徒歩巡礼》 8月24日
◎ 90猪鼻王子(いのはなおうじ) < 90猪鼻王子▲233m ⇒ 91発心門王子▲314m >
D:距離 約800m H:所要シニア時間 30分
猪鼻王子へは船玉神社より林道を斜めにくだり50mのところにある。 深山の暗き音無川の源流にひっそりと「猪鼻王子」碑が立っている。
番号道標#60をへて元の林道にもどる。
林道をすすみ約350m先で、林道から鋭角に古道にはいり、発心門王子に向かうことになる。
発心門王子への最後の上りである。
そこには出迎え鳥居が待ち構え、「ご苦労さん」と声をかけてくれた。
一礼して神域に足を踏み入れた。
林道から鋭角に入る古道の坂を上ると 、
発心門王子社の裏鳥居が出迎えてくれる
◎ 91 発心門王子(ほっしんもんおうじ)
< 91 発心門王子▲314m ⇒ 92水飲王子▲254m>
D:距離 1.7km H: 所要シニア時間 40分
「発心門」バス停・休憩所・水汲み場・約300m先に公衆便所・案内所あり
発心門王子バス停と押印台
熊野本宮大社の神域の入口とされる別格の「発心門王子」に着いた。
ここからはバスの便もあり老若男女の熊野古道歩きの王道といえる。
熊野本宮大社からのバスから降りたつ老若男女の巡礼者で混雑していた。
里村風景の中を歩く
なだらかな坂を下り、番号道標#65で左へ入ったところに「水呑王子」がある。
発心門王子より水呑王子までのどかな里村のアスファルト道を歩く。 右下にバス道路をみながらの古道歩きである。途中の発心門休憩所にトイレ・水汲場・自販機が備わっている。わたしも行動食であるスニッカー(ピーナツとキャラメルをチョコで包んだ菓子)を口にした。
道が交差し、バス停もある。 そこにはゆったりと時間の流れる里村の生活が引き継がれている。
◎ 92水呑王子(みずのみおうじ) < 92水呑王子▲254m ⇒ 93伏拝王子▲244m>
D: 距離 約1.9km H:所要シニア時間 40分
親しみのある二体のお地蔵さんにむかえられ、湧水を引いた手水で口をすすぐ。
解放感を与えてくれる。
92 水呑王子跡石碑 地蔵二体と湧水を引いた手水がある
しばらくするとアスファルト道にもどり里村をゆくと、左の丘へむかう古道を上りはじめる。
後をふりかえると、いま歩いてきた山々や田園の風景が一望できる。
熊野路を歩き続けてきた巡礼者は、この丘の上から望見できる熊野本宮大社(たぶん当時の大齋原)の森をあおぎみて伏して拝んだのであろう。
伏拝王子跡はこの丘の上にある。
休んでいると中学生の集団が先生の先導で丘に向かって駈け上って行った。 みな片手に筆記用具が握られている。
古道を歩くことにより昔の日本人がどのような環境の中にどのような精神構造をもち、何を求めて巡礼をなしていたかを知るには実体験をすることが一番である。歩いてみて初めてこころや体に染み入る歴史感覚が研ぎ澄まされていくような気持にさせられるものだ。
古道の霊的な導きに古(いにしえ)の人々と心を通わせる、これこそ古道歩きの真髄である。
徒歩巡礼》 8月24日 につづく