『星の巡礼 シベリア横断の景色 スケッチ展』
スケッチ・挿絵 後藤實久
2022年春、ロシア大統領によるウクライナへの<特別軍事作戦>という侵略戦争が開
始されたのをきっかけに、ロシアとは一体どのような歴史と体質をもつ国かと、あらた
めて考えてみました。
長い間、本棚に埃をかぶっていた2001年に踏破した旅日記『ユーラシア・アフリカ二大
陸踏破 38000kmの旅』の《Ⅰ ロシア・シベリア横断 10350km》で、ノートに描き
残した挿絵や、スケッチ、俳句、詩を取りだしてみました。
スケッチ等より見てとれるシベリアの景色から、ロシアの原風景を眺めていただければ
幸いです。
<ユーラシア・アフリカ二大陸踏破 38000kmの旅>
全ルート地図
シベリア横断鉄道<モスクワ⇦ウラジオストク>
シベリア横断鉄道主要通過駅
<Tahk MC-1>
1938ウラジオストク海事博物館にて
シベリヤ横断鉄道<ロシアⅠ号>
動力車&コンパートメント
Sketched by Sanehisa
<べロゴルスクー駅でピーマンを売るシベリアの老婆>
Sketched by Sanehisa Goto
《白菜の シベリア顔や 皺きざみ》 實久
―はくさいの しべりあのかおや しわきざみ―
白樺林越しにバイカル湖を望む
Sketched by Sanehisa Goto
《オリオンを 手に獲りて観る 近き冬》 實久
―おりおんを てにとりてみる ちかくふゆ―
《 濡れダリヤ 雨を纏いて 冬支度 》 實久
―ぬれだりあ あめをまといて ふゆじたく―
車窓を飾るシベリアの白樺林
Sketched by Sanehisa Goto
―しらかばの ばれりーなとぶ ばいかるこー
《秋寂し ここは地の果て ロシアかな》 實久
―あきさびし ここはちのはれ ろしあかな―
Blue Russian Cat
シルカ駅にて
Sketched by Sanehisa Goto
バイカル湖産の鮭の一種である<キャッター>
(別名バイカル・オームリ)
Sketched by Sanehisa
《 バイカルの サーモン踊りし 朝餉かな 》 實久
―ばいかるの さーもんおどりし あさげかな―
<シベリアの野草>
左・レベダ/キノア(薬草) 上・チエノブリ/ヨモギ 下・クレビアル/クローバー
Sketched by Sanehisa
シベリア横断列車で出会ったロシアン・ビール達
Sketched by Sanehisa Goto
シベリア <インディ・ヤス 村>の夜明け前
シベリヤ横断鉄道通過村
Sketched by Sanehisa Goto
2001/9/14 05:41
独裁者スターリンをモチーフとした煙草ケース
Sketched by Sanehisa Goto
ロシアン・ビール<コサック元帥>
Sketched by Sanehisa Goto
<ああわれシベリアにおりて>
詩 後藤實久
わが同胞 長きにわたり ここシベリアの大地に 眠りおりて
家族を想う気持ち 耐えがたき別離に 望郷の念 増しに増す
この世もまた神の国 人はみな神の子と言いつ 殺生やまず
無念の念を法の声に聞こえない 人の浅はかさに 闇夜明かず
ああわれいまシベリアにおりて 無念のうちに斃れし 将兵に
無の風流るるを識りて こころの慰めに 照りし光認めしや
臨時停車駅チュルィムスカヤ 駅舎
Sketched by Sanehisa Goto
<読書―トルストイ著「人はなんで生きるか」>
толстовцы ― “Зачем живут?”
➀ 人間の中にあるものは何であるか ― 愛である
② 人間に与えられていないものは何か ― 死である
➂ 人間はなんで生きるか ― ひと(他人)のために生きる
―ひとが自分で自分のことを考える心遣いによって生きていると思うのは、
人がただそう思うだけのことに過ぎないと言う。
―実際はただ、愛の力だけによって生きているのだと言うことが、
分かるはずだと言う。
―なぜなら、神は愛だからと言う。
トルストイの名言が頭によみがえった・・・
<幸福になりたいと思い、幸福になろうと努力を重ねること、
これが幸福への一番の近道である。>
<過去も未来も存在しない。あるのは現在と言うこの瞬間だけだ。>
バラビンスカヤ大平原
シベリア・オムスク付近
Sketched by Sanehisa Goto
息子を見送る老夫婦
あるシベリアの小さい駅で
Sketched by Sanehisa Goto
<大地に還る>
詩 後藤實久
シベリアの大地 丸みの中に 色づきて うるわし
魅惑の風景に酔いつ ユートピアランドを 駈走す
詩を読み 揺れに身をまかせ 悠久の時に沈みて
一木一草着飾りし 移りゆく秋化粧を 楽しみおる
いや シベリアの農民の暗さ わが胸を打ち止まず
貧しさに花咲くことなく 自然の美しさに埋没せし
命揺れ シベリアに没す すべての農民を憂いしや
神の創りしこの世界 すべての命 大地に還りしか
ウスヤンスキー寺院(クレムリン・赤い広場)
Sketched by Sanehisa
聖ワシリー寺院 / Basil’s Cathedral
赤い広場・モスクワ
Sketched by Sanehisa Goto
レーニン(1870~1924)記念切手
ソビエト連邦の紋章<鍵と鎌>を背景に
Sketched by Sanehisa Goto
ロシア正教の十字架を崇めるロシア人民のイラスト
Sketched by Sanehisa Goto
トルストイ邸ガーデンで飲んだ
<ブーバチカの呟き>
Sketched by Sanehisa Goto
ピヨトール大帝の愛煙煙草
Sketched by Sanehisa Goto
黄金のパンサーと鹿の彫像(エルミタージュ美術館)
Sketched by Sanehisa Goto
シベリアの白樺並木を楽しむ同室者 ミセス・R
Sketched by Sanehisa Goto
Mr. Goto
画 ネフラソフ・ワーレリー
サンペテルブルグ・ロシア
ロシア国旗
<シベリア横断の景色>ブログ・スケッチ展にお立ち寄りくださり、有難うございまし
た。 なお、ロシアの深層については、『星の巡礼 ユーラシア・アフリカ二大陸踏破
38000kmの旅』<Ⅰ ロシア・シベリア踏破>の旅日記、コンパートメント同室者 ミセ
ス R の講話から、触れていただければ幸いです。 (後藤實久 記)
《シベリア横断の景色 スケッチ展》
完