「ひとも皆 ただ繁りしや 夏の草」 實久
6.鶴岡 ⇒ 象潟 ⇒ 新潟 <奥の細道 6>
⑲ 【鶴岡・つるおか】
⑳ 【酒田】
「最上川 一口塗りし 紅化粧」 (もがみかわ ひとくちぬりし べにけわい) 實久
「最上川 満ちし紅花 出でし海」 (もがみがわ みちしべにばな いでしうみ) 實久
「齧りたし丸み光るや 初真桑」 (かじりたし まるみひかるや はつまくわ) 實久
「湯煙に温海沸かすや 夏霞」 (ゆけむりに あつみわかすや なつかすみ) 實久
㉑ 【象潟・きさがた】
「象潟の 鷺も白けり 忍び脚」 (きさがたの さぎもしろけり しのびあし) 實久
「ひねもすや 象潟の田に 鷺の舞」 (ひねもすや きさがたのたに さぎのまい) 實久
㉒ 【温海・あつみ】
「夕顔や 温海涼みし 烏賊釣火」 (ゆうがおや あつみすずみし いかつりび) 實久
7.新潟 ⇒ 親不知 ⇒ 金沢 <奥の細道紀行 7 - 越後路>
「初蝶や 似て非なる顔 かしこみて」 (はつちょうや にてひなるかお かしこみて) 實久
「夏急ぐ あふるる光り 鵜の浜や」 (なついそぐ あふるるひかり うのはまや) 實久
㉔ 【親不知・おやしらず】
「子不知や 漁り火頼る 親不知」 (こしらずや いさりびたよる おやしらず) 實久
㉕ 【市振・いちふり】
「孤の村や 埋もれし魚網に 蝶泊り」 (このむらや うもれしあみに ちょうとまり) 實久
「市振や 午睡の最中 われ独り」 (いちふりや ごすいのさなか われひとり) 實久
「市振の 翁もねたり 漁り火や」 (いちふりの おきなもねたり いさりびや) 實久
㉖ 【倶利伽羅峠・くりからとうげ】
「鬨の声 火牛追いしや 山法師」 (ときのこえ かぎゅうおいしや やまぼうし) 實久
「義仲の 生きざま悲し 雲遮月」 (よしなかの いきざまかなし うんしゃげつ) 實久
「乾きたる 磯の香りや 平家の陣」 (かわきたる いそのかおりや へいけのじん) 實久
8.金沢 ⇒ 山中 ⇒ 福井 ⇒ 大垣 <奥の細道紀行 8>
㉗ 【金沢・かなざわ】
「溶けなじむ 海面の夕日 夏の風」 (とけなじむ うなものゆうひ なつのかぜ) 實久
芭蕉 「春もやや 気しき調ふ 月と梅」 (はるもやや けしきととのう つきとうめ) (本長寺)
「命逝く 泪落つるや 夏の暮れ」 (いのちゆく なみだおつるや なつのくれ) 實久
「夏の露 宇宙覗けと 星の下」 (なつのつゆうちゅうのぞけと ほしのした) 實久
「子来りて 迎える坂や 夏の汗」 (こきたりて むかえるさかや なつのあせ) 實久
芭蕉 「小鯛さす 柳すずしや 海士が軒」(こだいさす やなぎすずしや あまがいえ) (本能寺)
「夕日落つ 蕉碑や影も 松の中」 (ゆうひおつ しょうひやかげも まつのなか) 實久
(宝泉寺・五本松にて)
「風揺らぐ 鎮守の杜の 木洩れ日や」 (かぜゆらぐ ちんじゅのもりの こもれびや) 實久
芭蕉 「あつみ山や 吹浦かけて 夕すずみ 」