星の巡礼 詩集
『ああわれいま ここにおりて』
詩・短歌・スケッチ
星の巡礼者 後藤實久
人の一生は、未知の世界を求めての、旅の連続であると思います。
老境に入り、ようやくこの世に生を受けての目的<星の巡礼>を果たしたような安堵感に浸っている
今日この頃です。
人生航路の終着港にしたいと、あの時、あの場所で浸った己だけの世界を謳いあげた詩句を、
詩集『ああわれいま ここにおりて』に、スケッチや写真を添えて、まとめて見ました。
あの時、あの場所で観て、感じた情景を、覗いていただければ幸いです。
<shiganosato-gotoの日記>
https://shiganosato-goto.hatenablog.com/
なお、これまでの、ここ地球星での出会いは、ブログ<星の巡礼>として上記日記に
書きとめていますので、気軽にお立ち寄りください。 弥栄
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■《 ああわれいま ここアンナプルナ山麓におりて》
<ヒマラヤの霊峰を詠う>
《神の声 聴きて勇みし 霊峰に こころ響きし 木霊うれしや》
―かみのこえ ききていさみし れいほうに こころいびきし こだまうれしや―
《ヒマラヤに 神と出会いて 感極め われを忘れて 泪やまずや》
―ひまらやに かみとであいて かんきわめ われをわすれて なみだやまずや―
《満天の 輝く星に 我見つけ 愛語かたりし ヒマラヤの峰》
―満天の かみとであいて われみつけ あいごかたりし ひまらやのみね―
《影踏みし われを見つめる 月明かり 白銀まぶし アンナプルナや》
―かげふみし われをみつめる つきあかり はくぎんまぶし あんなぷるなや―
《触れおりし 人のこころに 神の愛 祈る姿に 銀嶺眩し》
―ふれおりし ひとのこころに かみのあい いのるすがたに ぎんりょうまぶし―
《わが命 無の風舞いて 嶺をこえ 未知なる山に こころ残せし》
―わがいのち むのかぜまいて みねをこえ みちなるやまに こころのこせし―
《にっこりと 笑い迎えし アンナプル 神々しさに 手合わせしや》
―にっこりと わらいむかえし あんなぷる こうごうしさに てをあわせしや―
《触れし手に 温もり伝う 心地よさ ヒマラヤにみる 万年雪や》
―ふれしてに ぬくもりつたう ここちよさ ひまらやにみる まんねんゆきや―
《坐りてや 神のこころを 宿さんと 白銀輝く ヒマラヤの峰》
―すわりてや かみのこころを やどさんと はくぎんかがやく ひまらやのみね―
《一念を 想い伝えし 闇の息 見つめしわれに 神の声あり》
―いちねんを おもいつたえし やみのいき みつめしわれに かみのこえあり―
《峰の花 踏みて崩れし 命だが 神の息吹に 命蘇りし》
―みねのはな ふみてくずれし いのちだが かみのいぶきに いのちやどりし―
《知りたいと 真の悟り 求めしや 何處にも無きて わが内にあり》
―しりたいと まことのさとり もとめしや どこにもなきて わがうちにあり―
《神の声 聞きて目を閉ず 暗闇に 銀嶺まぶし 残月の山》
―かみのこえ ききてめをとず くらやみに ぎんりょうまぶし ざんげつのやま―
《生きるとは かくありなんと 教えられ 山歩き終え 感謝満ちにし》
―いきるとは かくありなんと おしえられ やまあるきおえ かんしゃみちにし―
《アンナプル 山麓トレック 踏破おえ ポカラ目指せし 脚も軽やか》
―あんなぷるな さんりょうとれっく とうはおえ ぽからめざぜし あしもかろやか―
ヒマラヤ山麓を駈けたワイルド・ローバーⅡ世号
Sketched by Sanehisa Goto
ヒマラヤの霊峰を詠う (ナガルガットの丘よりⅠ)
ヒマラヤ山系における
アンナプルナ・ダウラギリ・カンチェンジュガ・ゴルゲ村の位置情報
アンナプルナ山麓トレッキング・コース・スケッチマップ
Sketched Map by Sanehisa Goto
ヒマラヤ<ランタン・ジュガール山群の山容> (ナガルコットの丘よりⅡ)
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<山の神よ>
ああわれいま ゴレパニにて
アンナプルナと対峙す
ダウラギリよ 黙して語らず
ただただ鎮座せし君よ
なぜにわれをさそい
われを沈思の世界に導きしや
宇宙の塵にすぎぬわれに
山の神たる君の魂ひびき
われを抱きて われに
愛の眼差しを送り伝えしは
黙して語らなぬ君の
愛の深さを知りて感涙す
わが魂またむせび泣き
君に交わりて
飛翔し止まず
神聖なる白銀の君の眼差し
わがこころに広がりてや
ああわれいまゴレパニの山小屋におりて
幸に咽びし
ああわれいま
アンナプルナの山麓におりて
満天の星に招かれ
雪の精と戯れるに
われ天に舞い
精霊と交わりしや
君を拝し黙してやまず
アンナプルナ山群に輝く星座たち
2001_05_13 01:30
Sketched by Sanehisa Goto
アンナプルナ山群を望む
左・アンナプルナⅠ 8091m / 中央・アンナプルナ サウス 7219m / 右・ヒムジェリ 6441m (アンナプルナ山麓トレッキング途上、ネパール・ゴレパニ村の山小屋から)
2001・2006と2度、アンナプルナに魅せられて訪れている。
豊穣の女神とも、キラーマウンテンとも呼ばれるヒマラヤ山群の中央にそびえる霊峰アンナプルナを
眺められる<アンナプルナ山麓トレッキング>を歩いて来た。
その神秘的な、人を寄せ付けない威厳に満ちた山の神に頭を垂れたものである。
アンナプルナ山麓トレッキングコース上で、足を止めては神の山<アンナプルナ>を眺め、詩を作り、
道中の風景をスケッチしながらの夢の時間を過ごした。
幸せの一つに、未知なる光景に遭遇した時がある。
尊厳に満ちた山姿<アンナプルナ>に出会ったときも、幸せを感じた一瞬であった。
アンナプルナサウス7219mを望む
アンナプルナ山麓トレッキングコースでの宿泊先<スーパービユーロッジ>より
アンナプルナ山群に輝く星座群
2001_05_12 01:30
Sketched by Sanehisa Goto
アンナプルナ山麓トレッキング山小屋
<スーパービユーゲストハウス>
ウレリ村1990m
Sketched by Sanehisa Goto
ネパール・ゴルバニ村
Sketched by Sanehisa Goto
アンナプルナ山麓トレッキングで出会ったネパールの老婦人たち
ネパール・ゴルバニ村
Sketched by Sanehisa Goto
アンナプルナ・サウス7219mを背に
タダパニ村 ・ネパール 2680m
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<霊峰タウラギリよ>
ああわれいま
アンナプルナ山麓におりて
霊峰タウラギリよ
なぜにきみ黙して語らず
鎮座せしか
きみわれを抱きしめて
われに愛を伝えんとする
その姿
わが魂ふかく揺さぶりて
われ君とともに宇宙を舞わん
ああわれいま
霊峰ダウラギリに酔いて
われ君に恋し
君を離れること能わず
さらばタウラギよ
また会う日まで
再会を約した霊峰ダウラギリ山 8167m
アンナプルナに連なるダウラギリ連峰からの日の出
左端がダウラギリ山(8167m-世界7位)
(プーンヒル3210mより)
プーンヒル3210m
HIMALAYA TOURIST GUEST THOUSE
タダパニ村・ネパール 2590m
Sketched by Sanehisa Goto
アンナプルナ山麓トレッキング上の風景
チャンドラン村の急峻な棚田風景 1940m
Sketched by Sanehisa Goto
ダウラギリ山(8167m)、サンスクリット語で「白い山」は、ネパール北部のヒマラヤ山脈の
ダウラギリ山系にある山で世界第7位である。
1960年5月13日 - 世界初として、スイス・オーストリア隊のクルト・ディムベルガーらが北東稜から
無酸素による初登頂。
1970年10月20日 - 日本初として、川田哲二(同志社大学山岳会)、ラクパ・テンジンが登頂している。
<関連ブログ>
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■《 ああわれいま ここオラビンタ岩で瞑想す》
―カンチェンジュガ山麓 ゴルゲ村 ネパールにてー
ああわれいま
ここカンチェンジュガの山麓 ゴルゲ村におりて
オラビンダ岩に坐し
天風師とともに
こころを天に溶かしおるを
喜ぶなり
降りそそぐ
星のつぶてに われ光り輝き
力の結晶たらんとし
いままさに
一つの願い成就せしを
天に深謝す
「人の中に神をみ
自然の中に神をみ
おのれの中に神をみたい」
いまわれそれらを成就し
わが宇宙に沈潜せしを
識るなり
満天の星に
祈り伝わり
星たちの大合唱
このゴルゲの谷に木霊し
蛍と踊りて 流星と競い
悠久の流れに 月は笑う
いまわれあるを喜び
川の流れに身をまかすわれ
深く瞑想し
天風師の願いし波動
時を伝いてわが心に宿りて
体内に充満す
人のいとなみ
自然のいとなみ
宇宙のいとなみ
変わることなく
ただただ感謝の温もりに
天に飛翔してわれを見るなり
ああわれいま
カンチェンジュガ山麓
ゴルゲ村におりて
中村天風師に
相まみえしを
喜ぶなり
オラビンダ岩<天風岩>
Sketched by Sanehisa Goto
オラビンダ岩、ゴルゲ村マイユ川に鎮座する<天風岩>で瞑想
ゴルゲ村はカンチェンジュガ山麓にある
朝もやに包まれたゴルゲ村を流れるマイユ川 ゴルゲ村<自称:天風会現地連絡先>シバ氏家族と共に
2001/05/16 05:13am ヒマラヤ山系カンチェンジュガ山麓ゴルゲ村シバ宅滞在し、
オラビンタ岩で瞑想にふける機会に恵まれた。
カンチェンジュガ山は、標高8586mの世界第三位の高山である。
オラビンダ岩は、カンチェンジュガ山麓・ゴルゲ村・Maiyu/メイユ川に鎮座する大岩、
カリアッパ師修行の大岩であり、
中村天風師はじめ多くの聖者や、修験者、巡礼者が坐した悟りの大岩である。
早朝、オラビタン岩で瞑想する。
こころの中に、星がふりそそぐヒマラヤの峰々が生きいきと浮かび上がる。
闇の中に祈りの言葉が広がり、谷間にこだまし、わが魂を満たしおる。
中村天風師を慕うだれもが、この地を訪れ天風師と同じく、天風師の思いを感じ取りたいがために
オラビンダ岩に坐して天風師の魂におのれの魂を重ねてみるのも自然な流れであろう。
瞑想よりもどって、次男坊Hridesh君の手作りのベッドにもぐりこみ夜明けを待った。
遠くで鶏たちが時を告げている。
婆さんが朝食の用意をしているのであろうか、アワやヒエを石うすで挽いている、
心地よい石の触れ合うかすかな音が伝わってくる。
奥さんの炊飯の煙が鼻をくすぐる。
ゴルゲ村の朝があけようとしているのだ。
生きるという素朴な風景が、今日もゴルゲ村に繰り返されているのである。
その悠久の時の流れに溶け込んできた。
<関連ブログ>
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■《ああわれいま ここシーギリヤにおりて》
<洞窟の美女>
ああわれ いまシーギリヤの洞窟におりて
暗闇に浮かびしフレスコ画に目を見張る
鮮やかな色彩に生きしシーギリヤの美女
豊かな乳房の膨らみにときめきを覚えし
月光に艶しく微笑みし乙女たちの豊満に
1500年の歳月の衰えを見ること能わず
冷気漂う洞窟にハーレムの熱気満ちて
乙女の肌 妖艶にして今を生きおりしや
ああわれいまシーギリヤの美女に会いて
セイロンの美しき姿に感嘆すること切なり
スリランカ(旧セイロン)の世界遺産<シーギリヤ・ロック>を訪ねて
2004年1月4日
托鉢僧 と ダンブニラ石窟のガルヴィハーラの涅槃像
Sketched by Sanehisa Goto
洞窟のシーギリヤ・レディース
Sketched by Sanehisa Goto
世界遺産シーギリヤ・ロック シーギリヤ・ロック入口
セイロン・キャンディ <仏歯寺守護象>
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■《ああわれいま ここ南極にありて》
<ああ君おりて われおり>
ああわれいま 最果ての南極におりて
きみ静寂に和して 泰然自若たるは
その姿厳然たるをためらわずして然り
一塊の氷花 満月に坐して動ぜずも
その幽玄 月光にさらし寂滅たらんと
律する君の姿 悟りて無なるを知る也
無碍なる天にありて円明を照らす月
愛語聞きし君なる姿に戯論を躊躇す
われ一人あなもひとり仏たるを知る也
ああわれいま最果ての南極におりて
万物の等しきを識りて喜びを慶ぶや
ああわれいま君ありて我あるを認む
<ああ君おりて われおり>
Poem & Sketched by Sanehisa Goto
< 南極大陸上陸> 2007年2月24日午前1時15分
