shiganosato-gotoの日記

星の巡礼者としてここ地球星での出会いを紹介しています。

2022『星の巡礼 人生最後のロングトレイル縦走を終えて』

      

 

       『星の巡礼 人生最後のロングトレイル縦走を終えて』

           ―新設<比良比叡トレイル>を歩くー

 

2021(令和3)年秋、70台最後の歳の縦走トレッキング(ロングトレイル縦走)として、また最近新設なった<比良比叡トレイル>縦走路完成を祝って、朽木をスタートし、比叡山をめざして3泊4日の予定で歩き出したのである。

 

(参考資料) : 2021『星の巡礼 奥比良縦走 / 老人の山旅随想』

https://shiganosato-goto.hatenablog.com/entry/2021/10/25/165451

 

とくに、長年調査追及してきた<消えた比良山系から比叡山系への連絡登山路>の復元を目指していただけに、この度の、比良比叡トレイル協議会の発行した<比良比叡トレイル・マップ>や、昭文社の<2021山と高原地図46-比良山系>の改訂版でも見られるように、<新設比良比叡連絡登山路>の地図標示が書き加えられたことに喜んでいるロングトレイラーの一人である。

 

              <比良比叡トレイル接続ルート表示の地図>

        左・比良比叡トレイル協議会の発行した<比良比叡トレイル・マップ>

           右・昭文社の<2021山と高原地図46-比良山系>の改訂版

 

 

              <比良比叡トレイル接続ルート表示の地図>      

     比良比叡トレイル協議会発行地図      昭文社の<2021山と高原地図46-比良山系>

 

長年、<比良比叡接続ルート>に関心を持ち、調査研究、実地踏破してきた者として、関係機関で合意設定された<比良比叡接続ルート>をぜひ、歩いてみたかったのである。

だが、  昨年秋の実行は、悪天候のため縦断途中、残念ながら中断し、荒川峠より下山したことは、すでに<2021『星の巡礼 奥比良縦走 / 老人の山旅随想』>で述べたとおりである。

 

 

             蛇谷ケ峰で天地創造の朝日を迎える            荒川峠 比良比叡縦走エスケープを決断

       (2021/10/09早朝  比良比叡トレイル縦走開始)    (2021/10/10午後 悪天候下山)

 

今回こそ、昨年実現しえなかった比良比叡接続ルートを実際に歩き、詳しく紹介してみたいと思ったが、

今回もまた体調不良というか、老齢からくる体力不足で、<霊仙山頂から上龍華林道(霊仙山登山)入口>までのルート案内のみに終わってしまった。 

もう一方の比叡山系側にある比良比叡接続ルート<還来神社から魚の子山>までのルート案内は、残念ながら後日に残すことになってしまった。

80歳代になっても、まだまだロングトレイルを楽しみたいと、この春、サイクリングなどで体力をつけてきたと思っていたが・・・ロングトレイル縦走は、老体には重荷であったようである。

残念だが、ロングトレイル卒業の顛末を見ていただきたい。

 

昨秋の荒川峠で豪雨悪天候により中断、下山していた<比良比叡トレイル>を継続するため、後半トレッキングは、高齢からくる体力を考えて、2泊3日で<荒川峠比叡山>を目指すことにしていた。

比良比叡山岳地帯の長期天気予報とにらみながら、5月18~19日の登山日和に合わせて、準備していたリュックを担いで家を飛び出した。

比良比叡縦走前半の携行品と同じく全重量10kgを背負って、荒川峠経由、後半1日目の予定露営地である還来神社(もどろきじんじゃ)近くの沢目指してスタートした。

 

                   荒川登山口より登山再開

            (2022/05/18  05:45am 荒川登山口より再スタート)                

 

  

       荒川峠より打見山に向かう               烏谷山 通過                

          

               まだ雲の残るびわ湖 沖島(左手)を望む

 

 

   烏谷山方面から打見・蓬莱山を望む              比良岳 通過

 

        

                  木戸峠 通過               

 

               打見山ゲレンデから武奈ヶ岳を望む

 

体調もよく、2日目の露営地を<仰木垰>に決め、3日目はゆとりをもって比叡山をへて坂本へ下山する予定である。 何といっても新しく設定された<比良比叡縦走接続登山路>を地図上及び現地踏破で確認し、実地に歩いてみることがメインテーマである。

打見山は、快晴の登山日和、週日であるにもかかわらず、多くの登山者に出会い、挨拶も軽やかに交し合った。

 前回、悪天候により縦走中断を決め、下山した荒川峠登山口(標高348m)より登山開始、荒川峠(標高960m)に再会し、黙々と烏谷山(標高1076m)を上り、比良岳(標高1051m)をへて、木戸峠(標高974m)を下って、びわ湖バレーのゲレンデを一気に登りきって打見山(標高1108m)に出た。

 

                  打見山頂 <比良比叡トレイル>標識

 

振り返った武奈ヶ岳方面の山稜が、夏日に照らされた緑の樹海に浮立って見事である。

ここから蓬莱山頂は、湯気立つ鹿の糞に気をつけ、ゲレンデの芝生を踏みしめながら一気に登りきる。

 

蓬莱山(標高1174m)は、山の由来のように西方浄土に向かって京都北山の緑の樹海が敷き詰められ、波打っている先を拝している。

ここは、夕焼けが一番似合う山頂であり、こころ洗われる好きな場所の一つである。

蓬莱山頂やその付近には、たくさんの地蔵尊が出迎えてくれ、語りかけてくれるのが嬉しい。

 

                   打見山より蓬莱山を背景に               

 

                びわ湖を背景に地蔵尊が出迎えてくれる

 

 

     蓬莱山ゲレンデを黙々と上っていく             蓬莱山頂で

 

                   
                   蓬莱山山頂 一等三角点            

 

                   西方浄土に祈りを捧げる地蔵尊

 

            西方浄土の夕陽 (蓬莱山頂 2020/03/25撮影)

 

 

ここ蓬莱山からは、目的地比叡山に向かって一筋の赤茶けた細い登山道が続き、人の足跡を残しているのがいい。 

続いて小女郎垰(標高1076m)、ホッケ山(1051m)を経て、権現山(標高996m)に至る区間は、びわ湖の南湖を俯瞰しながらの絶景ルートである。

左手にまばゆいほどのびわ湖が浮かび上がり、背景の鈴鹿山脈や、南に横たわる湖南アルプスが霞んで見える。

歩みの先にはこのロングトレイルの<比良比叡トレイル>のゴールである比叡山(大比叡848m)が、はっきりとした山姿を横たえているのがまた何とも言えない素晴らしい景色である。 

まるで比叡山稜にびわ湖という池をあしらった箱庭のように見えるのである。

 

 

           蓬莱山から比叡山に向かう<比良比叡トレイル>    

               ホッケ山、権現山その奥に比叡山を望む         

 

                <比良比叡トレイル>からの絶景びわ

               蓬莱山より小女郎峠への下りでびわ湖大橋を望む

 

 

     小女郎峠に向かう笹平を歩く         小女郎峠通過、小女郎池に立ちよるのもいい

 

 

          初夏の風吹くホッケ山頂            ここでも地蔵尊に迎えられる

 

          ホッケ山頂より絶景びわ湖 眼下の近江舞子浜や 遠く沖島を望む

 

この素晴らしい風景を、権現山(標高996m)山頂から観賞されながら、老夫婦がお握りを頬張っておられる姿に、登山の素晴らしさがすべて凝縮し、言い尽くされているようだ。

 

       権現山頂よりの絶景箱庭  霊仙山(手前)、最奥に比叡山、左手にびわ

 

 

        権現山頂にて              山頂付近は厚化粧の山ツツジが満開

 

 権現山より、直下に霊仙山(りょうぜんやま・標高750m)を見下ろしながら急な登山路を下っていくと、林道にであう。

林道を進み、分岐<ズコノバン>(標高723m)で標識に従って霊仙山に向かう。

分岐からの霊仙への入口が不明瞭なので、注意が必要である。 分岐からはしばらく雑木林を下るが、半ばから霊仙山にとりつき、急登が始まる。

 

 

            権現山南尾根を急下ると、栗原登山口からの林道に出る

 

 

    ズコノバン分岐 霊仙山に向かう      霊仙山へは<比良比叡トレイル>標示テープに従う

 

霊仙山頂(標高750m)は、少しびわ湖方面の眺望がある以外は雑木林と杉林にさえぎられて眺望はない。

 

山頂にある下山口としては、左手<栗原>に向かう登山路がまず目につく。

期待の高まる<新設比良比叡連絡トレイル>の下山口は、右手にあるはずである。

 

                霊仙山頂分岐         

     左手直進ルート     <レスキューポイント縦走25>    右手尾根ルート

     栗原方面下山口                       <比良比叡トレイル>

 

 しかし、<比良比叡トレイル>の標識はもちろん、リボンさえ見当たらない。 そのつもりで<レスキューポイント縦走25>の右手から入って行くと、不明瞭な足跡の先に、<比良比叡トレイル>の黄色の巻サインを見つけて、正しいルートであることを確認できた。

 

      <レスキューポイント縦走25>の右手より入り、<比良比叡トレイル>と<白地に赤テープ>に出会う

 

あとは長い杉林の尾根道を<比良比叡トレイル>の黄色の巻サインを確認しながら、下っていくことになる。

このルートには、比叡山系縦走ルートでもおなじみの<白地に赤テープ>を巻き付けたサインにも出会って、この2つのルート案内に従い、尾根下りを続けることになる。

 

             杉林の中、急な尾根下りが続く

 

下っていくと杉林の間から林道が見え、<霊仙山南の稜線入口>(標高494m)に下り立つ。

そこは林道のカーブ地点で、右方向に林道は上っていき、左方向へはカーブして林道は下っていく。

ここもまたルート標識がなく、かすかに残った<比良比叡トレイル>の黄色の巻サインを信じて、左方向に林道を下ることにした。

 

 

下ると林道分岐<霊仙山南の稜線入口>に出る     林道から見る<霊仙山南の稜線入口>

 

途中、廃道になった林道の根っこに巻かれた黄色のサインを確認しながら下りていくと、広い林道に合流、少し大きな広場になっており、ここから右手に延びる林道の約80m先の左手に、林道と分かれて草に埋もれた細い小道を下っていく。 ここが<霊仙下林道出合>である。

 

 

        荒れた林道を<比良比叡トレイル>の黄色の巻サインを確認しながら下る

 

 

     広い林道に出て、右に曲がる       曲って80m程先、左にあるサイン棒杭を下っていく

                 ここが<霊仙下林道出合>である

 

林道と小道の角に立つ棒杭にルート標識である黄色のリボンが巻き付けられているので、ここが分岐<霊仙下林道出合>(標高466m)であることがかろうじて分かる。 やはり、道迷いをふせぐための標識が設置されていないので注意が必要である。

 

また、実際に歩いてみてこの日、霊仙山頂から登山口にあたる<上龍華林道入口>までの間、ひとりの出会いも、追い抜く登山者もいなかったことを付けくわえておきたい。

標識としては、ただ黄色いテープ<比良比叡トレイル>だけであり、分岐に必要な標識が無かったことも不安要因となりそうである。

今後、さらなる安全登山のための整備が期待されるルートであることは確かである。

 

しかし、昔あった途中越えの比良比叡接続ルートが、土地開発による環境変化や、地形変化によりルート区間が消滅してしまったところに問題があると云える。 

実際に新設なった<比良比叡トレイル>を歩いてみて、もう少し無理のない直線的なルートは無いものかと思った次第である。

さらなる探索・研究調査を待ちたい。

 

新設の<比良比叡トレイル>を心待ちにしていた者にとっては、比良と比叡の間に接続ルートが設定されたということが大切なのである。

指定又は推奨の無いルート程不明瞭で、不安な登山路は無い。 

比良比叡間の縦走を試みる登山者が少なかったことや、比叡山系の北方、特に仰木垰より魚の子山経由して還来神社へ抜けるルートもまた登山者が入らない未開拓のルートとして残されたままだったからである。

このルート設定にも多くの方がかかわられ、長年の研究、現地踏破の上での設定である事を思えば、頭が下がる思いである。

 

さて、最後の難関<霊仙下林道出合>を通過した安心感からか、緊張から解放されたのか、また気温の上昇からか、老体の疲労度が急に高まり、足腰の具合が急変しだした。

どうも体のバランスがとりにくくなってきた上に、足が思うようにコントロールできないのである。 体が斜めに進み、足をあげる感覚がつかめず、足先が土につまずき、体が前のめりになって進みにくくなってきた。

体全体から疲れが吹き出し、半分眠っているようにぼんやりしてきてしまった。

 

 

 

           <霊仙下林道出合>から<上龍華林道分岐>への杉林が続く

 

 

       <霊仙下林道出合>から下りてきて、出会う舗装された<上龍華林道分岐>

 

 

気温の上昇の中、縦走装備10kgの荷物をかつぎ、朝一番から上り下りを繰り返し、権現山と霊仙山からの急な下山の連続が、老体の弱った脚力をさらに弱らせたようである。

しかし、いままでにかってなかった疲労困憊に、さらなる前進は無理であると判断せざるを得ない状態にまで追い込まれていた。

今考えると軽い熱中症にかかっていたのではなかったかと思っている。

 

だらだら続く杉林の小道を惰性で歩き続け、ようやく舗装された林道の<上龍華林道分岐>にでた。

分岐を左に進むと、林道に設けられた防獣柵入口に出て初めて人の住む村落の匂いがして、少しは元気も出てきた。

 

 

         霊仙山林道を下りてくると上龍華にある<霊仙山林道入口>に着く

 

しかし、この元気も標識、上龍華にある<霊仙山林道入口>に出会った瞬間、体は疲労の限界に達した。

今夜の露営地と決めていたあと10分の所にある還来神社(もどろきじんじゃ・標高223m)近くの森へ歩く気力も失せ、携帯を取り出し、その場で迎えを頼む電話をしてしまっていた。

 

この状態では、腰も曲がったまま元に戻らず、足は引きずらないと歩こうともしてくれないのである。 

近くの木陰に身を横たえ、水分を取りながら、ピックアップを待った。

 

迎えに、この日の最終地<還来神社>(もどろぎじんじゃ)に連れて行ってもらい、我が人生最後のロングトレイル<比良比叡トレイル>を歩けたことに謝意を述べ、素晴らしい日々を与えられたことに感謝した。

 

この<比良比叡トレイル>をもって、ロングトレイルを卒業するのだとおもうと、疲れた腰を伸ばし、胸をも張って写真におさまった。

 

       

             最後のロングトレイルとなった<比良比叡トレイル>

              を歩けたことに、少し胸を張り、背中を延ばして

                還来神社で感謝の念を捧げ、報告した

 

 

このロングトレイルに挑戦するにあたって、どんなことが起ころうとも、老体からくる、体力や気力の衰えを素直に受け入れることにしていた。

永年のロングトレイル縦走の醍醐味、得られた人生の満足感、そして自然や天体との一体感、感謝という生きる喜びなど多くの天からの贈り物に満足していたからである。

 

とうとうその時がやってきたのかという納得の決断となった。

ひとつまた自分に与えられた花を咲かし切ったことに満足している。

 

 

 

<感謝>

『まだまだ挑戦できる』と、信じて挑戦しただけに、いささかショックでしたが、

『いやいや、老いの限界を受け入れるのも定め』と、ここにロングトレイル縦走から卒業することに

 なりました。

 これからは次なる可憐な花を老いの中に咲かせ、水やりはほどほどに、会話を楽しみながら、

  静かに見守り続けていきたいと思います。

 

ロングトレイル縦走を終えるにあたって、これまでの縦走を懐かしく思い出しています。

「縦走トレイル」の初めての挑戦は、フランスからスペインにかけてのピレネー山脈を縦断している

《カミーノ・デ・サンチャゴ巡礼路トレイル 800㎞》を自転車で約1週間駈けたのが始まりでした。

あれから20年、内外を問わず多くのトレイルを、リュックサックを担ぎ、またマウンテンバイクを駆って、カヌーを漕いで楽しんできました。 

また、合わせて近郊の山々やトレイルの近況偵察報告をかねて歩いてもきました。

 

ブログで取り上げた<ロングトレイルや山旅>に関するものだけでも相当な記録、報告となってしまいました。

それぞれが懐かしい想い出として老後を楽しませてくれそうです。

他にも百名山や数知れない登山日記や写真、スケッチ、句集、詩集が手元に残ったことを喜んでいます。

 

これからも、この地球で出会い、今まで書き綴ってきた旅日記を『星の巡礼』として、ブログで発表していくつもりです。

ブログ会場でまたお目にかかれること、再会を楽しみにしております。

 

これで重いリュックを担ぎ、支えてくれた腰も、負担から解放され、腰痛と猫背が少し改善してくれるのではないかと期待しているのですが・・・(笑い)

 

いつもロングトレイル縦走にあたり、励ましをいただき有難うございました。

感謝合掌

 

                  2022年80歳の初夏

               志賀の里 孤庵にて  後藤實久 

 

 

      2017<比良比叡トレイル全山縦走パノラマスケッチ> by Sanehisa Goto

                      (ゴール比叡山・左端~武奈ヶ岳・中央~スタート蛇谷ケ峰・右端)

    

    ―独立した4枚構成のスケッチなので、それぞれクリックして楽しんでいただけますー

          スケッチ上の山名・峠名や、標高は下記のブログを参照願います

       2017『星の巡礼・ 比叡比良全山大縦走路パノラマスケッチ 』

 

 

    

            星の巡礼 人生最後のロングトレイル縦走を終えて』

                   ―新設<比良比叡トレイル>を歩くー

                      

                         

                  

 

 

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2021『星の巡礼 奥比良縦走 / 老人の山旅随想』

 

ー新設<比良比叡トレイル>縦走 前半ー

2021 "Pilgrimage of the Stars : Mts. Okuhira Traverse -Old Man's Mountain Trip Essay-" <夜明けに向かって叫ぶ ― 蛇谷ケ峰山頂> Shout towards dawn この10…



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<関連ブログ> 

(クリックで各ブログ会場にコンタクトできます)

2021『星の巡礼 奥比良縦走 / 老人の山旅随想』

2021『星の巡礼 南奥駈け6泊7日老人奮闘記』

2021『星の巡礼 南奥駈け6泊7日老人奮闘記』

2021登山道情報<比良山系・蓬莱山登山道-金ピラ峠ルート>

2020『星の巡礼 比良山系八雲ケ原湿原の紅葉散策』

2020『星の巡礼 比良縦走<釈迦岳リトル比良音羽ルート>』

2020『星の巡礼 蓬莱山雪中キャンプの春嵐』

2020『星の巡礼 蔓陀羅山―大塚山散策』

2019星の巡礼 鯖街道<針畑越えルート> 縦走日記~④

2019『星の巡礼 熊野古道小辺路縦走』の風景

2019星の巡礼 熊野古道 小辺路縦走』 <高野山スタート>~⑬

2019『星の巡礼 びわ湖冬景色・老人自転車ひとり旅』 ~⑭

2019『星の巡礼・ 比良蓬莱山頂雪景色』 Ⅰ~Ⅱ

2018『星の巡礼 鈴鹿山脈縦走 60km』 1~⑲

2017『星の巡礼・ 比叡比良全山大縦走 ~7

2017『星の巡礼・奥の細道紀行-句碑の前でわたしも一句』 ~59

2017『星の巡礼・六甲全山縦走のんびり2泊3日のトレッキング』 (シニア向き) Ⅰ~Ⅶ

2017『星の巡礼 モンゴル紀行 』 1~14

2017『星の巡礼・ 比叡比良全山大縦走路パノラマスケッチ 』

2016『星の巡礼:大峰山系 弥山遭難から学ぶ』 Ⅰ~Ⅱ

2016『星の巡礼 比良・白滝山を巡る渓谷トレッキング登山日誌』Ⅰ~Ⅲ

2016『星の巡礼・比良岳1051m・烏谷山1076m登山日誌』Ⅰ~Ⅱ

2016『星の巡礼・比良山系・堂満岳1057m登山日誌』Ⅰ~Ⅴ

2016『星の巡礼・比良山系武奈ケ岳1214m登山日誌』Ⅰ~Ⅱ

2016『星の巡礼・東海道53次自転車ぶらぶら旅500km』Ⅰ~㊸

2016『星の巡礼 比叡山縦走ルート探索』 Ⅰ~Ⅶ

2016星の巡礼・インパール作戦退却路・アラカン山脈白骨街道における露営・慰霊紀行』~⑱

2015『星の巡礼 中央分水嶺 高島トレイル縦走6泊7日ぶらぶら老人日記』~⑮

2015『星の巡礼 熊野古道を歩く』 Ⅰ~Ⅲ

2015星の巡礼・立山連峰縦走 Ⅰ~Ⅳ

2014京都北山登山考』 皆子山 ②峰床山 経ケ岳 ④雲取山

2013『星の巡礼・日本アルプス大縦走』単独踏破記録 <1.総論>~⑩

2011『星の巡礼 中山道徒歩旅行』 ~81

2007『星の巡礼・ユーコン紀行』 <ユーコン・ カヌーの旅360km日記>~⑤

2004『星の巡礼 ニュージランド縦断 スケッチ紀行』

2003『星の巡礼・カミーノ・デ・サンチャゴ自転車巡礼800kmの旅日記』Ⅰ~Ⅻ

2002『星の巡礼 大峰奥駈逆峯踏破記』 前半

2001『星の巡礼・カンチェンジュガ山麓ゴルゲ村に中村天風師の足跡を訪ねて』~②

 

 

       


           

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2022『星の巡礼 びわ湖一周 祈りの吟行サイクリング』Ⅱ 

2022GW『星の巡礼 びわ湖一周 祈りの吟行サイクリング』Ⅱ 

          ー走行記録編ー

2022GW "Pilgrimage of the Stars Around Lake Biwa Prayer Cycling" II

           -Running record-

 

ウクライナの戦雲をこころしながら、平和なびわ湖の風景に溶け込んできた。

びわ北湖ルート・サイクリング150㎞>を写真でご紹介し、走行記録としたい。

 

老サイクリストなので、<ビワイチ150㎞コース>をゴールデンウイークのなか、2日間の日程でかけてきた。

テントや寝袋、炊飯セットを積んだ重装備スタイルに、スピードを楽しみ、同じ北湖コース150㎞を平均10時間で駈け抜ける軽快なロードサイクリストには、異端児の遭遇に驚きをかくさず、声をかけてきた。

 

ビワイチ・サイクリング・コースは、自動車道に設けられた<ハイスピード・コース>と歩行者兼用の<低速コース>、それに混合コースに分かれる。

もちろん時速9~11kmの老サイクリストは、<低速コース>を反時計回りに走ってきた。 

 

ビワイチ・サイクリングに挑戦される場合は、ルールとマナーを厳守し、事故の無い安全なサイクリングを楽しんでいただきたい。

びわ湖一周サイクリング−ビワイチ 輪の国びわ湖−交通ルールとマナー (biwako1.jp)

 

歩行者最優先、村落内低速を守りながら一日目(85km)は、自宅のあるJR志賀駅をスタートし、びわ湖大橋を渡り、びわ湖東岸の<さざ波街道>を北上、長浜北びわ湖岸にある<湖岸緑地長浜南浜地区川道>でテント泊となった。

 

二日目(65km)は、長浜北にある湖岸緑地を出て、木之本、賤ケ岳横を抜け、大浦から海津大崎へ、さらにマキノサニービーチ、今津、高島を南下してJR志賀駅にゴールした。

 

老体をいたわるために、ペタル踏みは力を抜き、長距離走行に対応した。

ただ、久しぶりのサイクリングに股間の皮がむけ、腰を浮かせながらのペタル踏みとなり、情けないサイクリング姿に始終した。

救われたのは、短歌を詠みながら、ノートへの書き留め休憩で一息つけたことであろうか。

 

<吟行サイクリング>もまた、老齢からのひとつのサイクリング・スタイルといえるかもしれない。

今回の吟行のテーマは、<ウクライナ戦争>と決め、びわ湖の平和な風景をキャンバスに、ウクライナの戦雲を悲しみをもって詠いあげてみた。

戦争と平和>という、人類普遍のテーマを、びわ湖をサイクリングしながら短歌、31文字に収めてみたかったのである。

 

 

2022GW 《Cycling around North Lake Biwa by Prayer》Cycling Record

 

It blended into the peaceful landscape of Lake Biwa, with the Ukrainian war clouds in mind.

Now, I would like to introduce this <North Biwa Route Cycling 150km> with photos. As an old cyclist, I took the <Biwaichi 150km course> for two days.

Enjoy speed in a heavy equipment style loaded with tents, sleeping bags, and rice cooking sets, and talk to a light road cyclist who can run through the same North Lake course 150 km in an average of 10 hours without being surprised by the encounter of a heretic child. I came.

The Biwaichi Cycling Course is divided into a <High Speed ​​Course> on the motorway, a <Low Speed ​​Course> for pedestrians, and a mixed course.

Of course, old cyclists with a speed of 9 to 11 km / h run counterclockwise on the <low speed course>.

It was If you are going to try Biwaichi cycling rout, please follow the rules and manners and enjoy safe cycling without accidents.

 

Cycling around Lake Biwa, the land of wheels-Traffic rules and manners (biwako1.jp) びわ湖一周サイクリング−ビワイチ 輪の国びわ湖−交通ルールとマナー (biwako1.jp)

 

Pedestrians have the highest priority, and on the first day (85km) while keeping the low speed in the village, I started at JR Shiga Station where our house is located. Cross the Biwako Ohashi Bridge, head north on the <Ripples Road> on the eastern shore of Lake Biwa, and stay in a tent at the <Lake Biwa Ryokuchi Nagahama Minamihama District Kawamichi> on the shore of Lake Biwa.

 

On the second day (65km), leave the lakeside green area in the north of Nagahama, pass by Kinomoto and Shizugatake, go from Oura to Kaizu Osaki, and then head south to Makino Sunny Beach, Imazu, and Takashima to reach JR Shiga Station.

In order to take care of the old body, a petal stepping relaxed and corresponded to long-distance running.

However, after a long absence of cycling, the crotch was peeled off, and I was stepping on the petals while floating my hips, and I ended up in a pathetic cycling posture.

Perhaps it was saved by taking a break while writing a TANKA(Japanese short poem) song.

<Ginko Cycling> may also be said to be a bicycle consideration from old age.

The theme of this scrutiny was decided to be the <Ukraine War>, and the peaceful scenery of Lake Biwa was used as a canvas.

I wanted to draw a Ukrainian war cloud.

I wanted to capture the universal themes of <War & Peace>, and humankind in 31 characters (TANKA, Japanese short poem) while cycling through Lake Biwa.

 

   

                  ルートマップと写真撮影地点

           Route map and photography points

 

                                2022年5月ゴールデンウイーク  びわ北湖一周サイクリング・スタート ➀

                                            May 2022 Golden Week,  Biwako North Lake Cycling Start

 

                                     水張りが始まった湖西和邇地区の田圃風景 ②

                                  Rice field scenery in the Kosai Wani area where water filling began

 

                                   びわ北湖コースの起点 びわ湖大橋 ➂

                                      Biwako Ohashi, the starting point of the North-Biwa course

 

                            びわ湖大橋からの北方遠景図 ④ Northern distant view from Lake Biwa Bridge

 

                         びわ湖大橋を東側より眺める ⑤  View of Lake Biwa Bridge from the east side     

 

                        みさき公園にある<ビワイチ>起点   ➅  <Biwaichi> starting point in Misaki Park

 

                            ビワイチ サイクリング 案内図 ➅   Biwaichi Cycling Information

 

                                      びわ湖岸には素晴らし松並木が点在し、こころ洗われる ⑦ 

                                The shores of Lake Biwa are dotted with wonderful pine trees.

