4-5出羽街道中山越え⇒山刀峠・尾花沢⇒山寺 <奥の細道紀行 4>
⑮山寺を詣でる<2017年5月11日>
目の前の山の合間に奇岩と木々の合間に諸堂が見え隠れする宝珠山が駅から見える。
立谷川にかかる宝珠橋をわたって山寺へ向かう
比叡山からの法灯が600年間燃え続けている根本中堂
根本中堂は、ブナ材建築物で日本最古である重要文化財である。ここに先でも述べた「不滅の法灯」が燃え
続けている。
そして、有名な「閑さや岩にしみ入る 蝉の声」の句が生まれたのは、山深く奇岩に囲まれたここ山寺である。
⑮山寺 | ||
「閑さや 岩にしみ入る 蝉の声」 | 根本中道左側 | 「抜け殻に 夏風涼し 山の弥陀」 |
(しずけさやいわにしみいるせみのこえ) | (ぬけがらになつかぜすずしやまのだ) |
芭蕉句碑「閑さや」(山寺・根本中堂横)
蝉の種類に関する文学論争が起こっている。茂吉はその後、実地調査をなし、芭蕉が詠んだ蝉
はニイニイゼミであると結論付け、誤りを認めて落着している。
恐れながらわたしも一句
實久 「抜け殻に 夏風涼し 山の弥陀」 (ぬけがらに なつかぜすずし やまのみだ)
意味 : セミの抜け殻が伽藍にぶら下がり、無の風を受けかすかに揺れている様は、弥陀のこころのように
穏やかである
いよいよ奥の院への入口である山門をくぐると、800段あまりの石段がつづく。山門で入山料を喜捨し、こころを落ち着かせての第一歩を踏み出すことになる。 たくさんの杖が並んでいるところを見ると高齢の参詣者も多いようである。
ゆっくりと歩いて上り45~60分、下り35~45分ほどかかる。
山寺山門
250段(山門から約20分)辺りに、尾花沢の養泉寺に石碑があった壺中(こちゅう)の建立である「せみ塚」があるが、「芭蕉翁」脇にほとんど読み取れない「閑さや」の句碑が立つ。
角柱が「せみ塚」石碑・右「芭蕉翁」碑
杉木立ちに奇岩、巨岩が折り重なって続くなか、石仏や石塔が静かに見守ってくれている。霊場としての静寂と厳しさが伝わってくる。 さらに急な石段を上って行くと、山内一番の景といわれ、アカモミジが映える仁王門に至る。
アカモミジが映える仁王門
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山寺配置図
⑮山寺を詣でる―2 につづく