ロシア船籍砕氷船オルローバー号船上にて
南極大陸に坐して、満月と愛語を交わす
南極大陸のアザラシ(♂)
Sketched by Sanehisa Goto
寄港中のロシア船籍砕氷船オルローバー号
Sketched by Sanehisa Goto
<関連ブログ>
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■《ああわれいま ここアカバにおりて》
<今を生きるアカバの女>
深淵なる宇宙を宿し
黒き瞳もちしアカバの女
閃光たきしわれを
心眼にとめて
挑みて曰く
ああわれ いま君に問ふ
君なぜに わが信仰を試すや
君なぜに わが魂に挑まんとすや
君なぜに わが命を脅かすや
君なぜに わが黒衣を疑わんとすや
われもまた 君と同じく
今を生きる女にして
われもまた わが幸せを求めしや
われもまた わが愛を求めしや
君もまた 今を生きる人であるを信ず
われ深く頭をたれ
わが胸に尽きぬ愛を感じしや
ヨルダン・アカバの街角で、ニカブで全身を黒装束で覆ったイスラムのご婦人に
出会った時に詠んだ詩である。
Carp Diem-カーペディエム(ラテン語「今を生きる・その日を摘め」)からくる
「今を生きる」アカバの女を詠んでみた。
2006年6月8日
<今に生きるアカバの女>
Carpediem-Seize The Day in Aqaba
2006/06/08 Aqaba・Jordan
Poem & Sketched by Sanehisa Goto
ニカブ着用のアカバの女
ニカブ・ファッションのご婦人たち
Sketched by Sanehisa Goto
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■《 ああわれいま ここミーソン寺院におりて 》
<武士、魂に銘ず>
ああ われいま
ミーソンの武士(もののふ)共の
跡に坐して
歴史を観ず
ひとつ一つの石に
込められし祈りと
願い天を突き
地に満つを観ず
対峙せしわれ
無限の力と
悠久の時をえて
魂の至福を観ず
ああ われいま
古(いにしえ)の勇者と出会いて
こころ踊らし
天空を舞いて風を観ず
ああ われいま
天と愛語を交え
感涙しきりにして
天と和して無を観ず
2006年4月13日 ミーソン寺院遺跡にて ダナン・ベトナム
《 武士、魂に銘ず 》
ミーソン寺院遺跡と赤き満月
Poem & Sketched by Sanehisa Goto
ミーソン寺院想像イラスト 発掘時のミーソン寺院
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<ああわれ いま我を識りて>
目を閉じ 天を仰げば
幻ひろがり われ沈む
沈む往くわれ 浮き草に触れ
わが存在を識るなり
われいま どこへ向かえしや
叫びしわれに気づきて
われまた 我を見るなり
ああ なんたるや我
われを 救い出したまえや
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<われに 気づきありや>
すべてに満ち足りて 目を閉ず
心に横たわりし 満足の広がり
用いられし喜びに 咽し姿にこそ
短き人生の先を 見るおのれ有り
ああわれを見捨て 給うなかれ
われに命の花を 咲かせたまえ
( 2006年4月11日 ベトナム・ダナン・ミーソン寺院にて瞑想ス)
「覚醒」
ダナン・マイソン寺院・ベトナム
Poem & Sketched by Sanehisa Goto
ダナン・ミーソン遺跡にて
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■<ああわれ いま仏の愛に包まれて>
われら本来 仏なり
水と氷のごとくにて
われら近くを知らずして
遠く求めるはかなさよ
六趣輪廻の因縁は
おのれが愚痴の闇路なり
闇路に闇路を踏み添えて
いかに生死を離るべき
因果一如の門ひらけ
無二無三の道なおし
夢想の想として
往くも帰るもよそならず
無念の念を念として
歌うも舞うも法の声
三昧無礙の空広く
四智円明の月冴えん
この時何をかを求むべく
寂滅現前する故に
当初すなわち蓮華国
この身すなわち仏なり
ベトナム・ダナンにあるミーソン寺院にある涅槃像の前で和讃を吟じ、スケッチに励んだ。
「仏の愛」
ダナン・マイソン寺院・中部ベトナム
Sketched by Sanehisa Goto
Sketched by Sanehisa Goto
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■《ああわれいま ここ太平洋上におりて》
<われ一人 あなたもひとり 仏かな>
遠方より耳をとらえし北の風
宇宙の鼓動を揺らしつつ
わがこころを震わし
わが魂を突き動かすなり
煩悩のまにまに
念仏の声 賛美の詩
「大丈夫だよ」と母つぶやきて
ああわれ一人にあらず
わが心なる母 天なる父とおるや
われ一人 君も一人 仏かな
仏かな 仏かな
ああわれ いま仏かな
2006年5月28日~6月5日 大西洋横断トパーズ号船上<アイルランド・ダブリン➡ニューヨーク>
「われ一人 あなたも一人 仏かな」
Poem & Sketched by Sanehisa Goto
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< 命のうねり >
蛇の鱗 闇に光りて浮かび
まさに生を飲み込まんとす
船揺れ 波切り裂きて
波のうねり 天の波動と和す
飛沫一滴水 心眼に飛び込み
涙に溶け込みしや
わが魂の潮流はやなりて
わが命怒涛の中に浮沈す
蛇の絶叫 天と合し木霊すや
天空を共に舞いたいと我を招く
われ悠久の時を蛇神と遊びて
ああわれ沈黙の中 闇を貪る
(2006.06/13 07:18pm ジャマイカ近くの大西洋のトパーズ号船上にて)
「命のうねり」
双頭蛇(15世紀 メキシコ)-大英博物館所蔵
ジャマイカ近くの大西洋横断中のトパーズ号船上にて描く
Poem & Sketched by Sanehisa Goto
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<無に坐す>
ああわれ この月光のもと
坐して いままさに
無の世界に飛び込まんとす
無の風吹きて われまさに
無の祈りの世界の中に
坐して 消えゆかんとす
わがこころの一息を
見つめつつ 無たらんと
深き闇の中に坐するなり
< 無に坐す >
Poem & Sketched by Sanehisa Goto
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<ありがたやー無常尽尽無明法>
ただただ われ消え入りて
ただただ われを失う
そらうみに ひとすじの
光ありて われはなし
ありがたや ありがたや
つねに 明法なく
ひと つねに流転す
ただただ 坐して
わが命 みつめしや
ありがたや ありがたや
わが一粒の 涙に
ひとすじの 光やどりて
われを見つめし われに
気づきて うれし
ありがたや ありがたや
( 2006年5月30日 ニューヨークに向かう大西洋上 トパーズ号にて)
<ありがたやー無常尽尽無明法>
Poem & Sketched by Sanehisa Goto
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<ああわれ 満月に酔う>
ああいま われここに在りて
満月に向かって吠える
月桂の冠 薄雲に影し
満月われにほほえむ
ああいま われここに在りて
満月を月桂の酒に映し
その満月を飲み干すは
わが腑蔵にしみわたる
ああわれ ここに在りて
満月となりて 満月に遊ぶ
満月となり 満月に宿るや
満月に酔いて 我を失う
(2006年5月14日 01:32am 東大西洋ポルトガル沖 トパーズ号 サンシャインデッキにて)
<ああわれ 満月に酔う>
Poem & Sketched by Sanehisa Goto
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<流星夜話>
暗闇にして 波静かなり
西方浄土 天の川を包み
またたきの 一閃の流れ星
今宵また 東天より出でて
ここ地球星に 堕ち来る
ああわれ いままさに
新生なる 命にまみえん
清く美しき 生命花
この地球星に 魂与えられ
愛と平和を 学ばんとす
見上げし 満天の星たち
微笑みて 愛するわれに
ただ問いて 鎮座するなり
「君何処より 来たりて
君何処へ 還るや」と
行き来たりし 一億光年
ながき旅路に わが天命を観ず
ひとときの 地球星での開花
またたきし一瞬 約80余年
わが命 29200日なり
ああわれ いままさに
縮みゆく わが命数えしや
学びし愛 叫びし真理
積みし愛 叫びし平和
与えし愛 叫びし自由
今宵の流星 降る星の如く
使命帯びし 星の王子王女様
希望の星として 地球星に降誕す
使命終えし 星の王子王女様
安らぎの星へ 還りなんとす
わが人生 振り返り
わが星に 向かいて
わが使命を 顧みるや
今宵出会いし 流れ星
産声こだまし わが魂揺さぶる
美しき死に 巡り会いたいと
山路越えて 独り往く
峰々の残雪 心地よく
雲なき夜空に わが胸澄みぬ
流星今宵また 行き交いて尽きぬ
2006年6月28日 「わたしは星になりたい」との少年時代の夢をかなえようと真夜中、
船のデッキに横たわって三日月や星座や流星たちと語り明かした。
カナダ・バンクーパ沖 航海中のトパーズ号のサンシャインデッキにて
<流星夜話>
Poem & Sketched by Sanehisa Goto
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■ 《ああわれいま ここアカプルコにおりて》
<夢想>
慈しみ 優しくわれを包み
わが姿 暗闇に光り輝く
『 この月光に導かれ 天に昇りしや
わがこころは喜び わが魂は踊る』
われ心を尽くし合掌す
ああわれ いま坐して
われを離脱せんとす
この幸せを噛みしめるや
わが魂 無に生きるを喜び
宇宙に満ちて至福に至る
われまさに人の生死の道を
識りてやこころ安らかにして
無なるを説く経を唱え
魔訶般若心経の世界に
ああわれ いま遊びて嬉し
2006年6月19日 メキシコ・アカプルコ港をとりまく山並みの夜空を見上げながら、
天空に舞ってみた
<夢想 >
メキシコ・アカプルコに寄港、夜空を見上げながら般若心経を唱えてみた
Poem & Sketched by Sanehisa Goto
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■《ああわれいま ここインド洋上におりて》
<浮雲>
澄み切った青空 どこまでも深く
浮雲ゆっくりと 東へ遠のく
心のなか 無の風吹き抜けて
わが魂 寂滅に包まれて静まり
耳を澄ませば 天なる声聞こゆ
ああわれを 抱きたまえや
ああわれを 包みたまえや
いまわれ 浮雲になりて
いまわれを 見つめなおすや
2006年5月30日 インド洋航海中のトパーズ号サンデッキに寝そべって、
浮雲になって我を見つめる。
<浮雲>
ーインド洋上の天子の梯子ー
Poem & Sketched by Sanehisa Goto
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■《ああわれいま ここシルクロード中国におりて》
<歩訪霊魂 発絹之道>
詩 後藤實久
ああわれいま ここ西安におりて
古城の跡に 小雨煙る朝が訪れ
人は自然に親しみ 心軽やかなり
舎殿の跡 周りには石榴実り
青色から黄、橙と色新しくある
昨夜飲みし酒の酔い いまだ残り
陽の昇る様を 西に映る陽光で知る
今はなき昔人の心 我を包み込み
長安の昔 懐かしき都を思い出している
これからの霊魂を 求めての歩みを
この西安から 絹之道に入らんとする
<漢詩「王維渭城」改詩>
西安にて
渭城朝雨 浥軽塵客 渭城に、朝降った雨が 客の塵を軽く濡らし
舎熟石榴 色新功書 屋敷の石榴も熟し、功書色新たなり
更盡酔酒 西出陽芖 酒に酔うままに 芖の陽のもと西へ立たんとする
無故人我 長安音惜 人われなきゆえに 長安の音を惜しみながら
歩訪霊魂 発絹之道 霊魂を訪ね歩くため いま絹之道を出発する
2004年8月4日 シルクロード踏破18000㎞途上、西安国際ユースホステルにて
Chang'an Castle South Gate: Xi'an, the eastern base of the Silk Road
Revised Chinese poetry & Sketched by Sanehisa Goto
兵馬俑の付近には熟した実をつけた石榴の果樹園が目を引く。
始皇帝が自分の墓と定めた農村の小道の両側に石榴がたわわと実をつけているさまは、
