shiganosato-gotoの日記

星の巡礼者としてここ地球星での出会いを紹介しています。

『星の巡礼・ユーコン紀行』 <ユーコン讃歌>

星の巡礼ユーコン紀行』

■ 「ユーコン・ カヌーの旅」 

 

 

               《  ユーコン讃歌  》
          
(記念として、ユーコン日記に書きとめた詩を書きとめておく)

 

                  詩 後藤實久

 

ああわれいま ユーコンにおりて

                  月光の流れ ユーコンに映りて驚嘆す

 

ユーコン両岸の樅の木 儀仗兵のごとく

                  一筋の絨毯に向かいて われを迎える

 

ユーコンの闇に生きる 命に囲まれて

                    月の光慕い 狼とともに合唱す


                   ああいまユーコンの静寂をまとい

                     われ愛語に舞いて月と遊ぶ

 

 

 

 <創造主の贈り物>

 

 神はそれぞれに命と魂を与えたまいしが

                   ここユーコンには純真なる命と魂が宿る

 

 実に美しき命と魂が 活き活きと混ざり合い

                   生きる姿の歓びをわれわれに伝えるなり

 

 命と魂が触れあいてハーモニーを奏で

                   おのれに命と魂を引込みて 神の国を創る

 

 ああわれいま ユーコンにおりて

                   原始の姿に触れ 天地創造をよろこぶ

 

 

 

 <オーロラと踊る>

 

 指を貫く 凍でつく痺れに 鼓動も縮み

                 寒さ腰に忍びよりて身を縮み上がらせ震える

 

 冷たさ体温を奪い おのれの命の根源にせまり

               夜空に揺れるオーロラ 凍でつくマントまといて舞う

 

 寒き足踏むに オーロラ踊りてわれと戯むるに

                 妖しくうごめくオーロラに われを忘るるなり

 

 

 

 

                      <オーロラ と 狼>

 

 ああわれいま ユーコンにおりて
                    夜空の乱舞を待つもまた嬉し

 

 幻想のなか 川面に靄(もや)立ちて

                   天空の舞 悠久の営みにわれを託す

 

 狼の遠吠え オーロラにあわせ

                     ユーコンの闇に響き渡りて重し

 

 ああわれいまユーコンにおりて

                    神の贈りし光の舞に酔うなり

 

 

                     

 

                      <ユーコン復活>

                  アメージング グレイス


 ああわれいま ユーコンにおりて

                   地平を一筋に染めし復活の朝を迎える

 

   与えられしすべての命に魂よみがえり

                    讃美の豊けき歌 ユーコンに木霊する

 

  「わたしはかって自分を見失っていたが

                  いまわたしは自分を見つけることができる

 

     わたしはなにも目には見えなかったが

                  いまわたしははっきりと見ることができる」

 

      ああわれユーコンにおりて

                   光を受け入れ 静かに魂を震わせるなり

 

 

 

 
                         <命の實>

 

   ああわれいまユーコンにおりて

                      食を求めて彷徨(さまよ)うなり

 

   あたえられし命尽きるを恐れて

                        ユーコンの野に糧を探すなり

 

    初冬のユーコン実りなくして

                     ヒップベリーの赤き實のみ輝きし

 

    火にかけしベリーと砂糖の匂い

                       生きる力と望み一身にあびる

 

     ああわれいまユーコンにおりて

                      命の連鎖の 偉大なるを識るなり

 

 

 

      ユーコン讃歌>

 

     ああわれいま ユーコンにおりて

                        

                      神の恩寵と慈愛に包まれしユーコン

                      人の入りを拒みて、その原始の姿を残す

 

       クロクダイ(山師)の汗の臭い漂いて

                        幽玄の霧中に 欲望の息づかい残る

 

      悠久の流れ その暗闇を切り裂きて

                        人の心を震わせ  その光明を残す

 

      ああわれいまユーコンにおりて

 

        懐に飛び込み 原始の光りに触れるに

                      われ闇を飲みこみて 寂にして孤を残す

 

      讃美の歌声 祈りに変わりて

                      歓喜に酔いて 忘却の影を認むるなり

 

      原始よりの流れいまだ貫きて

                        流転の旅 万物の姿写し今日に至る

 

       君と僕 関わりてカヌーを浮かべしや

                      愛語を語りて 哀愁の歌声を交感せり

 

       天を仰ぎて 黙してユーコンを漂うや

                       その清き天地の流れ魂を揺さぶりて速し

 

        叫びしユーコンの木霊(こだま)溢れ

                       宇宙に響きわたりて歓喜を残す

 

       ユーコンの静動の叫びわが鼓動を震わせ

                       栄光繚乱たる人生あるを喜びて咽ぶなり

 

       ああわれいま ユーコンにおりて

                      

                      ユーコンの愛に包まれ流れに身をまかせ

                        立ちのぼる朝靄に姿変えてや幸せなり

 

 

 

        <母なるユーコンに抱かれて>

 

       ああわれいま 母なるユーコンに抱かれて

                      清き曙に あたたかき母なる温もりを感ず

 

       微笑みし流れ 広きこころひらきて語り

                       われを抱きしめ慈しみを伝え 沈笑す

 

       この静かなるひとときに愛の流れありて

                      悠久の命 満ちおりてよろこび重なるなり

 

       ああわれいま 母なるユーコンに抱かれて

                        今あるを 母なる子なるを感謝して黙す

 

    完
      ビバー!  ユーコン