船窪小屋に到着した。朝5:00amに出発し、12:30am<Welcome Bell>に迎えられて、早々と今夜お世話になる山小屋に入った。
船窪小屋の西に連なる船窪岳・不動岳・南沢岳・烏帽子岳という明日歩く裏銀座縦走コースの山々が目と鼻の先にその雄姿を見せてくれている。不動岳の台風の傷跡である山崩れが痛ましい。遠くに立山連峰が横たわり、剣岳が顔をのぞかせていた。南東には餓鬼岳2647m・東沢岳2497m・これから向かう燕岳2762mが遠望できる。
船窪岳2459mの後方は立山連峰
前年の台風のつめ跡を残す 不動岳 2595m
裏銀座縦走コースに沈む夕焼け
船窪小屋のカーテン付寝床
トイレは外付け(玄関横にも有) (船窪小屋)
船窪小屋の心づくしの夕食と般若湯
トイレは外付けである。ヘッドランプをつけてのトイレ通い、そこには満天の星空にカシオペア座・オリオン座・北斗七星全部が一緒に見られる。雲海が夜空のもと綿雲のように宙に浮いているようで、まるで魔法の絨毯に乗っているようなおとぎの世界を味わった。
小屋のオーナー松澤宗洋さんの囲炉裏にくべる乾いた薪(たきぎ)のはねる音、煙の香りが野生の本能をくすぐってくれる。ランプのもと静寂な時間がながれる、静かだ。遠くで満月に向かって吠えるオオカミの姿を思い浮かべた。ちょうど7年前カナダからアラスカに向かってユーコン川をカヌーで280kmを下ったときに味わった大自然での野営、寒さに震えたオーロラ観賞を思いだしていた。漆黒の闇に野生動物のうごめきを知った自分の本能、時間と共に回天する地球という星の悠久の動き、偉大なる神の創造物としての宇宙の営み、感動に酔いしれてふけゆく山上で生かされている喜びを味わった。
天候悪化により、船窪小屋に予約のあった7人パーティはとうとう連絡もなくキャンセルになったようだ。結局わたし一人の泊りとなった。ランプの光がうっすらと寝床を照らし、窓からは星空が雲間に広がっていた。19:30早めの就寝。