詩を詠み、絵をかき、書を遺す雰囲気を醸し出していた。
《 精華池に 熟し楊貴妃 石榴かな 》 實久
―せいかちに じゅくしようきひ ざくろかなー
長安城南門
Chang'an Castle South Gate: Xi'an, the eastern base of the Silk Road
Sketched by Sanehisa Goto
<関連ブログ>
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< 緑の島オアシス 嘉峪関 >
ああわれいま ここ嘉峪関におりて
走る列車 東の陽を浴びゴビの大地を滑りゆく
霞み立つ遠景に 白き百姓の家 光りて
祁連の峰々 雪をいだきて 白雲と解けあいて
水無き乾燥の地に 緑の島 嘉峪関 我を迎えし
2004年8月7日 シルクロード踏破・長距離バスの車窓から祁連山脈を望みながら嘉峪関を詠う
ー河西回路・国道312号線と鉄路ー
Poem & Sketched by Sanehisa Goto
Sketched by Sanehisa Goto
世界遺産 <嘉峪関> 万里長城第一墩
Sketched by Sanehisa Goto
世界遺産嘉峪関の遺跡群
Sketched by Sanehisa Goto
世界遺産嘉峪関・万里長城第一墩を巡る
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<楼蘭美女のつぶやき>
ああわれいま ここ楼蘭におりて
われ3800年タクラマカン砂漠に埋もれ来て
君に出会える日を待ち焦がれきしや
ああわれいま 君にあいまみえて
再生復活の命を与えられたことに感謝する
眠りは私にとって一瞬の時の流れ
ああきみいま わが魂を再生し
神のもと 共に今を生きるを喜びて
歴史の流れに相まみえし
霊魂は、ひとの命のみにあらずして
神のみこころの中にあるを知りて
悠久の流れに共に生きられるを嬉しく思う
2004年8月14日 シルクロード踏破18000㎞踏破途次、
敦煌・中国<新疆維吾爾自治区博物館>にて、スケッチをしているわたしに
ミイラ<楼蘭美女>は語りかけてきた
3800年間眠り続けてきたミイラ<楼蘭美女>
(新疆維吾爾自治区博物館)
Poem & Sketched by Sanehisa Goto
楼蘭市のシンボルマーク
Sketched by Sanehisa Goto
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<ああわれいま ここ天池におりて>
神 われに天池与うるに
われいま 天池になりて
悠久の宇宙を讃えるなり
ああわれいま天池になりて
一体にして一心なるを
誇りて君に抱かるるなり
雪をたたえたボコダ山(5445m)が映る<天池> ウルムチ・中国
2004/8/15
Poem & Sketched by Sanehisa Goto
ボゴダ山脈を背に、ウルムチ近郊に広がるゲル<パオの花>
Sketched by Sanehisa Goto
ボゴダ山脈の雪解け水を湛えた天池に抱かれて
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<ああわれいま ここタクラマカン砂漠におりて>
―タクラマカン砂漠の風景 ―
行けどもゆけども無言の風景
どっしり腰をおとした禅の世界
無言の砂に似たり
砂漠も命も広大無辺なりて
深い眠りにあって霊感に生きし
無言の風に似たり
語らんとする人の浅はかさを笑い
沈潜し、寡黙に生きるは
無言の雲に似たり
己を捨て去れ、一粒の砂になりきれと
ただただ二本の足で大地に立てと
タクラマカン砂漠は独白するなり
輪台(クチャ付近)のタクラマカン砂漠の隊商(イメージ)
Poem & Sketched by Sanehisa Goto
确泉达克山脈
<シルクロード/絲綢之路>クチャ近郊
タクラマカン砂漠よりシルクロードとMts.Chuatakesanを描く
Sketched by Sanehisa Goto
タクラマカン砂漠道路(ホータンに向かう)
<関連ブログ>
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■《ああわれいま ここシルクロード・クンジェラグ峠におりて》
<霊を求めしシルクロード>
死との契約
その時 われにその履行を求め
その影をのばしくる
われいま
まさに神の栄光の影にて
ラストダンスを楽しむなり
神と共に
導かれし荒野に月影踏みて
宇宙を彷徨するなり
暗闇の砂漠に
あがりし陽光ありて
霊あるをしる
ああわれを
神のしもべたらしめ
導き給え
2004年8月25日 中国/パキスタンの国境の街タシガルガンから始まるカラコルム・ハイウエーで
最も高い峠クンジェラグ峠(標高4500m)を越えて
カシミール・フンザの村への途上で、峠越えの<死の世界>を詠う
ムスターグ・アタ峰7546m(標高3600mカラクリ湖より)
Poem & Sketched by Sanehisa Goto
Sketched by Sanehisa Goto
シルクロードの最高峰<クンジェラブ峠4500m>を越える
神に導かれてカラコルムのクンジェラグ峠(標高4500m)に立つ
2004/08/25
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<ああわれいま フンザ渓谷におりて>
ああわれいま パキスタンの北方
フンザのカリマバードにおりて
<オールド フンザ・イン>に坐す
神の誘いたるこのひとときに
一番鶏(とり)の声渓谷に響き
静寂(しじま)心に忍びよりぬ
魂の浄化なるを覚えし そのとき
命ある蝶 羽ばたきしかすかな音
渓谷を揺らしパミールの風と化す
残りし月まさに天空に消えんとし
わが魂目覚めてや 我を見つめし
ああわれいま まさに宇宙に溶解す
2004年8月26日 パキスタン、カリマバード・フンザ渓谷にあるゲストハウス
<オルド・フンザ・イン>に投宿し、後方にそびえるラカプシ山7788mをスケッチしながら、
詩の世界に迷い込んだ。
ゴールデンピーク山7027mの天空に舞う星たち
Poem & Sketched by Sanehisa Goto
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<われいまパミールの風となりて>
ああわれいま 宇宙の中心におりて
神の声響きし フンザ渓谷に
わが魂を震わせ 共鳴せんとす
高鳴りゆく心の鼓動 霊峰に響き
神々の山に擁かれて 無になりしは
パミールの風となりて 悠久に宿る
ああわれいま 悠久の風になりて
パミールの峰々に 舞いて充足す
ああわれいま 夢みし我を 見下ろせし
2004年8月26日 05:20am早朝、
<オルド・フンザ・イン>の正面にそびえるゴールデンピーク山7027mの天空に風たちと遊んだ
2004/8/26 01:15pm
Poem & Sketched by Sanehisa Goto
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<ああわれ いま花一輪になりて>
今日も一輪の野の花に命を懸けてみたい
ああ人生なんたる幸せか
静かに頭(こうべ)をたれ、精神を集中するに
魂の世界に舞うおのれの姿の美しいことに気づく
ああわれいま、一輪の野の花にいだかれて
悠久の彼方に羽ばたきゆきしや
2004年8月27日 23:15pm カシミール・ウルタル山7388mに
一輪の赤い花<カシミール酔芙蓉>ささげて詠う。
人生の旅とは、壮絶にしてファンティックスな出会いであり、
奇跡の織り成す人生は、予定しえない力の働きによるものといえる。
感動に涙する人生の旅を大切にしたい。
人生の旅は一瞬一瞬が切り取られた感動であることに気づくのである。
人生の旅とは、夢いや空想の連続かもしれない。
2004/8/27 23:25pm <カシミール酔芙蓉>を捧げる
Poem & Sketched by Sanehisa Goto
<関連ブログ>
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■《ああわれいま ここシルクロード・イランにおりて》
<ああわれ いまペルセポリス遺跡におりて>
ああわれ いまペルセポリスにおりて
アケメネス朝の戴冠式に招かれ
アバターナー(謁見の間)に参列しおる
ああなんたる夢想なりしや
きらびやかな民族衣装を着飾りし
各国王族のダレイオスⅠ世への拝謁に
インド王族の祝辞を受ける王 威厳あり
ああなんたる夢想なりしや
2004年9月14日 廃墟である宮殿ペルセポリスの遺構に座って、
空想にふけるため2500年前の戴冠式に迷い込み、
廃墟のペルセポリスとダレイオス1世をスケッチして、ペルシャの都を心に残した。
紀元前、約200年間栄えた世界遺産ペルセポリ・イラ
Poem & Sketched by Sanehisa Goto
アケメネス朝ペルシャ帝国の王ペルセポリスを造営した ダレイオス1世像
2004/9/14 11:25am
Sketched by Sanehisa Goto
<シルクロード・イラン 横断バスルート地図>
<関連ブログ>
shiganosato-goto.hatenablog.com
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■《ああわれいま ここシルクロード・トルコにおりて》
<洞穴で瞑想す>
―カッパドキア―
無常甚深なるこの胎内に
ひとすじの月光ありて
闇裂きてわれと融合す
嗚呼、こころ溶けて
悠久に漂い
真理、われに満ちなん
幸せは神と共にありて
嗚呼、いまカッパドキアの
月下の洞穴で瞑想す
2004年9月24日 03:45am トルコ・カッパドキアの奇岩洞窟で月光のもと瞑想する
カッパドキアの奇岩洞窟で瞑想する
Poem & Sketched by Sanehisa Goto
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<神に捧げる詩>
ああわれ いまウフララ渓谷におりて
神よ、われいまカッパドキアに導き給いて
無常の歓びを観ず
幾多の信仰への迫害を乗り越えし
先達の苦しみの中に
信仰の姿に接しわが泪溢れしや
嗚呼われ永遠の愛を観ず
2004年9月27日 ウフララ渓谷の迫害キリスト教徒の洞穴住居跡を訪ねて
ウフララ渓谷の迫害キリスト教徒の洞穴住居跡を記録に残す
カッパドキア・トルコ
シルクロード踏破 トルコ横断バスルート
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<コンドルとなりて黒海に舞う>
われコンドルとなりて 黒海の空を舞う
風に乗り 風に乗せられ 風になりてや
見果てぬ夢を求めて飛びしわれを
君恋するボスポラスよ 我を抱きしめ給え
我を呼びし君の声 我が魂に満ちてや
われコンドルとなりて 黒海の海に舞う
2004年9月29日 14:25pm 黒海沿岸 トルコ
ボスポラス海峡とブルーモスク
Poem & Sketched by Sanehisa Goto
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<ボスポラス海峡に再会す>
ああわれいま 第二ボスポラス大橋を通過しつつあり
この地5年前 パートナーの遺灰を散じし海峡にして
魂の悔悟を打ち破りて 内なる霊の慰めを得んとする
甚深なる鎮魂の波に洗われて ただわれ沈黙に佇む
今日も変わらず 海峡のさざ波踊り 爽やかな風吹き
想いて激しく涙溢れ 再会を喜び 感謝するものなり
2004年9月29日 ヨーロッパとアジアの架け橋ボスポラス海峡大橋を通過する
ヨーロッパとアジアの架け橋ボスポラス海峡大橋 トルコ
<関連ブログ>
shiganosato-goto.hatenablog.com
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シルクロード・ヨーロッパに入る
■《ああわれいま ここ幻の大陸アトランティスにおりて》
ああきみ 幻の大陸 アトランティスよ
君いま 息をひそめ ここエーゲ海の
静けき深海に沈みて 息をひそめおる
ドルフィン号のわれ きみの呼吸に没し
サントリーニ島に その姿をのぞかせて
時を越え われを迎えんとするを喜ぶ
アトランティスの われに寄せし魂の鼓動
きみわがこころに響きて 姿をみせんとす
ドルフィンに背負われしわれ興奮を隠せじ
わがこころの宇宙に きみ来たりて歌いて
われに夢を叶えさせたまえと 祈りてや
君に会えしこの日を 共に喜びて祝わん
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<ああアトランティスよ!>
ああ麗しのアトランティスよ!
