2022
『星の巡礼 インドの旅 スケッチ展』
スケッチ/詩句 後藤實久
2022" Indian Journey - Sketch Exhibition"
Illustration & Sketch by Sanahisa Goto
インドは、<喧騒と貧困の国>の時代から<ITを支える国>へと変貌を遂げるなか、ガンジス川への
信仰が脈々と受け継がれている<神々と信仰の国>でもあるのです。
渦巻く人間の大海の中で、不変の生き様をさらしている不思議な情熱を感じる国であり、人を避けて旅する
ことが出来ないインド、そこでは旅人を惹きつけてやまない不変なるサイケな流転に出会うのです。
インド、そこで出会った<梵我一如の世界>をスケッチ・ドローイング・挿絵として、旅日記に描き残してきました。
ご鑑賞いただければ幸いです。
<梵我一如の世界>とは、自然界の根本原理と、自我の原理が同一<我即世界・世界即我>であるというインド哲学・世界観をさします。
禅の教えである、<呼吸の世界>に相通じるものがあり、魅了させられました。 <無の風>が吹く時の
流れに身を任せるインドの旅は、わたしに無垢なる自由を味合わせてくれたものです。
では、参りましょう。
2022年10月1日 志賀の里 孤庵にて 後藤實久
ブログでは、次のように書かせてもらいました。
『ここでは日本的な繊細な色彩をほとんど見ることが出来ない。
もしインドに生まれていたら、インド人と同じく梵の死生観にもとづき、<梵我一如>の世界にどっぷりつかり、時の流れに身を任せていたに違いない。
この梵の地に釈迦が誕生し、仏教が育った事を思うと、このインドの地は、哲学的人間を育む気と心とエネルギーが充満しているのであろう。
ユダヤの地に見る、砂漠の気と心とエネルギーがキリストを誕生させたようにである。
また、キリストを信じる貧しき人々に生きる力を与えたモハメットのようにである。
不思議と、貧が人々のこころを洗い清め、生死の意味を与えているといえる。
ヒンズーの人々の深遠な目には、死を恐れない平安の光が漂っているように見えるのはわたしだけなの
だろうか。 それは、カースト制のもと、貧困から脱却したいという来世を信じる心にありそうである。
ヒンズーの来世はどんなところなのだろうか。 その美しい光に出会えることを祈りたい。』
インドの旅地図 / Indian Travel Map
<わたしはどこから来て、どこへ行くのだろうか>
<わたしはなぜ今、この境遇で、ここにいるのだろうか>
ヒンズー教の世界、インドを旅するにあたって人生の命題が頭をかすめたのは確かです。
そこは輪廻転生、解脱を信じる真剣な祈りと、カースト制度による宗教実践の国だからです。
このインドの旅で、おのれの死生観に変化が見られるかどうかはさておいて、
旅行中は時間を見つけ、スケッチや挿絵を描きながらインドの大地に溶け込んできました。
お楽しみいただければ幸いです
《 インパール南道戦跡 現在の風景 》A
-インド&ビルマ戦線跡ー
ー Current scenery of the Imphal South Road battlefield ー
India & Burma
2003年、インパール作戦の最終攻略地であったインパールを訪れ、インパール南道で散っていった英霊を慰め、ビルマ国境まで足をのばした。 13年後の2016年、ビルマ側からインパールを目指してアラカン山脈に延びる <白骨街道>を歩いた時のスケッチや川柳を参考までに載せておきたいと思います。
詳しくは、下記ブログを参照願います。
『インパール作戦退却路・アラカン山脈白骨街道における露営・慰霊紀行』⑮
https://shiganosato-goto.hatenablog.com/entry/14349634
『第二次大戦時、日本軍はビルマ(現ミヤンマー)にある連合軍の援蒋ルート(中国軍への軍需物資輸送路)を遮断するため、インド東北部アッサムにあった兵站基地インパールを攻略する<インパール作戦>を発動した。
日本軍は、ビルマ側のチンドウイン川、インド東方にそびえる2000m級のアラカン山脈に阻まれ、兵站(へいたん・実行部隊への支援活動)に失敗し、敗退した。
世界戦史上、もっとも稚拙な軍事作戦ともいわれ、その敗退路に斃れていった将兵の屍の多さから<白骨街道>と呼ばれた。
2003年2月にインド側のインパール南道戦跡を訪ねたあと、2016年1月にビルマ側からアラカン山脈のインパール作戦退却路<白骨街道>を歩いた。
インパール作戦跡のインド側とビルマ側の現在の風景と情景をスケッチと川柳に託して、無念の中に斃れ、インド・ビルマの地に散った将兵のみなさんに捧げるものである。』
インパールの商店街
Imphal old shopping street
Operation Imphal battle site pilgrimage map (India-Burma border)
