shiganosato-gotoの日記

星の巡礼者としてここ地球星での出会いを紹介しています。

2015『星の巡礼 熊野古道を歩く』 Ⅱ-4

2015『星の巡礼 熊野古道を歩く』 Ⅱ-4

Bルート:4 熊野古道中辺路・世界遺産   83近露王子▲290m⇒88熊瀬川王子▲526m ≫
          徒歩巡礼  8月24日



中辺路町観光協会発行「世界遺産歴史の道 熊野古道 なかへち」中辺路マップ② 近露王子~湯川王子>を引き続き使用させていただいた。

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◎ 83 近露王子(ちかつゆおうじ)   83金露皇子▲290m→84緋想腹皇子▲434m』   
                D:距離約 2.4km   H:所要シニア時間:1時間23


    日置川を渡り終えた北野橋の畔に近露王子の鎮守の森がある。
まず、二つの木製碑が出迎えてくれる。


聖護院     「 あさぎりの ふかき山路をつけしよりなほ袖ひちぬ 近露のさと 」
 
後鳥羽上皇 「世をしらす かばとおもへば 熊野山 こころの空に すめる月かな 」
 
この日は、熊野古道中辺路ガイド研修会のみなさんで鎮守の森は熱をおびていた。
中辺路の王子の中で歴史が古いと言われる近露は中辺路の宿場として栄えた。
 
 
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83 近露王子碑             83 近露王子全景
 
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熊野古道中辺路 <楠山坂をへて日曾原王子へ>    

 
中辺路の里村「近露」の生活の営みをみながら近野小学校・中学へと進み、楠山坂登り口より登って行くとふたたびアスファルト道にでる。ここから1kmほど坂を上って行くと、旧国道沿いの斜面の上にある比曾原王子に着く。


 


◎ 84比曽原王子(ひそはらおうじ)    84比曽原王子▲434m 85継桜王子▲506m>
                    D: 距離約1.3km     H: 所要シニア時間: 25


比曽原王子碑は山側崖をすこしよじ登ったところにあり、その碑によってのみここが比曽原王子跡だとわかる。
近露王子と継桜王子の中間にあって、小休憩社としての役割を果たしたに過ぎないのではないだろうか。
 

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84 比曽原王子跡解説板                           84 比曽原王子碑

そして比曾原王子から約1.5km の旧国道のアスファルト道をすすむと継桜王子に到着する。


 


◎ 85継桜王子(つぎざくらおうじ)    85継桜王子▲506m    86中川王子▲492m>
                    D: 距離約1km       H: 所要シニア時間   45


バス停「野中の清水・日本名水百選「野中の清水」・秀衡桜・旅館民宿・トイレ・水汲み場・茶屋


 継桜王子より『和歌山県街道マップ』(和歌山県観光情報局発行)《継桜王子~熊野本宮大社その2》を使わせていただいた

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和歌山県街道マップ』(和歌山県観光情報局発行)《継桜王子~熊野本宮大社 その2

 
比曾原王子から旧国道をすすむと、道沿い左に森と鳥居が見えてくる。   継桜王子である。
 
継桜は宿場としてにぎわったのであろう。洗練された街道の集落のように静けさの中にも、にぎやかさがただよっている。
 
細く張り巡らされた山道がきれいに整備され、熊野路の爽やかな風と谷底の流水の音がからみあい心地よく体を駈けめぐる。
 
幽玄な真清水、日本名水百選に選ばれている「野中の清水」は有名である。古道の時代から現在に至るまで継桜の里村の生活用水をまかない、飲料水として巡礼者ののどを潤わしている。
 
野中の清水のそばには茂吉碑がある。
 
「いにしえのすめらみかども 中辺路を 越えたまへたり のこる真清水」  茂吉
 
また、俳人服部嵐雪もつぎのように描写している。
 
「すみかねて  道まで出る   山しみず」  嵐雪
 
古道はいろいろな伝説を生むようだ。
継桜の地名について、桜の接ぎ木はありえないことから、檜の古木のあとに桜が育ったのではないかという説や、災害ごとに桜を植え替えて引き継がれたのではないだろうかともいわれているそうだ。
 
