shiganosato-gotoの日記

星の巡礼者としてここ地球星での出会いを紹介しています。

2019『星の巡礼 びわ湖冬景色・老人自転車ひとり旅』①

2019『星の巡礼 びわ湖冬景色―近江の歴史をたどる老人自転車ひとり旅』 


 
京からここ比良山麓にある志賀の里に移り住んで30年近くになる。
志賀の里は、びわ湖を眼前に、びわ湖バレーを背後に持つ自然豊かな里である。
眼下には、山々に囲まれた世界有数の淡水湖であるびわ湖を抱き、四季の移ろいを楽しませて
くれる。
 
毎年、2月といえば豪雪のあと、蝋梅が咲き乱れ、その微香が里をつつむ。
比良の峰々の真白き雪帽子が輝きをまし、湖北にそびえる独立峰伊吹の白銀の雄姿が
春霞に揺らぐ。

東を望めば、春陽を宿す鈴鹿の山々がまさに目を覚ましつつあり、
南に目を転ずれば、比叡の山から発するなだらかな信楽の山々が、南湖をやさしく抱きかかえて
いる。

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比良の山に登り、蓬莱山に立てば、びわ湖の姿を一望できる。
その姿は、日本古来の和楽器である琵琶(びわ)の形をしているように見える。

たしかに琵琶の鶴首あたりにびわ湖大橋があり、北湖と南湖をつないでいる。
その美しい曲線のくびれは、貴婦人のウエストを髣髴とさせる色香を漂わせているのである。

また、芭蕉は比良山頂から、対岸の三上山(近江富士)にかかる空想の橋を詠んでいる。

< 比良三上 雪さしわたせ 鷺の橋 >  芭蕉
    ― ひらみかみゆきさしわたせ さぎのはし―

芭蕉の空想の橋は、現在のびわ湖大橋となって実現しているから素晴らしい発想である。

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冬季の朝日は、びわ湖の作り出す純なる大気にその屈折をコラボさせ、一段と輝きをまし、
山々を赤く染める。

わたしはこの一瞬のモルゲンロート―朝焼け―が好きである。
モルゲンロートと化す比良の峰々に、時として祇園精舎の琵琶の音や、比叡の山頂から経文が
流れくるような雰囲気を醸すのである。

 
わたしにとってモルゲンロートは、その一瞬のはかなさをと優雅さを味あわせてくれる自然の織り
なす野外ショーでもあるのだ。

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 モルゲンロート(朝焼け)の比良山系・蓬莱山(左)と打見山(右)

また、この地の天空ショーに<虹の架け橋>がある。
そう、ここは虹の里でもあるのだ。

 
その美しさに、我を忘れて幾度虹を追ったことか。
虹をつかみたい、まるで幻のように心の中をすり抜けていく虹に魅力を感じるのである。

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このような素晴らしびわ湖に寄り添う住民の一人として、
びわ湖冬景色を楽しみたいと老体をマウンテンバイクに預けて4泊5日、
198kmの自転車旅に出かけてきた。
 
この冬、ここ志賀の里は珍しく降雪の少ない暖かい日々が続いた。
びわ湖一周をと考えてはいたが、もし天候が急変し、途中で大雪にでも降られたらと、
実行を躊躇していた。
 
その間、太く滑り止めがついたタイヤをもつパートナーのマウンテンバイクにスピードメーター
エアーポンプ、点滅灯やミラーを取り付け準備は進めていた。

また時間を見つけては携行品をリアーバックにパッキングしたり、近江の歴史や資料を集めたり、
行程表の作成を進めていた。

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いよいよ旅たちの日が来た。
 
まずは、今回自転車で走った行程表を見ておきたい。

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ようやく2月中旬、近江の長期天気予報を調べて、降雪予報のない1週間を選んでスタートする
ことにした。

今回は、冬季サイクリングのため携行品も多く、マウンテンバイクを含めて相当の重量となるので1日当たりの走行距離を40Km前後と設定し、1日当たり5時間走行、びわ湖一周約200Kmだから、全行程を4泊5日でゆっくりと走ることにした。
 時速にして8Kmという超スローサイクリングである。
 
