Cルート 熊野古道中辺路派生ルート ≪C-2 大日越≫を歩く ; 徒歩巡礼
◎ C-2: 中辺路 「大日越」ルート
熊野本宮大社 9:57> 2015年8月26日
昨8月25日、中辺路派生ルート・赤木越を踏破し、ベースキャンプにしている湯峰温泉に到着した。
午後はマウンテンバイクで近場の温泉群を訪ねることにした。
古(いにしえ)の熊野古道・中辺路参詣者(巡礼者)の多くが中辺路派生ルートである「赤木越」を歩き、湯峰温泉や近在の渡瀬温泉(わたらせおんせん)や川湯温泉で疲れた体を休め、熊野本宮大社に詣でるまえに禊や祓をおこなったと文献にでている。
中辺路派生ルート「大日越」に出かける前に、自転車で最古の温泉群を駆けまわってみた。
《赤木越あとの温泉めぐり》
<湯の峰温泉公衆浴場・つぼ湯・くすり湯> 日本最古の温泉
檜風呂で、湯の華と硫黄の匂いがいい。 古道歩きの疲れをとるには最適な温泉である。
湯の峰温泉は熊野詣において湯垢離場として栄えた日本最古の湯でもある。
浴料 : 一般湯 250円・くすり湯 390円・ つぼ湯 770円(30分)
泉質 : 硫黄を含んだナトリウム・炭酸水素塩泉で92℃・無色
効能 : リウマチ性疾患・神経痛・皮膚病・糖尿病・疲労回復など
湯の峰温泉公衆浴場
奥に湯の峰温泉公衆浴場が見える。 1階手前に公衆浴場、奥に「くすり湯」がある。
入浴券(つぼ湯・一般入浴・くすり湯)は向かいの自動販売機で購入する。
下は、公衆浴場のヒノキ浴槽。 石鹸持参のこと。
硫黄の匂い、湯の華の浮遊するお湯は最高にくつろげた。
もちろん源泉かけ流しである。
いま、昔の参詣者(巡礼者)と同じ湯につかって思うに、時間のなんと悠久なることか・・・
湯峰温泉つぼ湯
大日越登山口(入口)もまた「湯峰温泉つぼ湯」横にある。
湯峰温泉は、ちょうど中辺路の「赤木越」と「大日越」の中継地点すなわち出入口にある。
<渡瀬温泉―わたらせおんせん>
「わたらせ温泉自慢の大露天風呂です。とうとうと湧く湯量豊富なかけ流しの天然温泉は、無色透明のナトリウム炭酸水素塩泉(重曹泉)で、皮膚病、リウマチ、神経痛、胃腸病などに効果があるといわれています。また、美肌作用があり、湯上りのお肌はすべすべで美人湯として名高い良質の温泉です。雄大な景観と自然の風に身をゆだね、心行くまで自慢の湯をご堪能ください」
とある。 大露天風呂は混浴ではない。 源泉かけ流しである。
泉質 : ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉(低張性 中性 高温泉) 73.5~48.4℃
効能 : 美肌作用・きりきず・やけど・慢性皮膚病・虚弱児童・慢性婦人病など
浴料 : 日帰り湯700円 ・ 貸切湯1400円(1H)
渡瀬温泉への四村川吊橋 大露天風呂
<川湯温泉>
無料駐車場は東へ約300m先左側にある。
源泉かけ流しの湯だが、かなり熱く感じた。
昔ながらの素朴な共同浴場には川底から湧き出た源泉をひきこみ、いつでも新鮮なお湯に浸かる事が出来る。
川遊びをしたり、川床に穴をほった源泉を楽しむ観光客が目立つ。冬は川に千人風呂が開設されるので有名である。火曜日定休、石鹸・シャンプーなど持参のこと。
泉質 : アルカリ泉単純温泉・無色無臭無味・かなり高温
効能 : 神経痛・糖尿病・痛風・疲労回復
浴料 : 大人250円
川湯温泉公衆浴場 飾り気のない素朴な浴場
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C-2 中辺路 「大日越」裏街道ルート 8月26日
距離 :約3.4km 所要シニア時間:3時間57分 (標準所要時間:約1時間45分)
・距離は「和歌山県街道マップ」に従った
・所要時間は休憩・記帳・スケッチ・食事等のすべてを加算した
月見丘神社8:11/▲245m⇒距離道標#①8:38/▲185m⇒
◎ 92 湯峰王子(ゆみねおうじ)
古(いにしえ)の人々が熊野詣の旅の途中、湯の峰で湯垢離を行い、聖地での禊ぎと旅の疲れを癒したあと、せまい湯の谷川にかかる壺湯橋をわたり巻坂の石畳みを上がって行くと王子社「湯峰王子」にでる。
今朝は5時に起床、明けゆく峰々の変化を楽しんだ。
湯の峰温泉の朝焼けを楽しんだ
つぼ湯横の石畳みを上がって行く 湯峰王子の「王子社」
石畳みを上がって行くと湯峰王子の「王子社」の鳥居にでる。
王子社境内には、高浜虚子が詠んだ句碑がある。
「峰の湯に 今日はあるなり 花盛り」 虚子
熊野古道大日越 距離標示#3 を確認して上って行くと「鼻欠地蔵」と出会う。
鼻欠地蔵は左甚五郎の伝説から来ているという。
熊野の杜に蝉の声をききつつ下ると「月見丘神社」にでる。
月見丘神社の片隅にある小さな祠は、暦を数える神を祀っている。
神社の周りを巨大な杉が囲みパワーを感じる。山裾からは文明の音が聞こえてくる。 昔はここから本宮大社が望見できたのであろう。 ながい熊野古道をたどり着いた巡礼者が自然と手を合わせたであろうことが想像できる。
鼻欠地蔵 月見丘神社
熊野古道大日越登山口
「熊野本宮」バス停真向かいの登山口に出る。
「赤木越」とおなじく、今日も「大日越」を誰にも出会わずひとりで越えた。
中辺路の発心門王子と熊野本宮大社間の参詣者の混雑ぶりを経験しているだけに、
以外であった。
というよりもひとりで静かに歩ける古道が残っていたことに感謝した。
大斎原(旧社地-おおゆのはら)
左折すなわち北方向約300m先に大斎原(おおゆのはら)の入り口がある。
音無川にかかる橋を渡ると、そこが緑の芝生でおおわれた広大な旧社地・大斎原である。
日本一の大鳥居をくぐり熊野本宮大社にむかう。
八咫烏の幟が目にはいる。
熊野本宮大社の表鳥居をくぐって石段をのぼり、社殿で到着を報告した。
熊野古道中辺路全行程を終えた瞬間である。
感謝合掌
完