◎中尊寺
義経を高館に攻めて自刃に追い込む。
その後、江戸時代に移り、伊達藩領となり、中尊寺を熱く遇し、現存する樹齢350年の老杉や多くの御堂を建立し保護した。
わたしは、義経が平泉にある居城・高館で自害して828年目(2017)の春に中尊寺を訪れたことになる。芭蕉よりわずか328年後であることを思うと、歴史の流れは滔々と流れていることに気付かされるのである。
生きるとは、時の流れの中にあって、時代を超えた歴史の証人として、時を行き交うことで情報を共有し、伝達することではないだろうか。
◎毛越寺(もうつうじ)
芭蕉句碑「夏草や」(中央)
新渡戸稲造英訳碑“The summer grass” 「夏草や」
意味 : 弁慶や兼房など選りすぐりの義臣、この城に立てこもって戦ったものの、その功名も一時の夢と消え、
すべては夏草の中に埋もれて果てた
新渡戸稲造英訳碑 : “ The summer grass
‘Tis all that’s left
Of ancient warriors’ dreams. “ Inazo Nitobe
恐れながらわたしも一句
實久 「人の世や 仮染居りし 夏の夢」 (ひとのよや かりそめおりし なつのゆめ)
意味 : 人の世というのは、偶然にして、一時的に身をおく夏の夢みたいものだ、義経もわたしも
これこそ、「奥の細道」ではの出会いである。
もどった。
義経を慕い、万感のこころを込めて詠んでいる。
生きている己を強く意識するのである。
みたい。
につづく