継桜王子のある野中をスタートし2kmほど進むと、杉林をななめに100mほどあがったところに中川王子跡がある。

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85 継桜王子の鳥居と一本杉             85 緑泥片岩の継桜王子碑
 
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日本名水百選「野中の清水」  


◎ 86中川王子(なかがわおうじ)     86中川王子▲492m 87小広王子▲525m>
                    D: 距離約1km     H: 所要シニア時間  25


 中川王子跡は、継桜王子のある野中集落を出て高尾隧道口を過ぎてまもなく、旧国道を斜めに100mほど上がった山中にある。 王子跡には江戸時代に紀州藩が設置した緑泥片岩碑だけが熊野の森に囲まれ静かに息づいている。

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86 中川王子碑                                        86 中川王子跡解説板 

中川王子から旧国道のなだらかなアスファルト道を歩き約1.5kmほどのぼっていくと、小広峠を越えたところにある小広王子跡にたどり着く。


 


◎ 87小広王子(こひろおうじ)     < 87小広王子▲525m 88熊瀬川王子▲526m>
                 D:距離約1.5km       H: 所要シニア時間   25


 


天仁二年(1109)に熊野に参詣した藤原宗忠は、十月二十五日に「仲野川王子」に奉幣した後、「小平緒」「大平緒」を経て、岩神峠にむかっています。また、建保五年(1217)後鳥羽上皇と修明門院の参詣に随行した藤原頼資の日記には、「大平尾」「小平尾」と書かれています。この王子社は、「小平緒」「小平尾」に由来すると考えられますが、江戸時代以前の記録に、王子としては登場しません。土地の人々が小広峠の上に祀った小祠が、いつの頃か小広王子といわれるようになったと推測されます。その跡地に紀州藩享保八年(1723)に緑泥片岩の碑を建て、明治末期には、この碑だけの小広王子神社として、金比羅神社(現、近野神社)に合祀されました。もとの小広峠が道路建設で崩されたため、王子碑はここに移されていますが、石碑の上部が欠けて「王子」の文字のみとなっています。



小広王子跡解説板にもあるように、江戸時代以前の記録に、王子としては登場していなかったということである。


土地の人々が小広峠に祀った小祠が、いつの頃か小広王子といわれるようになったとある。

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  87 小広王子碑 (上部が欠け、文字は不鮮明である)                 87   小広王子跡解説板  

小広峠のある小広王子から少し古道にはいり下って行くと、公衆便所にでる。 またこの公衆便所は「小広峠バス停」からの中辺路探しの目印となっている。次のWCがある三越峠と船玉神社までに距離があるので、トイレ・水の補給をしておいた。


そしてここから「木の国」紀州ならではの大森林がはじまる。 また「熊瀬川王子」への入り口ともいえる重要な分岐点でもある。

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  熊野古道中辺路 古道の石畳みがいい           
   
 
小広王子から古道を下る。
坂を下ると旧国道にでて、すぐに公衆トイレが目に飛び込んでくる。
88熊瀬川王子より熊野本宮大社へ向かう古道入口となっている。
 
 
 
≪Bルート・中辺路世界遺産巡礼・第一日目をおえる≫
 
小広王子より下ると、熊瀬川王子との分岐に公衆トイレがある。
この公衆トイレをまっすぐ約300m進むとバス停「小広峠」にでる。
第一日目は、ここ「小広峠」バス停より路線バスで中辺路世界遺産出発地点である滝尻王子に
もどり、車をピックアップし、ベースキャンプである湯の峰温泉にもどった。
湯の峰で温泉につかり、疲れをとって第二日目にそなえて就寝した。
 
中辺路第一日目の宿泊としては、それぞれの体力・年齢・性別を考えて予定をたてることを
おすすめする。  中継点としてのおすすめは、「近露の里」か「継桜の里」だろう。 
民宿があり、路線バスのバス停がある。
 
 
 
 
 
2015『星の巡礼 熊野古道を歩く』 Ⅱ-5

Bルート:5 熊野古道中辺路・世界遺産   88熊瀬川王子▲290m⇒91猪鼻王子▲233m : 
                    徒歩巡礼》  8月24日   につづく