shiganosato-gotoの日記

星の巡礼者としてここ地球星での出会いを紹介しています。

2017『星の巡礼・奥の細道紀行-句碑の前でわたしも一句』 32


2017『星の巡礼奥の細道紀行-句碑の前でわたしも一句』 32
 
5-2  新庄 ⇒ 出羽三山羽黒山⇒ 鶴岡 <奥の細道紀行 5>
「五月雨をあつめて早し 最上川」を舟で下り、出羽三山巡礼に向かう


出羽三山羽黒山に登る2017511日>


鶴岡街道である国道47号線の信号・清川より県道45号線に入って(信号左折)、古峰神社手前を右折し、羽黒山有料道路をへて羽黒山山頂駐車場に着く。大雨のため、ここ山頂駐車所から表参道を二の坂にある三日月塚<芭蕉塚>まで下り、羽黒山中腹にある南谷別院を訪れ、羽黒山に登り返すことにした。


山岳信仰、修験の霊場である出羽三山とは、羽黒山414m)、月山(1984m)、湯殿山(1504m)をいう。今でもそうだが、東北修験道大本山として隆盛を極めていた出羽三山芭蕉は訪れている。

羽黒山に登る

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◎恐れながらわたしも一句

羽黒山(414m)    
「当帰より 哀れは塚の すみれ草」 島崎稲荷神社 「うなだるる 塚の哀れや どくだみ草」 
(とうきより あれれはつかのすみれそう)    (うなだるるつかのあわれやどくだみそう)
「涼しさや ほの三日月の 羽黒山」  大進坊(羽黒山 「敬いし 修験の顔や 羽黒哉」 
  三山句碑・鏡池  (うやまいししゅげんのかおやはぐろな)
    「法螺貝に 五月雨拒む 羽黒山
    (ほらがいにさみだれこばむはぐろやま)
「雲の峰 幾つ崩れて 月の山 」       大進坊(月山) 「振り返る ほどに雪立つ 月の山 」 
(くものみね いくつくづれて つきのやま) 三山句碑・鏡池 (ふりかえるほどにゆきたつつきのやま)
「ありがたや 雪をかをらす 南谷」 羽黒山・南谷 「五月雨に 苔道霞む 南谷」
(ありがたやゆきをかをらすみなみだに)   さみだれにこけみちかすむみなみだに)
「語られぬ 湯殿にぬらす 袂かな」    大進坊(湯殿山 「雪洞や 湯殿に見せる 山の神」
(かたられぬゆどのにぬらすたもとかな) 三山句碑・鏡池 (せつどうや ゆどにみせる やまのかみ)


 
芭蕉  「ありがたや 雪をかをらす 南谷」   (ありがたや ゆきをかをらす みなみだに)
意味 :  霊場羽黒山のこの南谷は、千古の雪を頂く周りの山々から涼を運んで、薫風爽やかに吹き渡る、
     まことに心澄む有難いお山である
 
恐れながらわたしの一句
實久  「五月雨に 苔道霞む 南谷」   さみだれに こけみちかすむ みなみだに)
意味 :  山煙る五月雨に 歴史かさねる苔道が幽玄のなかに霞ゆく 南谷であることよ



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 出羽三山 羽黒山 配置図


最上川 清川港に上陸した芭蕉曽良は、現在の酒田市狩川を経て羽黒山門前町に着いている。門前町に住む俳人呂丸(ろまる・染物師)の紹介で羽黒山中腹の南谷別院に6日間滞在する。


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 鏡池近くにある芭蕉翁像と出羽三山巡礼句碑

 
芭蕉出羽三山巡礼の句」


羽黒山  凉しさや  ほの三日月の  羽黒山
湯殿山   「加多羅礼努湯登廼仁奴良須當毛東迦那」 <語られぬ  湯殿にぬらす  袂かな>
月山     「雲の峯  いくつくつれて  月の山」


奥の細道> 「六月三日、羽黒山に登る。図司左吉と云者を尋て、別当代会覚阿闍梨に謁(えつ)す。南谷の別院に舎(やど)して、憐愍(れんみん)の情こまやかにあるじせらる。四日、本坊にをゐて俳諧興行。有難(ありがた)や雪をかほらす南谷


<現代語訳> 「六月三日、羽黒山に登る。図司左吉というものを訪ねて、その手引きで山を統括する責任者の代理人別当代)である、会覚阿闍梨に拝謁した。阿闍梨は南谷の別院に泊めてくださり、色々と心をつくしてもてなしてくださった。四日、本坊若王寺で俳諧をもよおし、こんな発句を詠んだ。  <有難や雪をかほらす南谷>
(意味)残雪の峰々から冷ややかな風が私のいる南谷まで吹いてくる。それはこの神聖な羽黒山の雰囲気にぴったりで、ありがたいことだ。」

山頂から特別天然記念物の老杉並木が両側をおおう急な胸突き八丁といわれる石段を下りて行く。
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羽黒山山頂付近の天然記念物の老杉並木
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三の坂の石段
山頂から特別天然記念物の老杉並木が両側をおおう急な胸突き八丁といわれる石段を下りて行く。三の坂の麓で右へ伸びる道がある。約500m先に、「奥の細道」の旅で芭蕉が泊まった別院紫苑寺の跡、通称「南谷別院跡」がある。芭蕉もこの地での俳諧興行で一句詠んでいる。
羽黒山中興の祖、第50代執行別当天宥が建てた別院があった。 現在は深い森の中に苔むした礎石と池、芭蕉句碑「ありがたや」がある。
芭蕉句碑 「ありがたや 雪をかほらす 南谷」
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 芭蕉句碑「ありがたや」           芭蕉も泊まった 別院紫苑寺の跡「南谷」
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 南谷 歴史解説版
今回は訪れなかったが、一の坂にある羽黒山五重塔、翁杉、羽黒山随神門近くにある芭蕉句碑(いでは文化記念館)、宿坊大進坊にある三山句碑、その先の右に入った島崎稲荷神社にある芭蕉句碑「当帰より哀れは塚の すみれ草」をめぐり、最後に「呂丸宅跡」を訪れるのもよい。
「いでは文化記念館」では、山伏が日常使う道具類の展示や、出羽三山の歴史や文化を紹介、予約により山伏(修験者)の修行体験ができる。
坂を登り返し、三神合祭殿(出羽神社―権現造りの大社殿)に詣で、山頂駐車場にもどった。
計画では、羽黒山より県道211号線を南下し、月山8合目の先にある「月山レストハウス」に駐車して月山神社湯殿山神社を往復登山するつもりであったが、いまだ月山は雪の中にあるという情報で、計画を変更することとなった。 まず国道112号線沿いにある「道の駅 月山」に立寄り、湯殿山・月山の積雪ほか雪情報を収集して月山登山をするかどうか決めたい。
羽黒山より国道112号線を南に向かい、湯殿山温泉より有料道路を使って湯殿神社を目指すことにした。なお、7~9月下旬にかけて月山行バス<羽黒山⇔月山8合目(月山レストハウス)>が運行されるという。
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羽黒山の翁杉                                        羽黒山二の坂の杉並木
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出羽神社大鳥居
 
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羽黒山鏡池畔にある出羽三山巡礼芭蕉句碑

             ⑱ 湯殿山に登り、残雪の月山を望む
                                                    につづく