Map of the vicinity of Thong Giang, Imphal South Road (Burma)
アラカン山脈チン高地(標高1560m)
Chin Highlands, Arakan Mountains (1560m above sea level)
イラワジ河よりアラカン山脈 チン高地を望む
View of the Chin Highlands of the Arakan Mountains from the Irrawaddy River
パゴダに祈る少年僧 <インパール東道 タムにて> 白骨街道に立つ老菩提樹
Praying to a boy monk pagoda An old linden tree standing on Shirahone Kaido
<At Tham, Imphal East Road>
《インド・ビルマ国境アラカン山脈 ー 白骨街道で慰霊を詠う》
India-Burma border, Arakan Mountains - Singing a memorial service on the skeleton Highway
『ああわれいま アラカン山脈にありて』
詩 後藤實久
ああわれいま アラカン山脈におりて
マニプール河を見下ろして
多くの斃れし将兵を慰めんとす
酒 地深くしみわたり 白米その白きを没す
線香天高く昇りゆき 埋もれし兵士の
声となって天にとどく
鈴の音 軽やかにアラカンに木霊して
その涼しき音色に 英霊こころ癒すや
その魂 西風にのって祖国日本に帰らん
ああわれいま ここトンザンにおりて
阿羅漢の主と 共に眠らんとす
アラカン山脈の赤土に逞しく生きる雑草たちを添えた栞です
句作 後藤實久
インパール作戦 南戦跡 ハカの雲海 (標高1889m)
Operation Imphal South Battle Ruins Hakah/ Sea of Clouds (elevation 1889m)
Imphal South Road Village of Arakan Mountains Sunset at Tonzan
《ダージリング登山鉄道 と ヒマラヤの山々》
―ダージリング茶畑の風景―
《The Darjeeling Mountain Railway and the Himalayan Mountains》
自称<乗り鉄>として、一度は乗って見たかった夢の登山電車<ダージリング・ヒマラヤ鉄道>に乗った時の感動は、今も脈々と血潮を躍らせ、ヒマラヤの上空を舞っているような気分に、誘い込まれます。
カルカッタからインド東北にあるインパールへの途次、その時を逃さず、夢に見た<ダージリング・ヒマラヤ鉄道>に飛び乗ってみました。
その時の感動は、ブログに残しているので訪ねてみてください。
https://shiganosato-goto.hatenablog.com/entry/2022/07/09/090642
ダージリンに向かう登山鉄道<トイ・トレイン>
Steam locomotive heading to Darjeeling <Toy Train>
開業当初の機関車が途中故障したダージリング・ヒマラヤ登山鉄道 と 見守る乗客<トイ・トレイン>
The Darjeeling Himalayan Mountain Railway, where the locomotive at the time of its opening broke down on the way and the passengers watching over (Toy Train)
(写真 ウイキペディア提供)
1879 Loop line & Switch-back at the time of opening / Toy train going up while rolling sand
カンチェンジュガ峰 8505mを背にダージリングの紅茶畑 Ⅰ
Darjeeling tea field with Mt.Kangchenjunga peak in the back
カンチェンジュガ峰 8505mを背にダージリングの紅茶畑 Ⅱ
Darjeeling tea field with Mt.Kangchenjunga peak in the back
夕陽の落ちる茶畑(ダージリング紅茶) インド・ダージリング Ⅲ
Tea plantation (Darjeeling tea) Continued Darjeeling
ダージリングの丘 Darjeeling landscape
爆走するサイケ調のTATAトラック
Psychedelic track / Darjeeling ➡ Kolkata (Route 12)
《ヒンズーの神々とカルカッタ散策》B
―Hindu Gods and Calcutta-
まずは、カルカッタ(コルコタ)を巡り、バラナシへ向かうことにします
この旅で、輪廻転生を信じるインドの人々の死生観に触れることが出来るでしょうか