この日を幾度夢見たことか
初秋の柔らかい日差しを浴び
われ胸をときめかして切なり
柔肌のなめらかなる感触に
恥じらいて息吹き交わし
君我にすべてを与え給い
君に我こころを捧げしや
エーゲよアトランティスよ
君を想うこころ深きこと
エーゲの蒼き心に似たり
今宵の宴を共に祝わん
紺碧のエーゲに顔出せし
アトランティスの峰々よ
海に沈みし幻の大陸よ
親しみ込め挨拶するなり
フルガンドロスの島民にして
オレンジがよく似合う女神は
我を幻の大陸に導くなり
2004年10月4日 幻の大陸アトランティスの中心ではないかといわれるサントリーニ島に上陸し、
その感動を詠んでみた。
サントリーニ島フィラにある聖堂
Poem & Sketched by Sanehisa Goto
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<アトランティスの山々よさらば>
いままさにエーゲの海に映える 真紅の太陽は
古代の神々に 朝のお告げを伝えんとするなり
オレンジ色の一筋のひかり わが胸を射抜きて
アトランティスの温かき太陽を 浴びて満ち
3000年前の息吹で わが体は膨らみて飛立つ
エーゲに沈みしアトランティスを 船で越え
いままさに 古代遺跡ミコノスに向かわんと
われ ここサントリーニに別れを告げるなり
2004年10月7日 幻のアトランティス大陸の一部といわれるサントリーニ島を
後にしてロドス島に向かう。
幻のアトランティス大陸の中心と言われたサントリーニ島フィラの街
Poem & Sketched by Sanehisa Goto
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< ロドス島よ>
われいまここ幻のアトランティス大陸におり
神の創りたもうたエーゲの海を航海しおりて
夢にまで見たアトランティスに沈みし大陸よ
われも君と同じ太陽の光を浴び幸せに浸りし
君無限の空間におりて 同じ空間の我を抱き
神の創造せしこの世で 共に遊ぶを喜ぶなり
2004年10月4日 幻のアトランティスの遺跡が遺るといわれるロドス島に上陸した
幻のアトランティス大陸の遺跡ともいわれるロドス島
Poem & Sketched by Sanehisa Goto
<関連ブログ>
shiganosato-goto.hatenablog.com
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シルクロード終着 イタリアに入る
■《ああわれいま ここシルクロード終点におりて》
<ああわれいまアッシジにおりて>
ああわれいま無事にシルクロードを終えんとし
神の加護によるものと 深く感謝するものなり
日々の導きのもとフランチェスカ聖堂に坐して
喜び分かち合い 感謝の祈りを捧げるものなり
苦しい歩みにありしも 主の導きにすがりて笑い
古き絹の道を歩みて 羅馬の街に立つを喜ぶ
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<主への一里塚>
霧のアシジ いまだなお暗く なお深き眠りの中にありて
聖フランチェスカの遺せし清貧のこころにわれを没す
神に従いしは すべてを捨て去り 体に布一枚を巻きて
神の宿りし魂をもてと 聖徒はわがこころにささやけり
アシジの朝 聖ドミアーノ教会の鐘響きわたりて
おごそかに 主なる神の到来を告げるなり
ここスパシオ山に流れし聖歌は 霧の舞となりて
慈しみ深きキリストの目は 神の愛をたたえて美しや
ああわれいま神と歩みしシルクロード102日を終えて
ここアシジにて神の恩寵を受けその目的を果たすなり
求めし主への一里塚 歩み終えしを切に喜ぶなり
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<祝福 シルクロード踏破を終えて>
アッシジの朝 鐘が鳴り
聖ドミアーノ聖堂に坐すわれに
厳かなる神の到来を告げるなり
このスパシオ山に流れる聖なる歌は
霧の舞いとなり わが魂を覆い尽くすなり
十字架にかかりしイエス・キリストの目は
神の愛を満たして 大きく見開きし
ああわれいま 神と共に歩みて
その目的を成就するなり
ここアッシジにありて
聖フランチェスカをとおして
その恩寵を感謝し 祝福を喜ぶなり
われに与えられし神のみもとへの一里塚を
歩み終えしことを心より喜びし
ハレルヤ !
2004年10月23日 シルクロード18000kmを踏破し、最終地ローマに着いた
その前にアシジに立寄り聖フランチェスカ大聖堂で祝福を受けた
聖フランチェスカ大聖堂
シルクロード踏破を終えアシジにある聖フランチェスカ大聖堂で祝福を受ける
アシジ・イタリア
Poem & Sketched by Sanehisa Goto
<関連ブログ>
shiganosato-goto.hatenablog.com
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■ 《ああわれいま ここサハラ砂漠におりて》
<ああわれいま 命あるを喜ぶ>
ああわれいま 天空に飛翔し 命預けおる時
いのちあるを よろこびてや 神を観ずる也
ベルベルの花 我と語らいて 咲きし砂漠に
愛と交わりて 無の風となり サハラを飛ぶ
ともに神の子 志しと夢語り 命を相見てや
いのち交わし いのち震わせ いのち喜びし
2005年11月26日 モロッコ・サハラ砂漠 メルズーガ大砂丘にて
モロッコ
Sketched by Sanehisa Goto
サハラ砂漠横断中
(2001年11 月 エジプト・ギザのピラミットをスタートし、2日後に熱砂のため中断)
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<ああわれ いま神の国を観ず>
ああわれ いま
陽沈みゆきし国 地なる西の果て
大地モロッコに 臥しおりて
いざなわれし いま
この地サハラにて 神の恩寵にふれ
頭を垂れ 愛に包まれおりて
ああこの地 いま
選ばれてありし この存在に
大いなる意志を 観じおりし
ああこの宇宙 いま
われと響きあいて 共鳴するに
神と結ばれて 一体となりし
ああわれ いま
すべてに感謝し 悠久の始まりし
神の国への 旅立ちを待つなり
雪をいだくアトラス山脈
Poem & Sketched by Sanehisa Goto
モロッコ
Sketched by Sanehisa Goto
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<熱き日々 モロッコ>
《 君背負い 駈けしモロッコ 熱き日々 十字架握る 手に君おりし 》
-きみせおい かけしモロッコあつきひび じゅうじかにぎる てにきみおりしー
《 涙して 祈りの砂に 口づけし 君の血潮や われを慰む 》
-なみだして いのりのすなに くちづけし きみのちしおや われをなぐさむー
《 モロッコや サハラ砂漠に 降る星も いのち輝き 我いざないし 》
-もろっこ さはらさばくに ふるほしも いのちかがやき われいざないしー
《 悠久の 時の流れに 身を任せ われを捧ぐる 神のみ旨や 》
-ゆうきゅの ときのながれの みをまかせ われをささぐる かみのみむねやー
《 ハレルヤと 祈りし声に 木霊して アトラス揺れし 万年の雪 》
-はれるやと いにりしこえ こだまして あとらすゆれし まんねんのゆきー
《 降る星に 祈り込めにし 幾年や 王子に出会い 魂ゆれし 》
-ふるほしに いのりこめにし いくとしや おうじにであい たましいゆれしー
《 涙して 祈りの砂に 口づけし 君の血潮や われを慰む 》
-なみだして いのりのすなに くちづけし きみのちしおや われをなぐさむー
2002年11月22~30日 モロッコ紀行にて
<君なる星の王子さま>が自分の星に帰って行った西サハラ砂漠を訪れて
モロッコ
Poem & Sketched by Sanehisa Goto
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<ああわれいま モロッコを旅するなり>
ああわれいま 陽沈み往きし国 地の果て西なる
モロッコの大地に 触れおりて
星の王子様に いざなわれて 赤き砂にあいまみえし
いまこの地サハラにおりて 神の恩寵にふれ
頭を垂れ 感涙しきりなり
この存在に 大いなる意思を観じおりしや
この宇宙 この今 われと響きあい 共鳴せしなば
神とむすばれて 一体となりして
ああわれいま すべてに感謝す
ああわれいま 悠久の彼方に飛翔し
われ神の国を旅するなり
2011年11月23日 モロッコ・マラケッシュで
働きに汗する<ちびロバ達>
マラケッシュ郊外 モロッコ
Poem & Sketched by Sanehisa Goto
<関連ブログ>
shiganosato-goto.hatenablog.com
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■《ああわれいま ここユーコン川におりて》
<晩秋ユーコン小夜曲>
ああわれいまユーコンを下りしや
大自然の咆哮わが心魂を揺さぶる
悠久の流れユーコンに身を預け
主の祈りを吟じ 愛語を聴きて黙す
とも(船尾)に座しカヌーを漕ぎて
森羅万象の胸中に 聖霊を観ず
凍でつきし幕営(テント)抜け出でて
残り火に 暖をとる喜びや幸せなり
星の群 あくまで清く瞬きて微笑み
その輝き わが霊魂を刺して貫く
満天の迫りくる大宇宙の真珠たち
わが小宇宙の細胞たちと融合し喜ぶ
妖変自在に乱舞せしオーロラありて
われと踊りしや狂喜感涙に咽ぶなり
雑念妄想に われ煩うことなく
只々瞑目一心を念じて天機を促す
神よ われを導き良知を与え給え
われに安らぎと夢想を与え給えや
ああわれいま無の風となりはてて
ユーコンの天空を飛翔してやまず
遠くよりムースの鳴声 木霊して
優しく響ききて母の慈愛にひたる
ああわれいま悠久の営みにありて
感謝の祈りを捧げ 頭を垂れるや
目を閉ずれば ユーコンの風
爽にして われを天空に誘う
焚火あくまで煙く ただ棚引きて
こころの闇夜を照らして止まず
迫りくる偉大なるユーコンに
右往左往せしは 人生を観ず
ユーコンに人生を省みては
われ生き様の真なるを識る
ユーコンの流れ 遠きにありて
たえず本流を探して彷徨す
2007年9月16~27日 ユーコン川
<ジョンソンズ・クロッシング ➡カーマックス>
370㎞カヌー下り
Design by Sanehisa Goto
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<ユーコン讃歌 月と狼>
ああわれいまユーコン におりて
月光の流れ ユーコンに映りて驚嘆す
ユーコン両岸の樅の木 儀仗兵のごとく
一筋の絨毯に向かいて われを迎える
ユーコンの闇に生きる 命に囲まれて
月の光慕い 狼とともに遠吠えす
ああいまユーコン の静寂をまとい
われ愛語に舞いてオーロラと遊ぶ
カヌーでユーコン川(カナダ)を下ったときは、
漂流の楽しさ、見えざるグリズリー(熊)との食糧をめぐっての攻防、
凍でつく夜空でのオーロラの乱舞など冒険とロマンに満ちた旅であった。
ユーコン川カヌー下り370㎞ ユーコン川380㎞を下ったカナディアンカヌー
(強風を避けている姿勢)
<White Horse➡Dawson City>ルートマップ カヤック積載配置図
<関連ブログ>
shiganosato-goto.hatenablog.com
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■《ああわれいま ここヨルダンにおりて》
<ワディラム・月の谷に坐す>
天焦げて 色変わり
雲こたえ 歌い踊る
青天の空 蘇き返り
我いのち 輝き満つ
岩山黙し 陰に坐し
天と結び 瞑目せり
ああわれ 月の谷で
魂の再生 喜び涙す
ああいま 朝日拝し
われ消え 我に還る
ワディラム渓谷に顔を出した朝日
ペトラ・ヨルダン 2006/05/01 05:17am
Poem & Sketched by Sanehisa Goto
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■《ああわれいま ここ北アルプスにおりて》
<立山におりて>
ああわれらいまここ立山にありて
標高2450の室堂に集いて再会す
11面観音阿弥陀如来にいだかれて
そのこころに癒され青春に沸立つ
