熊野古道の奥掛け<吉野から前鬼へ>を歩き出してから、もう15年ほどになる。
当初は青年シニアの気持ちで、エネルギーに溢れ充実した熊野歩きをしていたが、後期高齢者というレッテルを貼られてからは山歩きも気を付けるように、慎重になってきたことは確かである。
特に、リュックの重量が山歩きの成功の基準になってきたことは否めない。
わたしは極端な猫背である。通常のリュックでは、背中の丸みにリュックが馴染み、腰痛の基となって下山後その痛みに苦しめられることになるので、更なる対策が必要なのである。
最近は、背負いっこというかパイプ製のリュックに切り替えている。
これだと背中の丸みを是正し、腰痛を軽くしてくれるのであるから、私にとっては救世主である。
パイプフレーム・リュックを使用
ただ助かったのは、水場の多いことである。お陰で持参したボトルを満杯にして歩くことはなかった。
これだけで2L,2000ml 約2㎏の軽減である。全重量約12㎏の内の水2㎏である。肩や腰への負担を軽減できたのであるから沢水をはじめとする水場の有難さが身に染みてくる。
もう一つの改革は、食事に関する考え方である。献立方式でなく、お腹がすかないように絶えずお腹に物を入れておく方式をとった。このことによって空腹を克服し、定時の食事を簡素に終えることができた。
今回の縦走では、重量的に半分ほどのレジャーマットをエアーマットの代わりに持参した。まだ慣れていないのか地面が直接背中に当たるようで寝づらい時間を過ごした。特に少しでも傾斜があれば、体がマットの上を滑るのには参った。窪地ではマットが体の重みで窪地にフィットし、くぼみの形に合わせて寝ざるを得なかった。いまでも寝不足である。
そのうち慣れるであろうし、寝床を整地するか、適した場所を見つけるように努力すると思う。
見てきたように、歳を重ねるとともに少しでも快適なウオーキングに近づけるようにと色々なことに挑戦すると共に、工夫を重ねることとなった。健康なうちは出来るだけ楽しい歩きを続けたいという願望があるからである。
老人作戦としての周到な計画は、シニアの山行に必要であるということが言える。
これからもシニアとしての山行のために、日常の訓練を怠ることなく、たえず準備にあてていきたいと思っている。
今回携行した、シニアとして吟味された携行品を見ておきたい。
180gのビバーグ用軽量ツエルト