 

                         

               松並から比良の峰々を眺望⑧

                 残念、この日は雲の中

            びわ湖東岸<さざなみ街道>の松並

ビワイチ サイクルロード前半は、沖島を眺めながら、びわ湖東岸<さざなみ街道>を駈ける ⑨

   Biwaichi Cycle Road can reach the eastern shore of Lake Biwa <Sazanami Kaido>

                while looking at Oki Island.

 

 

                 沖島

                   近江富士<三上山> ⑪

       さざなみ街道の西側に沖島⑩、東南側に近江富士<三上山>を見ながら走る ⑪

         Run while looking at Oki Island on the west side of the Ripples Highway

             and Omi Fuji <Mt. Mikami> on the southeast side.

 

 

  びわ湖岸にあるパワースポット<藤ヶ崎龍神> ⑫  藤ヶ崎龍神の内宮である <妙徳龍神>の                   

                            岩窟祠

 A power spot on the shore of Lake Biwa     The inner shrine of <Fujigasakiryu Shrine>

    <Fujigasakiryujin Shrine>       with the rock shrine of< Myotoku Ryujin Shrine>

 

                                  

                                                              岩窟祠の奥に妙徳龍神が祀られている ⑫

                                                   Myotoku Ryujin is enshrined in the rock shrine

 

 

                           近江八幡市にある天台宗長命寺に立寄る ⑬         

          Stop at Chomeiji Temple of the Tendai sect in Omihachiman City

                                                                                 

        

                   長命寺門前で参拝者を見守る地蔵尊 ⑬

              Jizoson watching over worshipers in front of the gate

 

 

 

                 ⑭

                       びわ湖の水は、東びわ湖に広がる干拓農地に利用され、豊かな田園風景を見せる ⑭

                                The water of Lake Biwa is used for the reclaimed agricultural land

                                     that spreads over Lake Biwa, showing a rich rural landscape.

 

 

 

                愛知川橋⑮ 

        愛知川橋や宇曽川辺りからは日本百名山伊吹山>を遠望しながらサイクリングを楽しむ ⑯

      Enjoy cycling while looking out over Mt. Ibuki, one of the 100 famous mountains in Japan,

                                           from the Echigawa Bridge and the Uso River area.

 

 

 

                 彦根

          彦根港を過ぎて、<さざ波街道>は米原を経て長浜へ向かう ⑱

                         After passing Hikone Port, <Sazanami Kaido> heads for Nagahama via Maibar

 

 

 

                            ⑲           米原天野川より伊吹山を間近に見ながら、長浜城に到着する  ⑳

            Arrive at Nagahama Castle while watching Mt. Ibuki up close from Maibara, Amano River.

 

 

       今夜は、長浜北南浜にある湖岸緑地公園<川道2>でテント泊である ㉑

        Tonight, I am staying in a tent at Lakeside Green Park <Kawamichi 2>

                  in Nagahama Kita-Minamihama. 

 

 

 

                                        湖水で沐浴し、汗を流して寝床についた. ㉑ 

                                         I took a bath in the lake, sweated and went to bed.

 

                   

                朝食は定番のチキンラーメン

                                          < 2日目> 朝食後、長浜北緑地公園を出発する ㉑  

         <The 2nd day> After breakfast, leave Nagahama Kita Ryokuchi Park.

 

 

 

                 湖北町の真東のびわ湖上に竹生島が姿を現わす      ㉒   

         Chikubu Island appears on Lake Biwa, just east of Kohoku Town.

 

 

             水鳥の生息地<湖北水鳥ステーション>がある  ㉓             

       There is a waterfowl habitat <Kohoku Waterfowl Station> in this area. 

 

 

             奥琵琶湖に入る<高月トンネル> 

     高月トンネルを過ぎると余呉川堤には八重桜が咲き、木之本では水張りが始まっていた ㉕ 

  After passing the Takatsuki tunnel, double cherry blossoms bloomed on the Yogo River bank,

               and water filling had begun at Kinomoto. 

 

 

                   ㉖ 

                旧賤ケ岳トンネル

 8号線の高月交差点を越えて旧街道に入り㉖、賤ケ岳トンネル㉗を抜けて塩津より国道303号線を左折する

       After crossing the Takatsuki intersection on Route 8, enter the old highway,

    go through the Shizugatake tunnel, and turn left on National Route 303 from Shiozu.

 

 

 

                   ㉘

    賤ケ岳トンネルを抜けると竹生島と再会、国道303からは塩津の村落を見下ろすことが出来る㉙

                  After passing through the Hogatake tunnel, you will meet Chikubu Island again,

                           and we can overlook the village of Shiozu from National Highway 303.

 

 

                岩熊トンネル㉚ 

                    JR永原駅

国道303号線<岩熊トンネル>㉚を抜けて、JR永原駅㉛で休憩し、大浦を経て、桜並木を走り海津大崎に向かう

 

 

                 大浦

                                      絶景海津大崎アイクルライン㉝ 

      大浦㉜で奥びわ湖と再合流し、葉桜の絶景海津大崎ラインを走り抜ける ㉝ 

                                Rejoin Lake Biwa at Oura and run through the Kaizu Osaki line

                                            with a spectacular view of the cherry blossoms.

 

 

               海津大崎サイクルライン㉞ 

    海津大崎ラインは、竹生島を眺めながらの絶景奥びわ湖サイクリング・ルートである ㉞

   The Kaizu Osaki Line is a cycling route to Lake Biwa with a spectacular view of Chikubu Island.

 

 

             海津大崎方面よりマキノの村落を望む   ㉟          

           View of Makino village from the direction of Kaizu Osaki.

 

 

       

            マキノの村落にある湖上交通の要衝としての船着き場 ㊱

          A pier as a key point of lake transportation in Makino village.

 


       

              マキノサニービーチの天空の門 ㊲

                  Makino Sunny Beach Sky Gate

 

 

           西近江路の松並街道は往時の旅人を偲びながら走る ㊳

    The Pains Highway on Nishi-Omi Road runs while remembering the travelers of the past.

 

 

            松並の間の菜の花や、湖北の美しい岬を眺めながら走る ㊳

  It runs while looking at the rape blossoms between pains and the beautiful cape of north lake.

 

 

 

              親友の最期の地<今津病院>を背景に ㊴            

         With the background of the last place of my friend<Imazu Hospital> 

       

 

                                                                         竹生島行渡船の今津港 ㊵

                                                       Imazu Port of the ferry to Chikubu Island

 

 

 

                   ㊶

   安曇川三角州湖岸道路には素晴らしいサイクリング・ロードがあり、ルートには緑地公園があり、

   トイレも完備している。   The Adogawa Delta Lakeside Road has a green park and toilets.

 

 

                   ㊷

                                                 安曇川方面より白髭神社の岬にある鳥居が見えて来る

        From the direction of the Azumi River, we can see the torii gate at the cape of Shirahige Shrine.

 

 

                    ㊸

                                                           ビワイチは高島の古い街並みを通過する

                                              Biwaichi passes through the old streets of Takashima.

 

 

           白髭神社の湖上鳥居   Lake Torii of Shirahige Shrine ㊹

 

 

                  近江舞子浜にある琵琶湖周航の歌碑 ㊺

          A monument to the voyage around Lake Biwa on Omi Maiko Beach

 

 

               ゴール地点JR志賀駅近くの麦畑より蓬莱山を望む ㊻

      Goal point Overlooking Mt.Horaisan from the wheat field near JR Shiga Station

 

 

        

            平均時速9km/h 全走行距離150km 全走行時間17H

                    Average speed    9km / h

                    Total mileage      150km

                    Total running time       17H

 

 

                                        無事<志賀の里>にゴール帰宅した ➀

                                                   Safely returned to the goal at <Shiga no Sato>

 

     

   

                   

 

 

                                       

                  光り求めて

        『星の巡礼 びわ湖一周 祈りの吟行サイクリング』

                             

 

                                                            Seeking light

          "Pilgrimage of the stars : Around Lake Biwa prayer scrutiny cycling"

                                                                    END

 

 

 

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2022GW『星の巡礼 びわ湖一周 祈りの吟行サイクリング』Ⅰ 2022GW 《Cycling around North Lake Biwa by Prayer》Ⅰ ー短歌編ー <TANKA> ウクライナの悲しき惨状を憂いながら、自転車でびわ湖を回り、光り求めて吟行に励んできた。 老サイクリストなので、<…

2022『星の巡礼 びわ湖一周 祈りの吟行サイクリング』Ⅰ

2022GW『星の巡礼 びわ湖一周 祈りの吟行サイクリング』Ⅰ

2022GW 《Cycling around North Lake Biwa by Prayer》Ⅰ

                            ー短歌編ー <TANKA>

 

 

ウクライナの悲しき惨状を憂いながら、自転車でびわ湖を回り、光り求めて吟行に励んできた。

老サイクリストなので、<ビワイチ150㎞コース>をゴールデンウイークのなか、2日間の日程で走ってきた。

テントや寝袋、炊飯セットを積んだ重装備スタイルに対して、スピードを楽しみ、同じ北湖コース150㎞を平均10時間で駈け抜ける軽快なロードサイクリストには、異端児の遭遇に驚きをかくさず、声をかけてきた。

 

<吟行サイクリング>もまた、老齢からのひとつの自転車考と言えるかもしれない。

今回の吟行のテーマは、<ウクライナ戦争>と決め、びわ湖の平和な風景をキャンバスに、ウクライナの戦雲を描いてみたのである。

戦争と平和>という人類普遍のテーマを、びわ湖をサイクリングしながら、一日も早い停戦実現を祈って、短歌31文字に収めてみた。

 

                                                   光求めて

                サイクリスト &  詠み人  後藤實久

                    2022年5月

 

 

While thinking of the sad misery of Ukraine, I have been working hard to scrutinize while cycling around Lake Biwa.

 

As an old cyclist, I took the <Biwaichi 150km course> during Golden Week for two days.

For a light road cyclist who enjoys speed against a heavy equipment style loaded with tents, sleeping bags, and rice cooking sets, and can run through the same North Lake course 150 km in an average of 10 hours, the voice of a maverick is not surprised.

 

I've been calling<Ginko Cycling> may also be said to be a bicycle consideration from old age.

I decided that the theme of this scrutiny was <Ukrainian War>, and wanted to draw the Ukrainian war clouds on the canvas of the peaceful scenery of Lake Biwa.

 

               

                                 Seeking light

  

      Cyclist & the composer of Japanese short poem<TANKA>

                                                   Sanehisa Goto

                                                       May 2022

 

 

 

 

   ビワイチ サイクル ルート路面標識         いざ、びわ湖一周に出発 ➀    

   BIWAICH NATIONAL CYCLE ROUT           Let's go around Lake Biwa 

 

    

                  ルートマップと写真撮影地点

           Route map and photography points


       

            

 

             光り求めて

             Seeking light

 

 

 

 

《囀りに  春眠覚ゆ   びわ湖岸 絶えぬ砲声 彼の地の果てに》

 ―さえずりに しゅんみんおぼゆ  びわこがん  たえぬほうせい  かのちのはてに―

 

To sing

Spring sleep awakening

Lake Biwa

Constant gunshot

At the end of land<Ukuraine>

 

                新緑のびわ湖岸<松の浦>にて➀ 

            At the shore of Lake Biwa <Matsunoura>

                ドニエプル川越しにキーフの街を望む

            Overlooking the city of Keef over the Dniepuru River

 

 

 

《クモの巣の  東風に戯むる 琵琶の朝  春陽穏やか  彼の地祈るや》 

 ―くものすの こちにたわむる びわのあさ はるひおだやか かのちいのるや―

 

Cobweb

Playing with the east wind 

Biwa morning

Springtime calm

I pray for that land<Ukuraine>

 

  

 びわ湖畔 朝日に輝く蜘蛛の糸    Russian Army Ukraine Invasion Map(2022_04_27現在)
   A spider thread that shines

   in the morning sun

 

 

 

《たゆとうと 春陽射しこむ 戦場の  桜咲きにし  姉妹都市にも》

―たゆとうと  はるひさしこむ   せんじょうの さくらさきにし しまいとしにも―

 

古都であるキーウと京都は姉妹都市である。

また、ウクライナとの外交関係樹立25周年を記念して全土に植樹をした桜が咲き誇っているという。

 

Waver

Spring sun shines in

On the battlefield

Sakura bloom

Also in sister cities

 

The ancient cities of Kyiv and Kyoto are sister cities.

In addition, it is said that cherry blossoms planted all over the country are in full bloom to commemorate the 25th anniversary of the establishment of diplomatic relations with Ukraine.

 

 

     余呉川堤に咲く八重桜 ㉕      キエフの聖ソフィア大聖堂と記念植樹された桜

   Double cherry blossoms blooming        St. Sophia Cathedral in Kyiv

      on the Yogo River bank

 

 

 

 

《萌え出る 命満るや  びわ湖岸 遥けき地には 小雪ほそぶる》

 ―もえいずる いのちみつるや びわこがん はるけきちには こゆきほそぶる―

 

新緑に満ちた桜の枝が、びわ湖に向かって腰を曲げている姿に命の尊厳を見る思いである。

遥けき戦地ウクライナ北方はまだ雪が残っているようである。

 

Sprouts are coming out

Full of life

Around Lake Biwa

In the faraway land <Ukuraine>

It's snowing

 

I think that the dignity of life can be seen in the appearance of the branches of cherry blossoms full of fresh green bending toward Lake Biwa.

The far-flung battlefield Ukraine is still flickering with light snow, daily news reports.

 

 

     新緑の葉間に竹生島が見える ㉗       ウクライナ北方国境の村はまだ雪のなか         

    Chikubu Island can be seen         The village on the northern border

    between the fresh greenery.          of Ukraine is still in the snow.

      

 

 

 

《春の陽に 琵琶を包みし  エンジン音 止まぬ遠き地  砲弾の音よ》

 ―はるのひに  びわをつつみし  えんじんおん やまぬとおきち  ほうだんのねよ―

 

 びわ湖一周サイクリングで―平和と戦争を見る思いである。

 戦争がいかにむごいか、平和がいかに尊いか・・・

    

 

In the spring sun

Wrap the biwa

Fishing boat engine sound

A distant place that hasn't stopped yet

The sound of a cannonball

 

I would like to see-peace and war-by cycling around Lake Biwa.

How terrible the war is, how precious the peace is ...

 

 

  びわ湖に浮かぶ平和な釣り船風景②        砲弾・ミサイルの凄まじさ戦争風景

  A peaceful fishing boat floating on Lake Biwa  The awesomeness of shells and missiles

             It is a peace・・・!                                         It is a war・・・!

 

 

 

 

《花一輪 たたずむ湖岸   祈りおり 送りし彼の地 悲しみの歌》

 ―はないちりん  たたずむこがん  いのりおり  おくりしかのち  かなしみのうた―

 

びわ湖岸に咲く春の花は、平和の世を美しいと歌い上げているようである。

彼の地に想いを馳せながら、タイタニックの主題歌である讃美歌や、アメイジンググレイスを口ずさみ、自転車をゆっくりと走らせた 。

 

One flower

Nestled lake shore

She is praying

Send her to Ukuraine

Song of sadness

 

The spring flowers that bloom on the shores of Lake Biwa seem to sing that the world of peace is beautiful.

While thinking about that land <Ukuraine>, he sang that hymn of Titanic and Amazing Grace, and ran his bicycle slowly.

 

 

     びわ湖岸に咲く白い菜の花 ㉝     春、ウクライナ全土を覆うというライラック

White rape blossoms blooming on the shore of Lake Biwa

                        Spring, lilac covering the whole of Ukraine

 

 

 

 

《涙せず  見れぬ殺戮 ひとの業   ひたすら祈り   赦しこいしや》

―なみだせず  みれぬさつりく  ひとのわざ  ひたすらいのり  ゆるしこいしや―

 

人間の欲望に尽きる所がない。

人類は、あくなき戦争により問題を解決してきたといっていい。

 

Without tears

Unseen murder

It's a human work

Prayer earnestly

Forgiveness

 

There is no end to human desires.

It can be said that humankind has solved the problem through the endless war.

 

 

 びわ湖サニービーチの天空へのタワーゲート㉛  ウクライナ正教  聖ボロディームイル大聖堂 

   Biwako Sunny Beach Tower Gate to heaven   Ukrainian Orthodox St. Volodymyr Cathedral

                                             (Wikipedia)

                                                    

 

 

 

《人なれば   頑張れキーウ   届けやと 遠き祈りに  ミサイルの音》

   ―ひとなれば  がんばれきーう  とどけやと  とおきいのりに  みさいるのおと― 

 

主権国家に対する、現状変更、武力侵略は許されないとの国連憲章が守られてこそ、平和が維持されるという大戦後のルールが、核大国それも安全保障理事国によって破られたショックは大きいといえる。

 

If We are human being

Good luck with Kyiv

Delivery it

For distant prayers

Missile sound

 

It can be said that the shock of the nuclear powers breaking the post-war rule that peace will be maintained only if the UN Charter, which states that changes in the status quo and armed aggression are not allowed for sovereign nations, is observed.

 

 

  びわ湖に浮かぶ祈りの島 竹生島 ㉗      飛行機雲によるミサイル・イメージ写真

 Chikubu Island, an island of prayer floating      Missile Image photo by contrail

        on Lake Biwa

 

 

 

 

《戦いに こころ涙す 時あるも 満月和み 闇夜照らすや》

 ―たたかいに  こころなみだす ときあるも  まんげつなごみ  やみよてらすや-

 

一日目の走行を終えて、テントに潜り込む前、雲遮月に輝くびわ湖の静寂を味わいつつ、びわ湖で沐浴し、一日も早いウクライナ戦争の停戦を祈った。

 

For battle

Tears in my heart

Be sometimes

Full moon calm

Illuminate the dark night

 

After finishing the first day of cycling and before sneaking into the tent, I prayed for the end of the war as soon as possible while enjoying the silence of Lake Biwa shining in the cloud-blocking moon.

 

 

  雲に遮られた満月               びわ湖岸の今夜の我が家 ㉑

  Full moon blocked by clouds               My home on the shore of Lake Biwa tonight

 

 

 

 

《雪溶けの 水流れきし 田起こしの 餌を待ちし 白鷺の群れ》

   ―ゆきどけの  みずながれきし  たおこしの  えさをまちにし しらさぎのむれ―

 

びわ湖北方の村落 木之元の田圃も田起こしに忙しそうである。

堀起こされた土から飛び出てくる餌を待つ白鷺が、首を長くして待つ姿は、平和な一瞬を見る思いである。

なんと長閑なことか、今この時も彼の地では砲弾が飛び交い、罪なき住民が防空壕で息をひそめているのである。

 

The snow melts

And the water flows

When cultivating rice fields

Waiting for food

A herd of egrets

 

The rice fields in Kinomoto, a village north of Lake Biwa, have also been raised.

The appearance of the egret waiting for the bait that pops out of the excavated soil with a long neck is a feeling of seeing a peaceful moment.

What a quiet thing, even now, shells are flying around in that land<Ukuraine>,

and innocent residents are holding their breath in the air raid shelter.

 

 

           木之本村の平和な田起こし風景 ㉕       餌を待つ平和のシンボル白鷺

  Rice field raising scenery of Kinomoto village         Egrets, a symbol of peace waiting for food

 

 

 

 

《春風に   芽吹きし柳  ほのかにて  淡海静か  彼の地祈るや》

   ―はるかぜに めぶきしやなぎ ほのかにて あわうみしずか かのちいのるや―

 

芽吹いた柳が、春風に遊ぶ柳腰姿をびわ湖の水面に映し、揺れている平穏な姿を見ていると、遠くの地ウクライナでの惨状がふと蘇ってくるのである。

 

In the spring breeze

Sprouting willow

In the faint

Lake Biwa quiet

I pray for Ukuraine

 

 

新緑を着飾った柳腰は平和的である㉑     揺れる水面に映る新緑の影もまた平和である㉑

 Yanagikoshia slender figuredressed up in fresh green is peaceful.

                     The shadow of fresh green reflected on the swaying water surface is also peaceful.

 

 

 

 

 《平和なる   “上を向いて 歩こうと” 口ずさみつつ 琵琶を翔けるや》

     ―へいわなる うえをむいてや   あるこうと  くちづさみつつ   びわをかけるや―

 

わが青春時代のアイドル歌手 坂本九さんの<すき焼きの歌>『上を向いて歩こう』をハミングしながら、

びわ湖をのんびりとサイクリングしていると、平和の有難さが身に染みてくるのである。

 

Be peaceful

“Looking up

Let's walk

While humming

Around the biwa

 

While humming my youth idol singer Kyu Sakamoto's <Sukiyaki song> "Let's walk upwards" Cycling Lake Biwa reveals the gratitude for peace.

 

                                 ビワイチ・サイクル・ルート基点(琵琶一周200㎞/北湖150㎞)㉖

                                         BIWAICH NATIONAL CYCLE ROUT BASE POINT            

 

 

 

 

《衣替え   暮雪の比良や 霞ゆき 菜の花重ね   彼の地想いし》

   ―ころもがえ  ぼせつのひらや  かすみゆき  なのはなかさね  かのちおもいし―

 

    菜の花を向日葵の黄色に重ね、ウクライナを想う

 

Change clothes

Hira of the snowfall

It's hazy

Rape blossom stacking

Think of Ukraine

 

Rape blossoms are layered on the yellow sunflower to think of Ukrain.

 

 

                比良山系を見上げる菜の花たち ㊷     ウクライナの大地を埋め尽くす向日葵畑

Rape blossoms looking up at the Hira Mountainsb   A sunflower field that fills the land of Ukraine

 

 

 

 

ウクライナ 青空深し 向日葵の 硝煙の地や   想いて哀し》

    ―うくらいな   あおぞらふかし ひまわりの   しょうえんのちや   おもいてかなし-

 

Ukraine

Deep in the blue sky

Sunflower

The land of smoke

In memory and sadness

 

             

                                        硝煙とは縁遠いひまわり畑 

                                                             (ウクライナ観光省提供)

                                                         Sunflower field far from smoke

                                             (Provided by the Ministry of Tourism of Ukraine)

 

 

 

 

《見つめられ   ふと気づきしや 母雀    餌を啄む 子ら見守りし》

   ―みつめられ   ふときづきしや   ははすずめ   えさをついばむ   こらみまもりて―

 

   ウクライナの廃墟や地下壕で、母親が子を守る姿にこころ打たれる

 

Stared

Suddenly noticed

Mother sparrow

Bait

Watch over the children

 

I am struck by the attitude of protecting the mother and child in the ruins of Ukraine.

 

 

          雀の親子 (世界の民謡より)    子を想う母親の愛は普遍である(時事ドットコム提供)

                 The love of mothers who think of their children is universal.

                           (Provided by current affairs dot com)

 

 

 

 

《目を回す 敵来ぬかと 赤蜻蛉 されど不動の 坐禅姿や》

 ―めをまわす  てきこぬかと  あかとんぼ   されどふどう   ざぜんすがたや―

 

永世中立スイスのハリネズミ防衛軍備と国民皆兵という制度は、他国の侵略を寄せ付けない最も健全であり、正常な防衛体制である。

 

Turn his eyes

Enemy coming or not

Red dragonfly

But immovable

Do not break zazen

 

The eternally neutral Swiss hedgehog defense armament and universal conscription system is a stance that keeps the invasion of other countries away.

 

      

           蜻蛉目の全方位警戒態勢の素晴らしさに注目㉑

    Pay attention to the splendor of the omnidirectional alertness of the dragonfly eyes

 

 

 

■2022年2月24日 《大戦後77年目のロシア軍侵攻―主権国家ウクライナへ》

 ―Russian army invasion 77 years after the war-to Ukraine, a sovereign state

  on February 24, 2022 

 

 

 

春日和 想えば悲し 過ぎし日や 戦い敗れ  山河残りて》

 ―はるびより  おもえばかなし  すぎしひや  たたかいやぶれ   さんがのこりて―

 

 日本も敗戦して、はじめて知った平和な祖国の山河は美しかったと・・・

 

On a calm and clear day of spring

I'm sad when I think about it

Passed days and Battle defeated

However mountains & rivers remaining

In our country

 

Japan also lost the war, and the mountain river of the peaceful homeland that I learned

for the first time was beautiful・・・

 

       奥琵琶に広がる西浅井の村落に広がる美しい日本の原風景 ㉓

     Beautiful original scenery of Japan in the village of Nishi-Asai in Oku Biwa.

 

 

 

 

《過ぎし日の 痛み忘れし この国で 平和破れて 悪夢また見し》

 ―すぎしひの   いたみわすれし   このくにで   へいわやぶれて   あくむまたみし―

 

77年前の1945年8月8日、日ソ中立条約を破棄し、ポツダム宣言を受託後の日本が武装解除中、突然ソ連軍(赤軍)が満州及び樺太(サハリン)、北方四島に侵攻し、占拠した.

 

The passing day

Forget the pain

In this country

Breaking peace

Nightmare again

 

77 years ago, on August 8, 1945, after abolishing the Soviet-Japanese Neutrality Treaty and accepting the Potsdam Declaration, while Japan was disarming, the Soviet army (Red Army) suddenly became a breadbasket in Manchuria and Sakhalin, Invaded and occupied the four northern islands.

 

 

 

 

《我が国の  北の四島 赤軍に いまだ帰らじ 踏み込まれてや》

 ―わがくにの  きたのよんとう  せきぐんに  いまだかえらじ ふみこまれてや ―

 

(いまだ変わらない強制離島・強制移住同化政策住民投票方式で領土を増やす国がある)

 

Of our country

North four islands

By the Red Army

Stepped on

Still returning

 

(There are countries that increase their territory by forced remote islands, forced migration, and referendums that have not changed yet.)

