■<潜伏キリシタンの里探訪 自転車の旅630km 12日目―②> 2018年9月12日
― 黒島 ⇒ 平戸・田平漁港 ― 走行距離 25 km
<引き続き、黒島周遊道路を黒島港に向けて自転車を走らせる> (時計針と反対廻り)
真赤な沢蟹たちに迎えられ、黒島ジャングルを思わせる、海を見ながら黒島東北の小道を黒島港に向かって自転車を走らせる。この島の北側には稲作の田圃が海岸沿いに拓かれている。しかし耕作地は僅かになり、そのほとんどは放棄耕作地としてジャングル化が進み始めている。
そのなかに稲の育っている田圃が青々と輝いている。これらは僅かに残っている稲作農家5軒で管理栽培しているとのことである。島全体が高齢化し、離農者が跡を絶たない現状なか、米栽培の最盛期にあった用水路も消滅し、現在では沢水と雨水に頼らざるを終えず、稲作面積を元に戻す事すら不可能な状態だと農家の方は嘆いておられた。
小路沿いには沢からの配水のための塩化ビニールのパイプが幾重にも重なり配管されているのが印象的であり、痛ましい光景である。
遠く、リアス式海岸に点在する多くの島々を眺めながら12:00黒島港に帰着した。
黒島一周道路北海岸に残る田圃
生活用水・稲作用水のための沢水の貯水・分配槽
黒島一周道路北側にある古里集落
「祝世界遺産登録決定」の幕を掲げる黒島港に戻った
◎黒島で出会った花々
◎黒島・根谷集落でも蝶・モンキアゲハに再会 (再掲)
―蝶は神の化身、死者は蝶に化身して帰還という説―
ここ黒島・根谷集落でも蝶・モンキアゲハに再会した。
あたかも天使のように空を舞い、花から花へ飛翔しながら語りかけ、導いてくれる蝶がいた。
それも、全行程650kmの自転車走行中に場所を変え、5回も出会ったのだから、この黒い蝶に親しみと
シンパシーを感じた。
いつしか、再会を期待するようになった。そして蝶は、何かを伝えにやってきたのではないかと考えるようになった。蝶の化身、神との出会いが頭の中を駆け巡りはじめた。
蝶は神の化身であり、死者は蝶に化身して帰還する。
蝶は霊魂・不死・復活の象徴であるという。
<相浦港より、平戸・田平漁港に向かう>
13:00、県道139号線より、国道204号線に入り、松浦鉄道に沿いながら平戸をめざす。
17:10、酷暑に「道の駅・たびら」で休憩し、Tシャツを濡らして体温を下げるようにした。
ここからいよいよ平戸市に入る。
国道204号線は、急坂が続くなか、路肩がほとんどなく自転車走行には十分な注意が必要である。
また、自転車前後のシグナル(点滅)ランプは身の安全を守るため必携である。
一枚である。
平戸・生月も潜伏キリシタンの息づいた島である。
神は天地創造の世界を人間はじめ命あるすべてのものにたまわったのである。
そして、今日もまた黒島よりここ平戸への道を与えたもうたことに感謝である。
ここ露営地・田平漁港は、平戸港の東に位置する静かな港である。
夕陽をだいて眠りにつきたい。
今宵の夢は田平港で育むことになった
潜伏キリシタンの里探訪 自転車の旅630km 13日目
2018年9月13日 ― 平戸・田平漁港 ⇒ 平戸旧城下町
につづく
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天地創造 黒島に沈みゆく夕陽