅうかつ しふくのときや―
《遥かなる 遠方の友 駆けつけて 語る微笑み 顔やまぶしき》
―はるかなる えんぽのとも かけつけて かたるほほえみ かおやまぶしきー
《半世紀 過ぎし合宿 宇多野にて 過の日想いし カレーライスや》
―はんせいき すぎしがっしゅく うたのにて かのひおもいし かれーらいすやー

宴会料理 朝食風景
《駆け来たる 唸るエンジン 四万十の 濁酒運ぶ 老爺おりてや》
―かけきたる うなるえんじん しまんとの どぶろくはこぶ ろうじおりてや―
《濁酒の 昔懐かし 味に酔い 老友の愛 深きを識りて》
-どぶろくの むかしなつかし あじによい ろうゆうのあい ふかきをしりてー
《なんと言う パワー秘めたる 翁おり 車駆けたる 四万十返り》
―なんという ぱわーひめたる おきなおり くるまかけたる しまんとがえり―
《影もまた 長く成りけり 駅タワー 四万十向かう 先輩送りし》
―かげもまた ながくなりけり えきたわー しまんとむかう せんぱいおくりしー

左/1986製三菱ZEOで四万十往復1100㎞を楽しむ竹中先輩(59生)に京都駅へ送られ、
安全運転を約し四万十へのロングドライブを見送る
右/差し入れの<土佐三原どぶろぐ・甘口このこ>
《祥介の 利き酒飲みて 懐かしき 酔いて忍びし 七回忌かな》
―(田中)しようすけの ききざけのみて なつかしき よいてしのびし ななかいきかなー
故田中祥介氏(79期生・2018年10月12日没)
裕美奥さまからの差し入れ<奈良の地酒・It‘s mine・・・>

《宇多野の夜 燃えし営火や 夢うつつ 囲みしローバー 血潮戻りし》
―うたののよ もえしえいかや ゆめうつつ かこみしろーばー ちしおもどりしー
《宇多野にて 炎宿りし 童顔をや 蘇らせ光る 老ローバーおり》
-うたのにて ほのおやどらし どうがんをや やどらせひかる ろうろーばーおり―
《炎見つ おのが半生 語り終え ほっとしおるや 解放の顔》
―ほのおみつ おのがはんせい かたりおえ ほっとしおるや かいほうのかお―
《介添えの 温もり嬉し 営火の夜 優しきを知り その人を識る》
―かいぞえの ぬくもりうれし えいかのよる やさしきをしり そのひとをしるー
《炎燃え こころ踊らす 宇多野にて 同志社チェアー 木霊籠もりし》
―ほのおもえ こころおどらす うたのにて どうししゃちぇあ こだまこもりしー
《営火見る 老婆老爺の 目や虚ろ 映える炎に 宿りし青春》
―えいかみる ろうばろうじい めやうつろ はえるほのおに やどりしせいしゅん―
《心地よき うごめく炎 眺むるに こころ昂る スカウト時代》
-ここちよき うごめくほのお ながむるに こころたかぶる すかうとじだい―
《今は亡き 仲間懐かし ローバーの 炎宿りし 笑顔ありてや》
―いまはなき なかまなつかし ろーばーの ほのおやどりし えがおありてやー

《夜も深けて ローバー花咲く 宇多野にて 酒酌み交わし 久闊叙せし》
―よもふけて ろーばーはなさく うたのにて さけくみかわし きゅうかつじょせしー
《階段を 手すりつかまり 上り下り 幸せ顔や 老ローバーかな》
ーかいだんを れすりつかまり のぼりおり しあわせかおや ろうろーばーかなー
《手すり持つ 二段ベットや 上れずに 知るなり歳を しょうがないかと》
―てすりもつ にだんべっとや のぼれずに しるなりとしを しょうがないとー
《老病の こころ翔びてや 宇多野へと 夢見し戦友 こころ通わせ》
ーろうびょうの こころとびてや うたのへと ゆめみしせんゆう こころかよわせー
《雨土の 匂い懐かし 今出川(校舎) ツアー嬉しき 金閣寺へて》
ーあめつちの においなつかし いまでがわ つあーうれしき きんかくじへてー

深け行く宇多野の夜を惜しみながら
ー京・宇多野に向かいつつー
《駆け上る 駅の階段 息切らし 待ちおる電車 手を振り感謝》
―かけのぼる えきのかいだん いききらし まちおるでんしゃ てをふりかんしゃ―
《久方の 揺れる電車に 身を任せ 浮かびし仲間 老い重ね見し》
―ひさかたの ゆれるでんしゃに みをまかせ うかびしなかま おいかさねみし―
《宇多野へと トンネル響く 軋む音 老友の顔 浮かびおりしや》
-うたのへと とんねるひびくきしむおと ろうゆうのかお うかびおりしや―
《老いゆきし 皺顔ながめ 微笑みし 車窓に映る 若き日をや》
-おいゆきし しおがおながめ ほほえみし しゃそうにうつる わかきひをやー
《若き日の 疲れ知らずの エネルギーを 羨むおのれ 背を正してや》
―わかきひの つかれしらずの えねるぎーを うらやむおのれ せをただしてやー

会場へ向かう電車で詠う
《世界より ホステラー集う 宇多野にて 背負いし平和 国旗輝き》
―せかいより ほすてらーつどい へいわなる せおいしへいわ こっきかがやき―

ユースホステルは、平和のお宿
お互い声掛けあって、ここ京の地で久闊を叙したいと思います。
体を鍛えて、ぜひ参加し、共に祝いましょう。
(後藤實久記 60年度生)
同志社ローバーOGOB会
2025年度
宇多野ユースホステル舎営
徒然日記
完