 

 琵琶西岸高島平野の耕地㊲              1945/8/8 ソ連軍の侵攻経路略図

Agricultural land in the Takashima Plain on the west bank of Biwa

                                                                                   1945/8/8 Soviet invasion route sketch

 

 

 

《さんさんと  春陽注ぎて  凍土融け  動けぬ戦車  亡霊と化せし》

   ―さんさんと  はるひのぞきて  とうどとけ うごけぬせんしゃ ぼうれいとかせし―

 

The brilliant rays of the sun

Pour the spring sun

Frozen soil melted

Immovable tank

Turn into a ghost

 

 

 

 

ウクライナ  兄弟謳う 隣国に 翻弄されし プロパガンダよ》

    ―うくらいな   きょうだいうたう  りんこくに  ほんろうされし  ぷろぱがんだよ― 

 

Ukraine

While saying Brothers

In a neighboring country

Be honed 

By Propaganda

 

 

 

 

《自衛無き  抵抗空し  小国の 運命変えるや 大国のエゴ》

―じえいなき ていこうむなし しょうこくの さだめかえるや たいこくのえご― 

 

Without self-defense

Resistance empty

Change the fate of

A small country

By the ego of the great power

 

 

 

 

《携帯の  軍事作戦 傍受され  破壊戦車や 髑髏のごとし》

    ―けいたいの   ぐんじさくせん   ぼうじゅされ   はかいせんしゃや   むくろのごとし―

 

By mobile

military operation

Intercepted

Destructive tanks 

Like a skull

 

 

 

 

《善戦の 兄弟国の 反撃に 首都陥落や 後に回わせし》

    ―ぜんせんの   きょうだいこくの   はんげきに   しゅとかんらくや   あとにまわせし―

 

(ロシアはウクライナを兄弟国と呼ぶ。 首都はウクライナのキーウを指す)

 

Good fight

Brotherhood

To counterattack

Aiming for the fall of the capital

Let it turn later

 

(Russia calls Ukraine a brother country. The capital refers to Kieu, Ukraine)

 

 

 

 

《敗退の  しんがり怖し 無差別の 人と思えぬ 残虐の跡》

 ―はいたいの   しんがりこわしさ   むさべつの   ひととおもえぬ   ざんぎゃくのあと―

 

Defeated

Be scared

Indiscriminate

Don't think it's human beeing

Traces of cruelty

 

 

 

 

《戦術の 旧態依然 ロシア軍 恐怖残せし 撤退の跡》

 ―せんじゅつの   きゅうたいいぜん   ろしあぐん   きょうふのこせし   てったいのあと―

 

Tactical

Old-fashioned still

Russian army

Leave fear

Traces of withdrawal

 

 

 

 

《雇われし 傭兵部隊 無慈悲にて 殺人ゲーム 笑いの中に》  

 ―やとわれし   ようへいぶたい   むじひにて   さつじんげーむ   わらいのなかに―

 

Hired

Mercenary unit

Ruthlessly

Murder game

In laughter

 

 

 

 

《惨きこと 大量虐殺  赦されじ 戦争の常 だが許されじ》

―むごきこと   たいりょうぎゃくさつ   ゆるされじ   せんそうのつね   だがゆるされじ―

 

(ロシア軍は中世の皆殺しという殲滅破壊の戦い方を現代戦でやってみせた)

 

Miserable

Genocide

Forgiveness

Always in war

But forgiveness

 

(The Russian army showed the fighting method of annihilation destruction called annihilation in the Middle Ages in modern warfare)

 

 

 

 

《大戦後   理想崩れし 国連の 拒否権第一  平和の塔や 》

 ―たいせんご   りそうくずれし   こくれんの   きょひけんだいいち   へいわのとうや―

 

After the war

The ideal collapses

United Nations

Veto first

Tower of peace

 

 

 

 

《侵攻の  常任理事の 露国をや 見て見ぬふりす  国多きこと》

 ―しんこうの   じょうにんりじの ろしあをや みてみぬふりす   くにおおきこと―

 

(国連の無能さ、核大国の無慈悲さと、戦争の野蛮さを見せつけられた反面、自国の利害を優先させ

 日和見的態度に始終する国連加盟国が多いことに愕然としたものである)

 

Of the invasion

Standing director

Russia

Pretend not to see

Many countries

 

(The incompetence of the United Nations, the ruthlessness of nuclear powers,

    and the savagery of war)

 

 

 

 

《独裁者  抱えし核の ボタン触れ  己の過信 抑えきれずや》

 ―どくさしゃ かかえしかくの   ぼたんふれ   おのれのかしん   おさえきれずや―

 

Dictator

Holding nuclear

Button touch

His overconfidence

He can't control it

 

 

 

 

《ひょっと押す  核のボタン  恐ろしき  恫喝もまた  彼の手にあり》

―ひょっとおす   かくのぼたん   おそろしき   どうかつもまた   かれのてにあり-

 

(戦争遂行は一人の狂信者に握られるものである.)

 

Press by chance

Nuclear button

Horrible

Threat also

In his hands

 

(War execution is held by one fanatic)

 

 

 

 

《薄明り 安堵の母や 祈りおり 命生まれし 爆撃の地下》

―うすあかり   あんどのははや いのりおり いのちうまれし   ばくげきのちか―

 

Twilight

Relief mother

Be Praying

Born in life

Bombing underground

 

 

 

 

《罪もなき 子ら殺されし 彼の地にて 救い求めし 母の涙や》

 ―つみもなき こらころされし かのちにて すくいもとめし  ははのなみだや-

 

Innocent

The children were killed

Ukraine

Seeking salvation

Mother's tears

 

 

 

 

《うららかに 平和望みし   ウクライナ 殺戮に泣く  子らの涙よ》

 ―うららかに   へいわのぞみし  うくらいな さつりくになく  こらのなみだよ―

 

Clearly

Hope for peace

Ukraine

Crying for murder

The tears of the children

 

 

 

 

《戦場に  流れし涙 子らの顔 慄く姿    望み失せしや 》

―せんじょうに なみだながれし こらのかお   おののくすがた   のぞみうせしや ―

 

On the battlefield

Flowing tears

Faces of children

Lost hope

Shivering figure

 

 

 

 

《生きるとは  かくも悲しき  世にありて  光求めし   傷つきし子ら》

 ―いきるとは かくもかなしき   よにあたり   ひかりもとめし   きずつきしこら ―

 

(戦争犠牲者は、いつの世も子供・女性・高齢者という弱者である。)

 

 

To live

So sad

In this world

Hurt children

Seeking light

 

(War victims are always vulnerable, children, women, and the elderly.)

 

 

 

 

《悲しきや   廃墟と化せし マリオポリ 空しき祈り  硝煙尽きじ 》

 ―かなしきや   はいきょとかせし   まりおぽり   むなしきいのり   しょうえんつきじ―

 

So sad

Turned into a ruin

Mariupol

Empty prayer

Exhausted smoke

 

 

 

 

《煙り立つ 消えゆく街に 老犬の   我家探せし 姿悲しき》

 ―けむりたつ   きゆくまちに   ろうけんの   わがやさがせし   すがたかなしき―

 

(この侵攻は、戦争の悲惨さ と 平和の有難さを教えてくれた。)

 

Smoke

In the disappearing city

Old dog

Find his home

Sad appearance

 

(This invasion taught us the misery of war and the value of peace.)

 

 

 

 

《悲しきや 大国の攻め いつの世も  眺め見過ごし 火の粉被らじ》 

 ―かなしきや   たいこくのせめ   いつのよも   ながめみすごす   ひのこかぶらじ―

 

Sadness

Attack of a great power

Always in the world

Overlooked

Sparks

 

 

 

 

《ロシア軍 世界のリーダー 捨て去りて  盗人如く 隣国侵せし》

 ―ろしあぐん せかいのりーだー   すてさりて   ぬすっとごとく   りんこくおかせし―

 

Russian army

World leader

Throw away

Like a thief

Invade neighboring countries

 

 

 

 

《さすらいの 大国ロシア 暴走す どこに向かうか 奥地シベリア》

 ―さすらいの   たいこくろしあ   ぼうそうす   どこにむかうか おくちしべりや―

 

A wandering

Power Russia

Runaway

Where to go

Outback Siberia

 

 

 

 

《悲しみの 泪流るる 麦畑 砲声止まぬ 東部戦線》

 ―かなしみの   なみだながるる むぎばたけ   ほうせいやまぬ   とうぶせんせん―

 

Sadness

Tears flow

Wheat field

The gunshot does not stop

Eastern Front

 

 

 

 

《陣取りの 少年時代 懐かしき ロシア戦法 旧態依然》

 ーじんとりの しょうねんじだい   なつかしき   ろしあせんぽう   きゅうたいいぜん―

 

(初戦のロシア軍、あまりの無策に全世界を驚かす。 80年前の旧ソ連軍の幻か)

 

The camp

Boyhood

Nostalgic

Russian tactics

Old-fashioned

 

(Russian troops in the first match surprise the whole world with too much  carelessness. Is it a vision of the former Soviet army 80 years ago?)

 

 

 

《虐殺と 完全破壊  略奪と 恐怖残せし IT時代》 

 ―ぎゃくさつと かんぜんはかい   りゃくだつと   きょうふのこせし   アイティーじだい

 

Massacre and

Complete destruction

Looting and

Leave the fear

IT era

 

 

             

    2022GW『星の巡礼 びわ湖一周 祈りの吟行サイクリング』Ⅱ

    2022GW 《Cycling around North Lake Biwa by Prayer》Ⅱ

                         ー走行記録編—   To be Continued <Cycling Record> 

                 続く 

 

 

 

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 2022『星の巡礼 びわ湖一周 祈りの吟行サイクリング』Ⅱ  ー走行記録編—

《Cycling around North Lake Biwa by Prayer》Ⅱ ーCycling recordー

 

 

2022GW『星の巡礼 びわ湖一周 祈りの吟行サイクリング』Ⅱ ー走行記録編ー 2022GW "Pilgrimage of the Stars Around Lake Biwa Prayer Cycling" II -Cycling record- ウクライナの戦雲をこころしながら、平和なびわ湖の風景に溶け込んできた。 <びわ北湖ルー…

                                                           

 

 

     

 

                  

 

 

 

 

 

 

2022『星の巡礼 南米一周の旅 ブログ・スケッチ展』

       2022『星の巡礼  南米一周の旅 ブログ・スケッチ展』

             2022 "Pilgrimage of the Stars:

      <A Trip Around South America Blog Sketch Exhibition">

 

               Sketched by Sanehisa Goto

 

 

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        アンデスに浮かぶ月と南十字星たち (チリー/サンペデロにて)

     Moon and Southern Crosses in the Andes (at Chilly / San Pedero)

 

 

 

    <南米大陸一周 スケッチ &  挿絵集>

 

       Sketch & Illustration Exhibition

         around South America

 

             Water Color Paiting by Sanehisa Goto

 

      

 

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          <星の巡礼 南米一周スケッチの旅> 21000㎞ルート図

           <Pilgrimage of the Stars A Trip to South America Sketch>

                    21000km Route Map

 

    南米一周21000㎞を、約100日間(2007年1月22日~4月16日)かけて回った時、

     旅日記のノートに画き込んだ挿絵や、座り込んで描き上げたスケッチ集です。

    

    南米大陸は、アンデスを中心にインカはじめ多くの古代文明の遺跡が広範囲に分布し、

    人を寄せ付けないパタゴニアアンデス、緑の大平原が横たわるパンパス、

    南極大陸への夢の入口であり、アマゾンの熱帯雨林の広がり、人のこころを惹きつけた

    エル・ド・ラド(黄金郷)の伝説、マゼランや冒険家を心躍らせた未知の世界、

    タンゴやボサノバと言った情熱的なメロディー、豊かな水量で圧倒されるイグアスの滝

    と旅人のこころをときめかせてやまない大陸です。

 

   いつものように自由気ままに、バックパッカーという旅の原点での旅スタイルを貫いて、

    旅そのものを楽しんできました。

    お陰さまで、旅行社の観光ツアーでは味わえないスケッチ三昧の旅でした。

 

    どうかごゆっくりとご鑑賞いただければ幸いです。

           2021年4月  志賀の里 孤庵にて 後藤實久

 

When I traveled around South America 21,000 km for about 100 days (January 22, 2007-April 16, 2007) Illustrations drawn in  notebook of the travel diary and sketches drawn by sitting down.

It was In South America, the ruins of many ancient civilizations, including the Incas, are widely distributed around the Andes.

Patagonia Andes, which keeps people away, pampas where the green plain lies, dream entrance to Antarctica, the spread of the Amazon rainforest, attracting people's hearts, the legend of El de Rad (Golden Township), an unknown world that excited Magellan and adventurers, passionate melodies such as tango and bossa nova, iguazu Falls overwhelmed by the abundant amount of water.

It is a continent that makes the hearts of  travelers flutter.

As always, freely and freely, sticking to the travel style at the origin of the journey as a backpacker, I have enjoyed the trip itself.

It was a trip full of sketches that I can not taste on a sightseeing tour of a travel agency.

I would appreciate if you could enjoy it.

 

April 2021. 

At Shiga-no-Sato Koan 

Sanehisa Goto

 

 

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         いざ離陸、こころ高鳴る<ナスカ地上絵空中遊覧観賞>

              It's time to take off, and the heart beats

                <Nasca ground painting aerial excursion viewing>



 

 

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             ナスカ地上絵の天空からのメモリースケッチ①

      Memory sketch from the sky of Nasca ground painting

             Monkey/猿     Condor/コンドル

                   Iguana/イグアナ    Spider/蜘蛛

                   Water Color Paiting by Sanehisa Goto

 

 

 

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                                                  ナスカ地上絵の天空からのメモリースケッチ②

                         Memory sketch from the sky of Nasca ground painting

              Frigate Bird/軍艦鳥  Humming Bird/ハチドリ

              Water Color Paiting by Sanehisa Goto

 

 

 

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             ナスカ地上絵の天空からのメモリースケッチ

       Memory sketch from the sky of Nasca ground painting ➂

               Lizard/トカゲ  Hand/手

                 Tree/木       Dog/犬

                 Fish/魚     Root/根・脚

             Water Color Paiting by Sanehisa Goto

 

 

 

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                 ナスカ地上絵の天空からのメモリースケッチ④

                         Memory sketch from the sky of Nasca ground painting ④

                           Tree/木         Astronaut/宇宙飛行士

                          Whale/クジラ        Parrot/オウム

                                                          Water Color Paiting by Sanehisa Goto

 

 

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                                                       ナスカ地上絵 配置図

               Nasca ground painting layout

 

 

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                                   インカ 太陽の神殿と祈祷師  (マチュピッチュ博物館)

                                     Inca Temple of the Sun and Shaman (Machute Pitch Museum)

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                                                 インカ道トレッキング線路跡ルート立体図

          <アクア・カリエンテス駅⇔マチュピチュ博物館>

                          Inca road trekking track trace route three-dimensional map

                                 <Aqua Calientes Station ⇔ Machu Picchu Museum>

 

 

 

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                       壁画➀ インカ帝国 湯治場

                  Mural ➀  Inca Empire hot spring resort

 

 

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             壁画② インカ帝国 マチュピチュ風俗画

            Mural ②  Inca Empire  Machu Picchu genre painting



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              壁画➂ インカ帝国 マチュピチュ観光
            Mural   Inca Empire  Machu Picchu Tourism

 

 

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               マチュピチュ 歴史遺産分布図

            Machu Picchu Historical Heritage Distribution Map

 

 

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       約500年間眠り続けたマチュピッチュ遺跡を見守り続けてきたワイナピッチュ

                 世界遺産

        Weinapitchu who has been watching over the Machu Pitchu ruins

             that have been sleeping for about 500 years

                  水彩画/Water Color Paint

                  Sketched by Sanehisa

                  2007/01/26  12:52am

 

 

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               素描 <世界遺産 マチュピッチュ>

            Drawing <World Heritage Machu Picchu>

 

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                                  世界遺産マチュピチュ・ワイナピッチュを背景に

        World heritage Machu Picchu and Huayna Picchu in the background

 

 

 

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             ウルバンバ川下り<ラフティング> クスコ近郊

              Rio Urubamba River-Rafting near Cusco

                Water Color Paiting by Sanehisa Goto

                     2007/01/28 11:30am

     (このウルバンバ川は、ベレンからマナオスへの船旅を楽しんだアマゾン川の支流である)

 

 

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             インカ帝国の首都だったクスコ(標高3400m)世界遺産

                        Cusco

                the capital of the Inca Empire (elevation 3400m)

              Water Color Paiting by Sanehisa Goto

 

 

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        クスコ・アルマス広場の民族衣装の夫婦(旅日記挿絵クスコより)

            A couple in national costumes at Cusco Armas Square

               (from the travel diary illustration Cusco)

 

 

 

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          雪をかぶるアンデス越えのペルー国鉄 / Peru Rail の観光登山列車

                アンデス山脈最高地点4319mを通過中

          Peru Rail Sightseeing Mountaineering Train Across Mts. Andes

                    水彩画/Water Color Painting

                                                                   Sketched by Sanehisa Goto

                   2007/01/29 10:28am

         (世界最高地点は5,072mのタング・ラ峠を走る青蔵鉄道チベット鉄道です)

 

 

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        列車で仲良くなったイタリアからのRevelちゃんとの共同お絵かき

        Joint drawing with Revell from Italy who became friends by train

 

 

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                                                            イタリアからのRevelちゃん

                                                    Revell from Italy who became friends by train

 

 

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          アンデス越え列車で同席のステファイン/Stefaineの肖像画

          Self-portrait of Stefaine with a train over the Andes

 

 

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            アンデス越え列車の窓から(旅日記の挿絵より)  

                                    From the window of the train over the Andes

                                                     (from the illustration in the travel diary)

 

 

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        フリアカ/JULIACA駅車窓よりアンデスの峰を望む(日記挿絵より)

         View of the Andean peaks from the window of JULIACA station

 

 

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             ワルカワル山6025mを背景にたたずむ修道院

                   コルカ渓谷 アレキパ

          A monastery nestled in the background of Mt. Warkawar 6025m

                     Qullqa Valley Arequipa

                    Water Color Paiting by Sanehisa Goto

                                                                     Jan.29, 2007

 

 

 

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                                   ティティカカ湖ウロス島 葦(トトロ)でできた湖上生活村

                      Islas los Uros/Lake Titicaca

                    水彩画/Water Color Paint

                                                            Sketched by Sanehisa

                    2007/01/30  10:32am

 

 

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                                                    Lake Titicaca  ティティカカ湖

 

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                    ティティカカ湖ウロス島 

                 葦(トトロ)でできた湖上生活村

                                                                     Lake Titicaca Uros Island

                                                         Lake life village made of reeds (Totoro)

 

 

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            旅日記に描かれた葦船とウロス島のスケッチと詩

       Sketches and poems of reed boats and Uros islands drawn in the travel diary

                2007/01/30  10:46am

 

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                   ティティカカ湖に浮かぶ葦船

                        Reed boat floating on Lake Titicaca

 

 

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          インカ伝承の葦船を漕ぐウロスの女性 (ティティカカ湖)

       Uros woman rowing an Inca folklore reed boat (Lake Titicaca)

 

 

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            インカの民族衣装ポンチョ・帽子をつけて

                        Wearing an Inca folk costume poncho

 

 

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              満月の夜空  Night sky with full moon      

          タキーレ島/ Isla Taquile ・ティティカカ湖/Lago Titikaka  

                  Sketched by Sanehisa Goto                                                                                  Jan.31 2007

 

                                         

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                                                 プーノ・フェスタで踊るインカの末裔

          Descendants of the Incas dancing at Puno Festa

              Water Color Paiting by Sanehisa Goto

                      Jan. 30, 2007

 

                   

                            

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                                       ペルー横断鉄道<クスコ~プーノ線>地図

             Crossing Peru (Cusco-Puno) Map

 

 

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                ティティカカ湖観光地図

                Lake Titicaca Tourist Map

 

 

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                                アマンタニ島青空市場/Amantani-Mercado(ティティカカ湖)

                                             Amantaní Blue Sky Market  ( Lake Titicaca)

 

 

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                              ルシアさん作品のインカ帽(ティティカカ湖・アマンタニ島)

                                          Inca hat by Lucia (Lake Titicaca, Amantaní Island)

 

 

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                                                          アマンタニ島の化石とお花 (ティティカカ湖)

                                            Fossil and flowers of Amantaní Island (Lake Titicaca)

 

 

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                           カンテラリア教会   (標高3814m コパカバーナ―/ボリビア

              Sao Cantelia Church / Copacabana/Bolivia 3814m

                  Sketched by Sanehisa Goto

                    Feb 1  2007  11:30am

 

 

 

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                                           南アメリカ南部ルート<ラパス~ウシュアイア>

            Southern South America Route <La Paz-Ushuaia>

 

 

 

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    民族衣装を着飾ったボリビアの赤ちゃん(ティティカカ湖・ティキーナ湖峡連絡船で)

             Bolivian baby dressed in national costume

                 Drawing by Sanehisa Goto

                  Feb. 2, 2007

 

 

 

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                  ラクダ君も湖峡連絡船待ち 

              Camel is also waiting for the strait ferry

                   Drawing by Sanehisa Goto

                  Feb. 2, 2007

 

 

 

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                 世界遺産 ラパスの山頂の街ポトシ

              背後の山 霊峰イリマニ山/ Mt. Illimami 6402m

                World heritage site Potosi, the city of La Paz

                           Sketched by Sanehisa Goto 

                    2007/02/02  13:32

 

 

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              民族衣装の糸巻き女 (ウユニの街にて)

               Pincushion woman in national costume

  1.                  at Uyuni, Bolivia  

                   Drawing by Sanehisa Goto

                   Feb 4, 2007 

 

 

 

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             ボリビア首都ラパスの民族衣装のご婦人

                 Lady in national costume of La Paz, the capital of Bolivia

 

 

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            ウユニ塩湖でツアー仲間のチリの大学生グループと

              Tour with a group of fellow Chilean college students at Uyuni Salt Flat

 

 

                  ウユニ塩湖/Salar de Uyuni

                塩ブロック/盛り塩/ Salt Block/Prime Salt

               背後に火山ツヌパがそびえる/Volcano Thunupa

                                       Sketched by Sanehisa Goto

                                            Feb.4, 2007  12:03

 

 

 

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             真っ白なウユニ塩湖と湖畔に育つ巨大サボテン群

           White Uyuni salt lake and cactus growing on the shore

                  Water color painting by Sanehisa Goto

                                       Feb 4, 2007  13:10pm

 

 

 

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                                                        Carolina  is painting .  Uyuni salt lake

                                                  In the village of Puerto Chuvica

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               Painting by Carolina,  Uyuni salt lake

                                                 In the village of Puerto Chuvica

 

 

 

                  <友人の写真家 故宮内幸男氏のウユニ塩湖 写真集より>

                        Amazing Uyuni salt lake shots     by Mr. Yukio Miyauchi

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                                                       The late Yukio Miyauchi (2014)

 

 

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                                                                                  (提供Phot by Yukio Miyauchi)  

 

 

 

 

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                                              真っ白なウユニ塩湖を見下ろすPuerto Chuvica村の朝

        Morning in the village of Puerto Chuvica overlooking the pure white Uyuni salt lake

                  Sketched by Sanehisa Goto

                                           Feb 5,2007  06:12am

 

 

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                                        ブランカ湖畔に建つ山小屋(標高1005m)ボリビア

           Mountain hut on the shores of Lake Blanca (elevation 1005m) Bolivia

                Sketched by Sanehisa Goto

                      Feb 5  2007 23:45

 

          

 

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                 月の谷 / Luna Valley

            アンデスの山を飾る南十字星 (チリ山村サンペドロにて)

                                                         Sao Pedro/Chilli

               Feb 5,  2007 11:30pm  Feb, 6  05:30am

 

 

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          活火山サルト山/リカナブル山/南十字星(サンペドロ・チリー)

             Mt. Salt/Licanca’ bur Volcano w/Southern Cross

                                      San Pedro/Chile

                               Sketched by Sanehisa Goto

                     Feb 5  2007 23:45

 

 

 

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                    チリ山村サンペドロの朝

                       Sao Pedro / Chili

                                             Sketched by Sanehisa Goto

                    Feb. 6, 2007  08:40am

 

 

 

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              チリー・サンペドロ村 教会堂の鐘

             Chillie San Pedro Village Church Bell

 

 

 

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          長距離バス(サンペドロ~サンチャゴ)の子供たちの絵

         Pictures of children on a long-distance bus (Sampedro-Santiago)

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                    Jose, Hose & Andrea             



 

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              南米最高峰 アカンコグア山6961m (チリ―側)

               Peak of Mt. Aconcagua 6962m (Chili side)

                   Sketched by Sanehisa Goto

                    Feb 8,  2007  :36pm

 

 

 

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         パルパライソ沖 太平洋上より眺める南米最高峰アコンカグア山(中央)

           Mt. Aconcagua seen from above the Pacific Ocean (center)

                   Off the coast of Valparaiso

                 Water color Painting by Sanehisa Goto

                                                     Jan 24, 2014 

 

 

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                        南米一の峰アコンカグア山6962m

                                    South America's highest peak, Aconcagua Mountain 6962m

 

 

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                                                       南米最高峰アコンカグア山6962m

                                      South America's highest peak, Aconcagua Mountain 6962m

 

 

 

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                                        南米最高峰アコンカグア山の夜空 

          Night sky of Mt. Aconcagua, the highest peak in South America

                                  In the night trekking    

                  Sketched by Sanehisa Goto

                   Feb 8,  2007  10:30pm

 

 

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                                   一面の葡萄畑が広がるメンドーサ―郊外 アルゼンチン

                    Mendoza-suburbs Argentina with a wide vineyard

 

 

 

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        雪かぶるアンデスの山の前に広がるメンドーサの見渡す限りの葡萄畑

            A vineyard as far as the eye can see from Mendoza

           In front of the snow-capped Andean mountains,  Argentina

                   Sketched by Sanehisa Goto

                      Feb. 10, 2007

 

 

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            メンドーサ・バスターミナル・カフェテラスで

                                                          At Mendoza Bus Terminal Cafe Terrace

                                                                    Argentina

                            2007/02/10 11:32am

 

 

 

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              アルゼンチンのパンパ(大平原)に上がる朝日

               Sun rising to Pampa (Great Plains) in Argentina

                           Sketched by Sanehisa Goto

                                    Feb 11, 2007  06:25am

 

 

 

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      ナウエル・ウアピ湖 バリローチェ (バス車窓よりスケッチ2景)   

        Nahuel Huapi Lake Bariloche (2 sketches from the bus window)

                                    Bariloche,   Argentina

                                                       Feb. 11,  2007  12:30~13:15  

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           ナウエル・ウアピ湖/Lago Nahuel Huapiに映るアンデスの山々

           Andean mountains reflected in Lago Nahuel Huapi (Argentina)

                   バリローチェ/アルゼンチン

                                                              Bariloche,   Argentina

                Water Color Paiting  by Sanehisa Goto

                    Feb.11,2007  14:38pm

 

 

 

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          ナウエル・ウアピ湖/Lago Nahuel Huapiに映るアンデスの山々

          Andean mountains reflected in Lago Nahuel Huapi (Argentina)

                 バリローチェ/アルゼンチン

                                                         Bariloche,   Argentina

              Water Color Paiting  by Sanehisa Goto

                  Feb.11,2007  14:38pm

 

 

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                                                      パタゴニアアンデスの岩稜② (アルゼンチン)

                                                    Rock Ridge of Patagonia Andes  (Argentina)

                                                                Sketched by Sanehisa Goto

                                                   2007/02/11  18:18pm

 

 

 

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                          バスは、荒涼としたアルゼンチン・パタゴニア大平原パンパを走り続ける

           The desolate Patagonia Great Plains Pampa, Argentina 

                   Sketched by Sanehisa Goto

                     Feb 13, 2007  09:38am

 

 

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                                            リオ・ガジェンゴス バスターミナルで朝日を迎える

                                     Sunrising greets at Rio Gagengos Bus Terminal, Argentina

 

 

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                         バスは美しい浮雲のもと、パタゴニア平原をひたすら駈ける

        The bus runs through the Patagonia Plains under beautiful floating clouds.