神と仏の化身なりしわが身を識り
極楽浄土を願いて立山にわれ没す
日常を脱し見失いし珠玉の心洗い
山を見よ花を見よ我を見つめよと
青き天空に突きだすその姿鎮座し
残雪に清き心を映して歓喜感涙す
吹き抜けし無なる風心地よく舞い
仲間なる一人一人に天地有情あり
この崇高の極みを与えし友ありて
西の地にて病身なる孤高をかこう
君の快復を祈りともに哄笑を願い
久住を約してその青春の瞳輝かす
ああわれらいまここ立山にありて
山の神立山権現の宇宙を飛翔せり
立山室堂 みくりが池温泉にて 「ピースボート81山の会」の仲間と共に
2015年7月21~23日
Poem & Sketched by Sanehisa Goto
立山連峰縦走中
<関連ブログ>Ⅰ~Ⅳ
shiganosato-goto.hatenablog.com
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■《ああわれいま ここ宇治天ケ瀬ダムの露営地 テントにおりて》
<闇に光ありて>
陽まさに落ちなんとす
野焼きの煙、わが体に絡みて
その咽びに命味わう
村に溶け込みし寺の瓦に
闇せまりきて、眠りをさそい
一杯の鬼ごろし、夢を語る
夜空に星なる花満ちて
闇に光をみるなり
ああわれいま天地にありて
幸せをかみしめるなり
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<般若湯に沈む>
般若湯はいりて、われを
心地よき酩酊の世界へといざなう
近在に犬の遠吠えきき、暗闇で小鳥騒ぐ
ここ曽束のかくれし村で
天地を抱きて眠るに
一夜の露営に歌ありて
今宵もまたこの星に眠りしや
ひとの命ここにあり
心地よく酔いて また 温もりあり
この小村にただよいしこの空気
われに絡まり われを抱きしめし
ああわれいまここ曽束に
天地の愛をかみしめつつ
陽は沈み われまた沈む
今宵もまたこの星に眠りしや
ひとの命ここにあり
般若湯とは、智恵のわきいずるお湯という意味を持った液体、日本酒である。
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<一畳の宇宙にわれおりて>
一畳の天蓋に ヘッドランプの輪
宇宙を照らし われを照らす
この一畳に宇宙のエキスありて
宇宙の真理に浸りおる
一畳の宇宙<天幕>にわが住ありしや
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<われ宇宙人なり>
夜空の黒天に
無数の地球ありて
星なるわれまた輝く
その命を仲間に託し
われを宇宙人と呼び
なんの憚りあるや (憚りーはばかり)
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<夜天 仰望>
夜天 霞みて
星の数 半減す
カシオペアの先に
北極星ありて
七つ星消え
その残像を探る
闇に隠れしわれ
わが友 闇に導かるる
ああ天を仰ぎ見てや
夜天にわれを見つけんと
われありてわれを喜び
その残像を探る
---------------
<光と共にありて>
この宇宙にありしを
歓びしわれおりて
この宇宙の響きに
心震わすわれあり
ああ 愛の高鳴り
わが魂をふるわす
われ眠りより覚め
この空間を飛翔す
このひとときに
わが命輝きて
飛翔を愉しむ我
光りと共にあり
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<共に歌いて>
漢詩を高吟するわれありて
小鳥たちまた唱和するに
闇破りて静寂に木霊す
われらに虫たちも加わり
宇宙の温かさを感じつつ
歓び抱きしめ共に合唱す
2015年7月23日自転車で瀬田川を下る旅
なかなか眠りにつけない。こころに踊ることばを書き綴ってみた。
どうも般若湯「鬼殺し」が、わが青春に火をつけたようだ。
星空に天の川をみつけては喜びの声をあげ、
闇のしじま(静寂)に獣の眼光を見つけては感動しているうちに、
半疊のテントに暖かき朝の光が満ちてきた。
野営の興奮冷めやらず、とうとう朝を迎えてしまったようだ。
至福の時間を過ごせたことにこころ満たされ、体にエネルギーを感じる。
力のみなぎりを感じる。
「わたしは力だ。 力の結晶だ」と中村天風師と唱和している自分がそこにあった。
瀬田川を下るサイクリング旅
天ヶ瀬ダム湖上流に架かる「曽束大橋」近くの「曽束運動公園」でテント泊
<関連ブログ>➀~⑤
shiganosato-goto.hatenablog.com
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■《ああわれいま ここ高島トレイルにおりて》
<高島トレイル・赤坂山に臥して>
ああわれいま 高島トレイル 赤坂山露営地にありて
無常の風に ツエルト(簡易テント)は 悲鳴をあげし
宇宙せまり来て わが仮の宿 ひかり輝けり
外にいずるに 琵琶の海 月光に浮かびて
長浜に発す湖東の灯火 夜の闇を色どりて美しき
天空にカシオペア座ならびて われを北へ導けり
満天の星たちにむかいて 鹿たちは歌いて恋し
風 その歌声にあわせて舞い踊り ツエルトと遊ぶ
ロープに吊るせし 熊除けの鈴 響きてすずし
わが魂にあふれ わがこころを満たしてこぼるる
ああわれいま この天地に恵まれて 幸せなり
2015年10月3日 高島トレイル縦走1日目露営地赤坂山北斜面露営地にて
ミヤンマー(旧ビルマ)・アラカン山脈にある白骨街道を慰霊縦走するための事前訓練中
高島トレイル縦走のビバーグ風景
(アラカン山脈・白骨街道 縦走訓練)
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<満天の星に祈る>
ああわれいま 大御影山におりて
天をあおぎ 満天の星に祈る
われ進むべきか 撤退すべきか
わが前に立ちふさがりし 案内なき尾根
なぜわれを受け付けようとしないのか
こつ然と消えし目印 そのわけを教えよ
もてる経験と知識を動員し
地図と磁石をさぐりて答えたり
この目印無き道こそ わが道なりと
われ決断し すすむべきと
高島トレイル縦走なくして阿羅漢なし
ああわれいま 白骨街道へ一歩踏み出すや
2015年10月5日高島トレイル縦走3日目早朝0:49am大御影山露営地の寝袋の中で書す。
<白骨街道>は、第2次大戦末期、日本軍は起死回生を願ってインド侵攻を試みたが、
連合軍の反撃による撤退路であり、餓鬼・マラリア等で壊滅、アラカン(阿羅漢)山脈
は死体で埋まった。
アラカン山脈<白骨街道>を背に、チンドウイン河畔で野営
(高島トレイルをアラカン山脈に見立てての縦走訓練を実施)
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<高島トレイル ここ桜峠におりて>
ああわれいま宇宙という闇夜に抱かれて、
眠りという別世界へ向かう
生のなかでこんなに至福な時間がほかにあるだろうか
深々と夜がふかまり
天上に妖精の星たちが愛を語り合い肩を寄せあう
ああわれいま生を謳歌し
次なる生をみるがごとく眠りに導かれゆくなり
2015年10月7日0時8分 高島トレイル桜峠露営地にて書す
高島トレイル縦走中 桜垰にて
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<高島トレイル 与助谷山露営地におりて>
ああわれいま 高島トレイル
与助谷山におりて
東風(こち)にあおられ
天幕おおいに猛りけり
闇夜にうかびし若狭の漁り火
ゆれに揺れ
山のシルエットにその踊り火
見え隠れするなり
山は動き 海は静まり
この美しき星に平和ありて
ああわれいま
般若湯を口にふくむ
深き眠りにつかんとし
心地よき血の流れを観ずるに
ああわれいま
わが生なるや わが聖なるや
2015年10月08日 高島トレイル縦走露営地与助谷山天幕にて 午前0時21分書す
高島トレイル縦走露営地与助谷山天幕にて
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<高島トレイル ・ナベクボ峠に露営す>
ああわれいま 滋賀・福井県境
ナベクボ峠におりて
中央分水嶺 高島トレイルの草に伏すなり
天空に霧の幕たれ
草木ぬれて冷ややかにして
この宇宙は闇の中に乳白色を呈す
風たえず 旋風(つむじ)乱舞に狂い
風に乗りて 濃霧の世界に沈みて
愉快なりや 愉快なりや
2015年10月09日午前4時12分 高島トレイル縦走路 ナベクボ峠露営地にて書す
濃霧の高島トレイルナベクボ峠露営地で
<関連ブログ>➀~⑮
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■《ああわれいま ここアラカン山脈白骨街道におりて》
<ああわれいま ここアラカン山脈にありて>
ああわれいま アラカン山脈におりて
マニプール河を見下ろして
多くの斃れし将兵を慰めんとす
酒 地深くしみわたり 白米その白きを没す
線香天高く昇りゆき 埋もれし兵士の
声となって天にとどく
鈴の音 軽やかにアラカンに木霊して
その涼しき音色に 英霊こころ癒すや
その魂 西風にのって祖国日本に帰らん
ああわれいま ここトンザンにおりて
阿羅漢の主と 共に眠らんとす
ああわれいま マニプール川を望みし
アラカン山脈のチン高地に伏しおりて
醜い戦いに散りしおおくの将兵と語りおる
突撃せし日本兵 迎え撃ちし英印軍兵
たがいの顔を突き合わせたる肉弾戦
アラカンの地に屍をさらし退路続きて
白骨街道 靖国街道といわしめし
無謀なるいや無意味なる戦いを命じられ
無念の涙流して命すてし兵の哀れをなげく
ここトンザンの夜天に輝きしオリオンの
70年の輝きをいまわれはみるなり
遠くに犬の遠吠えありて上弦の月に響く
われ静寂を破りし英霊の声をきくなり
ああわれいま 阿羅漢山脈 トンザンにおりて
わがこころに迫りくる宇宙の波 怨念の波動ありて
安らかに眠らんとする将兵の願い伝わりきし
静寂にその声たかまりて
わが背筋を伸ばして
線香の煙に 巡礼の鈴の音に ひとり舞うなり
この悠久の祈りに馳せ参ぜし将兵の御霊ありて
いまは彼我なく手をとりあいて
ともに神の子たるを喜びおりし
(2016年1月19日 0:38 阿羅漢山脈トンザン露営地 テントに臥しながら)
インパール作戦後「白骨街道」と化したアラカン山脈とチンドイン川
Poem & Sketched by Sanehisa Goto
アラカン山脈<白骨街道>縦走中
アラカン山脈縦走中 トンザン付近の露営地にて
アラカン山脈のテント泊にて、英霊との交わりを持つ
アラカン山脈<白骨街道>トンザンの夕暮れ
Sketched by Sanehisa Goto
(アラカン山脈トンザン路にて)
インパール作戦路縦走のルート図
白骨街道の赤土にアラカン山脈の野草を添えた俳句二点
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<ああわれいま ここチン高地におりて>
ああわれいま 雲海に顔を出したる
チン州ハカに立ちて 忘却の中にあり
乳白色の雲あつく 濃い赤の屋根
いままさに眠りからさめ 天地と共に
悠久のいとなみが高地にやどりきて
息白くして 指の紫色に変わりゆく寒のなか
天空の街をながめてうれしや
モルゲンロートに染まりゆく
アラカンの雲海や峰々の色彩を染め上げおる
ああわれいま このチン高地ハカにおりて
心眼あらいて聖なるや
2016年2月2日 アラカン山脈 チン高地 ハカのゲスト・ハウスにて
アラカン山脈チン高地の山並み(ケネディーピーク1560mより)
チン高地ハカからの雲海
Sketched by Sanehisa Goto
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<ああわれいま バカンにおりて>
ああわれいまバカンの地におりて
いままさにここビルマに陽あがらんとす
小鳥さえずり 樹々の静なるつぶやきや
こころの耳に届きて 寂なること仏の如し
聖なるパゴダに あたたかき光とどきて
その美しきこと天女の舞をみるが如し
ああわれいま 赤き地のバガンにおりて
散華せし多くの将兵に会いまみえるは
まさにわが交わりにして 切なる祈りなり
安らかに眠りたまえと手をあわせ 瞑目す
<関連ブログ>➀~⑱
shiganosato-goto.hatenablog.com
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■ 《ああわれいま ここ熊野古道におりて》
