「祈り花 咲かせて越えし 夏はじめ」 實久
㉝ 【大垣・おおがき】
芭蕉 「かくれ家や 菊や月とに 田三反」 (かくれがや きくやつきとに たさんたん) (住吉燈台)
「結びの地 句作尽きぬや 夏陽哉」 (むすびのち くさくつきぬや なつびかな) 實久
芭蕉 「神鳴りに 雪降りわたす 山辺哉」 (かみなりに ゆきふりわたす やまべかな) (蛭子神社)
「屁をこきて 知らぬ存ぜぬ 夏の風」 (ひをこきて しらぬぞんぜぬ なつのかぜ) 實久
芭蕉 「蛤の ふたみに別れ 行く秋ぞ」 (はまぐりの ふたみにわかれ ゆくあきぞ) (燈台向かい)
「老いもよし 奥の道満つ 山桜」 (おいもよし おくのみちみつ やまざくら) 實久
芭蕉 「萩に寝 ようか萩に 寝ようか」 (はぎにね ようかはぎに ねようか) (燈台横)
「大垣や 緑燃立つ 仕舞い酒」 (おおがきや みどりもえたつ しまいざけ) 實久
芭蕉 「花にうき 世我酒白く めし黑し」 (はなにうきよ わがさけしろく めしくろし) (貝殻橋付近)
「この旅も あまねくしてや 月朧」 (このたびも あまねくしてや つきおぼろ) 實久
芭蕉 「其まゝよ 月もたのまじ伊吹山」 (そのままよ つきもたのまじ いぶきやま)
「真顔にて 月夜に潜む 伊吹哉」 (まがおして つきよにひそむ いぶきかな) 實久
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「句に酔いて 心も風と 千鳥足 終えし旅路や 朧なりけり」 實久
(くによいて こころもかぜも ちどりあし おえしたびじや おぼろなりけり)
侘しきや 朽ち果てし句碑 夏木立
抱きしめし 句碑と出会いの 暗き薮
崩れ句字 こらして目をや 夏の暮
夢に見し 奥の細道 夏疾風
月速し 今日は結び地 忘れな草
大垣 水門川 高橋西北角 「奥の細道・結びの地」に到着した芭蕉翁像
「② 日光」 につづく