鶴岡街道である国道47号線の信号・清川より県道45号線に入って(信号左折)、古峰神社手前を右折し、羽黒山有料道路をへて羽黒山山頂駐車場に着く。大雨のため、ここ山頂駐車所から表参道を二の坂にある三日月塚<芭蕉塚>まで下り、羽黒山中腹にある南谷別院を訪れ、羽黒山に登り返すことにした。
◎羽黒山に登る
◎恐れながらわたしも一句
⑰羽黒山(414m) | ||
「当帰より 哀れは塚の すみれ草」 | 島崎稲荷神社 | 「うなだるる 塚の哀れや どくだみ草」 |
(とうきより あれれはつかのすみれそう) | (うなだるるつかのあわれやどくだみそう) | |
「涼しさや ほの三日月の 羽黒山」 | 大進坊(羽黒山) | 「敬いし 修験の顔や 羽黒哉」 |
三山句碑・鏡池 | (うやまいししゅげんのかおやはぐろな) | |
「法螺貝に 五月雨拒む 羽黒山」 | ||
(ほらがいにさみだれこばむはぐろやま) | ||
「雲の峰 幾つ崩れて 月の山 」 | 大進坊(月山) | 「振り返る ほどに雪立つ 月の山 」 |
(くものみね いくつくづれて つきのやま) | 三山句碑・鏡池 | (ふりかえるほどにゆきたつつきのやま) |
「ありがたや 雪をかをらす 南谷」 | 羽黒山・南谷 | 「五月雨に 苔道霞む 南谷」 |
(ありがたやゆきをかをらすみなみだに) | (さみだれにこけみちかすむみなみだに) | |
「語られぬ 湯殿にぬらす 袂かな」 | 大進坊(湯殿山) | 「雪洞や 湯殿に見せる 山の神」 |
(かたられぬゆどのにぬらすたもとかな) | 三山句碑・鏡池 | (せつどうや ゆどにみせる やまのかみ) |
芭蕉 「ありがたや 雪をかをらす 南谷」 (ありがたや ゆきをかをらす みなみだに)
まことに心澄む有難いお山である
恐れながらわたしの一句
實久 「五月雨に 苔道霞む 南谷」 (さみだれに こけみちかすむ みなみだに)
意味 : 山煙る五月雨に 歴史かさねる苔道が幽玄のなかに霞ゆく 南谷であることよ
羽黒山 「凉しさや ほの三日月の 羽黒山」
湯殿山 「加多羅礼努湯登廼仁奴良須當毛東迦那」 <語られぬ 湯殿にぬらす 袂かな>
月山 「雲の峯 いくつくつれて 月の山」
<奥の細道> 「六月三日、羽黒山に登る。図司左吉と云者を尋て、別当代会覚阿闍梨に謁(えつ)す。南谷の別院に舎(やど)して、憐愍(れんみん)の情こまやかにあるじせらる。四日、本坊にをゐて俳諧興行。有難(ありがた)や雪をかほらす南谷」
<現代語訳> 「六月三日、羽黒山に登る。図司左吉というものを訪ねて、その手引きで山を統括する責任者の代理人(別当代)である、会覚阿闍梨に拝謁した。阿闍梨は南谷の別院に泊めてくださり、色々と心をつくしてもてなしてくださった。四日、本坊若王寺で俳諧をもよおし、こんな発句を詠んだ。 <有難や雪をかほらす南谷>
(意味)残雪の峰々から冷ややかな風が私のいる南谷まで吹いてくる。それはこの神聖な羽黒山の雰囲気にぴったりで、ありがたいことだ。」
山頂から特別天然記念物の老杉並木が両側をおおう急な胸突き八丁といわれる石段を下りて行く。
羽黒山山頂付近の天然記念物の老杉並木
三の坂の石段
山頂から特別天然記念物の老杉並木が両側をおおう急な胸突き八丁といわれる石段を下りて行く。三の坂の麓で右へ伸びる道がある。約500m先に、「奥の細道」の旅で芭蕉が泊まった別院紫苑寺の跡、通称「南谷別院跡」がある。芭蕉もこの地での俳諧興行で一句詠んでいる。
芭蕉句碑 「ありがたや 雪をかほらす 南谷」
南谷 歴史解説版
今回は訪れなかったが、一の坂にある羽黒山五重塔、翁杉、羽黒山随神門近くにある芭蕉句碑(いでは文化記念館)、宿坊大進坊にある三山句碑、その先の右に入った島崎稲荷神社にある芭蕉句碑「当帰より哀れは塚の すみれ草」をめぐり、最後に「呂丸宅跡」を訪れるのもよい。
「いでは文化記念館」では、山伏が日常使う道具類の展示や、出羽三山の歴史や文化を紹介、予約により山伏(修験者)の修行体験ができる。
坂を登り返し、三神合祭殿(出羽神社―権現造りの大社殿)に詣で、山頂駐車場にもどった。
計画では、羽黒山より県道211号線を南下し、月山8合目の先にある「月山レストハウス」に駐車して月山神社、湯殿山神社を往復登山するつもりであったが、いまだ月山は雪の中にあるという情報で、計画を変更することとなった。 まず国道112号線沿いにある「道の駅 月山」に立寄り、湯殿山・月山の積雪ほか雪情報を収集して月山登山をするかどうか決めたい。
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出羽神社大鳥居
⑱ 湯殿山に登り、残雪の月山を望む
につづく