『びわ湖冬景色―近江の歴史をたどる老人自転車ひとり旅』 ⑩
■ 4日目びわ湖一周のルート案内 Ⅱ (2019年2月19日)
<▲ 姉川手前湖岸緑地公園 ⇒ 西浅井 大浦浜 30km>
<旧塩津海道を通りぬか 今晩の露営地・大浦浜に向う>
静まり返った塩津旧海道の街並みを走る
「塩津海道」の石標
<国道8号線の信号交差点「塩津」を左折、国道303号線にて「JR永原駅」へ向かう>
国道303と県道512の分岐に以下の看板が出ているので注意。
≪奥琵琶湖パークウエイ 一方通行規制中自転車も通行不可 この先進入できません≫ 奥琵琶湖パークウエイ(県道512)進入禁止の標識
西浅井バイパスの坂の途中で雨宿り、昼食をとる。
国道303号線西浅井バイパスにある<岩熊第二トンネル>の手前に長い坂が続く。
雨はさらに激しさを増してきた。
ガレージの軒下を借りてランチ休憩。
<ビワイチ・チェックポイントJR永原駅> WC/水補給
大雨の中、ビワイチ・チェックポイント・JR永原駅にある観光案内所に立ち寄って、所在を確認する。
ビワイチ・チェックポイント・JR湖西線「永原駅」 と クイズ
まだ午後2時であったが、空も暗く、大雨がやみそうもない。
低体温を避けるため東屋に逃げ込み、テントを張り、寝袋に潜り込んだ。
雪でないのが幸いである。
東屋の屋根を打つ雨音が激しさを増してきた。
寒さを避け寝袋に潜りっこんでの読書はいいものだ
誰でも一度はかみしめたであろう、ほろ苦い恋の味。 愛する人に迷惑をかけたくないと行動する
体弱き乙女ワーレンカと善良な小官吏マカールの不幸な恋の物語である。
時間を忘れて読書に没頭、雨音に夕暮れを気づかされたほどである。
空腹を覚える。チョコレートをかじり、赤ワインをなめ、湖の波の音、風の音を聴きながら、
テントのなかに広がり始めた闇の中で目を閉じた。
《ああわれいま湖北におりて》
詩 後藤實久
ああわれいま 湖北大浦浜の荒波来るを聴き
寝袋に臥して 闇を感じつ静かに目を閉じるに
波 荒磯にぶちあたりて われ轟音に怯える
激しき雨 強風に重なりて東屋の茅茨をたたき (茅茨―ぼうし:屋根) テントしなりて わが体をも圧して恫喝をなす
ああわれいま 寝袋に潜りて懐炉を握るや
寝袋の中で風にあわせて吟じた。
孤鞍雨を衝いて 茅茨を叩く 少女為に遺る 花一枝 少女は言わず 花語らず 英雄の心緒乱れて 糸の如し こあんあめをついて ぼうしをたたく しょうじょためにおくる はないっし しょうじょはいわず はなかたらず えいゆうのしんしょみだれて いとのごとし
『びわ湖冬景色―近江の歴史をたどる老人自転車ひとり旅』 ⑪ (2019年2月20日) 早朝 2℃ ・ 雨のち曇り <▲ 西浅井 大浦浜 ⇒ JR志賀駅 > につづく |