                                                                  Argentina

 

 

 

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      マゼラン海峡をフェリーで渡り、フェゴ島南端のウシュアイアに向かう

              Strait of Magellan Ferry (Bus to Ushuaia)

                          プンタ・アレーナス、チリ―   Punta Arenas, Chile 

                 Sketched by Sanehisa Goto

                    Feb 13,  2007 12:35

 

 

       

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           ウシュアイア港のシンボルマーク <座礁帆船> (アルゼンチン) 

           Symbol mark of Ushuaia harbor <Stranded sailing ship>

                      Ushuaia, Argentina

                                                       Water color painting by sanehisa Goto

                                                                     Feb.14 2007   20:38pm

 

 

 

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                  ウシュアイア<地の果て>標識

             Ushuaia <end of the earth> sign

                                                            Ushuaia, Argentina

 

 

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                    ウシュアイア市庁舎

                   Ushaia city Hall,  Argentina

                                 Water Color Painting by Sanehisa Goto

                                             Feb 16 2007  10:15am

 

 

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               アルゼンチン・ウシュアイア市章

                 Ushuaia City Emblem, Argentina

 

 

 

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            ウシュアイアの夜明け と 消えゆく南十字星

          The dawn of Ushuaia and the disappearing Southern Cross

                          Ushuaia, Argentina  

                                                           Sketched by Sanehisa Goto

                  Feb 17, 2007  08:45am

 

 

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            ビーグル水道を往く大型クルーズ船 (ウシュアイア)

            Large cruise ship going to Beagle Chanel (Ushuaia)

                               Ushuaia, Argentina

                                                     Water Color Painting by Sanehisa Goto

                                 Feb 17 2007  10:15am

 

 

 

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              マルティアル氷河  (ウシュアイア/アルゼンチ)

                                   Martial Glacier (Ushuaia / Argentina)

                Water Color Painting by Sanehisa Goto

                                              Feb 18 2007  10:15am

 

 

 

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               ビーグル海峡でシーカヤッキングを楽しむ

                 Enjoy sea kayaking at Beagle Chanel

                                                             Ushuaia, Argentina

                                  Water color painting by Sanehisa Goto

                                           Feb 19  2007  11:30am

 

 

 

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              ウシュアイア港パノラマスケッチ

                  Panorama sketch <Ushuaia harbor>

                 On the way to a round-the-world cruise

                 Water Color Paiting by Sanehisa Goto

                                                                       2014

 

 

 

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              ウシュアイアは南極への入口である

             南極大陸ツアーに参加し、スケッチを描いて来た

                Ushuaia is the gateway to Antarctica

            Participated in the Antarctica tour and drew sketches

 

 

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                          南極大陸ツアー出航前の砕氷船オルローバ号の前で(ウシュアイア港)

           In front of the icebreaker Orlova before the departure of the Antarctica tour (Ushuaia port)

 

 

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         南極クルーズ船 オルローバー/Orlova号 航路地図

            Antarctic cruise ship Orlova route map

 

 

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南極大陸ツアーについては、すでにブログで<南極大陸スケッチ展>として掲載済みなので、

以下のブログでお読みいただけたら幸いです。

The Antarctica tour has already been posted on the blog as <Antarctica Sketch Exhibition>.

I hope you can read it on the following blog.

 

2021星の巡礼『南極大陸』ブログ・スケッチ展

2021 Star Pilgrimage "Antarctica" Blog Sketch Exhibition

 

南極大陸』ブログ・スケッチ展 『南極に立つ』 少年時代にドキュメンタリー「白瀬中尉の南極大陸」を観て以来、 夢のなかで温めてきました。 2007年2月、南米大陸一周の旅に出かけ、ウシュアイア(アルゼンチン)に 滞在したおり、この地が南極大陸クルー…

                                   

   https://shiganosato-goto.hatenablog.com/entry/2021/03/12/084948

  

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                憧れの南極大陸でスケッチ中

               Sketching in Antarctica

                   Feb 20~Mar 2, 2007    


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ブエノスアイレス散策 アルゼンチン> 

<Walking around Buenos Aires, Argentina>

 

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  アルゼンチンタンゴのシルエット・アート                        カミニートのサイケな街並みアート

              Argentine tango silhouette art                                 Caminito's psychedelic cityscape art

                                             ブエノスアイレスの街角アート

               Buenos Aires street corner art

 

 

  

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          東欧を思わせる五月広場の歴史的建築群/ブエノスアイレス                 

              Plaza de Mayo's historic buildings / Buenos Aires

                                   Water Color Paiting by Sanehisa Goto

 

 

                                                               

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          パロボラッチョの花(国花) と アルゼンチン国旗

                                                                          (ブエノスアイレス

                                                         Palo Boraccio and the Argentine flag

                                                         Sketched by Sanehisa Goto

                  Mar, 4, 2007

 

 

 

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                                          パノラマスケッチ <ブエノスアイレス港>

               Panorama sketch <Buenos Aires harbor>

               On the way to a round-the-world cruise

               Water Color Paiting by Sanehisa Goto

                                                                    2014

 

 

 

 

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                                    パノラマスケッチ <モンテビデオ港> ウルグアイ

              Panorama sketch <Montevideo harbor> Uruguay

                On the way to a round-the-world cruise

                Water Color Paiting by Sanehisa Goto

                                                                     2014

 

 

 

世界遺産 <コロニア・デル・サクラメントウルグアイ

World Heritage <Colonia del Sacramento, Uruguay>

 

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                                     コロニア村の風景 (コロニア・デル・サクラメント/ウルグアイ) 

          Landscape of Colonia Village (Colonia del Sacramento / Uruguay)

               Water Color Paiting by Sanehisa Goto

                                      2007  

 

 

 

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                               コロニアの家屋(コロニア・デル・サクラメント/ウルグアイ) 

                                                                             Colonia house

                                                        Water Color Painting by Sanehisa Goto

                                                                                     2007 

 

 

 

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                            コロニアの砦跡に立つ灯台コロニア・デル・サクラメント/ウルグアイ) 

                                                           Lighthouse at the site of the Colonia fort

                                                             Water Color Painting by Sanehisa Goto

                                                                                          2007

 

 

 

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               アスシオン(パラグアイ)行バス     パラグアイ・ビシャボリタ平原パンパの朝

      Bus to Assion (Paraguay)      Paraguay Bishaborita Plain Pampa Morning 

                       (ラプラタ川支流テリクワイ川を通過)

                (Passing the Terikwai River, a tributary of the Rio de la Plata)

 

 

 

 

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                イグアスの滝スケッチ・ルート概略図

                Iguazu Falls Sketch Route Schematic

 

 

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               イグアスの滝 (アルゼンチン側遊歩道A-2より)- Argentine

                Iguazu Falls (from Argentine sidewalk A-2)

                 Water Color Paiting by Sanehisa Goto

                                  March10,2022

 

 

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          イグアスの滝 (アルゼンチン側遊歩道A-2ポイントより) - Argentine

                Iguazu Falls (from Argentine sidewalk A-2)

                 Water Color Painting by Sanehisa Goto

                  March10,2022

 

 

 

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                  <悪魔の喉笛>Devil's Throat - Argentine           

                                 Garganta del Diablo        

                  Water Color Painting by Sanehisa Goto                                

                         March 10, 2007

 

 

 

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                   <イグアスの滝壺>Iguas Waterfall basin -  Argentine

                               Iguas Waterfall basin         

                 Water Color Painting by Sanehisa Goto                                

                       March 10, 2007

 

 

 

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              イグアスの滝(ブラジル側遊歩道B-2より)- Brasil

                   Argentine side Iguazu Falls

                  Water Color Paiting by Sanehisa Goto

                                                    March 10, 2007 

 

 

 

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     ブラジル側遊歩道B-2ポイントよりイグアスの滝(アルゼンチン側)をスケッチ - Brasil

        Sketch Iguazu Falls (Argentina side) from B-2 point on the Brazilian sidewalk

                 Water Color Paiting by Sanehisa Goto

                                                     March 10, 2007 

 

 

 

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   標高900mに広がるパラナ平原<日系人入植地> ブラジル南部    日本移民資料館訪問記念

                               Parana Plain at an altitude of 900m

                      <Japanese-American settlement> Southern Brazil

 

 

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            セ広場にある大聖堂/カテドラル (サンパウロ/ブラジル)

                Cathedral in Se Square (Sao Paulo / Brazil)

                  Drawing by Sanehisa Goto

                                            March 17, 2007  10:28

 

 

 

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              サンパウロ大聖堂/カテドラル前で

                 In front of Sao Paulo Cathedral 

 

 

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    ポン・デ・アスーカル(砂糖のパン)とキリスト像の合成スケッチ <コルコバードの丘にて>

                                                   リオデジャネイロRio de Janeiro 

             Pon de Asucar (sugar bread) and Christ the Redeemer

                Water Color Paiting by Sanehisa Goto

                  March 21, 2007

 

 

 

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     ポン・デ・アスーカル (砂糖のパン)を見下ろすキリスト像 <コルコバードの丘にて>

            Statue of Christ overlooking Pont de Asucar (sugar bread)

                                                  リオデジャネイロRio de Janeiro          

                                                           Water Color Paiting by Sanehisa Goto

                  March 21, 2007

 

              

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          コルコバードの丘からポン・デ・アスーカルを眺める

                 Overlooking the Pont de Asucar 

 

 

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      ポン・デ・アスーカルとコパカバーナ海岸と大西洋を望む <コルコバードの丘にて>

       Overlooking the Pont de Asucar and the Copacabana coast and the Atlantic Ocean

                            リオデジャネイロRio de Janeiro    

                                                          Water Color Paiting by Sanehisa Goto

                   March 21, 2007

 

 

 

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   グアナバラ湾上の船上よりリオジャネイロの夜景を望む (中央の岩山がポン・デア・スーカル)

           The night view of Rio Janeiro from the ship on Guanabara Bay

                                                      リオデジャネイロRio de Janeiro 

                 Water Color Paiting by Sanehisa Goto

                      January 7、2014

 

 

<サルバドル散策 ブラジル>

<Walking in Salvador Brazil>

 

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                                               コロニアル時代の建物が残るサルバドル(ブラジル)

                Salvador (Brazil) with colonial buildings

                  Water Color Paiting by Sanehisa Goto

                                                                 March 23, 2007

 

 

 

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                                                          サルバドルの大西洋に面する海岸

                   Salvador's Atlantic coast, Brasil

               Water Color Paiting by Sanehisa Goto
                                                             March 23, 2007

 

 

 

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                                                                 サルバドル海岸のスケッチ

                        Salvador coast sketch, Brasil

                       Drawing by Sanehisa Goto
                                                                              March 23, 2007

 

 

 

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                                                                     サルバドルの閑静な住宅街

                     Quiet residential area of Salvador, Brasil

                     Water Color Paiting by Sanehisa Goto 

                                                              March 24, 2007

 

 

 

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                                                                    サルバドルのオフィス街

                      Salvador's office district, Brasil

                    Water Color Paiting by Sanehisa Goto

                                                            March 25, 2007

 

 

 

 

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                                          アマゾン川ベレンマナオス> サンタ―レン号航路図

            Amazon River <Belem Manaus>The Santa-Len route map

 

 

<アマゾン船旅紀行—ブラジル>

<Amazon Cruise Trip  -  Brasil>

 

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                               <サンタ―レン号> ベレン発 マナオス行き アマゾン航路貨客船

           <The Santa-Len>Amazon route liner from Belem to Manaus

                                      Water Color Paiting by Sanehisa Goto

                            March 27, 2007

 

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                                                  N/H  SANTAREN / サンタ―レン号

 

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                           アマゾン川下流域の生活 <交通機関としての船 と エビ漁>

    Life in the lower Amazon River <Ship as a means of transportation and shrimp fishing>

 

 

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                                                             Arneirim Port (アマゾン川寄港地)

             Water Color Paiting by sanehisa Goto 

                                                             March 29, 2007

 

 

 

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                                                               アマゾン川下流域で盛んな海老漁

                                                        Shrimp fishing in the lower Amazon basin

                                                      Water Color Paiting by Sanehisa Goto

                                                                      2007

 

 

 

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                                            大型船からコンテナ船まで河川輸送が盛んなアマゾン川

              The Amazon River, where river transportation is

               popular from large ships to container ships

                    Water Color Paiting by Sanehisa Goto

                                                                         2007

 

 

 

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                                                                       アマゾン川の朝焼け

                                                                      Amazon river sunrise

                                                       Water Color Paiting by sanehisa Goto 

                                                                 March 28, 2007

 

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                                                                 アマゾナスの半月と南十字星輝く夜

                      Amazonas half moon and Southern Cross shining night

 

 

 

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                                                     サンタ―レン号船尾にひるがえるブラジル国旗

                Brazil flag on the stern of the Santa-Len

                   Water Color Paiting by sanehisa Goto 

                                                                March 28, 2007

 

 

 

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                                                            アマゾン川の物資輸送中のタッグボート

         Tag boats in transit on the Amazon River in transit on the Amazon River

                      Water Color Paiting by Sanehisa Goto

                                                               March 28, 2007

 

 

 

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                                                                        アマゾン川の夕暮れ

                  Dusk on the Amazon River

                Water Color Paiting by Sanehisa Goto

                                                               March 29, 2007

 

 

 

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                                                 夕暮れのアマゾン川を遡上するコンテナ貨物船

           A container freighter going up the Amazon River at dusk

                                               Water Color Paiting by Sanehisa Goto

                                                                March 29, 2007

 

 

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                                   モンテ・アレグレ港(ポート) (サンタ―レン号アマゾン川寄港地)

           Monte Alegre Port  (The Santa-Len Amazon River Port of Call)

                 Water Color Paiting by Sanehisa Goto

                                                             March 30, 2007

 

 

 

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                                   アマゾニアの牛の放牧場 (モンテ・アレグレ付近 アマゾン川)2景

                                              Amazonia Ranch (Near Monte Alegre, Amazon Rive

                                                         Water Color Paiting by Sanehisa Goto

                                                            March 30, 2007

 

 

 

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                   TANZA

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                                            サンタ―レン号上のお絵かき教室の天使たちの作品

                                          Warks of angels in the drawing class on the Santalen.

 

 

 

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                                          グラスホッパーの呟き

               Grasshopper muttering

 

 

  

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              サンタ―レンの街とアマゾン・イルカ

               River-Town of Santa-Len and the Amazon dolphins

                  Water Color Paiting by Sanehisa Goto

                  March 30, 2007

 

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                   アマゾンイルカ

                 Amazon dolphin

 

 

 

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                 アマゾニアのオウム  /  Amazonia parrot

                    Drawing by Sanehisa Goto

                  March 30, 2007

 

 

 

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              寄港地サンタ―レンに上陸し散策

             Landing and strolling at the port of call Santa-Len

 

 

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       サンタ―レン号2等エアコン付きハンモック・エリア (アマゾン川定期航路)

            The Santa-Len 2nd class air-conditioned hammock area

                  (Amazon River regular route)

                                   Water Color Paiting by Sanehisa Goto

 

 

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              サンタ―レン号3等ハンモック・デッキエリア

                The Santa-Len 3rd class hammock deck area

 

 

 

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        マナオス近くで合流するネグロ川(水色)とアマゾン本流(泥色)

   The Negro River (light blue) and the Amazon main stream (mud) that meet near Manaus

                   

 

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                                                   スクリューで撹拌されたアマゾナス・カラー

               Amazonas color agitated with a screw

 

 

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                                アマゾン川は支流ネグロ川(左・赤茶色)とアマゾン川本流(右・青色)

              この二つの川の水は混じることなく流れている

        The Amazon River is a tributary of the Negro River (left, reddish brown)

   and the Amazon River (right, blue). The water of these two rivers is flowing without mixing.

                Water Color Paiting by Sanehisa Goto

                                                             March 3, 2007

 

 

                

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                                             スケッチ <アマゾン川流域に見られる放牧場>

             Sketch <ranch seen in the Amazon river basin>

 

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                                                        アマゾンの満月 Ⅰ

                  Amazon full moon  I

 

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                                                       アマゾンの満月 Ⅱ

                  Amazon full moon Ⅱ

 

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                    アマゾンに顔を見せる朝日

             Sunrising showing his face to Amazon

 

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                   アマゾン川流域の風景

               Landscape of the Amazon River basin

 

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              アマゾン流域に点在する村落

               Villages scattered in the Amazon basin

 

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             アマゾン流域に立つカトリック教会堂

                Catholic church in the Amazon basin

 

 

 

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           アマゾン川船旅最終地マナオスに入港するサンタ―レン号

          (左手にアマゾン本流の赤茶色の流れ / 右手にネグロ川の清流)

                    Santa-Len arriving at Manaus, the final destination of the Amazon River cruise

                              (The reddish-brown stream of the Amazon main stream on the left /

                                                 the clear stream of the Negro River on the right)

                                                           Water Color Paiting by Sanehisa Goto

                   April 3, 2007

 

 

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           アマゾン・ネグロ両川合流点をいく観光遊覧船

 

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              マナオス Café de Guayanes の庭園

                 Gardens in Manaus Café de Guayanes

 

 

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       アマゾンに広がる放牧場の風景(ブラジル/ホライマ州ボア・ビスタ近郊)

         Ranch landscape in the Amazon (near Boa Vista, State of Roraima, Brazil)

 

 

 

ベネズエラ / Venezuela> 

 

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        ギアナ高地/Macizo Guayanes    サンタ・エレナ近郊(ベネズエラ

          Guiana Highlands / Macizo Guayanes near Santa Elena (Venezuela)

 

 

 

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                  カラカスの高層ビル群 (ベネズエラ首都)A

                 Skyscrapers in Caracas (Capital of Vene)

                                  Water Color Paiting by Sanehisa Goto

                       (背景はアピラ山2215m)

                   April 4, 2007

                   

 

 

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                カラカスの高層ビル群 (ベネズエラ首都)B

                 Skyscrapers in Caracas (Capital of Vene)

                                  Water Color Paiting by Sanehisa Goto

                   April 4, 2007

 

 

 

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              カラカスの高層ビル群 (ベネズエラ首都)A+B

           Skyscrapers in Caracas (Capital of Venezuela) A + B

 

 

 

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              カラカス大聖堂の十字架上のキリスト

                  <Semana Santa イースター礼拝>

 

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              メトロポリタン(カラカス)大聖堂

                   Metropolitan (Caracas) Cathedral

 

 

<ペルー / Peru>

 

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               アンデスの山々に囲まれたカヤオ港(ペルー)

                Callao Port (Peru) surrounded by Andean mountains

                       Water Color Paiting by Sanehisa Goto

                    Jan. 28, 2014

 

 

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              ご来場有難うございました。

旅は、平和のシンボルであることを痛感する出来事が、ウクライナへのロシア軍の侵攻で、理解できたような気がします。

どうか一日も早い殺戮という戦争が終わり、平和の中に、旅人が世界中を自由に行き交える日を待ち望みたいと思います。

 

感謝合掌
2022年4月13日  志賀の里 孤庵にて 後藤實久

 

 

Thank you for coming.

I feel that the event that made me realize that the journey is a symbol of peace was understood by the Russian invasion of Ukraine.

I would like to wait for the day when the war of murder as soon as possible is over and travelers can freely move around the world in peace.

 

Thanks,  Gassho

April 13,  2022    At Shiga-no-Sato, Japan、

Sanehisa Goto

 

   

 

        2022『星の巡礼  南米一周の旅 ブログ・スケッチ展』

   《 南アメリカ大陸 スケッチ・挿絵集》

          

                  

 

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2007『星の巡礼 南米一周の旅 21000㎞』 Ⅱ

2007 "Pilgrimage of the Stars: A Trip Around South America 21000km" Ⅱ

 

2007『星の巡礼 南米一周の旅 21000㎞』 Ⅱ Ⅱ《 ボリビア縦断 ウユニ塩湖に遊び、南米最南端ウシュアイアに向かう》 ―ボリビア/ラ・パス ➔ チリ/サンチャゴ ➔ アルゼンチン/ウシュアイア ― 五大陸最後の南アメリカ大陸にやって来た。 前回は、ペルーの首都リ…

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2007『星の巡礼 南米一周の旅 21000㎞』Ⅲ

2007 "Pilgrimage of the Stars: A Trip Around South America 21000km" Ⅲ

 

2007『星の巡礼 南米一周の旅 21000㎞』Ⅲ Ⅲ 《 南米大陸一周 東岸北上 》 《 ウシュアイア ➔ リオデジャネイロ ➔ アマゾン ➔ リマ 》 前回は、ボリビアの首都ラパスを出て、ウユニ塩湖の神秘な光景に出会ったあと、そのままチリに入り、サンチャゴに至る。 …

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2021星の巡礼『南極大陸』ブログ・スケッチ展

2021 Star Pilgrimage "Antarctica" Blog Sketch Exhibition

 

南極大陸』ブログ・スケッチ展 『南極に立つ』 少年時代にドキュメンタリー「白瀬中尉の南極大陸」を観て以来、 夢のなかで温めてきました。 2007年2月、南米大陸一周の旅に出かけ、ウシュアイア(アルゼンチン)に 滞在したおり、この地が南極大陸クルー…

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2021『星の巡礼 パタゴニア・フィヨルド ー パノラマスケッチ展』

2021 "Star Pilgrimage Patagonia Fjord-Panorama Sketch Exhibition"

 

星の巡礼 パタゴニアフィヨルド ー パノラマスケッチ展』 《 パタゴニアフィヨルド ― パノラマスケッチ展 》 Patagonia on the Chilean side / Peaks of the Southern Andes, a collection of panoramic sketches 2014年1月18~20日、南米最南端のビー…

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2007『星の巡礼 南米一周の旅 21000㎞』Ⅲ

2007『星の巡礼 南米一周の旅 21000㎞』Ⅲ

南米大陸一周 東岸北上 》

《 ウシュアイア  リオデジャネイロ  アマゾン  リマ 》

                         

 

前回は、ボリビアの首都ラパスを出て、ウユニ塩湖の神秘な光景に出会ったあと、そのままチリに入り、サンチャゴに至る。 しかし、チリの首都サンチャゴのスモッグに音を上げ、アルゼンチンのメンドーサに移動。 その後、アルゼンチンのパタゴニア大平原・パンパを縦断し、南米最南端の街であり、南極の入口であるウシュアイアに至った。 

また、ウシュアイアでは、南極クルーズに参加する機会があり、乗船待機日とあわせて17日間のスケジュール

調整を、残る南米大陸で埋め合わせる羽目となってしまった。

少し、急ぎ足になるが、と言いたいが、ブエノスアイレスで待っていたのは、旅人にとっての最悪な事件に出会ったのである。

では、南極クルーズを終えた後、南米大陸一周の旅を先に進めることにする。

 

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             星の巡礼 南米一周の旅 21000㎞ルート図

 

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2021星の巡礼『南極大陸』ブログ・スケッチ展

 

南極大陸』ブログ・スケッチ展 『南極に立つ』 少年時代にドキュメンタリー「白瀬中尉の南極大陸」を観て以来、 夢のなかで温めてきました。 2007年2月、南米大陸一周の旅に出かけ、ウシュアイア(アルゼンチン)に 滞在したおり、この地が南極大陸クルー…

 

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南極大陸クルージングという夢の実現を終え

いよいよウシュアイア―を発ち、ブエノスアイレスに向かう。

 

 

 ■ 3月2日  南極大陸ツアーを終えて ウシュアイアに帰る

 

今夜一泊、ホステル・アオニッケン/HOSTEL AONIKENKに泊り、明日夜の飛行機でブエノスアイレス

向かう。

 

今日は南極大陸ツアーで描き上げたスケッチに色付けをし、ウシュアイア最後の散策に出かけた。

ウシュアイアを取り巻く峰々には、南極クルーズ出発前よりもさらに白銀が増し、厳しい光景を

見せつけている。

南半球は夏と言えども、ウシュアイアは真冬の光景である。

 

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       南極より戻り、ウシュアイア最後の夜をホステル・アオニケンで過ごす

 

 

 

■ 3月3日 ウシュアイア最後の日

 

ブエノスアイレスへ向かって出立のパッキングをしたあと、ウシュアイアの散策を楽しんだ。

 

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                      ホステルから眺めるウシュアイアの街 

          

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               ウシュアイア港 お別れ散策

 

 

■ 3月3~4日 移動 <ウシュアイアブエノスアイレス

 

南極大陸のツアーに参加したことによって、当初の予定を変更することになった。

南アメリカ大陸をバスで一周するという計画は、南極に12日間、ウシュアイアでの待機7日間の合計19日間を費やしたため、ブエノスアイレスへのバス旅行を飛行機に変更した。

 

Ushuaia       ➔   Buenos Aires  アルゼンチン航空/AR#2811N便

March 3            March 4

D20:41pm        A00:01

 

ブエノスアイレス空港到着後、深夜のため空港待合室で仮眠。 06:00am発リムジンバスでブエノスアイレスのセントロにあるレティーロ鉄道駅に向かう。

その後、列車でダルセナ・ノルテ駅に隣接するウルグアイ・コロニアル行フェリー乗り場に向かう。

そこで、荷物を預け、ブエノスアイレスの観光に出かけた。

 

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  アルゼンチン航空ブエノスアイレスに向かう     レティーロ駅よりフェリー乗り場へ移動

 

f:id:shiganosato-goto:20220406215452j:plain f:id:shiganosato-goto:20220406215252j:plain                                             ブエノスアイレス地下鉄構内風景

 

 

ブエノスアイレス散策>          

 ブエノスアイレスの街を歩いていると、ここが南アメリカとは思えない。

古いコロニア風建物が並び、歴史をのぞかせる街並に、どこかヨーロッパの街角と錯覚を起こすほどである。

ペルーからボリビアにかけてのアンデスに栄えたインカの子孫の生活を見てきただけに、そのカルチャショックに驚かされるのである。

同じ南米大陸に、インディオ系国家と欧州系国家が南北に混在して、同じラテン系として互いを認め合っている素晴らしさにも感嘆させられた。

 

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           アルゼンチンタンゴの本場 マグネットバッジが並ぶ

 

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         大統領府<カサロサーダ>前で アルゼンチン国旗掲揚セレモニ―

 

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      7月9日通り<独立記念碑>         ラ・ボカ地区カミニートのシンボル的街角

 

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                 カミニートのサイケな街並みを楽しむ

 

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      メトロポリタン大聖堂                  5月広場 

 

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     ブエノスアイレス街角の花屋さん       ランチはアルゼンチン牛の ステーキ定食

 

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          東欧を思わせる五月広場の歴史的建築群/ブエノスアイレス                 

              Plaza de Mayo's historic buildings / Buenos Aires

                                   Water Color Paiting by Sanehisa Goto

                                                                         March 04, 2007  13:16pm

 

 

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                                                       パロボラッチョの花 と アルゼンチン国旗

                                                                          (ブエノスアイレス

                                                         Palo Boraccio and the Argentine flag

                                                         Sketched by Sanehisa Goto

                                           March 4, 2007  16:15pm

 

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                                                 パロ・ボラッチョ/アルゼンチンの国花

 

 

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            パノラマスケッチ <ブエノスアイレス港>

               Panorama sketch <Buenos Aires harbor>

               On the way to a round-the-world cruise

               Water Color Paiting by Sanehisa Goto

                     Jan 11, 2014 

                      

 

ブエノスアイレスで詐欺窃盗事件に遭う>

南米のパリと呼ばれる華やかなブエノスアイレスは、一方、永遠の無法都市ブエノスアイレスとも呼ばれるだけあって、洗練されたテクニックを駆使してお上りさんの金品を巻き上げることでも有名である。

というブエノスアイレスの危険性を知っていたにもかかわらず、体よく詐欺師たちに手玉に取られ、丸裸にされる寸前を経験した。

南極クルーズ参加という夢の実現のすぐ後で、旅行代金の三分の一を騙し取られることになったのだから、人生はすべからくプラス・マイナスのバランスが取れているのだと感心させられたものだ。

それもだ、バックパッカーとして如何に自衛に努めるべきかと説いて来た本人が、その洗礼を受けたのだから滑稽である。

南米でもアルゼンチン人の人を欺き、悪童のように悪さをするラテン系の人種であるということを、よく知っていながら誤魔化されたのだから、そのテクニックに称賛をさえ与えたものだ。

 

その滑稽な物語は、ブエノスアイレスの街を観光し、歩いて荷物を預けているフェリー乗り場に帰る時に起った。

フェリー乗り場に向かう途中にある広大な公園で一服しながら、前掲したピンク色に咲くトロピカルな花<パロ・ボラッチョ>に魅せられてスケッチに集中していた時である。

旅行代金を危険分散させた三分の一を忍ばせたショルダーバッグを肩から無意識にベンチに置き、中からスケッチブックを取りだしていた。

パロ・ボラッチョの淡いピンク色を塗りつけていたその時である、白人の老紳士夫婦が、地図を片手に流暢な英語で道を尋ねてきた。

自分たちはアメリカから来て、これからブエノスアイレスの街を散策するつもりだが、<五月広場>ここからどのように行けばいいか教えて欲しいと、地図を広げながら尋ねてきた。

