⑬出羽街道 中山越えを歩く<2017年5月10日>
奥の細道に「小黒崎・美豆の小島を過ぎて、鳴子の湯より尿前の関にかかりて、出羽の国に越えんとす」とある。
現在の尿前の関跡(しとまえのせきあと)から山深い中山峠を越える旧出羽街道中山越えは、立派に整備され当時の面影を残している数少ない「奥の細道」の一部である。また、中山越えの静寂さは、芭蕉翁を偲びながら歩ける数少ない「奥の細道」でもある。
谷間にある関所は、その静寂の中にあって一種独特な緊張感が漂っている。
義経一行が兄・頼朝の追手を逃れて出羽から平泉に逃れる途中、ここ「尿前の関」を越えている。
自動車をとめ、義経が逃れゆく姿を思い描きながら、ここ旧出羽街道「中山越え」を歩いてみた。
まず国道47号線沿いの中山平温泉の空き地に自転車をデポ(残置)し、車でとって返して尿前坂入口横(国道47号線)のパーキングに駐車、 まず谷間にある「尿前の関跡」に下りて、「出羽街道中山越え」を歩き出した。
◎出羽街道中山越えを歩く
<中山越えルート>
復路 <中山平温泉 ~尿前の関>(国道47号線) 約2.4KM / 自転車約45分(サイクリング)
◎尿前の関(しとまえのせき)
中山越えハイキングに必要なストックに、一人旅を慰めるための鈴をつける。 リュックに水と行動食、雨具、ヘッドランプ、GPS、地図とコンパスを詰め、登山靴に履き替えていざ出発。
国道47号線(出羽海道)にある「尿前の関」道標 旧出羽海道(国道47号線沿い)の尿前の関跡入口
(パーキングに立つ) 「尿前坂」 急な階段を下り上りする
まず、国道47号線にある「尿前の関」案内板に従って、急な階段状の「尿前坂」を谷に向かって下りていくと、「出羽街道中山越え」入口の道標がある。其の少し先に復元された尿前の関跡に出る。
ちなみに、ここ「尿前の関」より「封人の家」までを歩くと、約10km、約4時間かかるとある。
出羽海道・中山越え入口にある「封人の家」への道標 尿前の関の向かいにある出羽街道中山越え入口「尿前坂」
復元された「尿前の関」跡
◎恐れながらわたしも一句
⑬出羽街道中山越え・最上川 | ||
「蚤虱 馬の尿する 枕元」 | 薬師神社 | 「蚤虱 列をなしてや 越えし関」 |
(のみしらみ うまのしとする まくらもと) | 尿前の関 | (のみしらみ れつをなしてや こえしせき) |
「五月雨や 集めて早し 最上川」 | 最上川 | 「五月雨や 舟も蓑着る 最上川」 |
(さみだれや あつめてはやし もがみが わ) | (さみだれやふねもみのきるもがみがわ) | |
「田植歌 舟も歌いし 最上川」 | ||
(たうえうた ふねもうたいし もがみがわ) |
さあ、出羽街道中山越えに出かけよう。
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⑬出羽街道 中山越えを歩く―2
につづく