shiganosato-gotoの日記

星の巡礼者としてここ地球星での出会いを紹介しています。

三上山(近江冨士)にさそわれて Ⅰ

三上山 (近江冨士 423m)登頂日誌①
 
比良山麓の志賀の里(びわ湖西)に移り住んで四半世紀、朝な夕なにびわ湖対岸湖東にそびえる三上山(近江富士)とあいさつをかわしてきた。
 
芭蕉が元禄3年師走に大津の瀬田の唐橋で詠んだといわれる句が僕は好きだ。びわ湖をはさんで比良岳と三上山をつなぐ雄大な句である。
 
芭蕉発句     『 比良三上  雪さしわたせ  鷺の橋 』
 
びわ湖の上を白鷺が渡っていく。白鷺よ、比良岳と三上山の間にお前のように真っ白な、琵琶湖をまたぐ雪の桟を掛けておくれ、と芭蕉は詠んでいる。その橋は現在びわ湖大橋として実際にかかっている。その大橋をわたって自転車を三上山へ走らせた。いや、僕は芭蕉の心の中を走って三上山に向かっていたのである。
 
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 正面が三上山<近江富士
 
 百名山を登り終えてからは、美しいものは征服するよりも眺めるのがよいという心境に達したかのようにおもえたが、すがすがしい秋晴れと秀麗なマウンテンボディーのはなつ色香にさそわれてとうとう三上山を登ってきた。
 
三上山は、近江または淡海(おうみ・あはうみ)ともいう「びわ湖」の東(湖東)にある。はやくは古事記に記されている歴史的に由緒ある山である。
 
びわ湖の南湖のみならず北湖からでも遠望でき、漁船、カヤックーやヨットにとってのランドマークであり、船艇の方向や位置を確認するための重要な指標でもある。僕も二度の琵琶湖一周のラフティングと帆付カヤッキングで羅針盤代わりとしてお世話になった。
 
滋賀県野洲市の南部にある孤立した円錐(えんすい)型の山、独立峰である。標高432mの山の形が近江盆地の中でもっともなだらかで美しく富士山に似ていることから古くから「近江富士」の別名で親しまれている。
 
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 巨大なムカデを俵藤太が退治した故事から「ムカデ山」とも呼ばれる。歴史的には天保一揆(てんぽういっき)の三上騒動の中心地としても知られる。
 
山頂までは、御上神社側から山頂を結ぶ表登山道(岩場が多く約60分)と、近江富士花緑公園から山頂を結ぶ裏登山道(約50分)がある。頂上からは、びわ湖や比叡山(ひえい)・比良(ひら)連邦の眺めが素晴らしい。
 
サイクリング車<ワイルド・ローバー号>を裏登山口の駐車場にとめ、表登山道より頂上に達し、
裏登山道をおりるルートをとった。
 
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獣よけのフェンスを通過して急階段を少し登ると、分岐がある。直進が表登山道、右折れは裏登山道へつづく。10分ほどで石灯籠が数基残る妙見堂跡に着き、なお岩石交じりの道を行くと狭い岩の割れ目をすり抜ける「割石」というところに至る。スリルある岩場だ。
 
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          <三上山登山日誌② につづく>