「 ああわれいま熊野古道中辺路にありて」
ああわれいま 熊野古道中辺路におりて
天と語り 地と語り わが内なる人と語る
わが心をみつめるに 深く息を吸いて吐き
大宇宙われに満ち 大自然にわれを帰す
生きるとは 日常を繰り返すことにありて
生かされるとは 天に従いその教えを乞う事なり
ああわれいま 神に見守られ中辺路を歩き
熊野の鼓動にあわせ わが歩み確かなり
ああわれいま
木漏れ陽なる天使の階段(はしご)を駈け上がるや
2015年8月23日 熊野古道 中辺路 露営地「80大門王子」にて
熊野古道中辺路縦走中<70出立王子➡ 95祓戸王子/熊野本宮大社>
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カワビラ川のせせらぎにこころ奪われ
温かき母の胸に抱かれおるをよろこぶ
山鳩 陽沈みゆくを見送りて 鳴くも悲しき
暮れゆく山麓 山の香に包まれ 静寂に落ち
薄れゆきて 小辺路に帳(とばり)落ちなん
いにしえの旅人 願いを背負いて行くは
わが世の尽きし 暮を眺むるがごとし
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<ああわれいま小辺路におりて Ⅱ>
ああわれいま 小辺路 大股の露営地にて
カワビラ川のせせらぎにこころ奪われ
温かき母の胸に抱かれおるをよろこぶ
山鳩 陽沈むを見送りて 悲しく鳴くは
暮れゆく山麓の 山の香に包まれるに
静かに薄れゆきて小辺路に帳落ちなん
いにしえの旅人 願いを背負いて行くは
世の尽きし 暮からの解放を見るが如し
2019年5月31日~6月2日 熊野古道・小辺路縦走<高野山➡熊野本宮>
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《ツエルトの 顔出し招く 夏星座》
―つえるとの かおだしまねく なつせいざ―
《鶯の 鳴きて招きし 小辺路かな》
―うぐいすの なきてまねきし こへじかな―
《山百合の 果無峠 無の風や》
―やまゆりの はてなしとうげ むのかぜやー
《浮世見る 小辺路の村や 田植えかな》
―うきよみる こへじのむらや たうえかな―
《茶屋跡に 熊野詣の 草餅や》
―ちゃやあとに くまのもうでの くさもちや―
《ありがたや 観音手招き 夏清水》
―ありがたや かんのんてまねき なつしみず―
《蟻たちに 噛まれて熊野 夏露営》
―ありたちに かまれてくまの なつろえい―
《峰重ね 霞む水墨 小辺路かな》
―みねかさね かすむすいぼく こへじかな―
《背負っ子 背負われてや 夏小辺路》
―せおいっこ せおわれてや なつこへじ―
《一輪の 野挿し嬉しや 百合地蔵》
―いちりんの のざしうれしや ゆりじぞう―
《八咫烏 老いて熊野路 蝉時雨》
ーやたがらす おいてくまのじ せみしぐれー
■ 熊野古道<奥掛け>➀~②
■《ああわれいま ここフイリッピン戦跡におりて》
<一灯霊魂>
ああわれいま 戦没者の灯明の前におりて
先達の純真なる誠にこころ洗わる
われいま この灯明に頭たれ
悠久に生きるもののふ(武士)の哀れを識る
ああいま君ら 安らかな眠りにありて
われわれを守りたまふを こころして謝す
本土防衛のためフィリッピンの第一線で散った最初期の神風特攻隊員達
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<コレヒドールに散華せし大先達にささぐ>
ああわれいま コレヒドールにおりて
椰子の木陰に 涼をもとめし
70年の月日去り 今なお傷は癒えず
壕にこもりて 息をひそめ
猛攻に散りし 6千数百の御霊
海風に乗りて その霊をいやす
ささげし漢詩 吟じて唱和す
草木に宿りし魂 いまだ健在なり
ああわれいま その血の同胞に
誇りと真誠を授かるなり
君らよ 安んじて眠りたまえ
2015年2月28日フィリッピン・ルソン島・コレヒドール戦跡にて
マニラ陥落時の<I shall return>の約束を果たして
ルソン島上陸を果たすマッカ―サ元帥
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<サマール島に上陸せんとす>
白波けりわけて フェリー巨体をゆすり
海道をつけて 悲しき戦跡に近づけり
天裂けて 陽光を照らししめるに
サマール島 また天衣をまといし
ああわれいま サンベルナルジノ海峡を
渡りて サマール島に上陸せんとす
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<サンベルナルジ海峡におりて>
最後の日本帝国海軍連合艦隊たる栗田艦隊の
通峡せる幻の雄姿をみるなり
戦局不利のなか フィリピン防衛のため
また 集結せし米国艦隊を壊滅させんがため
その任にありしは 日本艦隊最後の出撃の姿なり
制空権奪われ 灯火を消しての闇夜の渡峡
若き海軍将兵はいかなる光明を求めしか
ああわれいま 彼らの心情を察するに
熱帯の深き暗闇に帝国海軍の悲しき叫びを聴くなり
マニラをでると、ルシアナ、ナガ、レガスピを経由しルソン島最南端Matnog港に
深夜2:00am頃に着く。
ここルソン島南端Matnog港から5:42amフェリーに乗換え、
サンベルナルジノ海峡を渡りサマール島Allen港に6:45am入港、
約1時間の乗船時間であった。
サンベルナルジノ海峡を渡る
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<ああわれいま 栗田艦隊の幻の雄姿をみる>
栗田艦隊暁に出航し 濃紺の波を打ちけりて
整然とサンベルナルジ海峡を突き抜けんとす
今日もまた波高く強風ありて 敵艦もとめし
海男なる武士(もののふ)の意気を感ずるなり
レイテ沖海戦<栗田艦隊航跡>
1944年10月24日深夜半に栗田艦隊が通峡した海峡である
視界の効かない夜に軽巡洋艦「能代」を先頭とした短縦陣で20隻以上の艦が
通過することは航海の上から見ても艦位の把握などに
大変に慎重さを求められるものであったが、
艦隊は闇に乗じて
1時間かけて25日0時30分に通過したと戦史にある。
栗田艦隊所属の<戦艦 武蔵>65000トンは、米軍の魚雷と空爆により
フィリピン・シブヤン海で
1994年10月25日19:35pmに沈没したことは有名である。
<戦艦 武蔵>65000トン
フィリピン・シブヤン海で沈む
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<スリガオ海峡を渡る>
ああわれいま スリガオ海峡におりて
漆黒の天空は星座で満ちおる
不思議なるや 南十字星に出会いて
北の半球で 輝きをわれに送るなり
遠く陸にまばたきし燈火あり
亡き兵士たちの御霊を見るが如し
ああわれいま 涼風に誘われ
レイテよりミンダナオに渡らんとす
2015年3月11日19時08分レイテ島最南端Liloan港に到着。
ここよりフェリーでスリガオ海峡を約3時間でわたり、
ミンダナオ島の北端のSurigao港経由ダバオに向かった。
スリガオ海峡
Poem & Sketched by Sanehisa Goto
<レイテ島よりミンダナオ島にかかる北斗七星と北極星を鑑賞> フイリッピン縦断時 タクロバン港よりミンダナオ島を望む
2015/03/11 01:07am
フィリッピン2500km縦断中
<関連ブログ> フィリッピン縦断➀~⑤
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■《ああわれいま ここ潜伏キリシタンの里におりて》
<われを憐れむ>
ああわれいま 迫害の地に
外海の断崖の上に露営せり
暗闇深く 海風吹き寄せては
テントをゆすり 眠ること能わず
遠くに一条の光 風に揺れ
近くに秋虫の大合唱を聴きし
わがこころ響きて安けきありて
信仰篤きキリシタンの魂と和す
眼を閉ずれば 迫害 拷問の嵐
人をおとしめる声 諌める声々
それぞれの苦悶の声風に乗り
灯に揺れ 人の心を揺するなり
ああわれいま 風に向かいて
灯に向かいて 神に向かいて
なお見失いしわれを憐れむなり
ああわれ外海にて眠りて眠らず
2018年9月9日 <潜伏キリシタンの里探訪 自転車の旅630km>
― 外海・擢坂岩公園設営のテントにてー
<外海(そとめ)の夕陽>
隠れキリシタンの里サイクリング 630km
長崎港にて 生月島沖の聖地・中江の島をバックに
―雨の多かった<隠れキリシタンの里>サイクリング 630km―
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<人間とは不思議なものだ>
面白いものだ
思い描くだけで風になり
花のこころにもなり
落ち葉の心境にもなれる
苦しい時も
楽しいと考える力があり
出来の悪い子だと言われながらも
何か一つ取り柄が備わっている
賢いだけが、
綺麗だけが、
不幸だけが
人間の世界でないのが実に面白い
心の持ち方、
考え方一つで
どんな状況にでも、どんな方向にも
おのれをコントロールできる
人間は
そんなこころの生き物として
神は創造されたのだろう
愉快である
西海橋を見下ろす東屋に座り、大村港からの潮風に吹かれながら、
キリシタンの迫害をおもう。
人間とは不思議なものだ。 迫害するのも人間だからである。
神はなぜ人間という生き物を創造したのだろうか。
神は人間に何を求めているのだろうか
人間はどのように応えたらいいのだろうか
2018年9月11日 深夜2:18am <潜伏キリシタンの里探訪 自転車の旅630km>
隠れキリシタンの里サイクリング 630km
西平椿公園 原城址・浦田漁港 平戸・田平漁港 五島列島・福江港
<隠れキリシタンの里サイクリング630km 主なる野営地>
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<ああわれいま 生月の島に臥して>
漆黒のキャンバスに 大橋の点滅灯 機械的に光りてや
生月の海の風生暖かく 大粒の雨間断なく大地を打つ
暗闇に叫ぶ虫たち 海鳴りと重なりてオラショを唱えし
弾圧にあえてキリシタンを憐れむが如き 重き音に聴こゆ
ああわれいま 生月の島におりて 幾多の苦難を乗越えて
殉教を選びし 御霊に語りかけてや その清き道をうらやむ
いまわれわれは 何にすがりて 魂の安寧を求めしかや
この重く垂れこめし雨雲に 何を学び取り 教わるべきか
ああわれいま生月におりて 人間の小さきを知りて祈るや
2018年9月14日 02:30AM <星の巡礼・潜伏キリシタンの里 自転車の旅630km>
<平戸の夕陽>
隠れキリシタンの里サイクリング 630km
踏み絵 柱に隠されたメダイ 鬼瓦の十字架
<関連ブログ>潜伏キリシタンの里探訪 自転車巡礼 日記― 2~29
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■《ああわれいま ここびわ湖岸におりて》
ー恒例ビワイチ・サイクリングー
ああわれいま びわ湖岸日野におりて
暗闇に燦々と照りし冷月のもと
おのれを無となし 月を讃える
無数の星高らかに 賛美の歌うたい
静けき夜空に木霊して われを包みしや
おのれを無となし 星と戯むる
月輝りまして 星その姿を隠し
テントもまた 寒のなかに埋没するや
おのれを無となし 月光を楽しむ
ああわれいま 夜陰に安土の城仰ぎ
その秀麗にして 優美なるシルエット仰ぎ
おのれを無となし その主と語るや
2019年2月17日 びわ湖一周老人自転車ひとり旅 湖岸緑地 岡山園地 露営地にて
湖岸緑地 岡山園地にて露営
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<ああわれいま湖北に臥して>
ああわれいま 湖北大浦浜の荒波来るを聴き
寝袋に臥して 闇を感じつ静かに目を閉じるに
波 荒磯にぶちあたりて われ轟音に怯える
激しき雨 強風に重なりて東屋の茅茨をたたき
テントしなりて わが体をも圧して恫喝をなす
ああわれいま 寝袋に潜りて懐炉を握るや
(茅茨―ぼうし:屋根)
西浅井 大浦浜公園 東屋での露営にて
2019年2月19日 びわ湖一周老人自転車ひとり旅
大雨のため、寝袋に潜りっこんでの読書はいいものだ。
ロシア作家・ドストエフスキー著「貧しき人々」を読み終える。
誰でも一度はかみしめたであろう、ほろ苦い恋の味。
愛する人に迷惑をかけたくないと行動する
体弱き乙女ワーレンカと善良な小官吏マカールの不幸な恋の物語である。
時間を忘れて読書に没頭、雨音に夕暮れを気づかされたほどである。