こちらも、ブエノスアイレスの街を散策し、五月広場でもスケッチをして帰ってきたところだから、出された地図を見ながら夫婦に説明したのである。

このような光景はどこの街角でも経験するもので、何一つ疑うこともなく、行き方を教えたものだ。

そして、お互い笑顔で別れ、二人は去り、こちらはスケッチ仕上げにかかった。

そして、いざスケッチブックを仕舞うべく、腰の後ろに置いていたショルダーバックを取り寄せたが、手は空を切り、その時初めて、しまったという感覚が走った。

すでに別れた老紳士夫婦の姿は見当たらず、彼らには何の疑いもなかったことに気づき、三人目の仲間による連係プレーであることに気づいたのである。

が、すでに彼ら三人は仕事を終えて霧散してしまっていた。 もし三番目の犯人は、逃げなくともショルダーバックを隠して、普通に歩いていればよく、こちらの慌てた様子を面白がって観察していたに違いない。

その時のこちらは滑稽なピエロに見えたに違いない。

 

残念なのは、盗られたショルダーバックに入っている「南極日記」はじめ、バッテリーチャージャーや予備のバッテリー、磁石、高度計、ラジオ、帰国便の航空券、VISA Card、Cash Card、予備デジカメ、トラベラーズ・チェック、住所録、常備薬、エアーチケット(帰国便)、水彩絵具一式、YH会員証、国際運転免許書、洗面用具、変圧器(コンバーダー)などを盗られ、失ったことである。

 

ただ、お金には代えられない大切なパスポートがウエストポーチにあった事、手元にあったスケッチブックや、カメラとメモリーカードが手元に残ったことに感謝したものである。

 

 

<海外での盗難事件 処理の経過>

世界をバックパックするときは、国際キャッシュカード/International Cash Card (VISA etc)やトラベールチェック/Travelers Check、現金/Cash=US$を携行するが、特にCash(現金/US$)は三分の一に分け分散することにしている。

その三分の一の現金と、いろいろ身近な大切なものがショルダーバックには入っていたのである。

いざというときのために分散させた現金の三分の一は強奪されたが、大半の2/3は無事であり、盗難に遭った三分の一の現金を補充することで旅を続けることが出来ると判断した。

 

さっそく、ウルグアイ行フェリー乗り場に戻り、日本のカード会社へカード紛失届と新規カード発行届を、留守宅には銀行のキャッシュカードの限度増額申請手続きと新規キャッシュカード発行のお願いのファックスを送った。

他に、旅行小切手の紛失届(小切手ナンバー)の提出を発行先銀行にファックスで済ませる。

これらのすべての新規発行には約1~2週間かかるとのことであり、受取るためにブラジルのサンパウロの宿泊先を指定した。

 

また、帰国便の航空券紛失に伴う、航空券再発行申請と送付先<アメリカン航空リマ支社>を航空券取扱いの阪急交通社e-very大阪センターに連絡し、4月15日ペルー・リマ発アメリカン航空AA2110便の再指定の確認を終えた。

 

海外旅行に出かける前には、航空券はじめ、カード関係、キャッシュカード、トラベラーズチェック、パスポート、国際運転免許書などの発行元・連絡先電話番号・発行ナンバー・指定日時などの必要事項をメモっておくか、コピーをとっておくことをおすすめする。

また、それぞれの紛失再発行に必要な指示書や、特にパスポート再発行時の複数の写真・コピーをそろえて携行する必要がある。

 

現地警察発行の盗難証明書をはじめ、すべての盗難事件に関する事後処理を終えて、次なる目的地であるウルグアイモンテビデオへ、フェリーに間に合わず、長距離夜行バスに切り替えて、向かった。

 

▼3/4長距離夜行バス(ブエノスアイレスモンテビデオ) 車中泊

 

 

■ 3月5~6日 モンテビデオ滞在 (ウルグアイ首都)

昨夜、最終便21:30pm、ブエノスアイレスを出発したバスは、深夜01:30am、ウルグアイとの国境で初めて停車した。 深夜の国境越えである。

 

<国境越えの想い出>

国境越えは、いつも緊張するものである。

思い出すのは、ドイツで購入した切符で、オーストリアに向かうためスロベニアに入った午前3時ごろ、国境で停車した列車に軍靴の音が騒然と起こり、コンパートメントのドアを荒々しく叩かれたのである。

当時スロベニアでは、ソビエト連邦時代の国境監視の光景が、ソビエト崩壊後でも見られたのである。

シベリア鉄道に乗った時にも旅行者には必ず監視員がつき、行動を監視されていたように感じた。

強権的な態度は、どこまでも威圧的であり、通過ビザが無いということで、深夜の国境駅で降ろされ留置場に入れられて朝を迎えたことがある。

もちろん翌日朝、釈放され通過の列車に押し戻されたが、通過客への嫌がらせであるように思えた。

列車の通過国に降りることもなく、降りる必要もないのでビザなど取る必要もないことを国境警備員に伝え、説いても無視され、ルールーだというだけである。

 

また、イランからギリシャにはいる時、パキスタンのビザがあるという理由だけで、何時間にもわたって国境の入国管理署で尋問をされるなど、あまりいい記憶が無いのである。

 

ウルグアイという国>

ウルグアイ、私にとって未知の国である。

東の空が茜色に染まりつつあるが、深い霧は濃い乳白色を帯びてここモンテビデオの街を覆い隠し、まるで霧のロンドンのようである。

モンテビデオの街が、霧散と共に少し老いを感じる都市の姿を見せ始めた。

 

モンテビデオは、田舎町を燻したような輝きと、落ち着きの中にヨーロッパ風中世の顔を覗かせている。

ここモンテビデオの街に、その素朴な風景がいまだ残され、維持されているというだけで嬉しくなった。

まるでハンガリーのブタペスト、あの歴史に埋もれた古色蒼然とした中世の建物に囲まれているように感じたものである。

 

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               パノラマスケッチ <ブエノスアイレス港>

               Panorama sketch <Buenos Aires harbor>

               On the way to a round-the-world cruise

               Water Color Paiting by Sanehisa Goto

                   2014

 

わたし好みの個性あふれる、素朴さを漂わせた、時代に染まらない初老の紳士の風情を残しているモンテビデオの街、どこか故郷を訪れたような親しみを感じる。

その初老の紳士は、履き古した羊毛の靴下に継ぎはぎをほどこし、その上になんのてらいもなく使い古した靴をはき、ステッキを突きながら歩いているような雰囲気なのである。

 

日本から見て、地球の果てであるモンテビデオに、このような素朴な風景が残されていたことに驚かされた。

この風景に包まれただけで、愛に満ち、平和を愛するウルグアイ国民の幸せを感じることが出来た。

そこには、遠方の友を迎えてくれる優しい大地が顔をのぞかせているように感じた。。

 

ゆっくりとモンテビデオの街を散策し、その心温かい風情を楽しんだ。

モンテビデオの街は中世風の教会堂やロマネスク建築の建物がよく似合う

 

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       モンテビデオ大聖堂            モンテビデオ 中世風建築物を背景に

 

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                     モンテビデオ 独立広場

 

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       ウルグアイ国会議事堂              モンテビデオ市場風景

 

<レトロなモンテビデオの街>

ウルグアイの首都モンテビデオは、ラ・プラタ川向こうのブエノスアイレスの喧騒をよそに、スイスアルプスにたたずむ田舎町のように静寂がよく似合う街である。

街を散策していても、古いヨーロッパの情緒豊かな建物が迎えてくれ、穏やかな気持ちにさせられるから不思議な感覚を味わった。

街角の果物屋の前で、言葉を交わす人々の仕草にも、追われる都会っ子というよりも、日差しを楽しみながらの井戸端的であって、平和を愛するウルグアイ人の幸せを感じさせる。

そう、使い古したラジオから流れる哀愁を帯びたタンゴの音色が流れ、フォードの大型クラッシックカーがゆったりとその図体を走らせているのだから、日本の街角では味わえないレトロな雰囲気を醸す、時計を巻き戻したような街である。

 

午後からは、ブラジル入国ビザ申請の書類や資料作りに励み、その後、モンテビデオのラプラタ川沿いを散策、ウルグアイの人達のように裸の日光浴を楽しんだ。

ラプラタ川に面したきれいな港だが、水が汚れているのには目を見張ったものである。 この汚れた広大な川に飛び込み泳いでいる猛者がいるから驚きである。 ほとんどの人達は日光浴だけを楽しんでいるようである。 特に若い女の子たちの真っ黒に焼いているのが印象的であった。

とにかく、太陽を楽しむ国民であるようだ。

 

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    ラプラタ川沿いで日光浴を楽しむ (モンテビデオ/ウルグアイ) 街角の果物屋さん              

 

<▼3/5~6 モンテビデオユースホステル 連泊 >

Montevideo Youth Hostel International   ドミトリー@4US$X2日

 

世界中から多くの若者が集うユースホステルは実に賑やかであり、騒々しくもあり楽しい所である。

この夜も、ベランダで愛をささやくカップルの声が耳について眠れず、注意を促したが、かえって油を注いだのであろう、いっこうに収まる気配がない。

同室のカルフォルニアからの中年のチャーリも、カップルに再度注意を促してくれたが、その言葉に教えられるものがあった。

彼はカップルに、<Sorry, could you make a talk down please, thank you.> と丁寧な言い方である。 こちらは<Excuse me, we are sleeping now.  Talk down please. Do you know what time is it now?> まるで喧嘩を売っているようなものである。

なにかを注意し、お願いするときは、チャーリ氏のように<Sorry,Please,Thanks>の三つの言葉が大切であることを教えられた。

YOUTH HOSTELは文字通り、若者の宿である。

規則を守ることも大切だが、若者が青春を謳歌する館であることも理解しなくてはと思うのだが、我慢にも限界があり、ついきつい言葉になってしまう老ホステラーなのである。

 

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                   モンテビデオユースホステル

 

モンテビデオ散策後、昼からのバスでパラグアイのアスシオンに向かうが、途中下車し、世界遺産

コロニア・デル・サクラメントを散策することにした。

 

 

■3月7日  モンテビデオ ➔ アスシオン  (少し寒さを感じる)

 

🚐移動 国際長距離夜行バス (バス会社名 EGA)  @18US$

        3/6  モンテビデオ 13:00pm発 ➔ 16:30pm着コロニア・デル・サクラメント ▼YH泊

        3/7  コロニア・デル・サクラメント16:30pm発 ➔ 車中泊

        3/8  アスシオン 09:30am着

 

07:30am 起床。 さすがに深夜のカップルのダべリングと蚊の襲撃で朝寝坊する。

今日午後13:00pmにアスシオン(パラグアイ首都・イグアスの滝観光基点)行バスに乗るためユースホステル退出の準備にかかる。

半乾きのポロシャツをジップ付きナイロン袋に収納しながら、ブラジル入国審査の手順を頭に描いてみた。

陸路でのブラジル入国が少々困難を伴うという情報が入っていたからである。

 

ブラジル入国を前に晴れやかでないが、朝食(パン・バナナ・メロン・葡萄・ジャム・バター・オレンジジュース・コーヒー)をとりながら、スケッチに彩色し、仕上げた。

同宿の東京からの卒業旅行中のK君とは、納得のいく人生をお互い送りたいとものだと、また、同室のチャーリー氏からは、「あなたの昨夜の勇気には驚いた」とカップルへの注意を誉めてくれたのであろうか、二人の見送りを受けて、モンテビデオユースホステルを後にした。

 

モンテビデオユースホステル近くのバス停より、市バス46番に乗り、車掌さんの助けを借りバスターミナルに到着。

 

13:00発のアスシオン(パラグアイ首都)行きバスに乗車。

ウルグアイの豊かな牧草地帯をバスは西に向う。

ウルグアイが、どこか成熟したヨーロッパの良さを醸しており、個性的な豊かさを感じるのは私だけだろうか。

その要因は、ラプラタ川沿いに広がる豊かな牧畜業の風景や、 ラプラタ川沖に眠る未開発油田・ウラン鉱区への海外からの参入といったオイルマネー流入にあるようである。

その一方、ラプラタ川がもたらす豊穣なる土壌が、人の心をも豊かにしているようである。

 

車窓から見る豊かな牧草地帯が続き、地平線に消えゆくなだらかな丘陵は、どこかアイルランドの景色に似ている。 農業牧畜に生きてきたウルグアイは、静かにして落ち着いた老農夫の風格が漂っている。

また、田舎の村々には国旗が棚引き、小さなお土産の包装紙の隅っこにも国旗の姿があり、国を思う国民の感情も豊かである。

 

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                                                               ウルグアイ国旗

 

                                                        <ああわれいま ウルグアイにおりて>

                                                     詩  後藤實久

 

                                                  見よ、このラプラタのもたらした自然の恵みを

                                                  われいま 神の創りしラプラタの豊かな地にありて

                                                  偉大なるその御業に驚きを隠さず喜ぶなり

 

                                                  見渡す限りの緑の平原 地平線に消へゆきて

                                                  駈ける白馬の勇姿 まさに天翔けるがごとし

                                                  われもまた天馬に跨りて 緑の平原を駈けし

 

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                                                  白馬パンパを翔ける

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           モンテビデオアスシオン行 EGA 国際長距離バス と ランチ

 

 

モンテビデオから、アスシオンへの途中、<世界遺産コロニア・デル・サクラメント>に下車し1泊、

翌日アスシオンに向かうことにした。

 

世界遺産 コロニア・デル・サクラメント/ Colonia del Sacramento

この国の植民地時代の古い街並みを見るため、パラグアイの首都アスシオンに向かう途中、世界遺産に指定されているサンクラメント村/ Colonia del Sacramentoを訪れた。

ここは、モンテビデから西へ約180㎞のラ・プラタ川の河口に面し、対岸はブエノスアイレスである。

ポルトガル人の貿易港として栄え、ウルグアイで2番目に古い街であり、スペインとポルトガルの建物が混在する美しい歴史的町並みは、世界遺産として登録されている。

 

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                        街のランドマーク/サクラメントカトリック教会

 

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        コロニア村の風景 (コロニア・デル・サクラメント/ウルグアイ) 

          Landscape of Colonia Village (Colonia del Sacramento / Uruguay)

               Water Color Paiting by Sanehisa Goto

                     March 7, 2007  09:30am

 

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                                                    石畳みがよく似合うコロニアの街

 

 

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            コロニアの家屋(コロニア・デル・サクラメント/ウルグアイ) 

                                                                             Colonia house

                                                        Water Color Painting by Sanehisa Goto

                                                                     March 6, 2007  17:30pm

 

 

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               コロニアの砦跡に立つ灯台コロニア・デル・サクラメント/ウルグアイ) 

                                                           Lighthouse at the site of the Colonia fort

                                                             Water Color Painting by Sanehisa Goto

                                                                      March 6, 2007  16:30pm

 

 

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        ラプラタ川に面した 白い灯台 と 典型的なコロニアの建物

                                                 (コロニア・デル・サクラメント/ウルグアイ) 

 

▼ 3/6  La Casa de Teresa/ ラ・カサ・デ・テレサ

 

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                                                       ラ・カサ・デ・テレサ (ゲストハウス)

 

 

■ 3月7日 🚐移動 パラグアイへ向かう  

       コロニア・デル・サクラメントウルグアイ➔  アスシオン(パラグアイ

        3/7  16:30pm発                3/8  09:30到着

 

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                                   ラプラタ川の夕陽   (ウルグアイ/アルゼンチン国境)

                                        March 7 2007  20:15pm

 

ラプラタ川に沈む夕日は、紫色に映え、天使の歌声が聞こえてきそうである。

川面の水平線すれすれをバイオレットに染めるその情景は、わがこころ色をも紫に変えてくれているようで幸せを覚える。

 

 

                 <ラプラタに夕陽沈む>

                   詩 後藤實久

             天裂けて 真紅なる夕焼け ラプラタを包む

             燃えたつ空に 生けるものすべて沈黙を守り

             ただただ瞑目の中に 我こころ染まりゆきし

             聖なる歌声飛び交いて 至福を味わいおりし

 

 

バスの途中休憩、ウルグアイとアルゼンチンの国境に流れるラプラタ川岸の枝にとまっていた一匹のバッタが語りかけてきた。

触手である二本のひげを巧みに動かしながら<あなたはわたしとは違う世界の生き物ではないか>と問いかけてきた。 <いや、わたしも又、君と同じ世界に生きる生き物だよ。なんでも食べちゃうからね>と応えると、バッタさんは納得したように二本の触手をふってくれた。

(実際、現在の南米もバッタの食害で大被害を被っているといわれている)

天地の自然現象や、小さな生き物たちに出会うと、嬉しくなって語りかけてしまうのである。

 

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          ラプラタ川岸で出会ったバッタさん(ウルグアイ

 

▼3/7 🚐コロニア・デル・サクラメント/ウルグアイ ➔ アスシオン/パラグアイ  バス車中泊

 

モンテビデオコロニア・デル・サクラメントアスシオン行の長距離国際バスは、ウルグアイ/アルゼンチン/パラグアイ三国を駈け抜ける。 もちろん国境での入出国のためのパスポート・コントロールがある。 いつの日か南米にも、EUのように国境なき日がおとずれることを祈るものである。

 

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                  アスシオン行バス


 
このバスでも心に残る友との出会いがあった。

ドイツ南部出身で、Watch Tower のカップルのステファン/Stefaniとダニエラ/Danielaは、古代の聖なる建築物の研究をしているそうである。 現在はパラグアイに滞在し、世界遺産でもある「ラ・サンティシマ・トリニダード・デ・パラナとヘスース・デ・タバランゲのイエズス会伝道施設群」の理想郷を求めて17〜18世紀に南米に渡った、イエズス会の宣教師達の夢の軌跡と建築物について研究を続けているという。

そこには二人の神の下でのエルトラード(理想郷)を追い求めている真摯な姿があり、彼らの人間性に魅了された。

二人は、アスシオンで別れる際、一枚のメモ<All Suffering Soon To End !>をわたしに渡し、<God Bless You!>を残して、別れていった。

 

もう一人は、日本にも仕事の関係で3年にわたって飛騨に住んでいたというアメリカ女性シルビアである。 彼女から<コンニチワ>と声をかけてきた。 バスの休憩時、バッタと話しているわたしに興味を持ったとのことである。 なぜ日本人だとわかったかというと、記録ノートに書きこんでいる詩の漢字と平仮名を見た時だという。

彼女は英語教師として飛騨の学校に奉職していたという。 現在、多くの世界の若者が日本の子供たちに英語教師として接しながら、人類の普遍なる平等を教えてくれていることに感謝していると伝えたものである。

 

 

■ 3月8~9日 アスシオン(パラグアイ)  <ブラジル入国ビザ申請ほか>

 

パラグアイのパンパ(大平原)の朝日を仰ぎつつ・・・現在バスは、ボリビアのビシャポリタ平原(パンパ)を走り続けている。

ウルグアイパラグアイも山らしい山がない大平原が横たわる、豊かな国である。

二つの国の違いは、古い西欧に近いウルグアイと、ペルーやボリビアのインカ風俗に近いパラグアイと言ったところだろうか。


 

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              パラグアイ・ビシャボリタ平原パンパの朝

                 (ラプラタ川支流テリクワイ川を通過)

 

パラグアイには、古くから日本の移民が入植しており、現在8000人ほどの日系人がいる。

面積は日本とほぼ同じ大きさだが、人口は約5600万人である。

3月は夏季であり、日中は27~30℃と暑い。

 

ここパラグアイの首都アスシオンは、アルゼンチンとブラジル両サイドの<イグアスの滝観光>の拠点である。

 

イグアスの滝観光>の流れを見ておこう。

 Urguay     Montevideo

  ⇓ 🚐20H/65$

Paraguay  Asuncion

    ⇓ 🚐5H/14$

Ciudad del Este

    ⇓ 🚐1H/3$  🚕タクシー30US$+Tip

Argentina   Puerto Iguazu ‥‥アルゼンチン・イグアス滝観賞   <Brasil VISA申請>

  ⇓              

Brasil           Foz do Iguacu‥‥ブラジル・イグアス滝観賞 ➔🚐➔ Sao-Paulo

     

 

<Brasil VISA申請書類>の再確認をしておく。 

パスポート ②写真1枚 VISA申請書 ④フライトスケジュール表 

⑤ランドスケジュール表 小切手300US$

 

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   アスシオン・バスターミナルに到着         パラグアイの国旗が出迎えてくれる

 

 

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                  パラグアイの国旗

 

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        アスシオンの定食屋              アスシオン郊外のパンパ

 

 

昼食時間、さっそく定食屋に入った。

パラグアイの人達はとても人懐っこく、親切心旺盛である。

隣の席のカップルが、ここの肉料理はとてもおいしいのだと言いつつ、注文してくれる始末。 その上、デジカメを誉めだした。 強烈な暑さをしのぐために、ビールを飲みたかったが、これはまずいとコカ・コーラにとどめて、身構えることにしたほどである。

ブエノスアイレスでの置引き被害に対する教訓が、すぐに警報を鳴らしたのである。 

南米では、すべての親切に対して大変残念だが、一応用心してかかることが肝要である。

日本人は、相手を信用し、情に入り込みやすい国民であることをわれわれよりも、彼らの方がよく知っているようである。

日本人の親切心は無垢であり、日本国内では評価されるようだが、海外ではお人よし、軽く言えばカモに見えるのであろう。

 

出てきた肉料理は、店先でじっくり火炙りしたシュラスコ骨付きカルビ―、$13000G(グアラニー・約300円)である。 油がしたたり落ちるジューシーな肉料理、熱い油での火傷に注意しながら空かした腹に流し込んだ。 

 

     

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  アスシオンの懐かしいボンネット型市バス         シュラスコ骨付きカルビ

 

アスシオンの雑然とした街並みに、一時代前のフォードが排ガスをまき散らしながら悠然と走っているのがいい。 歩道は凸凹だらけで、注意して歩かないと、どぶ穴に足を突っ込みそうである。

しかし、どこか哀愁と愛着が交差する街である。 だいいち時間がゆったりと流れ、肩がこらないのがいい。

 

<南米の国際長距離バス>

まず乗り心地が良く、トイレ付きであり、2階建てである。

ほとんどがドイツ・ベンツ製で作りが重厚である。

座席は、CAMA(飛行機の1等並み)、SEMICAMA(ビジネスクラス)、IDN(エコノミー)の三段階に分かれていることが多い。 今回のモンテビデオからのバスは、全席CAMAでデラックスであった。

 

 <Asuncion🚐➔ Cidade del Este 🚕  Puerto Iguazu> 移動

 

07:00~18:00の間、公共バスが走っている。

国境越えの複雑な手間を省くために、今回はタクシーを使った。(30US$+Tip)

パラグアイの国境で出国スタンプをもらい、イグアス川を渡ってまずブラジルに入国する。 

ブラジル側に入る時はノーパスである。

再びイグアス川を渡ってアルゼンチン側に入る。

タクシーに乗ったまま手続きを済ますが、荷物検査は厳重であった。

 

タクシーを利用したのは、Cidade del Este(パラグアイの国境の街)の治安が極端に悪いという情報が耳に入っていたからである。

時間も遅く公共バスが無いこと、治安の悪いパラグアイ側で泊まるよりも、アルゼンチン側で宿泊することに決めたからである。

誠実で、国境越えに慣れたタクシー運転手のお陰で、各国の出入国をスムーズに終え、プエルト・イグアス/

Puerto Iguazu(アルゼンチン)にある<Hostel Iguazu Fall>に投宿した。

 

▼ 3/9   イグアス・フォールズ・ユースホステル /  Hostel Iguazu Falls

 

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                                  イグアス・フォールズ・ユースホステル/ Hostel Iguazu Fallsにて

 

6人部屋ドミトリー@1泊27ペソ(約9US$)

夕食は、YH主催のバーベキュー@5US$に、赤ワイン3ペソで済ませる。

宿泊先であるここユースホステル近くには、入国VISAを発給するブラジル領事館や、イグアスの滝行きのバスターミナルがある。

パティオ(庭園)には、各国の若者が集まり賑やかである。

ドミトリーの同室者は、イスラエルからの女性達で、中にベングリオン空港での婦人尋問官をしているという紹介があった。

イスラエル訪問時、入国審査にあたってA室で二人一組の尋問を受け、B室に移ってからの尋問はA室と全く同じで、各尋問での矛盾・差異を突いてくる方式の厳しさを思い出したという話をしたものである。

彼女らはみな、徴兵制の任期を終えての、卒業旅行見たいものだと屈託のない笑顔で応えてくれた。

 

さあ、明日はブラジルにここプエルトイグアス/Puerto Iguazu(アルゼンチン)から直接入国するかどうかを決心する日である。

ほとんどブラジル入国希望者は、一度ボリビアに戻りブラジルの観光ビザを取って再入国するようである。

入国審査に必要な書類等の再点検をここでも行った。

 

 

■ 3月9日 プエルトイグアス/Puerto Iguazu(アルゼンチン) 2日目

         ブラジル領事館にて、入国VISA申請

   

➀パスポート(写真1枚)

②バスによる陸上入国―□旅行計画書 □アルゼンチンブラジル行バス切符

  <バス切符購入にはブラジル・ビザ/Brasil Visaが必要であることを上申)

④VISA申請料 50US$ (又はアルゼンチン・ペソ)

⑤帰国用飛行機切符  又は フライト計画表

➅ブラジル滞在費の提示 10日X@50US$=500US$

 

入国VISA申請を終え、ブエノスアイレスでの置引きで紛失したVISAカードの再発行申請を行い、サンパウロで受取る手はずも済ませた。

VISAカード再発行 : ブラジル・フリーダイヤル#000881-55-7786

南アメリカ大陸におけるVISA再発行事務の拠点はブラジルにある

◎再発行カードは、ブラジルの滞在先に送られるか、サンパウロで直接受取が可能

 

 

 

■ 3月10日 アルゼンチン・イグアスの滝 (アルゼンチン再入出国) 曇

 

 <アルゼンチン側イグアスの滝見学ルート> Cataratas Iguazu

   プエルト・イグアス 🚐➔ 公園ゲート前降車 ビジターセンター(入園料@30US$)

   🚋観光電車 ➔ 1つ目駅<Estacion Cataratas : フォールズ駅>下車 / 乗換 ➔ 

   <Garganta del Diablo : 悪魔の喉>行 ➔ <展望橋>下車(滝見学のための遊歩道入口)

 

今日は、一度は訪ねてみたいと長年温めてきた世界最大のイグアスの滝(今日はアルゼンチン側)へ出かける日である。 

プエルト・イグアスの街の中心にあるバスターミナルからひっきりなしに出発する往復8ペソの朝一番(07:15am)のバスに飛び乗り、イグアス国立公園に入園料30US$を支払って入園する。

待ち構えていた観光列車(無料)に乗込み、まずは中間駅<カタラタス>で下車、遊歩道からイグアスの滝を観賞、スケッチを楽しむ。

 

<アルゼンチン側イグアスの滝を楽しむ>

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 イグアス国立公園入口/Parque National Iguazu           イグアス国立公園の観光列車

 

イグアスの滝は、ナイアガラの滝・ヴィクトリアの滝とともに世界三大瀑布と呼ばれ、世界自然遺産にも登録されている。 イグアスの滝は、3月の現在、雨季で水量が増していて、無数の瀑布がド迫力の絶景を見せてくれる。

