shiganosato-gotoの日記

星の巡礼者としてここ地球星での出会いを紹介しています。

2003 『星の巡礼・カミーノ・デ・サンチャゴ自転車巡礼800kmの旅日記』 Ⅶ

2003 『星の巡礼・カミーノ・デ・サンチャゴ自転車巡礼800kmの旅日記』 Ⅶ

イメージ 1《カミーノ・デ・サンチャゴ 自転車巡礼のすすめ》 ⑦
 
 
< セブレイロ峠 ・ 茶屋《DelPeregrino Comestibles Poyo》で一服 >


気温36℃の猛烈な暑さが巡礼者を襲う。体感は40℃を越えているのではないだろうか。あまりの暑さに涼を
求めて茶屋に飛び込んで冷たいビールとピーナツで一息いれる。

越えてきた峠をスケッチしながら体を休める。

セブレイロ峠には、サンチャゴ・デ・コンポステーラに向かう、巡礼中の聖ヤコブ(サンチャゴ)が帽子を風に飛ばされないように手を添え、先へ進もうとする像が建っている。

巡礼者は、サンチャゴ像におのれを重ね、苦難に立ち向かうのである。


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セブレイロ山域に立つ巡礼中の聖ヤコブ像の前で

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セブレイロ峠より走ってきたカミーノを振り返る(スケッチ)                           峠をいく巡礼者

 
<1998 『カミーノ・デ・サンチャゴ』 と 『熊野古道』 は世界遺産姉妹巡礼路協定を結ぶ >
 
日本の熊野古道は昔の「蟻の熊野詣」としてよく知られている。
わたしも熊野古道の中辺路、奥駈けを歩いたが、現代は「蟻の熊野詣」の様相を呈しておらず、静かな巡礼路と
して世界から脚光を浴びている。

カミーノ・デ・サンチャゴとの姉妹巡礼路の締結があってから、熊野古道のなかでも中辺路に外国からの巡礼者
が目につく。


「カミーノ・デ・サンチャゴ巡礼」は巡礼者の信仰からであろう、昔から現在にいたるまでその巡礼者が絶
えることなく続いているのには驚かされた。


「蟻の詣」とは、ここカミーノ・デ・サンチャゴの事をいうのであろう。昼夜をとおして巡礼者が途切れることがない。とくに青年男女が目立つ、それも学校単位であろうか、グループ巡礼である。カップルも多く、巡礼をおえたコンポステーラで結婚式を挙げるという恋人たちもみられる。

老若男女、それぞれの巡礼のあり方があって微笑ましい。

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カミーノ・デ・サンチャゴのシンボルマーク・帆立貝      熊野古道のシンボルマーク・八咫烏(やたがらす)


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                 両巡礼路達成者に与えられる証書
 
 <二つの巡礼の道、巡礼達成の条件に関しては下記にて参照願いたい> 
 www.tb-kumano.jp/kumanokodo/dualpilgrim/  
 
 
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巡礼の村では聖ヤコブ像が出迎えてくれる

 
◎<最後の露営地・テグイン村公園> Pueblo Teiguin


セブレイロ手前にあるサモス村をでると、小さな公園がある
小川が公園の真中を流れている
その川には石の橋が架かっている
まるで中世の世界に迷い込んだような情景である
暑さで流れた汗を清流につかり洗い流す
これまた汗でびっしょりのタオルとTシャツも洗う


裸で失礼、夕涼みの村人もあたたかく、大目に見てくれている
うれしかったのは、ボーイスカウトの子供たちが小川に飛び込み
わたしの周りに集まって一緒に水遊びをしてくれたことだ


今夜はこの素晴らしい公園の芝生の上で、
小川のせせらぎを聞きながら野宿するのだ
暗闇で、きらめく星たちと語らい、流れ星を追う
 ヘッドライトの先に浮かび上がる聖書の一節を誦句した


   “There is nothing that goes into you from theoutside which can make you ritually unclean.
     Rather, itis what comes out of you that make you unclean.”  <Mark7-15>


     『外から人の体に入るもので人を汚すことができるものは何もなく、人の中から出て来るものが、
       人を汚すのである    <マルコによる福音書7章15節>


       <その人から出てくるもの>とは、『つまり人間の心から、悪い思いが出て来るからである。
     みだらな行い、盗み、殺意、姦淫、貪欲、悪意、詐欺、好色、ねたみ、悪口、傲慢、無分別など、
     これらの悪はみな中から出てきて、人を汚すのである。』


2003/8/19Tue. 《 カミーノ・デ・サンチャゴ巡礼路 9日目》 
㉖ セブレイロ / Cebreiro  ⇒  アルスー /Arzua    自転車走行距離 /積算距離 77km/ 751km
 
8月18日早朝 3:00 スタート

テグイン村の川の畔にある公園が、カミーノ・デ・サンチャゴ巡礼路最後の露営地になった。
半弦の月をみながら目をさまし、早朝に公園を出立する。
 

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 セブレイロに到着

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セブレイロ大聖堂


サリア / Sarria >通過

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 終着地まで112km地点とあるサリア村を駈けぬける
 
自転車を走らせていると、消えゆく半弦の月の位置が定位置でないことに気付く
走れば走るだけ月から離れていくではないか
気付いた時には、山を下り、正反対の方へ走らせている
地図を調べると坂を下るはずがないのである
いつまでたってもSaria・サリアの村を抜けられない
18km走っても国道N-V1に出会わないのである
西に向かわなければならないのに、自転車は北を向いているのである


とうとう経由地であるSaria・サリア村に戻ることにした
これは正しい決定であった
迷った時は、一度立ち止まり、元に戻って再出発することが鉄則である


坂を上り返し、巡礼の道に戻ることが出来た
距離にして36km、時間にして3時間近くの迷いであったが
人生の教訓として消化することにした
巡礼路はいろいろな教訓を学ばせてくれるのである


 <タフなドイツ中年三人組の自転車野郎>


ドイツ・ミュンヘンからスイス、フランスを経由してコンポステーラ―に向かって2800kmの自転車巡礼を
していた。
ドイツ人らしく質素に、無駄を省き、合理的なサイクリングを楽しんでいる。
最終地では、先にゴールし乾杯を上げていた彼らが、わたしの到着を見て、完走を祝ってドイツ民謡を
高らかに歌ってくれた。


△<明日の目的地までの完走を祈っての夕食>
   パスタと魚とサラダ、赤ワインとコーヒーで祝う


アルスーア村>


Hostel <O RETIRO>に投宿


午後遅くから小雨が降りだし、ゴールを控えアルスーア村にある巡礼宿のひとつ、1階がカフェー・レストランの
ホステル「オ・レティロ」に投宿する。

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巡礼最終地<サンチャゴ・デ・コンポステーラ>の手前にあるアルスーア村のホステルに泊まる

カミーノ・デ・サンチャゴ巡礼路での最後の夜である。
静かなる巡礼路が、サンチャゴ・デ・コンポステーラへと向かって、小雨ふる夕霧のなかへと消えている。


 
《カミーノ・デ・サンチャゴ 自転車巡礼のすすめ》 ⑧へつづく