自転車による「びわ湖一周」は、ロードによる最速8-10時間で完走するものから、ママチャリの
平均的な1泊2日(走行時間@8HXD=16H / 時速12.5Km)の行程が普通であるから、
いかに遅く、のんびりと走ったかがわかる。

この際、のんびりと近江の歴史をもたどってみたい。
 
近江の冬の寒さをよく知る者として、夜間零下になるアウトドア―の過酷さと突然の降雪を考えて
携行品を選んだ。
零下5℃に対応できるように、羽毛の寝袋2個と温食のための携帯ガス・ストーブとエベレスト用といわれる厚手の下着などを携行しての出発となった。
 
最近、滋賀県びわ湖一周サイクリングを<BIWAICHI-ビワイチ>と名付けて、キャンペーン中で
ある。 
週末ともなると子供さんを連れてのファミリーサイクリングや、シニアによるグループサイクリング、中高生による学校サイクリング、ボーイスカウトガールスカウトによるアウトドア―サイクリング、そして単独サイクリングはじめ、タイムサイクリングやイベントサイクリングほかとそれは賑やかになって
きた。
 
ただ、オフィシャルな統一されたびわ湖一周サイクルロードが全行程あるわけではなく、
いまだ自動車と一緒に走る部分が多く残されている。
もちろん、県や市町村も部分的にはサイクル専用ロード(かなりが歩行者兼用)を造り、
車道にサイクル区分帯やサイクル・サインを描いてはいるが、まだまだ安心安全サイクリングには
程遠いといえる。
 
一気に、びわ湖一周サイクル専用道路とそのサポート施設を造ってしまえば、レジャーとしての観光資源となることは疑いない立地条件にあるのに惜しいことである。

今後は、びわ湖一周をサイクリングだけでなく、トライアイスロンのように、泳ぎ(またはカヤック・カヌーを漕ぎ)、自転車を走らせ、ランニング(トレイルランニング含む)し、オリエンテーリングや野外生活(キャンピング・フィッシング・ラフティング等)を取り入れた総合レジャーコースや、青少年野外体験(中高生対象)コースとしての開設が待たれる。
 
びわ湖一周サイクリング・ルートの素晴らしさは、鉄道で一周できることである。各自の計画や
好みでJRのどこの駅からでもスタートでき、またどこからでも自転車を列車に乗せて帰ることが
できるということだ。

そして無理することなく、各自のスケジュールでサイクリングが楽しめるという利便性・メリットがある。
近い将来、びわ湖をめぐるJRの各車両に、自転車専用の車両が連結される日を待ちたい。
その前に、車両に現在供えられている乳母車や車いすのスペースを拡張し、輪行袋に包まずに
自転車をそのまま載せていただければサイクリストの夢が叶うというものである。

実際、近江鉄道の一部の路線では、自転車をそのまま載せるサービスを実施している。
サイクルトレイン-近江鉄道>を参照願いたい。
www.ohmitetudo.co.jp/railway/cycletrain/index.html
 
 
では、びわ湖一周サイクリングに出かけよう。

住んでいる大津市木戸(旧滋賀県滋賀郡志賀町木戸連歌山)は、びわ湖バレーのある山麓
位置する。
スタートは、<ビワイチ>のチェックポイントのあるJR志賀駅に隣接する「志賀観光協会」前から
である。
 
<ビワイチ>のチェックポイントについては、ホームページ「びわ湖一周認定システム」を
参照願いたい。
びわ湖一周サイクリングをして、ビワイチの「認定証」や「ステッカ」<https://i.biwako1.jp/ >を獲得するのも記念になるので挑戦してみてほしい。
ここでは、立ち寄り確認したポイントのみを紹介し、クイズは現場で楽しんでいただくために、あえて掲載していない。

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                              『びわ湖冬景色―近江の歴史をたどる老人自転車ひとり旅』 ②
                                   1日目 <JR志賀駅前 ⇒ 膳所城址公園 35km>
                                                           につづく