イグアスの滝はアルゼンチン・ブラジルの二カ国にまたがっている。

先に、アルゼンチン側イグアスの滝を遊歩道、遊覧船上から観賞することにした。

 

熱帯雨林に蓄えられた豊かな水量がイグアス川に集まり、ここイグアスの滝で、水しぶきの白煙をあげ、驚異的な迫力をもつ世界最大の瀑布を作りあげている。

その規模は、イグアス川の4kmほどの間に、落差80mの大小の滝が約280ほどもあり圧巻である。

 

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           アルゼンチン側イグアスの滝<遊歩道A-2からの展望>

 

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               イグアスの滝観賞ルート概略図

 

スケッチの後、Lower Circuit をトレックし、サンマーチン島にフェリーで渡り、サンマーチン滝のエネルギーを間近で受けとめながら観賞した。

 

この巨大なイグアスの滝を見て、自然の織り成す偉大さと、時の流れが造りあげた壮大な作品に圧倒された。

創造主のなせる業は、人をはじめ自然を構成する一つ一つの作品の美しさにいつも驚嘆させられるのである。

 

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 イグアスの滝(アルゼンチン側遊歩道A-2にて)      イグアスの滝でのランチ<パスタ>

 

もどって、観光列車に乗って終点近くにある<悪魔の喉笛/Grant del Diablo>を観賞する。

 

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                アルゼンチン側イグアスの滝遊歩道A-2より)

            

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               アルゼンチン側イグアスの滝(遊歩道A-3より)

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           サンマーチン島展望ポイントより悪魔の喉笛の景観を望む 2景

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         アドベンチャーボートによるイグアスの滝・悪魔の喉笛・滝壺の遊覧 

 

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           アルゼンチン側遊歩道A-5展望ポイントより

 

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               イグアスの滝 (アルゼンチン側遊歩道A-2より)

                Iguazu Falls (from Argentine sidewalk A-2)

                 Water Color Paiting by Sanehisa Goto

                                  March10,2022

 

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          イグアスの滝 (アルゼンチン側遊歩道A-2ポイントより)

                Iguazu Falls (from Argentine sidewalk A-2)

                 Water Color Painting by Sanehisa Goto

 

<悪魔の喉笛>

悪魔の喉笛は、アルゼンチン側のボート乗り場よりアドベンチャーボートで下から観賞でき、またブラジル側からは、遊歩道の先にあるエレベータ付きの展望台から迫力ある景観を見下ろすことが出来る。

イグアスの滝のハイライトである悪魔の喉笛を、間近かにその轟音とどろく、最大の滝を観賞することが出来た

 

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      <悪魔の喉笛>Devil's Throat             <イグアスの滝壺>Iguas Waterfall basin

                  Garganta del Diablo             Iguas Waterfall basin         

                Water Color Painting by Sanehisa Goto                                

                      March 10, 2007

 

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            悪魔の喉笛 (船上より見るアルゼンチン側イグアスの滝

                                                Garganta del Diablo

 

 

■  3月11日 フォス イグアス / Foz Iguacu(Brasil)へ移動

 

朝、ユースホステルのキッチンで備え付けのキッコーマン醤油を見つけ、ソーセージ付きスパゲッティをつくり、かけていただいた。 美味い、日本から出て3か月、これこそ飢えていた味である。 この時あらためて、キッコーマン醬油が、日本人にとって魔法の味<発酵食品>であることに気づかされた。

 

今朝は、ここプエルト イグアス(アルゼンチン)から、フォス イグアス(ブラジル)/Foz Iguacu(Brasil)へ、イグアス川(橋)をバスで移動し、ブラジル側からイグアスの滝を観賞することにしている。

 

アルゼンチン側プエルト・イグアス/Puerto Iguazuから、ブラジル側のイグアスの滝を見学するには、一般的にブラジル・ビザ/Brasil Visa(180US$)が必要である。

しかし、現地の公共バス(@2US$)やタクシーでブラジル側に入出国する限り、パスポートを見せることもなく、何のお咎めもなかった。

これは、どうも観光客はすでにアルゼンチン、ブラジル両国のビザ(査証)を持っている者として扱っているようである。

日本の旅行案内書では、この間の事情を記されていないがゆえに、バックパッカー達はビザを取得するため180US$を払い、1日をついやす苦労をしているようである。

ただ、これからブラジルへ観光のため入国する者は、VISAをとっておくべきである。

 

<ブラジル側からの イグアスの滝 観賞ルート> Foz do Iguacu

  Foz do Iguacu ➔ 近距離バスターミナル<Parque Nacional行>🚐乗車(0.40h/R$1.85)➔

  <国立公園ゲート>下車 / 専用バス乗換(往復無料)<終点・滝の上のレストハウス>行に乗車

  3番目のバス停<遊歩道入口>下車 ➔  (遊歩道よりブラジル側イグアスの滝を見ながら進む)➔

  橋に至る(アルゼンチン側イグアスの滝―悪魔の喉―が正面に見える) ➔ エレベーター ➔

  <滝の上のレストハウス🚐終点からバスで ➔ <国立公園ゲート>へ戻る

 

 

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                  イグアスの滝観賞ルート概略図

 

<ブラジル側より イグアスの滝 観賞>

イグアスの滝は、イグアス川にあり、この川が国境となっているため、アルゼンチン側とブラジル側に分かれている。 しかし、イグアスの滝は一つであることを頭に入れて観賞することである。

 

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           悪魔の喉笛方向のイグアスの滝(ブラジル側B-1展望ポイントより)

 

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                悪魔の喉笛(正面・B-2展望ポイントより)

 

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                イグアスの滝(ブラジル側遊歩道B-2より)

                   Argentine side Iguazu Falls

                  Water Color Paiting by Sanehisa Goto

                                                    March 10, 2007 

 

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      ブラジル側遊歩道B-2ポイントよりイグアスの滝(アルゼンチン側)をスケッチ

        Sketch Iguazu Falls (Argentina side) from B-2 point on the Brazilian sidewalk

 

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             イグアスの滝(ブラジル側遊歩道B-2展望ポイントより)

                       

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    ブラジル側遊歩道B-3ポイントで         <悪魔の喉>へ流れ込むイグアスの滝

 

 

この日、プエルト・イグアス(アルゼンチン)に戻り、その足でサンパウロ(ブラジル)行きバスのチケット(@185US$)を予約した。

   🚐移動<プエルト イグアス/Puerto Iguazu(アルゼンチン)Sao Poulo(ブラジル) 

        12:30                          翌日 04:30

   バス会社            : Cruzero del Norte (@185US$)

           出発ターミナル : Puerto Iguazu <TIETE Bus Terminal>

 

 

 

■ 3月12日<プエルト イグアス(アルゼンチン)➔サンパウロ(ブラジル)移動

 

今日、お昼のバスでサンパウロ(ブラジル)へ向かう。

静かなプエルト・イグアス/Puerto Iguazuの心なごむ朝をユースホステルの中庭で迎え、紅茶を飲みながらスケッチの仕上げをした。

徴兵の義務を終え、休暇を楽しんでいるイスラエルの青年たちに、スケッチをほめられた上にコーヒーの差入れを受ける。 3年の兵役を務めた彼らに、疲れは全く見られず、笑みを絶やさない青年たちに魅力を感じた。

彼らのような『今に生きる』青年たちにいつもエネルギーをもらっている。

昨夜は、多くの若者たちとの対話を楽しんだ。 オーストリアデンマーク、スイスと、それこそ世界は一つであり、次世代を担う青年たちの愛の満ちた連帯に、世界平和の根源を見た思いである。

 

<現在、2022年3月4日 ロシア軍がウクライナに侵攻し8日目、無差別攻撃がなされ、多くの民間人や子供たちが殺戮され、6基の原発をもつ南部のザボロジェ原子力発電所が爆撃攻撃され、緊迫な状態にある。 どうもロシアの大統領の妄想である<栄光の大ロシア帝国ソビエト連邦の再興>のもと、兄弟国であり、隣国であるウクライナに侵攻、侵略しているようである。)

 

これから向かうブラジル・サンパウロは、青春時代にスカウト移民として一時滞在した懐かしい所である。

 

                 <ブラジルに向かいて>

                    詩 後藤實久

              ああわが青春に宿りし

                青年の大志を実現せし

                     ブラジルよ

                   青春の血潮たぎりし

                     過ぎし熱き日を覚えし

                           ブラジルよ

                      この大地に再び還りて

                   わが青春の炎いまなお

                燃えしを知らしめし

 

 

リオデジャネイロ行き長距離バスは、プエルト イグアスのバスターミナルを少し遅れて、12時45分静かにスタートした。 サンパウロは、リオデジャネイロへの途中下車となる。

 

無限に広がるパラナ平原/Paranaの畑に、トラクターのキャタピラ跡がまるで禅寺の箒跡の文様のように地平線まで続いている。 あの北海道の雄大な丘陵の風景が重なる。

低く垂れ落ちた白雲に太陽の陽が映えて美しい。

この広大な農地に、人の姿見えず、轍だけが生きているように赤い土に、曲線がうねっている。

ここパラナは、沢山の日系移民が100年前から入植し、成功している。

この美しい幾何学模様の中には、日系農民の作品も混じっていると思うと、その苦難の道と、成功への称賛を贈りたいものである。

 

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        標高900mに広がるパラナ平原<日系人入植地> ブラジル南部

 

▼ 3/12  サンパウロ(ブラジル)に向かう長距離バスでの車中泊

 

 

■ 3月13日 サンパウロ (ブラジル) 1日目

 

サンパウロ日本人街 ガルボンブエノの朝の風景>

昨日、3月12日、プエルト イグアス/Puerto Iguazu(アルゼンチン)を昼に出発した長距離バス<リオデジャネイロ行き>は、今朝早く04:30am、サンパウロにあるイタピア/Itapiaバスターミナルに無事到着した。

 

ここイタピア・バスターミナルは、23年前、亡き清水尚久先輩とカンポス・ド・ジョルドンのサナトリウムにおられた北村省三・智夫妻(サンパウロ日米キリスト教会・彦根出身>を訪問した時、待ち合わせた懐かしい所である。

 

朝一番の地下鉄は、通勤者を乗せて混んでいた。

中心街Se駅の次がリベルダーデ/Liverdade駅、薄暗い駅にただ一人での下車は、心細かったが、急ぎ足で地上に出て、青年時代にお世話になった太陽堂書店の前に立った。

 

朝5時半ごろ、リベルダーデ/Liberdade広場のキオスクの周りに白一色の衣装を着た集団が集まり、懐かしいNHKのラジオ体操の音楽が流れ、40年間続くという体操が始まった。 多分、みなさん日本人街ガルボンブエノに長年居住されているご婦人たちであろう。

参加者は80名ほど、65歳から91歳の高齢日系人というから、みなさんお元気である。

 

まず円陣、それから横縦隊となり、柔軟体操からから始まり、NHK第一体操、それから歌謡曲に合わせて大極圏、そしてリーダーの挨拶があり、ラジオ体操参加印をもらい、<今日一日笑顔で過ごしましょう>と挨拶を交わして終了である。

 

体操の間、私は43年ぶりの太陽堂書店をスケッチにおさめていた。

体操を終えられた老婆たちがスケッチを囲み、<これは水彩なの? とても細かく画くのね? どうしてこんな色が出るの?>と質問攻めである。

そして、<毎朝やっているからあなたも体操においでなさい>とお誘いをうけた。

これから、日本人街ガルベンブエノにあるカフェーでお喋りタイムだとおっしゃる。 たぶん戦前の入植地での苦労話や、子育ての難しかったこと、世代間の乖離や、終戦時の勝ち組・負け組の悲惨な過去についての思い出話に花を咲かせるのであろう。

 

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    サンパウロで途中下車      サンパウロ旧日本人街リベルダーデ<ガルボン・ブエノ>にて

 

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             ラジオ体操中の日系人シニア(リベルダーデ広場)

 

ラジオ体操のおこなわれているリベルダーデ広場は、サンパウロ市中心に接しており、この広場からサンパウロ旧日本人街<ガルボン・ブエノ>へと続いている。

キオスクの店主である日系のお婆さんに声を掛けられ、京都からだというと「京都はいいですね。どうかブラジルをよく見て帰ってください」と。 そこにはお年寄の日本への郷愁が漂っているように感じた。

 

ここサンパウロでは、ブエノスアイレスで置きひきにより紛失したVISAカード再発行の郵送先を、ここ<ペンション荒木>に指定して、カード会社に連絡を入れた。

また、同じく日本の銀行に依頼している再発行のキャッシュカードを受取のため、長期滞在になりそうである。

 

朝の通勤で賑やかになりだしたリベルダーデを後にして、懐かしの旧日本人街ガルボンブエノを散策しながら、日本援護協会ENKO(日系コミュニティセンター・病院)のあるサン・ジョアキン/Sao Joaquin通りを右折し、193番地にある<Pension Araki/ペンション 荒木>の地下、一番奥にある庭に面した左側のベットに荷物を降ろすことになった。

ここに、これから紛失した新しいVISAカードや銀行キャシュカードを受取るまでの数日間、お世話になることと相成った。

 

<ペンション荒木の住人>

オーナーの荒木和子さんはわたしと同年代、広島県出身で、姉もまたブラジルに在住し、妹さんが日本におられるそうである。 亡きご主人はブラジルの方で、この20年間一人でペンションを経営されてきたという。 

ここペンション荒木には、当初から日系人も利用され、いまも現役のご老人(84歳)がおられるという。

<人生とは一人一人違い、どのような生き方であろうとも、他人に迷惑をかけずに一人で生きる>姿には、感動させられるものである。

 

▼3/13~20    (8日間 長期滞在―紛失物再申請&発行・受取のため)

     「ペンション 荒木」  Pension Araki  (サンパウロの日本人街に近い長期滞在者用ペンション)

                                      Rua Sao Joaquim 193,  Liberdade, Sao-Paulo, Brasil   TEL:3209-6384

 

 

 ■  3月14日  サンパウロ  先輩の墓参り 2日目

 

1908年6月18日 移民の父と言われている水野 龍(皇国殖民合資会社社員)に率いられた第一回のブラジル移民781名は、笠戸丸にてサントスに上陸した。

その後、さくら丸(1943~1970)、ぶらじる丸(1954~1973)に引継がれ、国策事業として約23万人をブラジルに送り込み、今では約200万人の日系人がブラジルに暮らしている。

 

移民110周年記念式典で紹介された、美智子妃の歌会始で詠われた和歌がある。

 

『移民きみら辿りきたりし遠き道にイペーの花はいくたび咲きし』

 Along that for road

 Trodden bay you immigrants

 On your hard – won way

 Oh ! How many times till now

 Have the yipe flowers bloomed ?

 

<移住スカウト 内田克明先輩との再会>

紛失したカード関係の再発行に関してお手伝いいただいているサンパウロ在住の内田氏に電話をかけ、到着したことを伝えると、<懐かしいなー、待ってたよ>と一緒に食事をしようとのこと、43年の空白を越えて<オッちゃん>の声がこだました。

 

先でも触れたが、1964年より、わたしはブラジルに短期滞在した。

当時、ボーイスカウト日本連盟は、ブラジル在住の細江静男ドクター(サンパウロ・カラムルー隊)の要請で、1956年一期生として日本のローバースカウト(青年隊員・内田克明先輩ほか)2名をはじめ、総計47名(内、ローバスカウト出身は20名弱)をブラジル・バウー実修所に送り、技能を習得させ、ブラジルの社会建設の戦力として、送り出していた。

わたしもこの計画の趣旨に賛同し、1964年、2年程前に完了していた移住スカウト事業の一番最後の隊員としてカンポス・ド・ジョルダンにあるバウー実修所と、その後サンパウロに短期滞在したのである。

その際、お世話になったスカウト移住一期生のお一人であるMr. Katsuaki Uchida/内田克明氏宅を訪問し、久闊を叙した。 もちろんVISAやCASHカード等の紛失に伴う再発行でのお世話いただいたえることへの感謝の意を伝えたのはもちろんである。

ご夫婦や息子さん夫婦による手作りの魚のフライ料理と野菜サラダをいただいた後、私たちが渡伯時お世話になった、今は亡き同志社先輩Mr. Hisashi Shimizu/清水尚久氏(愛媛県宇和町出身)のお墓に参り、生前のご厚情に感謝の気持ちをお伝えした。

 

同志社先輩 清水尚久氏の墓>

清水尚久氏(しみず ひさし 1911/12/7~1998/11/30 享年87歳)のお墓は、 サンパウロカンポグランデ墓地 の24番80(墓地出口付近)にある。

清水氏は、愛媛県宇和町のクリスチャンのご家庭に生まれ、同志社中学では、ラクビ―に汗を流し、10代でのブラジル移住を決意されたが、未成年がゆえに両親と弟・ミネオさん(19歳没)と一緒にブラジルへ移住され、清水尚久氏が青年に達してのち、両親は帰国されている。

清水家の墓は愛媛県宇和町にあるため、清水尚久氏は奥様の多田家のお墓に入っておられる。

同志社在学中は、台湾出身の早稲田のラガー柯 子彰(か ししょう 1910- 2001)氏と試合を通して交流があったと、ラクビ―談義に花を咲かせておられたものである。

個人的には、同志社の先輩後輩としてブラジルとアメリカと遠く離れていたが、お亡くなりになるまで親交を持たせていただいた。 素晴らしい先輩に恵まれたことに感謝している。

 

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       移住スカウト1期生 今は亡き内田克明ご夫妻と (清水尚久氏墓前にて)

 

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          清水尚久氏の墓 (しみず ひさし 愛媛県宇和町出身 同志社中学卒) 

                                                            1911/12/7~1998/11/30 享年87歳 

                                                     サンパウロカンポグランデ墓地 (墓番号24番80)

             (奥様の父・多田栄一郎之墓にて永眠)

 

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       亡 清水尚久先輩(当時70歳)とサンパウロのご自宅で(1982年12月訪問時)

    

 ▼3/13~20  長期滞在  ペンション荒木

卒業旅行中のK君(東京)とここ長期滞在者用ペンションでまたまた再会、モンテビデオから北上中のルートの上にお互い居るようである。 再会を喜ぶ。

 

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           K君との再会(左・サンパウロGH、右・モンテビデオYH)

 

ここペンション荒木は、サンジョアキン通りに面し、ひっきりなしに行き交う車の騒音で、賑やかである。

特に、朝の通勤ラッシュ時には大変な混雑停滞である。 その車の間をオートバイが走り抜けるのだから、田舎者には住みづらい所である。

 

 

■ 3月15日  サンパウロ滞在 3日目  太陽堂・山田健寿郎氏宅訪問 

 

わたしが、カンポス・ド・ジョルドンのバウー実修所での訓練を終え、ブラジル生活に慣れるためにと、清水尚久先輩(同志社)の紹介でサンパウロ中心地、リベルダージにある太陽堂書店で働くことになった。

その時、私を指導していただいたのが当時副社長であった山田健十郎氏(愛知県出身一世)であった。

この時以来、お亡くなりになるまで、50年にわたって懇意にさせていただいた。 日系ブラジル一世の立派な先輩に恵まれたことに感謝である。

 

お礼を兼ねて山田さん宅を訪問し、久闊を叙することになった。

白髪になられた山田ご夫妻と、それに令嬢に出迎えられ、43年目の再会であった。

 

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          亡 山田健十郎さんご夫妻と再会(2007年ご自宅で)

 

お宅を去るにあたって、よければ<ニッケイ新聞>のインタビューを受けてくれないかとの申出である。 どうも懇意にされている新聞社の社長から、異色の人生を歩んでいる日系人を紹介してくれるようにと依頼されておられたようである。

 

さっそく、二人してニッケイ新聞社を訪問し、池田さんという新進気鋭の記者からインタビューを受けることになった。 その時の新聞に載ったインタビュー記事を要約引用して、青春時代を回顧したい。

 

 

「亡き妻との約束を果たしたい」――

 

12万人に1人の割合で発症するという難病、「多発性硬化症」で妻を亡くしたのをきっかけに、世界各地を旅する後藤實久さん(65)=滋賀県大津市在住=がこのほど、約一週間の滞聖を終え、アマゾンへ向かった。

後藤さんは2001年から、妻が生前求めていた世界各地の美景を訪ねている。

そして旅での一期一会を心がけ、世界中の青年たちと交流する〃巡礼〃の日々を続けている。

後藤さんに話を聞いた。

「ブラジルの自由な雰囲気はかわっていないですね」――後藤さんは1964年、22歳のとき、サンパウロ

日伯援護協会の設立などに尽力した細江静男氏らの「ボーイスカウト移住」の指名呼び寄せで、ブラジルに

滞在した。今回の訪伯は、移住スカウト以来43年目、22年前に再訪して以来4度目だ。

ボーイスカウト移住として、後藤さんは聖州カンポス・ド・ジョルドン市のバウー岩塊近くにある

<バウー実修所>で、スカウト用キャンプ場建設のかたわら、牛の飼育法などを学んだ。

移住にあたり、マス(鱒)の養殖技術を京都大原の「鱒の坊」で学び、ブラジルに持ち込んだ。

「その後、私は日本に戻りましたが、今ではカンポス市の名産がマスと聞いて驚きました。 当時の苦労を

振り返ると、ほんと感慨深いものがありますね」

星の巡礼』――後藤さんは感銘を受けたブラジル人作家の著書の題名にちなみ、自身の旅をそう表現する。

同書は世界的に有名なブラジル人作家、パウロ・コエーリョの処女作で、スペイン北西部のカトリック

聖地を訪ねる精神世界を描いた作品だ。

後藤さんの妻は1999年、運動麻痺や知覚異常が伴う難病、「多発性硬化症」で亡くなった。

「病気がよくなったら世界中の美しい場所を訪れたい」。妻は闘病中、そう何度も夫に語りかけた。

後藤さんは妻の想いを引き継いで2001年に、ネパール、カトマンズから旅を始め、妻が憧れたエベレスト

など雄大な山々を訪れた。

東西文化の交流地、トルコのイスタンブールの川では遺言どおり、線香を焚いて妻の遺骨を小舟の上から

散骨した。その後は北欧、中欧各国、中東を訪れたあと東アフリカを縦断した。

この間、何度か日本と外国を往来し、今年一月に南米ペルーから旅をはじめた。

ボリビア、チリ、アルゼンチン、ウルグアイと南米各地を訪れ、3月13日にブラジルに入国した。

「妻に見せましたよ」。後藤さんに各地の思い出を振り返ってもらうと、まっすぐな眼差しでそう口を開く。

亡き妻と一緒にこれまでに約120カ国を訪れた。一人の旅ではけっしてないという。

後藤さんは、20代に京都芸術短期大学の設立などに関わった後、31歳で新天地をアメリカに求めた。

そこで22年間、セラミック加工技術を研究するとともに、ハリウッド俳優の役作りなどを手掛けた。

旅の最終地点は北上してアラスカだ。その前にカナダの大河、ユーコン川をカヌーで下る。

「私の『星の巡礼』はそこで終わる予定です」。

後藤さんは笑顔でそう話した。       <『ニッケイ新聞』 3月22日付記事より抜粋要約>

 

 

 

■ 3月16日  サンパウロ 4日目

ブラジル日本移民資料館/MUSEO HISTORICO DA IMIGRACAO JAPONESA -BRASIL

 

今日は、一度は夢見たスカウト移住として滞在したこの国の日系移民の歴史を振り返るため、日系移民資料館を訪ねた。 

驚かされたのは、歴史ある日系移民のなかにスカウト移住が取り上げられていたことである。 懐かしい往時のカンポス・ド・ジョルドンのバウー岩塊の前に立つ、ユニフォーム姿のスカウト2名の写真に見入った。

 

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               ブラジル日本移民資料館訪問記念スタンプ

 

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                 第一回移民船 笠戸丸(1900~1945)

 

 

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              さんとす丸(1937神戸埠頭出航風景)

 

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           1964年 私も乗船した最後の移民船<ブラジル丸1954~1973>

 

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               カンポス・ド・ ジョルドンの<バウー岩塊>

                  を背景に立つ2名の移住スカウト

         (注・内1名はスカウト移住の1期生内田克明氏と思われる)

 

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「1950年から60年代にかけて、いわゆるボーイスカウト移住が行われ、カンポス・ド・ジョルドンのペードタ・ド・バウーに入植、ボーイスカウトの制服、1958年度日記帳兼雑記帳、日本ボーイスカウトのバックルほか」 (ブラジル日本移民資料館)

 

 

<スカウト移住の聖地―1964年当時のバウー実修所>

今から33年前の1964年、最後のスカウト移住者の一人として、ここカンポス・ド・ジョルドンのバウー実修所(サンパウロ・カラムルー隊/Grupo Escoteiro Caramuru)に短期間滞在し、ブラジル・スカウトのために開墾したキャンプ地の仕上げ、チャペルの完成、本部棟の水洗便所・温水シャワーの増設などに携わった。

当時、バウー実修所には管理者の小池潔夫妻(岐阜出身)と、呼寄せの小池氏の弟さん、それにカバクロ(現地人)のホセ夫婦が定住、そこへ短期実習生として私が加わったのである。

わたしが到着した時、バウー実修所に47名おられたスカウトを含む移住者は、数年前すでにバウーでの実習を終え、ブラジル社会へ羽ばたかれていたのである。

この間の事情は、項をあらためてブログ<ブラジル・スカウト移住の歴史>で取り上げてみたいと思っている。

 

<バウー実修所>

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    <カラムルー隊スカウト野営場>入口  <バウー実修所>  スカウト・マークを配した馬髑髏

 

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           バウー実修所のシンボル <バウー岩塊と十字架>

 

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               バウー実修所 礼拝堂

 

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   バウー実修所 本館とゲストハウス        バウー実修所 隊員棟の前で(1964)

 

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                      <バウー実修所> スカウト・キャンプサイト開拓設営中(1964当時23歳)

 

■ 3月17日 サンパウロ 5日目  内田克明氏宅再訪

 

午前中、日本の銀行へCASHカード再発行に必要な書類を送付したあと、移住スカウト1期生である内田克明先輩宅を再訪し、脳梗塞で倒れられた左半身不随の奥さん、美恵さん(ヨシエ/旧姓・桜田/Parana Assai出身)のリハビリとしての水彩画と書道、それに粘土細工の手ほどきさせていただいた。

内田先輩は、わたしが渡伯した当初1964年、お世話になった下宿(水本家/Mr.Mizumoto/Rua Caramuru,973 Bosque de Saude,Sao-Paulo)の地下にある部屋が隣同士で、すでにバウー実修所での訓練を終えられ、ブラジル・クボタに勤めておられた。

当時、お二人の結婚式にも立ち会ったことが懐かしく思い出される。

わたしたちも、随分と年老いたものとお互いに顔を見合わせて笑いあったのである。 それぞれの人生を振り返って、インスタントラーメンをいただきながら、夕暮れまでお世話になった清水尚久さんの生前のエピソードや、半世紀前のスカウト移住の事、スカウト移住の呼寄せ人だった細江静男ドクターの話題に花を咲かせた。

 

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          亡 内田克明ご夫妻と再会を喜ぶ(サンパウロのご自宅で)

 

先輩宅訪問前には、久しぶりのサンパウロの中心であるセ広場(Praça de Sé)に立寄って、大聖堂をスケッチにおさめた。

 

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           セ広場にある大聖堂/カテドラル (サンパウロ/ブラジル)

               Cathedral in Se Square (Sao Paulo / Brazil)

                  Sketched by Sanehisa Goto

                                            March 17, 2007  10:28

 