空腹を覚える。
チョコレートをかじり、赤ワインをなめ、
湖の波の音、風の音を聴きながら、
テントのなかに広がり始めた闇の中で目を閉じた。
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ああわれいま びわ湖岸日野におりて
暗闇に燦々と照りし冷月のもと
おのれを無となし 月を讃える
無数の星高らかに 賛美の歌うたい
静けき夜空に木霊して われを包みしや
おのれを無となし 星と戯むる
月照りまして 星その姿を隠し
テントもまた 寒のなかに埋没するや
おのれを無となし 月光を楽しむ
ああわれいま 夜陰に安土の城仰ぎ
その秀麗にして 優美なるシルエット仰ぎ
おのれを無となし その主と語るや
2019/2/18 びわ湖一周耐寒サイクリングの途上
湖岸緑地・岡山園地にて露営
<関連ブログ>
■ ビワイチ<若き友を偲んでー 吉村和馬君>
■《ビワイチに誘いて》山を愛した東山元子さんと雪帽子の比良の峰々
■ビワイチ<ウクライナにエールをおくる>
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■《ああわれいま ここ中山道を歩きて》
同志社ローバースカウト創立50周年記念<中山道てくてくラリー>
<浅間山再会>
ああわれいま、地球星、浅間山の車坂峠登山口におりて
同志社ローバースカウト創立50年記念『中山道てくてくラリー』の途次
霧雨煙る浅間山を温泉旅館『ゆうすげ』よりながめおりて
いつか君との再会を夢見しが、その機会をいま与えられ嬉しく思う
ああわれいま地球星浅間山麓にありて
老松よりしたたる雨滴音に心を傾けつつ
宇宙の温もりを感じて幸せをかみしめるなり
懐中電灯のあわい光、いのちのごとくひかりて
われを照らしわれを興奮せしむるなり
降り落ちる雨滴の叫び声
この全宇宙に響き渡りてわがこころを満たしおる
これまたわが人生のひと時と想いしとき
生かされし幸せをかみしめて感謝するなり
いままさに、われ浅間山と一体となりて爆発し
その噴煙となりてわれ宇宙に飛び出さんとす
ああわれいま宇宙となりて幸せをかみしめるなり
同志社ローバースカウト創立50周年記念<中山道てくてくラリー>
中山道徒歩旅行 望月宿 笠取峠露営地にて 2011/4/21
望月宿㉕「木曽街道六十九次・望月」
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<千手観音堂 一刻院に臥す>
三留野(みどの)宿 千体観音堂 一刻院に 一心を托しおる
坐して 瞑目するに 時止まりて
われまた 即身成仏の一体となるを観ずる
千体観世音の心音 宇宙に歌いて わが命と融合してやむことなし
闇に浮かびし 御堂の姿に 大いなる神のお姿を覚ゆ
神、その創世記にありて創られしこの世を想うに
嗚呼 われいま 神の愛を識りて 頭(こうべ)を垂れし
遠きにありて 神々の賛美の歌声あり
近くにありて 観世音のマントラを聴く
嗚呼 われいま わが身を捧げてや
われ無し坐するわが姿をながめてや われを捨つるなり
嗚呼 われいまここに 至福をえて真なり
2011年5月6日 中山道徒歩旅行 三留野宿(みどのしゅく)にて
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<無の風と遊びて>
陽光全身を包み 空の彼方へ我を誘う
草息 我に風の衣を着せて喜ぶ
時 われを誘い 時 われと戯る
時の流れに身を沈 時の中で躍るなり
われ天地にありて ひとの生き様を識り
命を芽吹き 命を捨つるに ひとの尊さを観るなり
けふも無の風に遊びたい
同志社ローバースカウト創立50周年記念事業<中山道てくてくラリー>
2011年5月11日 中山道中津川宿にて
同志社ローバースカウト創立50周年記念<中山道てくてくラリー> 中津川宿にて
中山道徒歩旅行踏破隊員
弥次さん(後藤60生) 喜多さん(田中祥介79生)
<関連ブログ>「中山道徒歩旅行550㎞」Ⅰ Ⅱ Ⅲ
shiganosato-goto.hatenablog.com
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■《ああわれいま ここ鈴鹿山脈縦走路におりて》
<山鳴りの鈴鹿山脈縦走に酔う>
ああわれいま 鈴鹿の山稜におりて
神風に踊りし 山鳴りに怯える
山の神怒りしか ほろ酔いて吠えしか
轟音近づきて 悲しき声を残して去る
何を怒り なにを求めての 山鳴りか
ああわれ鈴鹿の山稜におりて
寝袋に沈みて 山の咆哮を聴くなり
鈴鹿山脈縦走・ロングトレッキングの露営にて
蛭(ヤマビル)に噛まれながらの鈴鹿山脈縦走・老人の牛歩トレッキング
<水晶岳麓 中峠露営地にて2018/4/15 23:15>
鈴鹿山脈縦走 御池岳登頂 (1241m 日本300名山)
shiganosato-goto.hatenablog.com
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■ 《ああわれいま ここカミーノデサンチャゴにおりて》
<魂こそ神の贈り物である>
自然の営みは神の語りかけである
今宵も流れ星を眺めながらの野宿を楽しんだ
わたしは流れ星との出会いの一瞬が大好きである
その流れ星に乗って宇宙を旅してきたと思うだけで
わたしはいつの間にか流れ星になって悠久なる夜空の
ひとつの星になっているのだ
わたしはいつも思うのだが
わたしはいまでも自分がある星からやってきた
生命体であると思っている
世間でいう宇宙人・異星人なのである
と思うと愉快ではないか
地球人という人間はみなほかの星からやってきた集合体である
きみも間違いなく異星人なのだ
魂を授かった者は 与えられた命に忠実に生きるのだ
「あなたの命はどこからきたの?」
コウノトリが運んできた という昔の人はロマンがあった
流れ星に夢と命と魂が詰まっていると思うのもロマンである
今朝も東から太陽が顔をだし、月が姿を消していく
ああ、なんと偉大な営みであろう
その営みに参加させてもらっているのだと思うと
魂の震えがとまらない
魂こそ神の贈り物である
2003年8月18日 ポンフェラーダ・スペイン
カミーノ・デ・サンチャゴ巡礼路 850km途上
流れ星は、サンチャゴ・デ・コンポステーラへと導いてくれた
気温42℃、ほとんど裸で駆け抜けたカミーノ・デ・サンチャゴ巡礼路
カミーノデサンチャゴ巡礼路 自転車走破85KM
ルート図
カミーノ・デ・サンチャゴ巡礼路850KM スタート
カミーノ・デ・サンチャゴ<巡礼手帳>
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<ああわれいま カミーノデサンチャゴにおりて>
川柳日記
野に伏して 仰ぎ星みる カミーノや
生きること 神の教えを 識ることぞ
土におふ この温もりや 神の肌
神慕う 子たち多き この星に
ピレネーの 湧きいでし水 甘露かな
カミーノや 息吹きかけし いのち道
白き雲 われ導きて こころ旅
サンチャゴの 見えぬ力に 身をまかせ
無のこころ 己見つめる 息づかい
祈りこそ 愛語ありてや こころ歌
風ひとつ ほほに触るるや 神の愛
石畳み ひとの祈りを 聴きおりて
闇のなか 光るホタテや 巡礼路
ピレネーを 神と駆けし ふたり旅
影うつす 巡礼路や 夏帽子
夜道をや 裸で漕ぎし 巡礼路
杖つきて 神にすがりし 巡礼者
苦痛さえ このひと漕ぎや 神の汗
道すがら 影重なりし 神とわれ
いまの苦は いつかは楽に 変わりけり
カミーノで 死んでも生きる 教え知り
巡礼の 弾む鈴音 神の声
笑顔にて 「ウルトレーヤ」 神の声
アルベルゲ アメジングレイス 木魂する (アルベルゲ=巡礼宿)
村通過 スタンプ嬉し 恵比須顔 (スタンプ=巡礼通過印)
腹空けば チキンラーメン かじりしや
聖堂に 立てたる杖も 祈りおり
アルベルゲ 疲れ伏してや 夏の夢
ホタテ貝 見つけて嬉し 巡礼路
巡礼路 身を焦がしてや ペダル踏み
巡礼者 抜かれ追い抜き 同志顔
カミーノの 銀河鉄道 こころ旅
シンボルマーク<ホタテ貝>
走りぬき 神と乾杯 歓喜酒
魂の 終わりなき旅(路) あの世まで
聖堂の 陰に夕日や 崩れ落ち
聖地踏む 魂ここに 咲き誇り
悠久の カミーノにわれ 神と立ち
巡礼を 終えて満ちなん 我こころ
夢叶い こころは神に 近きかな
髭面や コンポステーラ 抱き合いて
<カミーノ・デ・サンチャゴ巡礼路 結願証書> サンチャゴ到着のワイルドローバーⅠ世号
姉妹巡礼路<SANTIAGO-KUMANO>結願証明書
帆立貝をリュックに結ぶ カミーノ・デ・サンチャゴ巡礼路はホタテ貝のシンボルマークに導かれる
<関連ブログ>「カミーノ・デ・サンチャゴ自転車巡礼800㎞」①~⑫
shiganosato-goto.hatenablog.com
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■《ああわれいま ここ六甲縦走路も天幕に臥して》
ああわれいま 鵯越え「一ノ谷の合戦」跡に臥し
神戸須磨にありて 源平合戦の史跡にして
義経軍が平家陣地を襲いし地に 露営せし
息ひそめ 獣道なりし鵯(ひよどり)を越えし
義経の勇姿を この地の野に伏して思い描くとき
おなじく歴史の営みの中にいる身 引き締まりし
ああわれいま 歴史のロマンに夢を託して
露営の目覚めから ここ鵯越で朝をむかえしは
義経の卓越せし智略を知りて 歴史を覚ゆ
2017年3月12日『六甲全山縦走のんびり2泊3日のトレッキング』
第1日目露営地 : 鵯越え「一ノ谷合戦」跡に伏して
「一ノ谷の合戦」は、平安時代の末期の治承8年(1184)2月7日に須磨で行われた
戦いであり、源平の合戦における戦いの一つである。.義経が70騎を率い、一ノ谷の
舘を馬で出て、ここ険阻な一の谷の背後にある鵯越(ひよどりごえ)から攻撃を仕掛
けるにあたって、人馬が越えられるかと猟師に尋ねたという。.猟師が「鵯越は到底人馬
は越えることのできぬ難路である」と説明すると、義経は「鹿はこの道を越えるか」と
問い、猟師が「冬を挟んで餌場を求め鹿が往復する」と答えると、義経は鵯越えを戦略
に取り入れたという。
鵯越え<一の谷公園>でのビバーグ ひよどり(鵯)道
<鵯越え/逆落とし「一ノ谷合戦」跡で野宿>
六甲全山縦走2泊3日のルート図
<関連ブログ>「六甲全山縦走」Ⅰ~Ⅶ
shiganosato-goto.hatenablog.com
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■《ああわれいま ここモンゴル平原におりて》
<ああわれいまゴビ砂漠におりて>
不毛の砂漠にも生き物はいる
ガタガタと羽をこすりあわせ
大きな音をだすバッタたちが飛び交い
まばらに生える背の低い草たちも
素敵な花を咲かせている
夕日がぼくの長い影をゴビの大地に描き出し
遠く大地に溶け入りそうに
ゴビに横たわっているゴビ・ゴルバン・サイハン山脈が
夕日に浮かぶ
時として地平線上に浮かぶ蜃気楼の島々
自然の織りなす動画や、アートに釘付けになり
一陣の風にさえ体、こころが浮き立つ
少年時代より
ゴビの遊牧民の栄養源である
馬頭乳の熟成のように
モンゴルへの夢を温めてきた
溶け行く地平線をみながら
闇のゴビ砂漠で夜空を眺めたいと
蒙古馬や
駱駝、羊たちの生き物を育んできた
モンゴルの大地で寝てみたい
モンゴルの天地に満ちた
清浄なる空気にひたり、
大草原の風に舞ってみたい
チンギス・ハーンに率いられた
栄光に輝く蒙古騎馬軍団の
荒々しい風土に接してみたい
モンゴル騎馬戦士の都である
カラコルム(現ハラホリン)に立ち
元寇を考えてみたい
モンゴル・ソ連軍と
戦ったノモハンに触れてみたい・・・
チンギスハーンの
源義経の生まれ変わりという
志賀の里での夢想は
すでにここモンゴルの地を駆け巡っていた
2017年7月 ゴビ砂漠の天幕にて綴る
ゴビ砂漠で弥栄を叫ぶ
念願のゴビ砂漠で露営した
モンゴル紀行地図
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<ゴビ砂漠でテントを張る>
ゴビ砂漠に到着した
N43‘35’33‘72(北緯) / E 104’24‘27’19(東経)
がゴビ砂漠での露営地の仮住所なり
ここは標高1455m
大気圧は現在845hpaなり
風向き、星空観察などの条件に合うようにテントの位置をきめ
愛用のモンベル一人用テントを張る
砂塵の侵入をふせぐため