弁財天<サラスバディー>・カーリー寺院
Benzaiten <Saras Buddy>
コルコタ路地裏のヒンズー寺院
Hindu Temple in the back alley of Kolkota
コルコタの路地裏の風景
The scenery of the back alley of Korkota
コルコタ路地裏 定食屋 パラビ・インターナショナル・ホテル
Pallavi International Hotel Kolkata Back alley of Kolkota set meal shop
コルカタ・タクシー(1978年型アンバサダー・クラッシック)
Kolkata Taxi (1978 Ambassador Classic)
ヒンズー教の神々 <シバ神のシンボル:リンガー>
Hindu gods <Symbol of Shiva: Ringer>
インド婦人
INDIAN LADY
梵の世界<ガネーシュ : カーリー寺院>
The world of 卍 <Ganesh : Kali Temple>
ヒンズーの神 スカンダ― / Hindu god Skanda
《バラナシ 死者を見送る聖なる河 ガンジス》
―Varanasi, the holy river that sees off the dead, Ganges―
「霊的な光にあふれた街」、ガンジス河畔を歩くと、肉体の焦げる匂いに包まれ、
現実に死と向き合う瞬間でもあるのです。
死してあの世、自由なる聖地に解放される魂の安らぎを感じようとする多くの老若男女がガンガーの
流れに身を沈めるのです。
ガンガーは、今日も沐浴の民を温かく迎えています。
Indian Railways <To Varanasi train from Calcutta Howrah Station>
ガンガー河の夜空(バラナシ・インド)
Night sky of the Ganga River (Varanasi, India)
バラナシ・ガンジス河畔 / フレンズ・ゲストハウスの屋上より
Varanasi Ganges river bank / at the roof top of Friends Guesthouse
バラナシ・ゴールデン寺院
Varanasi Golden Temple
ガンガーの夜明け / The dawn of Ganga
朝の祈り/ ガンガー河・バラナシ
Morning Prayer/ Ganga River, Varanasi
ガンガーの祈り Ganga prayer
《ガンガーに 祈りてやわれ 来世の 解脱求めて 沈めてみたり》 實久
―がんがーに いのりてやわれれ らいせいの げだつもとめて しずめてみたり―
バラモンRrahmin ビシュヌ神―バラナシ
Vijayanagaram Ghat-Ganga River Vishnu-Varanasi
ガンガーでの沐浴を終えるとバラモンに手招きされ額にビンディ―を点け、祝福を受けた
After bathing in the Ganga, he was beckoned by a Brahmin, placed a bindi
on my forehead, and received a blessing.
ガンガーの風景<沐浴と送り人>
Scenery of Ganga <Ablution and sender>
ヒンズー女神ヒンズー花紋 ヒンズー花紋 チベット仏陀フェイスマスク
Hindu girl god hindu flower pattern Tibet Buddah Face mask
Buddha Showgirl Brahmin
ヒンディー文字と文様 ・ Hindi letters and patterns
バラナシ駅・VARANASI STATION タタ紅茶・TATA TEA
昼寝する女 バラナシ・イングリッシュ・ガーデンにて
Woman taking a nap English Garden Varanasi
《アジャンダー石窟寺院の風景》C
―Scenery of Ajanda Cave Temple―
『紀元前2世紀ごろよりここアジャンダーに住みついた修行僧たちは小乗仏教期の8窟から13窟を堀り、仏陀の姿を直接表現することなく、ストウーパ(仏塔)や菩提樹で表現していた。
その僧たちが、1世紀ごろには全員姿を消し、アジャンダーの石窟は放棄されたという。その後、4世紀に再び僧たちが修行をはじめたが、この期は大乗仏教の時代であり、仏陀が仏像として表現されている。
当時の仏教美術の最高傑作と言われるアジャンダー1窟にある蓮華手観音菩薩像はじめ、有名な壁画のほとんどは、この期に描かれている。
8世紀に入って、仏教が衰退していくとともに、修行僧もいなくなり、アジャンダー石窟は1000年もの長きにわたってジャングルに覆われることになった。