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                 サンパウロ大聖堂/カテドラル前で

 

 

■ 3月18日   サンパウロ滞在  6日目  曇後晴れ

 

ここ<ペンション荒木>には、15年間寄宿されている、84歳になられる藤沢さんがおられた。

藤沢さんは岩手県人で、 日本では松坂屋や、高島屋に勤務したあと、34歳で妹さんの呼寄せでブラジル移住され、自動車の部品会社に勤めたあと、現在はJAL日本航空)の送迎係として働いておられるという。

趣味はピアノ演奏で、日本の民謡やモーツアルト小夜曲をエレクトーンで演奏していただいた。 そのどれもが藤沢さんの移民人生を背負われたような、哀愁に満ちたメロディーに聴こえた。

 

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日本民謡奏でる藤沢さん<岩手県人>   <ペンション荒木> オーナー荒木かず子さんと(広島県人

 

わたしが約45年前、ブラジルに滞在したおり、若い私を励まし続けていただいた今は亡き老夫妻がおられた。 サンパウロにある南米教会の長老であった滋賀県人であり、彦根出身の北村省三・智夫妻を懐かしく思い出した。

北村夫妻はお嬢さんを連れ、退職後一家でブラジルに移住され、内村鑑三賀川豊彦の影響を受けた無教会主義の手島郁郎の「生命の光」運動に心酔され、実践された熱心なクリスチャンである。

ブラジル滞在中はもちろん、滞米中もまた、遠くからの励ましと、祈りのお手紙をいただいた。

一度、脳梗塞だったかで、わたしも滞在したカンポス・ド・ジョルダンに居を構え、療養されたおり、1982年ブラジル再訪の折、同志社先輩・清水尚久氏に連れられて、お見舞いに伺ったことがあった。

 

ブラジルへ渡られたみなさんは、それぞれに大きな夢と希望を持たれ、信仰に生かされていることに、気づかされるのである。 2022年現在、みなさん鬼籍に入られたが、いまなお天国より、声をかけて下さる先輩たちに感謝をせずにいられない。

移住によって人生を歩まれた先輩たちがまだまだおられるが、機会を見つけてご紹介したい。

 

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                  今は亡き北村省三・智ご夫妻と療養中の

               カンポス・ド・ジョウルダン のご自宅で再会(1982)

 

<再発行VISA CARDを受領>

サンパウロ長期滞在の目的は、諸先輩との再会と墓参り、紛失カード類の再発行申請と、その受領のためである。

今朝、緊急再発行の<VISA CARD>を受領したので、国際電話で東京の三井住友銀行のVISA係に受取通知をする。 その上、近くのATMで現地貨幣クルゼーロ1000R$(約500US$)を引出し、限度額と暗証番号などを確認した。

 

<ブラジル国内長距離バス・アマゾン川船旅のスケジュール>

紛失したカード類の再発行を受け、ようやくサンパウロから脱出し、アマゾン川中流のマナオスに向かっての旅を続けることとなった。

 

サンパウロ  🚐➔ リオデジャネイロ  🚐➔ サルバドル  🚐➔ ベレン  🚢 マナオス

     <6H/66R$>    <1日1便/26H/110R$>   <36H/189R$>   <8泊9日の船旅>

 

  

 ■ 3月19日  サンパウロリオデジャネイロ  🚐長距離バス移動 

 

ブラジル北部、アマゾン川中流に位置するマナオスへの旅を続けるにあたって、汚れた旅行服を脱ぎ捨て新しい服に衣替えすることにした。

さっそくサンパウロ中心、セ広場の北に広がる問屋街に出かけ、ジーンズと黒色のTシャツを買い求めた。

途中で出会ったサンパウロの街にかかる美しい虹に、43年前のバウー実修所で魅入った虹を重ねて懐かしんだ。

 

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                ガルボンブエノ橋で美しい虹に出会った 

     

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               サンパウロの青空市場 <果物のフェイラ>

 

帰りに郵便局に立寄り、旅の立寄り地で買い求めたお土産屋、資料などを航空小包で日本に送ることにした。

(DEMS/航空小包 224R$・ 船便/90R$)

 

青空市場に出かけ、バス移動時の携帯食と果物を購入、ブラジル東海岸北上の長旅の準備にとりかかった。

 

       🚐サンパウロ/Sao-Paulo ➔ リオデジャネイロ/Rio de Janeiro

             3/19  23:40発           3/20  05:00着   (約6H)

  バス会社 : EXPESSO BRASILEIRO   66R$ (毎時1便)

 

 

■ 3月20日  リオデジャネイロ ・ コパカバーナ散策

 

計画であれば、リオでの観光に時間を持つはずであったが、南極大陸クルージングという魅力に負けてツアーに参加したり、ブエノスアイレスでのVISAカード等の紛失という思わぬ災難に遭い、再発行のためサンパウロで長期間の滞在を余儀なくされたため、リオデジャネイロの観光は、コパカバーナ―を中心に短時間で切り上げることにした。

 

ブラジレイロ急行の長距離バスは、朝05:00リオデジャネイロの長距離バスターミナル<Rodoviania Novo Rio>に滑り込んだ。

バスターミナルの1階のRIOTUR(Information)で、コパカバーナの観光地図を手に入れ、ローカルバス<オニブス/Onibus>#1281.8R$)に飛乗り、コパカバーナに向かった。

 

1502年1月、ポルトガル探検隊は、ここグワナバラ湾を発見し、川と間違ってRIO/川と名付け、発見月JANEIRO/1月を付けて、Rio de Janeiro/リオデジャネイロとしたという。

1763年、それまでサルバドール(次の訪問都市)にあった総督府をここリオに移し、1960年のブラジリア遷都まで、ブラジルの首都であった。

リオデジャネイロは、人口700万人を超える大都市で、ボサノバの発祥の地であり、リオのカーニバルとして世界的に有名である。

リオで生まれた人々をカリオカと呼ぶが、生まれつきの天衣無縫、天真爛漫な性格は、陽気なラテンの明るさとなって、リオのカーニバルで発散させているのはよく知られている。

 

コパカバーナ海岸散策>

さっそく、靴を脱ぎ素足で白い砂浜を歩き、南国の澄み切った青空のもと、大西洋の涼風にあたりながら、観光客でにぎわうコパカバーナ海岸を散策した。 どこからかサンバのリズムが流れ、カリオカ娘のはち切れんばかりのお尻が健康的である。

 

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               コパカバーナ海岸>

 

今夜は、コパカバーナ海岸近くの安宿<ジュカティ/JUCATI>に泊ることにした。

 

▼3/21     <ジュカティ/JUCATI> 2連泊  @30R$

      Rua The Maranes de Gusmao,85

      e-mail : contato@edificiojucali.com.br

 

 

■  3月21日  リオデジャネイロ滞在

 

この宿<ジュカティ/JUCATI>の前に、噴水のある公園があり、早朝から果物野菜市が立ち、賑やかである。

公園のベンチに座って、バナナを食べながらリオの朝風景を楽しんだ。

今日は、コルコバードの丘に立つキリスト像と、ポン・ジ・アスーカル/Pao de Acucar(砂糖のパン)を回るつもりだ。

リオデジャネイロには、有名な貧民街がある。

コルコバードの丘への途中、バスの中からファベーラを目にした。

 

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          服を脱ぎ捨てコパカバーナ―海岸で人っ気なしの早朝の日光浴

 

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         コルコバードの丘へ向かう登山電車から<ファベーラ/貧民街>を望む

 

コルコバードの丘/Morro do Corcovado  キリスト像

コパカバーナ海岸通りより、オニブス(バス)#583に乗って終点が<Morre do Corcovado/コルコバードの丘>である。

標高709mの絶壁の丘に立つキリスト像は、リオ観光のシンボルである。 

丘には登山電車(36R$/18US$/約2000円  所要20分)であがることになる。

ポン・ジ・アスーカルや、グアナバラ湾を見渡すパノラマの景観が素晴らしい、絶景である。

丘に着くと、天を突くようなキリスト像が出迎えてくれる。

1931年に立てられたキリスト像は、30mの高さがあり、広げた両手の幅は28mもある。

コルコバードの丘から眺めるリオの街は、まるで箱庭におさまっているように見える。

海岸線の描く白い弧、樹立するビル群がモザイク模様を織りなして、それはそれは息をのむほど美しい。

 

観光客の多さにも驚いた。

こちらは、大西洋に向かって手を広げるキリスト像と、丘よりの絶景をスケッチにおさめ、早々と雑踏のコルコバードの丘を下りた。

 

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コルコバードの丘>のキリスト像は、真東に突き出た<ポン・ジ・アスーカル>とリオの街を見下ろす

                                 

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     ポン・デ・アスーカル (砂糖のパン)を見下ろすキリスト像 <コルコバードの丘にて>

           Statue of Christ overlooking Pont de Asucar (sugar bread)

 

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     ポン・デ・アスーカルとコパカバーナ海岸と大西洋を望む <コルコバードの丘にて>

      Overlooking the Pont de Asucar and the Copacabana coast and the Atlantic Ocean

               Water Color Paiting by Sanehisa Goto

 

ポン・デ・アスーカル/Pao de Acucar (砂糖のパン) > 

グアナバラ湾に突き出た標高400mの一枚の花崗岩で出来上がった奇岩(岩塊)である。

ポン・ジ・アスーカルという名前は、16世紀頃に西欧へ輸出していた砂糖の塊に形が似ているからだという。 

世界で3番目に古いと言われるロープウエーで上ることが出来る。

 

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              ポン・デ・アスーカル (砂糖のパン)

                              

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    ポン・デ・アスーカル(砂糖のパン)とキリスト像の合成スケッチ <コルコバードの丘にて>

             Pon de Asucar (sugar bread) and Christ the Redeemer

                Water Color Paiting by Sanehisa Goto

 

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  グアナバラ湾上の船上よりリオジャネイロの夜景を望む (中央の岩山がポン・デア・スーカル)

           The night view of Rio Janeiro from the ship on Guanabara Bay

                 Water Color Paiting by Sanehisa Goto

                      January 7、2014

 

 

<査証/ビザから見るブラジルの一面>

ブラジルに入国するにあたって、ビザが必要である。 ビザ申請にあたって多くの書類が必要であることについてはすでに述べた。

たいていの南米の国は、ビザなしで60~90日のフリー入国が普通である。 もちろん30日滞在という制限はあるが、ここまでの南米の国々も例外なくビザなしフリーで国境を越えてきた。

ビザ入国の国の中で日本が一番高いビザ申請費用をとるが、ブラジルもまた高額の申請費用(50US$)を

とる。 その上、多くの申請書類をそろえなければならない。 旅行中にかかる書類を揃えることは旅行中の者にとって、大変な努力と時間が必要となるのである。

かさねて申請内容を見ておくと、VISA申請書・写真1枚・クレジットカードかトラベラーズチェックによる滞在保証費・出入国の航空券の提示又はコピー・バスの場合は旅行の全行程表の提示が義務付けられている。

入国してからは、移動申告としてパスポートの提示と、名前のスペリングとサインの申告を求められた。 ブラジル人でさえIDカードの提示とサイン(署名)を求められていた。

ブラジル政府は何を防止、食い止め、制限しようとしているのか一切の説明はなく、入出国に厳重であった。

 

 

■ 3月22日  リオデジャネイロ➔サルバドル  (バス車中泊

 

   🚐移動 Rio de Janeiro ➔   Salvador  (26H 167R$)

          3/23 09:15出発      3/24 11:15到着予定       

                          バス会社 : Itapemirim  毎日1~3便

          長距離バスターミナル(Av. Francisco Bicalho)

 

リオデジャネイロの北部、サント・クリスト/Santo Cristo地区にある長距離バスターミナルを9時半ごろ出発したバスは、26時間かけてサルバドールに向けて出発した。

赤い大地に緑の丘陵、真っ白な牛の群れに、湧き立つ白い雲海がよく似合う。

真っ青な大空がどこまでも続く、いつまでも眺めて飽きないブラジルの風景である。

このバスには、誰も英語をしゃべる人はいなかったが、約半世紀ぶりにブラジル滞在中に覚えたポルトゲースを思い出し、身振りを加えて十分に意思疎通をはかることができた。

 

バスは、カンポス・ド・ジョルドンにあるバウー岩塊のような奇岩が続く風景の中、サルバドールに近づきつつある。

ピニエーロという独特なブラジル松がすぎ去るなか、カバクロの家が点在する風景も懐かしく青年時代のスカウト移住で過ごしたバウーの風景と重なった。

カバクロとは、ポルトガル人と黒人奴隷との混じった血を引く人たちで、ブラジルのプランテーション労働者としての地位を占めてきた人たちである。

 

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            ブラジル大西洋岸にまで迫る丘陵地帯            丘陵地帯にそそり立つ奇岩群

 

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        丘陵地帯に沈みゆく太陽              深夜走り続ける長距離バス

 

▼ 3/22 長距離バスでの車中泊

 

 

 

■  3月23日  サルバドル散策とスケッチ滞在  (ブラジル)

 

朝5時、バスは途中の街に滑り込んだ。 まだ明けきらない天空に南十字星が綺麗に輝いているではないか。

洗面所で顔を洗い、ブラジルの朝焼けの変化を楽しんだ。

地平線に真赤な太陽が昇る頃、太ったカリオカのおばちゃんたちが、歩け歩けの大行進、たぶん瘦せるためのエクササイズなのだろう。 みなさん真剣な顔がいい、カーニバル的なお尻の降り方が健康的である。

 

ブラジルの豊かな自然に抱かれて、悠久の時間を旅する中ではあるが、現実には3時間近くもの遅れで、いまだサルバドールのバスターミナルに到着していないのである。 これがこそがノンビリイズム・ブラジルの真骨頂である。

さすがに遅れに遅れ30時間も閉鎖された空間には、トイレの匂いが充満しだしたのである。 そのとき、前の座席に座っていた年老いたシスターが、読んでいた聖書を閉じて立ち上がり、カバンから取り出した香水を車内に吹きかけたものだから、その仕草に乗客みな手を叩いて喜んだものだ。

 

 

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         バスは、ブラジル大西洋岸の朝焼けと朝日を眺めながら北上する

 

 

バスは、定刻を大幅に遅れて、昼過ぎにサルバドルのバスターミナルに到着した。

さっそく、ベレンへの長距離バスの切符を予約するためにベレン行きカウンターに立寄った。

サルバドル発、ベレン行きは月水金の週3便しかないということが分かった。 それも1社だけがベレン行きを運行しているという。 同じブラジルでも、これより以北はバスの便も不便になるということである。

 

こちらの計画としては、金・土曜日と2日間サルバドルにゆっくり滞在し、疲れを取りたいと思ったが、担当者によると火曜日のアマゾン航行の船には間に合わないので、この夕方5時に出るバスに乗れという。

こちらの意向に関係なく与えられたスケジュールに従わざるを得なくなってしまった。

 

それからが大変である、サルバドルにはわずか4時間ほどの滞在である。

時間を惜しんでスケッチをするためにブラジルが独立するまでポルトガル総督府がおかれていたサルバドルのコロニアルの面影を求めて、歩き回った。

 

 

           <サルバドル・ブラジル  スケッチ散策>

                                                    画  後藤實久

 

ベレンへの長距離バス乗継地であるサルバドルの街を歩き、コロニアルな建物や風景をスケッチにおさめた。

 

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              コロニアル時代の建物が残るサルバドル(ブラジル)

                Salvador (Brazil) with colonial buildings

                  Water Color Paiting by Sanehisa Goto

                                                                 March 23, 2007

 

 

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                 サルバドルの大西洋に面する海岸

                   Salvador's Atlantic coast

               Water Color Paiting by Sanehisa Goto
                                                             March 23, 2007

 

 

 

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                   サルバドル海岸のスケッチ

                    Salvador coast sketch

                      Sketching by Sanehisa Goto
                                                                              March 23, 2007

 

 

 

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                   サルバドルの閑静な住宅街

                  Quiet residential area of Salvador

                     Water Color Paiting by Sanehisa Goto 

                                                              March 24, 2007

 

 

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                   サルバドルのオフィス街

                     Salvador's office district

                    Water Color Paiting by Sanehisa Goto

                                                            March 25, 2007

 

 

■  3月23~25日 サルバドル➔ベレン 🚐移動  36H  237R$

 

      🚐  Salvador/サルバドル  Belem/ベレン 

          3/25  17:30出発       3/27 05:30到着

 

         ▼3/23 ~3/25   長距離バス車中 2

 

ベレン行の長距離バスで9時間(3/26  02:30)走ったところでシャワー休憩という。

ここは、ペタオリナ・ペ/Petaolina Peという街で、約30分間の休憩(車内清掃・軽食タイム)である。

乗客はみなさんカリオカ(ポルトガル人との混血)やカボクロ(インディオまたはインディオとの混血)で、モンゴル系のわたしは特異な存在のようである。

英語は通じなかったが、青春時代に覚えたたどたどしいポルトゲスと手振りと指さしでコミュニケーションには差しさわりはないものである。

 

ベレンは、リオデジャネイロからすれば約70時間という気の遠くなるような長距離のバス旅行である。

赤土にコーヒー園の緑の低木がよく映える。 時として奇岩である花崗岩の塊が突き出て、ブラジルの広大な風景に色を添えている。

車窓からは、群れて飛翔する小鳥たち、黙々と草を食む羊の集団、走り去るピニェイロ/Pinheiroやアラウカリア/Araucariaというブラジルの松が、ブラジル大地の広大さを表現しているようである。

 

ブラジルの長距離夜行バスは、乗客へのサービスだろうか、夏ということで冷房をガンガンとつけて走る。

毛布と枕を貸してくれるが、夜間は震えることになる。 現地の乗客には堪えられるようだが、こちらは防寒服を取りだしての重ね着である。

朝6時、車内に大音量のBGMが流れ、乗客から眠りを妨害されて声なき声が起こった。 イスラム国では早朝4時頃にスピーカーからアラーの神の読経が、ボリュームいっぱいに鳴らされる、あの驚きに慣れた者にとってはこのBGMは、かえって爽やかに聴こえたものである。

ブラジル大陸の朝焼けは、幻想的であり、神秘的である。

 

母親とベレンの祖母のところへ行くというカボクロのセニョリーター、7歳のタリーシャ/Taliciaが声をかけてくれた。

<Bom dia, onde você vai?> 「ボンディア オンデ ボセ バイ?」(おはよう!どこへいくの?)

懐かしいポルトゲスである。 えくぼが可愛い大き目が生きいきと輝く天使のような少女である。

このような出会いがある旅は心が和み、こころ浮立ち、人生そのものが陽気になるから不思議である。

 

そろそろバス内の空気もよどみ出す頃である、このような時に鼻にするオーデコロンの匂いはお花畑に誘われるような気分になるものである。タリーシャーはおませな女の子、お母さんの香水をつけたのだろう。

われわれ男性も旅行するときには、匂い消しにオーデコロンを使ってみることをお勧めする。

 

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           天使のようなタリーシャとポルトゲスを交わし、友達になる

 

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                 ブラジル大陸の朝焼けは幻想的である           

 

 

■ 3月25日 ベレン散策 と アマゾン船旅<サンタ―レン号>

 

2泊3日という長距離夜行バスは、3月25日朝早く06:30、約1時間遅れでベレン・バスターミナルにすべり込んだ。

サルバドルから3日間もバスに揺られ、ようやく土の上でに自由な歩行を楽しんだ。

さっそく、ベレン・セントロのメインストリートに面した<ノボ・アベニュー・ホテル / NOVO AVENIDA HOTEL>に宿をとった。

ベレンは、赤道直下にあり、昼間38℃、夜間28℃の暑さをしのぐためちょっぴり贅沢なエアコン付きの部屋(@60R$/30US$ 温シャワー・TV/冷蔵庫つき)にした。

食材は、近くのメルカードで<インスタントラーメン・トマト・バナナ・ミカン・ハム・ソーセージ・セルベージャー・赤ワイン・アイスクリーム 計32R$)を買いこむ。

 

ここベレン(人口120万人)は、この南アメリカ大陸一周の旅を始めたペルーのアンデス山脈に発したアマゾン川が大西洋に流れ出る河口にあり、今から400年程前ゴム景気に沸き、現在でも漁業を始めブラジル北部の流通の重要拠点である。

ベレンは、黄金期に造られた街らしく、古き重厚な建物が並び立つ。

ベレン港は、今から45年前、わたしの乗ったブラジル丸が水補給のため寄港したことを懐かしく思い出した。

 

昼からは、日曜日で閉まっている商店街は避け、ポルトガルの植民地時代の砦や、日曜に開かれる青空市場、アマゾン河口を散策することにした。 

青空市場では、8泊9日の船旅に必要なハンモック(25R$)、掛敷布(6R$)や、携行食品を購入した。

虫よけ長袖シャツ・虫よけスプレー・アイマスク・ミネラルウオーター10本・リンゴ・ミカン・ドライフルーツなど。

 

長旅をしていると、胃腸に変調があらわれ、便秘になりがちである。

出来る限り生野菜を口に入れたいが、細菌性の急性便秘になることを恐れて避けてしまうのである。

便秘の際、浣腸もまた強力な助っ人、問題解決の手段の一つである。

外国で手に入る浣腸は、日本製の手のひらサイズのものではなく、ペットボトルを少し小さくしたようなボトルに10㎝程の注入口が伸びたお化け浣腸がほとんどである。

それもあまり効き目がないのには驚く。 この旅では浣腸液を手作りし、少し染みるが石鹸水を作ってボトルに入れ、使用している。

想像するだけで笑えてくるだろうが、長旅での便秘ほど不愉快なものはない。

 

五大陸の内、英語に汚染されていないのは南アメリカ大陸だけではないだろうか。

南米の言語であるスパニッシュやポルトゲスは、わからなくても何かを感じて知る言葉で、直感的に意味を感知することが出来るような、非常に入りやすい言葉であると思う。 そこには、人間そのもののフレンドリーな温かさ、ラテンの陽気さを感じるのである。

英語のような威圧的な、冷たさを感じさせない言語であると言える。

 

夕方、屋台でアマゾンの名物である淡白な味のピラニアの唐揚げを注文し、ビールで涼をとった。

夜になるとホテルの裏通りは、娼婦街に一変し賑やかである。

 

ベレンの街散策>

 

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     宿泊先<ホテル・アベニーダ>             ラニアの唐揚げ

                   

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               アマゾン川船旅の携行品を揃えたベレンの露店市

 

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      ベレンの静かな日曜日の朝       ベレン港はアマゾン川水上交通・輸送の要である

 

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     ベレンは要塞都市でもあった          ベレンはアマゾン航路の母港である

 

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    古き良き時代のベレン大聖堂         生ゴムで繁栄したコロニアル時代の街並み

 

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              長い船旅前の栄養補給チキンソテー

 

 

 

■ 3月26~4月3日  アマゾン川 サンタ―レン号ベレン出航 (1日目) 快晴

 

今日の予定は、ベレン出航のサンターレン号に乗船し、アマゾン川を遡上しマナオスに向かうことにしている。

 

ベレンからマナオスへの陸路ルートはなく、船だけが庶民の足である。

もちろん飛行機便もあるが、アマゾン下流域の住民の日常生活には密着してはおらない。

乗船するサンタ―レン号は、赤さび帯びた老朽船だが、アマゾン下流域の住民の食料品や生活用品、郵便物や小荷物、医薬品などを運搬する重責をになっているようだ。

出航2時間前から、倉庫から出された山ほどの積荷が、人力とフォークリフトで船倉に運び込まれている。

特に、小麦粉は流域住民の最重要食料なのだろう、その量の多さに目を見張った。

1910年代の世界最大の生ゴム輸出港ベレン繁栄の面影は、教会堂や街の建物に見ることが出来る。

 

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               世界最大の生ゴム輸出港ベレン繁栄の面影

 

 

               < ああわれいまアマゾンの河口におりて>

                 詩   後藤實久

 

                  アマゾンの生きる命を湛えし

                  茶褐色の水

                  浴びてうれし茶色のシャワー

                  ああわれいま

                  茶色に染まったアマゾンの

                  洗礼を受けて

                  ガンジスの茶色に染まる

                  沐浴を想う

                  大河なるアマゾン飲み干して

                  罪なるすべてを赦す

                  西に夕陽ありて何を想いしか

                  生への歓喜をのぞいてや

                  ああわれいま アマゾンにおりて

                  大河に触れて嬉し

 

 

アマゾン川船旅 約1700km  ベレン➔マナオス> 

 

大西洋に面した河口ベレンから上流へ約1700km、アマゾン川本流とネグロ川が合流する付近に、人口140万人を擁するブラジル北部の経済の中心であり、アマゾン観光の拠点都市でもあるマナウスがある。

 

   ベレン/Belem      マナオス/Manaus

   3/26 18:00出航   ➔  4/3 11:30入港 (8泊9日 船中ハンモック泊)

           船名    :  《The SATAREN / サンタ―レン号》 

   乗船場所  :   マルケス港/Port Marques, Belem

   船室    :   上級ハンモックB 200R$ (天井扇あり)

 

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         アマゾン川ベレンマナオス> サンタ―レン号航路図

            Amazon River <Belem Manaus>The Santa-Len route map

 

夜中、11:30pm出航のサンタ―レン号に、途中寄港し積み下ろす食材や豚・鶏などが積まれている。

荷揚げをする若者たちの日焼けした肌に、労働の汗がしたたり、光り輝く光景は、ベレンの栄光の時代を見ているようである。 かってのベレンは、アマゾン川の流域にある広大なゴム・プランテーションが広がり、多くの労働者が汗していたのである。

 

出航の時間である。

アマゾンのスコールなのか、小雨が肌に心地よい。

積荷もすべて終え、アマゾンの静寂がベレン港を包んでいる。

ここアマゾン川の河口も満潮になり、停泊中のサンタ―レン号が桟橋と並列になった。

今夜は新月とのこと、アマゾン川より見る南十字星に期待、こころも軽やかである。

 

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        <サンタ―レン号> ベレン発 マナオス行き アマゾン航路貨客船

         <The Santa-Len>Amazon route liner from Belem to Manaus

                                   Water Color Paiting by Sanehisa Goto

                      March 27, 2007

 

 

■ 3月27日  アマゾン川ベレン➔マナオス> 船上生活2日目  快晴

 

サンタ―レン号のデッキに座り、アマゾナスの風を胸いっぱいに吸い込んでは、目をつぶり静かに息を吐きだしている。

このアマゾナスの悠久なる流れのなかに潜む偉大なる魂に触れていると、こころ落ちつくのを覚えるのである。

 

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                                   アマゾン川下流域の生活 <交通機関としての船 と エビ漁>

 

 

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               アマゾン川下流域で盛んな海老漁

                                                        Shrimp fishing in the lower Amazon basin

                                                      Water Color Paiting by Sanehisa Goto

 

 

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         小舟で海老漁をする地元アマゾニア        吹きさらしのデッキ・ハンモック室

 

 

                     < アマゾナスよ >

                   詩 後藤實久

 

                  ああわれいま アマゾンにおりて

                  偉大なる母 アマゾナスに接す

                  深く呑込みし この大地をみよ

                  人この大地の色を創るに能わず

                  神の御業すみずみに渡をみるに

                  わが魂のうめきを聴きて識るに

                  人の生 いかに尊きことか

                  アマゾナスの心に触れて喜ぶ


  

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                  サンタ―レン号お絵かき仲間

 

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             大型船からコンテナ船まで河川輸送が盛んなアマゾン川

              The Amazon River, where river transportation is

               popular from large ships to container ships

                    Water Color Paiting by Sanehisa Goto

 

 

