「苔むせし 霞む石段 侘びも寂び」 實久 (羽黒山にて)
㉘ 【小松・こまつ】
「寺町の 路地裏抜ける 夏の風」 (てらまちの ろじうらぬける なつのかぜ) 實久
「侘び寂びも 笑いこころや 雨の萩」 (わびさびも わらいこころや あめのはぎ) 實久
「麗しき 本折腰や 青柳」 (うるわしき ほんおりこしや あおやなぎ) 實久
㉙ 【山中温泉・やまなかおんせん】
「湯上りや 別れ旅路の ちぎり雲」 (ゆあがりや わかれたびじの ちぎりくも) 實久
「湯煙に 燕の親子 姦しや」 (ゆけむりに つばめのおやこ かしましや) 實久
「ひとときの 別れも寂し 笠の露」 (ひとときの わかれもさびし かさのつゆ) 實久
「朧月 ふたり別れの 湯の匂い」 (おぼろづき ふたりわかれの ゆのにおい) 實久
(あやどり橋・慈母観音横・医王寺・道明が淵)
「湯上りや 朧月夜に 影そぞろ」 (ゆあがりや おぼろつきよに かげそぞろ) 實久
(こおろぎ橋付近・医王寺・大木戸門跡)
「こおろぎも ぬくもりそぞろ 菊の湯や」 (こおろぎも ぬくもりそぞろ きくのゆや) 實久
「涼しけり こおろぎ橋や 河鹿鳴く」 (すずしけり こおろぎや かじかなく) 實久
「医王寺や 鐘が呼びたり 夏の雲」 (いおうじや かねがよびたり なつのくも) 實久
朝靄に 霧散こころや 鐘の音 (あさもやに むさんこころや かねのおと) 實久
夏六つ 鐘つきわたる 鹿野師や (なつむっつ かねつきわたる しかのしや) 實久
(医王寺・鹿野住職とともに鐘つき)
㉚ 【大聖寺・だいしょうじ/松岡・まつおか】
「小坊主や 無心の庭に 散る柳」 (こぼうずや むしんのにわに ちるやなぎ) 實久
㉛ 【福井・ふくい】
「道の辺や 玉江の端に 揺れし月」 (みちのべや たまえのはしに ゆれしつき) 實久(玉江二の橋)
「朝六つや 露をまといし 野菊かな」 (あさむつや つゆをまといし のぎくかな) 實久 (朝六つ橋)
「明け六つの 恋も悲しき 夏の暮」 (あけむつの こいもかなしき なつのくれ) 實久 (朝六つ橋)
「朝六つや 声明切りし 夏の風」 (あさむつや しょうみょうきりし なつのかぜ) 實久
㉜ 【敦賀・つるが】
「夕顔や 色ケ浜飾る 厚化粧」 (ゆうがおや いろがはまかざる あつけわい) 實久
「砂持ちや 遊行なるべし 蓮の池」 (すなもちや ゆぎょうなるべし はすのいけ) 實久
「命満つ 越の中山 月明かり」 (いのちみつ こしのなかやま つきあかり) 實久
「名月や 源平戦も 喰らいしや」 (みいげつやげんぺいせんも くらいしや) 實久
「沈鐘の 鳴き怨霊や 磯焚火」 (ちんしょうの なきおんりょうや いそたきび) 實久
(敦賀・月塚-市民文化センター)
「仕舞い来て 手水揺れにし 気比の月」 (しまいきて ちょうずゆれにし けひのつき) 實久
「夕顔や 色ケ浜飾る 厚化粧」 (ゆうがおや いろがはまかざる あつけわい) 實久
(色ケ浜・本隆寺・開山堂)
「潮染むる 白雲揺れし 浪の華」 (しおそむる しらくもゆれし なみのはな) 實久
「月白く 出会い寂しき 北の国」 (つきしろく であいさびしき きたのくに) 實久
芭蕉句碑「寂しさや」
につづく