■ 山蛭(ヤマヒル)対策
活動時期 :5月~11月ごろ、雨中雨後の蒸し暑い日は特に活動が活発です。
活動環境 :人や動物の体温や吐く息に反応し、尺取虫のように接近、吸着、吸血する。
登山道や獣道の落ち葉の下など湿った環境に生息する。
1)吸血されないために:まず、サンダルや素足では歩かないこと。
足元を中心に、靴や衣類に虫除けスプルーを塗布するのもよい。
靴・靴下に直接に、塩や飽和食塩水をすり込んでおくことも効果がある。
2)付着・吸血されたら:無理に除去すると、皮膚を損傷する場合がある。
落ち着いて、塩や食塩水を直接ヤマヒルにふりかける。
虫除けスプレー、煙草の火や煙、木酢液、アルコールも効果がある。
3)その後かならず退治:ヤマヒルは吸血後1ケ月程度で1~9個の卵のうを生む。
さらに1ケ月後ひとつの卵のうから1~8個体の子ヒルが誕生する。
ヤマヒルを増やさないために吸血されたら、必ず退治すること。
4)傷あとをどうするの?:吸血時に「ヒルジン」という物質をだすため、痛みを感じず、
傷口から出血が続く。血と一緒にヒルジンを押し出すようにすると
治癒がはやい。そのあと虫刺され軟膏を塗り、バンドエイドで
保護しておく。
≪ヒル吸血体験談≫
わたしはよく登山中にヤマヒルに吸血される。
最初はネパールのポカラからアンナプルナ山麓をトレッキングに出かけ、木から落下したヒルに襲撃された時である。ガイド兼ポーターのサケル君の手当てを受けた。まずヒルに血を吸わせパンパンに膨れ上がったところでタバコの火を近づけたら、ぽろっと落下、踏みつけて処分してくれた。
破裂時の鮮血の凄まじいこと、顔をそむけたほどである。
3mmほどのヒルはどんな隙間にも細い首というか頭を突っ込み、体を細めて入り込む。特に靴回りにびっしりと入り込み、その鮮血の凄まじいこと、悪寒が走ったことを思いだす。
ヒルに吸血されるまま、下山して農家の戸を叩いて助けを求めた。『やられましたね』と塩と酢をわけていただき、1時間かけてヒル退治をした。面白いほどポロポロと落ちてくれる、まるでナメクジに塩をかけた子供時代を思い出していた。
<実証・蛭ケ岳での蛭遭遇>
スパッツにとりついた蛭
蛭が吸った血の量 血を吸った蛭
<山蛭に出会い、実際に噛まれた山域>