shiganosato-gotoの日記

星の巡礼者としてここ地球星での出会いを紹介しています。

2017『星の巡礼・奥の細道紀行-句碑の前でわたしも一句』 10

2017 星の巡礼奥の細道2400kmをたどり、恐れながらわたしも一句』 5

                                                         
 ② 日光 2 

裏見ノ滝よりもどり、国道を横切り下って行くと安良沢小学校の校庭にぶつかる。校舎の手前右端に芭蕉句碑「志はらくは」が建つ。ゴールデンウイークの校庭は裏見ノ滝のように静かな風が吹き抜けていた。

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安良沢小学校の校庭に建つ芭蕉句碑

大日堂跡


人っ子一人いない校庭を横切り、なおすすむと右手の小道入口に大日堂跡への標識がある。コンクリート敷きの小径を大谷川へ下って行くと広々とした川原に出る。先ほど紹介した芭蕉句碑「あらたふと」が大日堂跡にひっそりたたずんでいる。この川原にも慈雲寺の「化け地蔵」の兄弟のように数十体のお地蔵さんが出迎えてくれる。

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大日堂跡にひっそりたたずむ芭蕉句碑「あらたふと」/ 含満ケ淵をたどるとこの吊橋を渡って大日堂跡にでる


 大日堂跡を後にして、二荒山神社(ふたらさんじんじゃ)に詣で、いよいよ日光東照宮へ向かう。


二荒山神社は、男体山登拝口として中宮祠があり、山頂には世界遺産二荒山神社の奥宮が鎮座し、古くから山岳信仰の聖地として発展してきた。また男体山は日光信仰の大本のひとつ(日光三山-男体山2,486m、女峯山2,464m、太郎山2,368mでもある。


観音浄土にもたとえられる絶景を、男体山の山頂から堪能できる。男体山黒髪山は、2011729百名山84峰目として登頂したことを、また修行のお山なのであろうかずいぶん登山路が荒れていて難儀したことを懐かしく思いだしている。


 
曽良 「剃捨て 黒髪山に 衣更」  (そりすてて くろかみやまに ころもがえ)   男体山・句碑なし


        今日は衣更え の日。曾良は、この旅の出発にあたり黒髪を落とし、すでに墨染めの僧衣に衣更えを
      したのだが、今日こうして黒髪山で衣更えの日を迎えるのも因縁に違いない。


     奥の細道曾良は河合氏にして惣五郎と云へり。芭蕉の下葉に軒をならべて、予が薪水の労を
      たすく。このたび松しま・象潟の眺共 にせん 事を悦び、且は羈旅の難をいたはらんと、旅立暁髪を
      剃て墨染にさまをかえ、惣五を改て宗悟とす。仍て黒髪山の句有。「衣更」の二字、力ありてきこゆ。


 <現代語訳>曾良は、本名河合惣五郎という。深川芭蕉庵のそばに居を構え、私の朝夕の飲食を助けて
        くれる。このたび、松島や象潟を一緒に旅することを喜び、また、旅の苦労を助けようと、
        墨染めの衣に着替えて、その名も惣吾を改め宗悟としたのである。よって、このような黒髪山の句を
        詠んだのだが、特に「衣更」の二文字に言葉の力を感ずる良い句だ。曾良の句 とするが、曾良
        印象的に登場させるために芭蕉が作ってここに入れたのである)


      實久 「墨染や 黒髪山に 東風遊び」  (すみぞめや くろかみやまにこちあそび)


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男体山2486m山頂にて(百名山登頂時)                                                  男体山山頂にある宝剣


 

日光東照宮 「あらたふと 青葉若葉の 日の光」


日光東照宮の威光、すなわち徳川幕府の権勢を詠んだ芭蕉の名句として現在に残っている。東照宮のきらびやかさは改装なって現在でも他に類を見ないほどその原色を輝かせている。芭蕉の感嘆が伝わってくるようである。


日光が生んだ洋画家、農民芸術運動に従事した小杉放菴筆の「あらたふの」句碑が、東照宮宝物館にあることは先に述べた。

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改修を終えた日光東照宮陽明門 


午後4時25分、日光の芭蕉句碑探索を終える。

日光は約7時間の滞在、約12kmの芭蕉句碑めぐりサイクリングを楽しんだ。


今夜は芭蕉曽良が歩いた日光北街道・国道461号線上にある宿泊地点・道の駅「矢板」に向かい、途中「東照温泉」(17時以降500円)で汗をながす。


夕食はごらんの通り、かつ丼・具沢山味噌汁・野菜サラダ・リンゴ。

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自転車を解体、三菱デリカに積み込み③黒羽に向かって出発する。


      「東風そよぐ さすらう旅人(ひと)や 矢板かな」   實久



         2017 星の巡礼奥の細道2400kmをたどり、恐れながらわたしも一句』 6
                                                ③黒羽につづく