△1日目露営地・大股バス停付近> 6H/17km
テントによる露営以外の宿泊先としては、林道を下りたところに民宿、野迫川温泉に旅館、大股バス停付近にも民宿がある。
野迫川温泉は一日目の疲れを癒してくれること間違いなしである。是非、立寄り宿泊してみたい。
大股・川原樋川に面した<かわらび荘> 素泊4860~ (左右とも公式HPより)
野迫川温泉<ホテルのせ川> 日帰り温泉600~宿泊9720~
<▲5月30日午前5時30分 1日目露営地
大股バス停付近の高野槙(杉)植林地に張ったツエルトにて>
ここツエルト(簡易テント)設営の露営地のすぐ下を流れる<川原樋川・かわらびかわ>のせせらぎの音がさらさらと心地よく耳をくすぐる。
森はいつもあたたかく私を迎えてくれる。
ここは今宵の仮の宿である。今宵お世話になるみなさんに挨拶をし、今夜の露営の許しをもらい、ともに祈り、共に歌って夜の帳(とばり)を迎えるのである。
標高620m、やはり真夜中は気温がぐんぐんと下がり、重ね着をしていても腰のあたりに寒さを感じる。
予備の耐寒シートを体に巻き付けたが、通気性がなく己の体からの蒸れにより水滴がシートを濡らす始末、
その不愉快さからギブアップ。
ツエルトもまた、アルミ箔をはったプラ製、これまた通気性ゼロ、どうしてもツエルト(簡易テント)の前後を
開けておく必要がある。
夜の冷たい空気が自由にツエルト内を行き来するのである。
夜の冷たい空気が自由にツエルト内を行き来するのである。
ご存じのように携行品の減量により、寝袋は最軽量のダウン、重ね着をするほどの枚数も持たず、ただただ朝を
待った。
朝ガエルの第一声を耳にしたときは、やっと生き返った気がしたものである。
とはいえ、5日分の食料を重視した計画だけに、寒さを呪うのではなくこうして小辺路を歩けている
幸せをかえって噛みしめることになった。
<詩 ああわれいま小辺路大股におりて>
かわびら川のせせらぎにこころ奪われ
温かき母の胸に抱かれおるをよろこぶ
山鳩の陽沈みゆくを見送りて 鳴くもの悲しさに
暮れゆく山麓 山の香に包まれ静かに
薄れゆきて 小辺路に帳(とばり)落ちなん
ああわれいま 熊野古道におりて
いにしえの旅人 願いを背負いて行くは
わが世の尽きし 暮を眺むるがごとし
時空を越える小辺路の天空に祈りが響く
につづく