グラウンドシートを二重に敷き
四隅に砂嚢(強風対策として袋に砂をつめた重し)
を置きし
夢にまで見たゴビ砂漠に設営した
ああわれいまゴビ砂漠におり
午後10時30分、夕日が斜めにさし、砂漠を朧に包み込みつつある。
夕日の染まる大空に白雲浮かびて、遠くの山並みはモルゲンロート現象に赤く染まり
ここゴビ砂漠は、幽玄の世界のはじまりである。
ゴビには山脈があることはすでに述べた。 砂丘もほとんどない、常識的な砂漠ではない
ゴビ砂漠は、夜に近づくにしたがって風が強くなり、日が沈むと昼の灼熱が一転、気温も急降下する。
深夜、体は震え、ダウンを着込み、たまらず蝋燭の火で暖をとった。
ゴビ砂漠の暮れゆく夕焼け
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<ゴビの詩>
ゴビの砂漠に沈む夕陽
茜色に染まりて 一片の雲を残す
待宵月(まつよいづき)に寄り添いて
変化自在の地平にとける
影なる羊 鳴き声残し
風に漂いて 砂漠に消えゆく
ああわれいまゴビにおりて
乾きし大地を 泪濡らしおる
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<ゴビ砂漠での露営を歌う>
テントを張るに 幾度も強風に飛ばされ
日が沈むと風ますます強まり 寒さ襲いくる
深夜の強風 テントをゆがめ
その風の歌 高鳴りし
遠くブリザートなる騒音
胸騒がせて耳を澄ます
暁 気温さらに下がりて
重ね着するも寒さあり
朝方、さらなる強風にテント傾き
体転びて驚く
日の出とともに かすかに熱風はこび来て
熱砂の砂漠 今日も又戻りくるが、いまだ眠し
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<ゴビ砂漠の星と遊ぶ>
夜半起き出でて 満天の星座を観賞す
北天を見るに 地平線近き左に逆さ北斗七星
右にカシオペア座ありて われに微笑む
普遍なる、皇帝の如し北極星 輝きて鎮座し
強風にわれ揺れ 星たちの姿定まらずして
星たちも踊りて 大気の揺れにとどまらず
女神なる明けの明星 04:40 東方に確認す
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<モンゴル縦断>
蒙古 緑なる絨毯に包まれ その懐深くして
人間はこの大地にあって ちっぽけに見える
見よ 大草原の丘の曲線に沈む太陽よ
あとに続く夜空に 輝きし悠久なる星たちよ
嗚呼 蒙古はなんと幻想的な国だろうか
ビバー モンゴリア
モンゴル大平原を染める緑の絨毯がどこまでも続く
内モンゴルのパオ村
モンゴル・ゴビ砂漠を行く
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<オルホン川畔に露営せし>
モンゴル帝国を支えた水がめにして
悠久の流れは変わらず現在を流るる
チンギス・ハーンという英雄の夢乗せて
その流れは北海へと流れゆく
オルホン川の水に手をひたしおるに
水の精、わが魂に宿りきて満つるなり
ああわれいま、オルホン川畔におりて
モンゴル帝国の戦士と会いまみえしや
モンゴル帝国の歴史と共に流れるオルホン川にて露営
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<モンゴル 風の詩>
風いづこより来りて
帝国、疾風怒涛の如し
小鳥の囀り風に舞い
チンギス静寂に遊ぶ
騎馬武者に燃えし太陽
栄光を放ちて沈黙す
後裔たち雲に祈りて
白骨なる骸を捧ぐる
ああわれ今帝都におりて
繚乱たる歴史に沈む
モンゴル大帝国の騎馬軍団 (ウランバードルの壁画より)
<関連ブログ> 「モンゴル紀行」1~14
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■《ああわれ ここ鯖街道を縦走する》
後藤實久作 《酔月酒》 漢詩五言絶句
月下初冬凛 凛として 月下の初冬 りんとして げっかのしょとう
独酌美酒酔 独り酌み 美酒に酔ふ ひとりくみ びしゅうによふ
濡頬落流星 落ち来る 流星頬濡し おちくるりゅうせい ほほぬらし
了鯖道共仏 仏と共に 鯖街道了る ほとけとともに さばかい
2019年9月3日 東鯖街道踏破の途次、
花脊峠のテントの中から、満月のもと漢詩五言絶句《酔月酒》詠んだ。
満月を愛でつつ 鯖街道踏破を祝う
志賀の里 弧庵にて
<亡き同志との同行三人>
今回は、同志社ローバースカウト仲間二人・故 桂茂樹君(72年度生)と、故 田中祥介君(79年度生)との
遺影を携え、日本海若狭・小浜より陸路、針畑峠を越え<鯖街道>を都のあった京まで歩いた。
この鯖街道縦走中(出発した翌日9月1日)に、桂茂樹君を偲ぶ会がもたれ、多くの同志仲間が
京都平安ホテルに集まり、孤高を愛した同君を賑やかに見送ったという報を帰宅してからもらった。
出発前に偲ぶ会幹事に届けた短歌を載せて、同君への哀悼の言葉としたい。
《旅路終え 遥けき天へ 往く君の 残せし陰に かおり遺すや》
―たびじおえ はるけきてんへ ゆくきみの のこせしがげに かおりのこすや―
《永遠の スカウト誓い なりし君 溢れし命 喜び満つらん》
―とこしえの すかうとちかい なりしきみ あふれしいのち よろこびみつらん―
故 桂茂樹君(72年度生)
また7年前(2011)、同志社ローバースカウト創立50年を記念して共に歩いた<中山道てくてくラリー>の
相棒・喜多さんこと田中祥介君の一周忌がやってくる。
今回も彼の写真を携えて一緒に歩かせてもらった。
故 田中祥介君(79年度生)
《君背負い 越えし峠や 鯖街道 見果てぬ君の 夢を求めて》
―きみせおい こえしとうげや さばかいど みはてぬきみの ゆめをもとめてー
《ふるさとの 田原に眠る 君なれど 日々忙しや 天にありても》
―ふるさとの たはらにねむる きみなれど ひびいそがしや てんにありともー
ビバーグ(簡易テント)露営 鯖街道縦走中(根来坂を登る)
同行三人の鯖街道縦走オグロ坂峠通過記念を写真に残す
2019年9月初め、<東の鯖街道76㎞>を3泊4日という老人ペースで歩き切り、
最終地である京都出町柳近くの升形商店街に無事到着した・・・
亡き友二人の声援に支えられて、共に踏破できたことを喜んでいる。
また老体を最後まで見守って下さった神に感謝したい。
針畑越え鯖街道縦走ルート(緑ライン)
スタート< 小浜いづみ商店街> ゴール<京都市出町柳枡形商店街>
針畑越え鯖街道縦走路
<関連ブログ> 「鯖街道<針畑越えルート>縦走日記」➀~④
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■《ああわれいま ここ比叡比良大縦走路に臥して》
< 野に臥して>
山 そこは原始にもどれる故郷があり
生き抜くために 野生に返る
こころも魂も 自然にかえり
五感を研ぎ澄ませ 天道に従う
獣道に導かれ 野に臥して
星座を仰ぎ 野の人となる
ああわれいま 比叡比良におりて
満ち足りしのち 宇宙に溶けゆく
比叡比良大縦走
蛇谷ケ峰 901m の朝焼けに向かって愛を叫ぶ
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<流れ星>
漆黒の闇に浮かび上がる
木々のシルエット踊りて
獣の遠吠え 虫たちの大合唱に
アメージング・グレースを唱和す
流れ星の優雅な一瞬の軌跡に
歓びのさざなみ心に響きしや
ああわれいま比良におりて
神のみもとにあるを喜ぶ
<比叡比良トレイル大縦走>
蓬莱山に張ったテントから眺めるびわ湖大橋方面の夜景は最高である
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<鹿と星>
鹿の長(おさ)だろうか
立派な角をもった雄鹿が
野に臥している聖なる露営地に
見回りをかねて挨拶にやってきた
いや許可なしの不審者をたしなめるごとく
脚を蹴りけり短い奇声を発している
こちらも口笛や鳴き声をまねて
「ごめんごめん無断で野宿しごめん」と
一宿の許可を求める
彼は短い奇声を発しながら
二時間ちかく侵入者を観察しつづける
うとうとしているうちに
許してくれたのかその姿は消えていた
そして闇夜は星の妖精で満ちている
真上に北極星がその優雅な姿を見せ
北斗七星が下から北極星を支え
右上からカシオペア座が見下ろしている
寝袋カバーをすっぽりかぶり
ぼくはツエルトの穴から星空を見上げる
流れ星が走った
この広い宇宙の片隅から
ぼくもいつかこの星から流れ出て
ながい旅をおえ僕の星に帰る
その時が近いようだ
比叡比良大縦走<ビバーグ>
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《 ああわれいま 蛇谷ケ峰におりて 》
ああわれいま 蛇谷ケ峰おりて
山頂に臥し 星迫りくる天を仰ぎ見るに
満天の星たち 輝きにあわせて合唱す
その輝きや この臥せし床を照らし
波動のエネルギー われを圧倒するに
高島 朽木の灯火とあわせて高唱す
ああわれいま 苔むすベットに仰向けに臥し
丸き山頂 宇宙の臍におるを認め
闇夜に抱かれて 星観察を楽しむなり
奥比良・蛇谷ケ峰902mにて 2021年10月8日22:46
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<比叡比良大縦走トレイル>
パノラマスケッチ
➀ ② ➂ ④
➀ ②
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➂ ④
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<比叡比良大縦走トレイルで詠う>
《天翔けて 来る流星 王子さま 隠れた花を 見つけなんとし》
-あまかけて きたるりゅうせい おうじさま かくれたはなを みつけなんとし-
《み光の 来る朝毎に 清くして 恵みの幸や 愛を授けし》
-みひかりの くるあさごとに きよくして めぐみのさちや あいをさずけし-
《天の川 姿消しなん 蛇谷峰 露に目覚むる 野に臥せし朝》
-あまのかわ すがたけしなん じゅだにみね つゆにめざむる のにふせしあさ-
《浮き浮きと 星を眺むる 王子さま 待ちし仲間や 流れ星かな》
ーうきうきと ほしをながむる おうじさま まちにしなかまや ながれぼしかなー
《掻き傷に 無断立ち入り 禁ずると 想いて汗す 熊の怒りや》
-かききずの むだんたちいり きんずると おもいてあせす くまのいかりや-
《道終えて おのが故郷 夢見るに 遠き求むる やすらぎの里》
-みちおえて おのがふるさと ゆめみるに とおきもとむる やすらぎのさと-
《艶やかな キノコの花の 朽ちし木や 幸せ飾る 寝姿もよし》
-あでやかな きのこのはなの くちしきや しあわせかざる ねすがたもよし-
《比良の山 風吹き抜けし 武奈の峰 包みし静寂 平和なるかな》
―ひらのやま かぜふきにけし ぶなのみね つつみししじま へいわなるかなー
《雲の中 夢想の人や 目覚めよと 誘いし小径 魅惑の森へ》
-くものなか むそうのひとや めざめよと さそいしこみち みわくのもれへ-
《山の主 行き先はばむ ガマガエル 君は何者 挨拶せよと》
-やまのぬし いきさきはばむ がまがえる きみはなにもの あいさつせよと-
《誰ぞ知る 行くも帰るも おのが道 荒川寂し 別れの峠》
-たれぞしる いくもかえるも おのがみち あらかわさびし わかれのとうげ-
《背筋落つ 雨垂れ厳し 山歩き 恋しき故に 雨もまたよし》
-せすじおつ あまだれきびし やまあるき こいしきゆえに あめもまたよし-
暁に立つ孤高の山男
<関連ブログ>『星の巡礼・ 比叡比良全山大縦走 』 1~7
shiganosato-goto.hatenablog.com
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詩集<ああわれいま ここにおりて>
<旅人万歳>
人生は、旅である
旅の終着駅に近づくと
想い出に浸り
独り悦に入り
納得し 安堵する
やり遂げた満足に
小さな幸せを重ね
納得する
これで良かったのだと
旅は、人生である。
星の巡礼者
Poem & Sketch by Sanehisa Goto
2024年3月3日了
完
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shiganosato-gotoの日記
星の巡礼者としてここ地球星での出会いを紹介しています。