1819年4月イギリス軍士官ジョンスミスが虎狩りをしていた時、巨大虎に襲われてワゴーラ谷に逃げ込んだ時、断崖に装飾のほどこされた馬蹄形窓を見つけたのが、アジャンダー石窟寺院発見につながった。
今から約200年前のことである。』
アジャンダー石窟寺院 全景/ Ajanta Caves, India
アジャンダー石窟寺院 (アゴーラ渓谷)
Ajanta Cave Temples (Agoura Valley)
アジャンダー石窟寺院入口 / Ajanta Caves entrance
アジャンダー石窟仏像群 / Ajanta Caves・India
アジャンダー石窟壁画 / Ajanta Caves Wall Painting Ⅰ
アジャンダー石窟壁画/Ajanta Caves Wall Painting Ⅱ
アジャンダー石窟仏像群/Ajanta Caves Wall Painting Ⅲ
アジャンダー石窟 涅槃像/Ajanta Caves Reclining Buddha
アジャンダ石窟寺院群 配置図
Ajanda Cave Temples Layout
《エローラ石窟寺院の風景》C
―Ellora cave temple scenery―
『初期の仏教は、おのれの救済が中心であり、閉鎖的な瞑想空間を多くとる石窟寺院が造られた。
時代がたつとともに大衆を救う大乗的宗教に変化し、閉鎖的な石窟寺院から解放的な寺院へと変遷、最終的
に石窟寺院そのものを必要とせず、エローラ石窟での仏教寺院は放棄された。
僧院では修行僧が共同で生活しながら瞑想し、僧院には寝室や台所も備わっていた。仏塔のある石窟には、
仏陀や聖者が彫られており、現代の仏殿(本堂)の原型を見ることが
10窟は、仏教窟として最後期の窟で、ストウパーの前に説教する仏陀の像があり有名である。』
エロ―ラ石窟仏像群 / Ellora Caves, India
エローラ16窟カイラーサー寺院
Ellora 16 Cave Kailasa Temple
エローラ・アジャンダー石窟寺院群(アウランガバード周辺地図)
Ellora-Ajanda Cave Temples (Map around Aurangabad)
エローラ石窟寺院群 配置図
Ellora Cave Temples Layout
エローラ石窟寺院に向かう ターンガー(二輪馬車)
At Aurangabad Thangar (horse-drawn carriage)
オートリークシャ Auto rickshaw (Alaungabad)
エローラ・アジャンダ石窟寺院巡りは馬車やオートリクシャが便利
《アウランガバード周辺》C
ドウラターバード砦 / Fort Daulatabad, Ellora, India
マセラン軽便鉄道 ネラル駅にて
Lecarnet du CFC/Matheran Light Railway
At Neral Station/to Bombay
ブッダガヤ近郊ビハールの農村風景
Rural landscape of Bihar near Bodh Gaya
《タージマハル Taj Mahal》
世界一美しいと言われるタージマハールは、16世紀の初めから19世紀後半までの約300年以上続いた
イスラーム国家ムガル帝国の第5代皇帝シャー・ジャハーンが、1631年に逝去した愛妃ムムターズ・
マハルを埋葬するために建設した総大理石の霊廟です。
タージマハール / Taj Mahal 王妃の棺を照らすランタン
Lantern lighting the Queen's coffin
タージマハール / Taj Mahal
ナムア川畔に立つタージマハールの塔
Tower of the Taj Mahal on the banks of the Namua River
幻想的なタージマハール / Taj Mahal
ご来館有難うございました。
インドという混沌の世界で、ほっと安堵する自分に出会われたでしょうか。
またのお越しをお待ちします。
2022/10/1 志賀の里 孤庵 後藤實久
バラナシ・ガンガー河畔<ビジャガナラム ガート>でスケッチ中
フレンズGHのワン君<トミー>と
Sketching with Friends GH's dog <Tommy>
Vijayanagaram Ghat-Ganga River
(Varanasi, India)
Thank you for visiting us.
Have you found yourself at ease in the chaotic world of India?
We look forward to seeing you again.
Sanehisa Goto
Shuga-no-Sato Ko-aN
完
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<関連ブログ>
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