2017『星の巡礼 モンゴル紀行 』 2
■ モンゴルへの憧れ
砂漠に魅かれるわたしは、モンゴルの南ゴビ砂漠でテントを張り、露営しながら満天の星に抱かれたいという夢を見続けてきた。
シルクロード西進の途上、タクラマカン砂漠の手前にある鳴紗山の砂丘に立った時には、かすかにゴビ砂漠の匂いを風の中に感じたことがある。その際は、ゴビ砂漠とは反対にタクラマカン砂漠を南へ向かって縦断し、ホータンを経由してパキスタン国境に広がるパミール高原を越えた。
鳴沙山を歩いた時のスケッチ 2004/8/10
タクラマカン砂漠縦断時のイメージスケッチ 2004/6/18
それ以来15年の歳月を、ゴビの遊牧民の栄養源である馬頭乳の熟成のように、モンゴルへの夢を温めてきた。
溶け行く地平線をみながら闇のゴビ砂漠で夜空を眺めたい
蒙古馬や、駱駝、羊たちの生き物を育んできたモンゴルの大地で寝てみたい
モンゴルの天地に満ちた清浄なる空気にひたり、大草原の風に舞ってみたい
チンギス・ハーンに率いられた栄光に輝く蒙古騎馬軍団の荒々しい風土に接してみたい
チンギスハーンは源義経の生まれ変わりという・・・
志賀の里での夢想は、すでにここモンゴルの地を駆け巡っていた。
やはり、日本もモンゴルも北天の民族である。北極星を中心に文明を創り上げてきたのであることを実感する。
モンゴルとおなじ天空の中にあることをうれしく思う。
モンゴルと日本は同じ 北天の星座を見ることができる(星座塾より)
東から太陽が昇るモンゴル大草原の夜明け(T氏撮影)
■ウランバードル到着と散策
憧れのモンゴル、チンギスハーン国際空港には、夜9時45分定刻に着陸した。
荷物を受取った時点で、すでに午後10時を過ぎており、現地通貨への両替もせず、空港タクシー・カウンターのスタッフの案内でタクシーに乗込み(ウランバードル市内9US$の定額制)、予約しているゲストハウスにむかった。
運転手には家族がいるのであろう、奥さんと子供の話しに携帯で夢中になっている。
メーターが見当たらないところを見るとどうも白タクのようだ。相乗り白タクもなかなかいい商売のようで、モンゴル滞在中よく利用させてもらった。同じ方面に向かう相客が多いほど商売になるようである。
ラッシュアワー時には、この白タクでさえつかまえるのが大変である。
まず行先や方向を告げ、料金をききだすかまたはメモに書いてもらう。降車時のトラブルを防ぐために料金をメモっておくことをすすめる。
なお、昼間だったら空港よりウランバードル市内への公共バスの利用をおすすめする。今回は深夜到着のため、帰国時のみ公共バスを利用した。
チンギスハーン国際空港の前の駐車場を突っ切って左手に屋根つきのバス停留場がある。ウランバートル行バス#9に確認の上、乗車する。(反対側行バスに乗らないように注意、小銭500Tg用意の事、降車地チンギス・ハーン広場を運転手や隣人に知らせておくとよい。(混雑により異なるが45-60分ほどかかる)また反対に、ウランバードル市内からは、UB Guest House 前の道にあるバス停より南行のバス#9にのりチンギス・ハーン国際空港で下車することとなる。
この日は、到着時間が深夜に近く、その姿をうかがい知ることができなかったが、ウランバードルの翌朝の景色に目を見張った。モダンな高層ビルが立ち並ぶ街路沿いには、終戦時、ソ連軍によって抑留された日本人の手で造り上げられたというロシア風建物が立ち並びノスタルジーをさえ感じさせた。
文字さえロシア風の面影が残っているようでウラジオストックの街を思い出した。
平和大通りに沿って立つアパート群 スフバートル広場南側に建つ近代高層ビル
ウランバードルの中心にある中央郵便局の西へ1筋目「バガ・トイロー通り」にあるフラワー・センター・ビルを
右折し北へ直進、最初の東西・ボダルダー通りの信号を左(西)へ渡ると、西南角にある4階建てのアパートメントの2階にある。入口は正面通りではなく裏に回った、小公園側にある。
鉄扉横にあるキーボードに指定された四桁の数字を打ち込むと開けてもらえる。初めての場合は、開閉数字は看板に出ている電話番号で聞くことになる。
Chingeltei District, Baga TouruuStreet, 1Horoo, 2-40000, Building 41, Door2, 210620 Ulaanbaatar, Mongolia
Telephon : 311037 or 91199859
素晴らしいマネージャとスタッフ、ツアーの主催、清潔な6人部屋ドミトリーと共用トイレ&シャワー、荷物保管庫あり、便利なロケーションがいい(観光・買物・両替・ファーストフード・カフェー・バス停・インフォーメーション・マーケットほか近し)、一つ難といえば共用キッチンが狭いことか。
朝食付き(8:00~10:00 : 菓子パン・コーヒー・シリアル・ミルクなど)で、6人部屋ドミトリー8US$、シングルルーム20US$
左下1階入口より階段をあがり、2階のゲストハウスへ 6人部屋ドミトリー
朝食込<コヒー・ブレッド・シリアル・バター・ジャム・ミルク>
◎ウランバードル街歩き <公共バスの乗り方>
バスまたはトローリバスの場合は、500Tgまたは300Tgの定額料金である。わたしの場合、回数も少なかったので運転手に紙幣をわたしていた。いやがる運転手もいるので、事前に乗降のための「スマート・カード」をキオスク(バス停にある売店)で購入しておくとよい。
ウランバードルの(循環)バスのほとんどが、乗降カードを採用している。
日本の交通機関でもみられる、乗降時カードを読取機にかざし精算するシステムである。バスの前から乗り、スマート・カードをかざし、中央の出口で再度、カードをかざして降車する。
ウランバードルの路線バスは網の目のように張り巡らされ、ほとんどが循環バスであり、方向を間違えるとルートを一周することになる。一般に発行されている路線地図はなさそうである。ただ、ネットでコピーを入手することができる。
ウランバードル公共バス路線図 http://www.transport.ub.gov.mn/
入手できてもモンゴル文字を読み解く必要がある。なかなか厄介な仕事であることに違いない。
わたしの場合、行先を決め、中央郵便局にあるツーリストインフォーメーションで行先を告げ、路線バスのナンバーとバスの車体カラー(沢山の中からお目当てのバスの色を知っていると見分けやすい)、それに乗車バス停の位置を教えてもらって、その都度対応した。
バス内の正面真中の黒いボックスがスマート・カード読み取り機
また、バスに乗れても降りるのが大変である。立派なバス停があるのだがバス停の標示がない。バス内でのアナウンスがない。
英語が通じないことを前提に、行先ナンバーのバスに乗っても、かならずメモ用紙に書いておいた降りるバス停名を運転手に見せて確認をとっておくと共に、知らせてくれるように頼んだ。また座席の周りの人達にもメモ用紙を見せ、近くに来たら教えてくれるように頼んだ。
公共バス利用がむつかしい時は、躊躇せずタクシー利用をおすすめする。すべてが一挙に解決するからである。
への公共バスによるアクセスを紹介しておく。
2017『星の巡礼 モンゴル紀行 』 3 へつづく