■ 3月28日  アマゾン川ベレン➔マナオス> 船上生活3日目

 

赤道下の雲の間に朝焼けの紅色が広がりゆくなか、サンターレン号は静寂のなかマナオスに向かっている。

この体も、徐々にアマゾン土着の色や匂いに染まりつつあるようである。 現実の生活排水や臭いが漂うアマゾン川は、夢見たアマゾン川の神秘性からかけ離れたものになってしまった。

想い描いたアマゾン川のイメージとは、天と地の開きがあり、勝手に妄想した楽園ではなく、生きた人間の体臭であり、生々しい欲情に煮えたぎるアマゾンなのである。

サンタ―レン号の船上にいて、風に吹かれながら現実のアマゾンに接して、すこしほっとさせられていることも確かである。

 

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                    アマゾン川の朝焼け

                                                                      Amazon river sunrise

                                                       Water Color Paiting by sanehisa Goto 

 

 

船内では、船室等級に応じて、一日に三度の食事が提供される。

船室は、1Fハンモック・オープンデッキ・フロアー(160R$)、2Fエアコン付きハンモック・フロアー(200R$)、2Fエアコン付き2人部屋(個室500R$)、3Fエアコン・トイレ付き特等室(600R$)別に分かれる。

 

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                                                      サンタ―レン号の食堂で昼食をとる

                          

 

 

<アマゾナスの夜>

  

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                  アマゾナスの半月と南十字星輝く夜

      Amazonas half moon and Southern Cross shining night

 

         “Amazonas dark mist is deeper and deeper

          Halfmoon will be talk to me with whisper

          Welcome to Amazonas misterious darkness

          Will give me dark world in this green jungle

          You can see the southern cross and orion

          I will be disappearing into darkness color

          I will become the darken jungle now and

          I will be beating my heart & soul, corazon”



              
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                Arneirim Port (アマゾン川寄港地)

             Water Color Paiting by sanehisa Goto 

 

           

 

            <スケッチで見るアマゾン川の風景>

 

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               サンタ―レン号船尾にひるがえるブラジル国旗

                Brazil flag on the stern of the Santa-Len

                   Water Color Paiting by sanehisa Goto 

 

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        RRAFAEL PORT を出航するサンタ―レン号にひるがえるブラジル国旗

 

 

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                  アマゾン川の物資輸送中のタッグボート

         Tag boats in transit on the Amazon River in transit on the Amazon River

                      Water Color Paiting by Sanehisa Goto

 

 

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                    アマゾン川の夕暮れ

                  Dusk on the Amazon River

                Water Color Paiting by Sanehisa Goto

 

 

暮れゆくアマゾンに、静かに帳(とばり)がおりるとアマゾンの夕闇に世界そのものが飲み込まれる。

深い闇と一体となってアマゾンに没していく自分の中に広がり、暮れゆくアマゾンは、実に美しく、

静かである。

光が暗闇に包まれて消え、天空に三日月が姿をあらわすという壮大なドラマは、神のなせる御業である。

その自然なる営みに、わが命を預ける時、そこに何とも表現しえない安堵と安らぎにひたれるのである。

 

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                                                 アマゾン川に沈む夕日

 

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                ヤシの実売りの小舟が接舷

 

 

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 デッキ備え付けのシャワーを浴び         サンタ―レン号にて日光浴を楽しむ

 

 

■ 3月30日  アマゾン川ベレンマナオス> 船上生活5日目

 

推定10,000トン級のタンカーやコンテナ船がアマゾン川を行き交う様は、まるでエジプトのスエズ運河を見る思いである。

 

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              アマゾン川原油を運ぶ大型タンカー

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              夕暮れのアマゾン川を遡上するコンテナ貨物船

           A container freighter going up the Amazon River at dusk

                                               Water Color Paiting by Sanehisa Goto

 

 

■ 3月31日  アマゾン川ベレンマナオス> 船上生活6日目 

 

寄港地 モンテ・アレグレに入港するとき、それは鮮やかなレインボーが町の上にかかっており、アマゾンの川面には白鷺に似た鳥が、川魚を漁っている。 

平和な、小さな漁港が、まるでわたしの郷であるびわ湖の風景に重なり、身近に感じられた。

 

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        モンテ・アレグレ港(ポート) (サンタ―レン号アマゾン川寄港地)

           Monte Alegre Port  (The Santa-Len Amazon River Port of Call)

                 Water Color Paiting by Sanehisa Goto

 

 

なぜか、アマゾン川流域には馬が沢山放牧されている。

生活のため、食料として牛が放牧されているのは理解できるが、馬となればその分、熱帯林であるジャングルが切り拓かれていることを意味し、地球の温暖化が進んでいることにつながる。

その他、あくなき経済活動としての農地転用のための焼き畑もまた、熱帯雨林の植生を変え、地球の温暖化に致命的打撃を与えると言われて久しい。

 

空はどこまでも青く澄み渡り、アマゾンは氷河によって茶褐色に濁ってはいるが、蒸発して雨雲となって熱帯雨林に降り注ぐ。 この繰り返しがあってこの地球は清く、美しく保たれてきたのである。 その根源である熱帯林が消え去りつつあるのは悲しい。

 

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           アマゾニアの牛の放牧場 (モンテ・アレグレ付近 アマゾン川

                                              Amazonia Ranch (Near Monte Alegre, Amazon Rive

                                                         Water Color Paiting by Sanehisa Goto

 

<アマゾナスの天使  TANZAちゃんとイネス&ベン姉弟

アマゾン川定期航路 サンタ―レン号船上お絵かき教室の生徒に、ブラジレイロ/Brasileiro

である10歳のタンザちゃんと、イネス&ベン姉弟の天使たちがいた。

アマゾンの長旅の船上で、この天使たちに出会ったことで、子供たちの夢の世界にさそわれ、その無垢なる純真な息吹に浸ったものである。

 

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                                         お絵かき仲間の一人 アマゾナスの天使 TANZAちゃん


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      天使のInesちゃんの裸踊り           天使のInesBen姉弟

 

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            サンタ―レン号上のお絵かき教室の天使たちの作品




              < 君はわが同志 >

                    詩  後藤實久

 

               アマゾンに一匹のコオロギおりて

               朝薄暗きなか、挨拶を交わすなり

               君の早起き、わが早起きに似たり

               共にアマゾン川を行く船に揺られ

               アマゾンの朝を楽しむを喜ぶなり

 

               ああわれらいま この星に生まれ

               君コオロギとして われ人として

               出会い 心の会話を楽しむを喜ぶ

               この星にて 互いに巡り合いしは

               同志にして 魂ゆきかうものなり

 

 

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<アマゾナスの風と遊ぶ>

 

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                 アマゾン川の水上家屋・水上生活

 

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            <風爽やかなりしアマゾナス>

                     詩  後藤實久

               アマゾナスの風 爽やかなりて

               我 宇宙の魂に触れしを喜びし

               魂 風の温もりに触れ蘇えりて

               アマゾナス  巡り合いしを喜ぶ

               近づきしサンタ―レンの港に

               迎えしドルフィンの群れありて

               わが心 いまアマゾンを飛翔す

 

 

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    アマゾン&ネグロ両川の平行水流            アマゾン川の一日の始まり

 

アマゾンに朝のとばりが明けて、東の空を裂いて一筋の光あらわれる瞬間の神々しさに心打たれた。

天の光がアマゾン川に満ちあふれるさまは、神秘なる一幅の山水画であるといっていい。

魂洗われ、こころはち切れんばかりの情景である。

 

 ながい船旅では、アマゾン川の赤茶けた水でシャワーを浴びるのも気分転換の一つである。 そして赤道直下の太陽のもと、涼風に体をさらし、日光浴をする贅沢を味わうことが出来るのである。

 

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        サンタ―レン号デッキにあるシャワーを浴びるお絵かき仲間たち

 

次の寄港地 ファンターレンでお絵かき教室の仲間ともお別れである。

楽しくも、心通わせてくれた仲間に感謝である。

 

 

              <アマゾンに咲く二つの花>

                 ―ANA とNAIZAとの別れー

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                ここアマゾンに 二つの花が咲いた

                こころをときめかす 二つの花

                美の中に知性と豊かさが咲いている

 

                目と目 心と心とが 激しく求め合い

                心に熱き炎を感じる二つの花

                美の中に豊かな情愛が咲いている

 

                ゆったりと流れゆくアマゾンの

                コーヒー色に染まることなく

                美の中に色を失うことなく咲く

 

                ナマステと言い交わせし別れ花

                その心よく分かりて情を交感す

                ときめくハートにその心を映せし

 

                一期一会の二つの花去りて

                輝き より美しさを増しおりて

                わが心に残像ありしを識るなり

 

                なんと誠実な心のかよいよ

                二つの花 別れてなお咲き

                わが心に根を下してや一つなり

 

 

                <サンタ―レンに向かいしや>

                   詩  後藤實久

 

               船のエンジン 鼓動わが心を打ちて

               揺り篭にいるが如くして眠りに誘う

               かき分けしアマゾンの波 去りゆき

               時をかき分けサンタ―レンに向かう

 

               人生の歩み 同じく過ぎ去り行く中

               我何を感じてここアマゾンに居るや

               アマゾンの匂い われを包みおりて

               魂と溶けあい われ光を感じおりし

 

 

 

 

<サンタ―レン 16:30寄港>

 ここ寄港地であるサンタ―レーンは、ベレンとマナオスのほぼ中間にあたる。 立派な街が広がり、かって生ゴム積出港として栄えたという。

陸の孤島であるがゆえに、すべての生活用品が海上輸送に頼っているようだ。

また、ベレンとマナオス間の航路貨客船の行き違う港でもあるようで、ベレンに向かう船は超満員である。

 

この船旅で、主宰した<お絵かき教室>のメンバーであったスペインからのバックパッカーのアナとローラが

アマゾン・ドルフィンの生態を研究するため、ここサンタ―レンで下船した。

二人と離れることになったブラジレイラーのタンザちゃんの悲しみに濡れた瞳が光る。

 

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              サンタ―レンの街とアマゾン・イルカ

               River-Town of Santa-Len and the Amazon dolphins

                  Water Color Paiting by Sanehisa Goto

 

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               Amazonas Dolphin / アマゾン・ドルフィン

 

 

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               アマゾニアのオウム  /  Amazonia parrot

                    Sketched by Sanehisa Goto

 

 

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サンタ―レン港に上陸し サンタ―レンの街を散策         サンタ―レン港で荷卸し作業中のサンタ―レン号

 

 

星の王子さま サムエルという男の子>

サンタ―レンでお別れしたもう一人の男の子にサムエルという、わたしが<星の王子さま>と呼んでいた忘れられない3歳の子がいた。

今日、アマゾン川をマナオスに向かうサンタ―レン号上で、昼寝をして目覚めてみると、サンタ―レン港についていた。 アナとローラを送り出し、ふとサンタ―レンの街路に目を向けると、わたしが<星の王子さま>と呼んで、なついてくれていたサムエル君がおばさんに連れられて姿を消しつつあった。

サムエル君は、ようやくオムツがとれたぐらいの、おちんちんが可愛い男の子であった。 素敵な男の子で、溌剌とした、物おじしない、何事も一人でやり遂げる、活発でやんちゃ坊主である。

船内ではローハイドをしたり、追いかけっこをしたりとそれはそれは楽しい時間をわたしにプレゼントしてくれた<星の王子さま>であったのだ。

寂しくしていたら笑わせてくれたり、遊び出したらくっついて離れず、その瞳に信頼の情を漂わせては、愛あるこころを見せてくれたのである。

わたしを守ろうとして、周囲の人を怖い顔でにらみつけた時の真剣な顔や、笑ったときに人を惹きつける自信に満ちた顔、この世の一切を恐れるものかという決意に満ちた顔をみていると、こちらも勇気をもらったものである。

そんなサムエル君が、挨拶もなく消えゆく姿に、別れという何とも言えない空虚な気持ちと共に<星の王子さま サムエル君>との出会いに感謝したものだ。

 

サムエル君に付き添っておられたおばさんもまた教養ある物静かなご婦人であった。

時間があれば、ハンモックを揺らし聖書を読み、床が汚れていればたわし帚で掃き、老人や体の弱い人に声をかけ、手助けをする姿には清純さと高貴さが漂っていたものである。

 

この船旅でも、心豊かな友に恵まれ、多くの事を学ぶ機会に恵まれたことにこころより感謝したい。

旅は人のこころを豊かにしてくれるからやめられないのである。

 

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                  星の王子さま サムエルという男の子

 

 

 

■ 4月1日  アマゾン川ベレンマナオス> 船上生活7日目 

 

オービトックスの港に、朝6時30分に接岸。

寄港地は、アマゾン航路のオアシスとして点在する。 エキゾチックなハンモック生活にも慣れ、船旅に飽きてきた乗船客にとって、しばしの上陸は気分転換をはかれる絶好のチャンスである。

今朝は、サンタ―レンの港で歓迎されたドルフィンのジャンプを、ここオービックスの港でも受けた。

 

アマゾン川・ハンモック船上生活>

アマゾンの9日間にわたる川紀行で、ハンモックに揺れながらの船旅は、熱帯夜をエキゾチックな睡眠に変えてくれる。

ハンモック室の賑やかなこと、まるで長屋の井戸端会議のように、ブラジルのおばちゃんたちが声高にお喋りを楽しんでいる。 ハンモックの下は持ち込んだ手荷物が並び、生活航路の様相を呈している。 歯ブラシを加えている者、シャワー浴びてタオルを頭に巻いている者と長屋そのもの、にぎやかである。

 

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 サンタ―レン号2等エアコン付ハンモック室にて     サンタ―レン号3等ハンモックデッキ室

 

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       サンタ―レン号2等エアコン付きハンモック・エリア (アマゾン川定期航路)

            The Santa-Len 2nd class air-conditioned hammock area

                  (Amazon River regular route)

                                   Water Color Paiting by Sanehisa Goto

 

 

サンタ―レン号の乗船者は、みなわたしがアマゾンの風景をスケッチにおさめていることを知っていて、 何かアマゾンの特徴あるものや事象があれば知らせてくれるのである。 そのたびに礼を言って、スケッチブックをかかえて急ぐのであるから忙しくも、楽しい時間を過ごすことが出来た。

<あの木の枝にアナコンダがいるよ>

<ほら、船の右舷にイルカが泳いでるよ>

<ほら、向こうの空が曇っているだろう、スコールだよ>

<牛が見えるかい、熱帯雨林を切り開く牧場は、地球温暖化を招いているんだよ>

Você pode ver as vacas, o rancho que abre a floresta tropical está causando o aquecimento global. ポルトガル語

 

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                アマゾニアの放牧場 (アマゾン川

                  Amazonia Ranch (Amazon River)

                                      Water Color Paiting by Sanehisa Goto

 

 

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          アマゾン川流域に見られる放牧場(内陸部で大規模な牧場開拓進行中)

 

 

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               スケッチ <アマゾン川流域に見られる放牧場>

 

 

 

■ 4月2日   アマゾン川ベレン➔マナオス> 船上生活8日目 

          <アマゾン川 & ネグロ川の合流域>

 

今の予定では、マナオス到着は明日4月3日のお昼ごろになるとのこと、順調である。

サンタ―レンから、時差が発生しているので、サンパウロの標準時より1時間遅らせてマナオス時間になっている。

 

マオオスは、全長約6500kmのアマゾン川の、出航地ベレンより約1700km地点にあるブラジル北部最大の都市である。

その位置は、アマゾン本流のソリモインス川と支流ネグロ川の合流点より、北へ約10㎞上流のネグロ川畔にある。

 

<アマゾナス・カラー / Amazonas Color>

アマゾン川は、マナオスの手前10kmあたりで合流するネグロ川の清流(水色)と、アマゾン本流の泥色(土色の氷河の融け水)が混ざり合って流れている。 サンタ―レン号のスクリューに撹拌されたアマゾン川独特なカラーを見ていると、アマゾンの悠久なる世界に引きずり込まれそうになるから不思議である。

このアマゾン本流の泥(コーヒー)色は、南アメリカ大陸一周を始めたペルーのアンデスを源流とするアマゾン川の支流ウルバンバ川や、氷河の雪解け水に起因することはすでに述べた。

 

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茶色のアマゾン川を切り裂くサンタ―レン号     スクリューで撹拌されたアマゾナス・カラー

 

 

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         アマゾン川は支流ネグロ川(左・赤茶色)とアマゾン川本流(右・青色)

              この二つの川の水は混じることなく流れている

        The Amazon River is a tributary of the Negro River (left, reddish brown)

   and the Amazon River (right, blue). The water of these two rivers is flowing without mixing.

                Water Color Paiting by Sanehisa Goto

 

 

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          マナオス近くで合流するネグロ川(水色)とアマゾン本流(泥色)

 

 

 

                     <アマゾンの日没>

                       詩 後藤實久

                 

                                                              夕暮れのジャングルに沈みゆく太陽 

                 アマゾンの女神 夜のとばりを告げる

 

                 ジャングルの小鳥たちの歌声止みて

                 ただただじんじんと夜は更けゆきし

 

                 深いジャングルに抱かれしこの魂も

                 マゾンの息吹を感じて震えるなり

 

                 闇に包まれてハンモックに横たわり

                 瞼に残る日没の温もりを味わうなり

 

 

                     <Amazon sunset>

                    Poem by Sanehisa Goto

 

                 The sun setting in the jungle at dusk

               Amazon Goddess tells the story of the night

 

             Stop the singing voice of the little birds in the jungle

               Even the deep jungle is soaked in the darkness

 

             It's just a long night that embraced by the deep jungle

             This soul feel the breath of the Amazon \And tremble

 

                Lying in a hammock wrapped in darkness

              Enjoy the warmth of the sunset on my eyelids

 

 

9日間のアマゾン川 ロマンチックな船旅を終えようとしている。

アマゾンの流れに満月が浮かぶなか、サンタ―レン号は、最後の寄港地イタキ/ITAQUIを後にして、最終地であるマナオスに向かっている。

最後の晩は、満月が我々を祝福してくれた。

 

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                 アマゾンの満月 Ⅰ

 

 

                 <アマゾン船旅を終えんとする>

                                                                     詩 後藤實久

 

                                                              太陽静かに沈み 満月豊かに昇る

                                                              それ 普遍なる宇宙の営みなりし

 

                                                              人間 常に新しいものへと変化し

                                                              古いものを遺し懐かしむものなり

 

                                                              アマゾニアもまた普遍なりしが

                                                              滔々たる流れにありて不変なり

 

                                                              アマゾンの船旅 終着を迎えてや

                                                              人生アマゾンに染まりて豊かなり

 

 

                                                <Ending Amazon Cruise>

                                                                   Poem by Sanehisa Goto

 

                                        The sun sets quietly and the full moon rises abundantly

                                                                It's a universal cosmic activity

 

                                               Humans are constantly changing to new things

                                                                         I miss the old ones

 

                                                                    Amazonia is also universal

                                                  It's in a continuous flow and it's unchanging

 

                                                        Amazon's voyage has come to an end

                                                      Life is dyed in the Amazon and enriched

 

 

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                アマゾンの満月 Ⅱ

 

 

               <アマゾンの満月>

                     詩 後藤實久

 

                    満月 黙して語らず

                    月 満ち満ちて笑う

 

                    満月 アマゾンに浮かび

                    ビーナスの笑みを映す

 

                    満月 地平に落ちて

                    侘びなる香 残すや

 

 

                <Amazon full moon>

                                                                  Poem by Sanehisa Goto

 

                                                                 Full moon, don't talk silently

                                                                 The moon is full and laughs

 

                                                               Full moon floating on Amazon

                                                                     Reflecting Venus' smile

 

                                                              Falling on the full moon horizon

                                                                           Leaving incense

 

 

 

 

■  4月3日 アマゾン川航路終着港 <マナオス>到着  曇のち小雨

       🚐移動 マナオス(ブラジル)カラカス(ベネズエラ

 

マナオスに近いアマゾンの風は生暖かく、肌に汗がぬめる熱帯の気候である。

空高く鳥が飛び交い朝のフィッシュ・ハンティングに忙しい。

サンタ―レン号は、老いたスマートな船体をディーゼル・エンジンに震わせ、アマゾンの川面を左右に切り分けながらネグロ川を進んでいる。

緑鮮やかなジャングルと灰色の天空が、ネグロ川の両岸に立ち並ぶ高床敷の茅葺によくマッチングして、美しい風景を作りあげている。

 

 

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                                                          アマゾンに顔を見せる朝日

 

                 <ああわれいまマナオスにおりて>

                                                             詩  後藤實久

 

                                                              われいまマナオスの目前におりて

                                                              アマゾンをさかのぼる夢かないて

                                                              こころの喜びアマゾニアに響きし

 

                                                              アマゾンの光こころに満ちみちて

                                                              アマゾンのすべてを吸い込みてや

                                                              わが夢の実現にわが幸せを重ねし

 

                                                              赤茶けたアマゾンの流れどこまでも

                                                              静かにして悠々滔々と流れる様に

                                                              我をゆだねて 雄大にして幸せなり

 

 

                                                  <Oh, I'm in Manaus now>

                                                                    Poem by Sanehisa Goto

 

                                                                       I'm in front of Manaus

                                                       I have a dream that goes back to Amazon

                                                        The joy of the heart echoes in Amazonia

 

                                                            Filled with the light of the Amazon

                                                                Inhale everything in Amazon

                                          Putting my happiness on the realization of my dreams

 

                                                The flow of the reddish-brown Amazon forever

                                                       The way it flows quietly and gracefully

                                                       Be happy with that magnificent figure

 

 

 

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                アマゾン川流域の風景


青春時代に想い描いた原始のアマゾナスにおり、夢かなってアマゾンのジャングルを進んでいるのである。

アマゾンの流れはどこまでも静かで、汽船の動力の機械音だけが天高くを飛び交っている。

ジャングルの緑はどこまでも深く、雲たゆとうと流れてアマゾンに溶け入りどこまでも豊かである。

 

アマゾンの豊かな空気を胸いっぱいに吸い込み、ゆっくりと吐き出すときまるで自分がアマゾンの水の妖精になったように、消え行ってしまいそうである。

この平和な姿はどこから来ているのであろうか。 

多くの人々の祈りと、感謝の時間がアマゾンのうえに心豊かに流れる瞬間である。

 

 

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              アマゾン流域に点在する村落                                                

 

                                                                  <アマゾンに人おりて>

                                                                        詩  後藤實久

 

                                                                アマゾンに沢山の人すみて

                                                              牛を飼い トウモロコシを育て

                                                                神と共にこの地球に立ちし 

 

                                                                  人は神の声を背負って

                                                               神の与えたもうた事を行う

                                                               いつも神と共にいるを喜ぶ

 

                                                             私も又アマゾンの人と同じく                 

                                                              我が人生も又 神の声に従い  

                                                              神の意志に注意を払うなり

 

 

                                            < Be people in Amazon >

                                                              Poem by Sanehisa Goto

 

                                                         Many people live in Amazon

                                                    They keep cows and he grows corn

                                                        Stand on this earth with God

 

                                           People carry the voice of God on their backs

                                                          Do what God has given you

                                                     Always rejoice in being with God

 

                                                     I'm the same as the Amazon guy

                                                 My life also follows the voice of God

                                                    I pay attention to the will of God

 

 

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            アマゾン流域に立つカトリック教会堂

 

                                                                  <アマゾンに神おりて>

                                                                         詩  後藤實久

 

                                                     アマゾンにも たくさんの教会堂があり

                                                     神は アマゾナスの人々に光を給うなり

                                                     この光があるがゆえに 人々豊かにして

                                                     アマゾンと共に人 愛を語るを許されし

 

                                                     神の恵み深くして 静かに我らを見守り

                                                     生命豊かな地球をわれらに任せたもう

                                                     ああ神よこの星を守り 救い給わん事を

                                                     我らにもその使命 与え給いしを求むる

 

 

                                                   <God in Amazon>

                                                               Poem by Sanehisa Goto

 

                                                   There are many churches in Amazon

                                          God gives light to the people of his Amazonas

                                                  Because of this light, make people rich

                                                Allowed to talk about love with Amazon

 

                                                 God's grace and quietly watch over us

                                                   Let us leave the life-rich earth to us

                                                  Oh God, protect this star and save it

                                                            We also seek that mission

 

 

 

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          アマゾン川船旅最終地マナオスに入港するサンタ―レン号

          (左手にアマゾン本流の赤茶色の流れ / 右手にネグロ川の清流)

                    Santa-Len arriving at Manaus, the final destination of the Amazon River cruise

                              (The reddish-brown stream of the Amazon main stream on the left /

                                                 the clear stream of the Negro River on the right)

                                                           Water Color Paiting by Sanehisa Goto

 

 

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 アマゾン・ネグロ両川合流点をいく観光遊覧船   マナウスのファベーラ(ネグロ川沿いの貧民街)

 

 

マナウス/MANAUS到着>

 アマゾン川の河口にあるベレンを出航したサンタ―レン号は、1700kmの航路を8泊9日かけてここマナウスに無事着いた。

たくさんの車が、サンタ―レン号の船倉からの荷物を受取りに港に押しかけていた。

マナオス港には、出迎えの人が多く詰めかけ、家族との再会に歓声があちこちであがっている。

ここマナウスが、アマゾン川の汽船による航路の最終地点である。

これより先のアマゾン奥地には、交通の便もなく一人で歩き回れないので各種旅行社がツアーを組み、アマゾンの魅力を紹介している。 ジャングルロッジに泊り<ジャングルトレッキング>や<ピラニア釣り>、<ワニウオッチング>など充実している。

こちらは、すでに南極大陸などで時間を費やしてしまっていたので、ただひたすら南米大陸一周を達成するために、残されたわずかな時間を大切に使っている。

残念だが、マナウスも駆け足で街を見て歩き、今夜のバスでベネズエラのカラカスに向かって出発することになっている。

 

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      マナウス港の風景              マナウスのマグネットバッジ

 

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                  マナウスに到着したサンタ―レン号

 

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           マナオス港で出番を待つアマゾン川定期航路船

 

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     マナウスのバスターミナル        荒っぽいチキンヌードルを飯にのせた定食

 

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     マナオスのお土産屋さんで            マナウス・セバスチャン広場

 

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  マナウス旧市街にある アマゾナス劇場           マナウス市内バス乗り場

 

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            マナウスダウンタウンにある青空市場

 

 

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                 マナオス Café de Guayanes の庭園

 

<両替   ブラジル・クルゼーロ ➔ ベネズエラボリバル>  

マナオス上陸後、まず両替商<Cortez Cambio e Turismo>に出向き、ブラジル貨幣クルゼーロを、ベネズエラ貨幣のボリバル・ソベラノに換金することにした。

特にベネズエラは、ハイパーインフレ下でのデノミ( 2021年には100万分の1に貨幣切下げ実施)が日常化し、非常に不安定な貨幣である。

日本円からベネズエラ貨幣であるボリバルには直接両替は出来ない。 US$で行うことになるので要注意である。

マナオスに上陸してから、両替のためマナオス市内を歩き回ったが、ほとんどが閉鎖していた。 ただ1か所<Banco do Brasil>だけで両替をするとのこと、それも午前中だけだという。 

結局、国境付近での両替に切りえ、両替をあきらめてバスに乗車することなってしまった。

 

両替 : 1US$=2145Bs(ボリバル)  

(注・再両替にはパスパート・両替シート・バスチケット必要)

 

マナオスを4月3日19:30pmに出発したバス<MANAUSCARACASは、ブラジル北端の街ボア・ビスタ/Boa Vistaベネズエラ行のバスに乗り換え、翌朝07:30am現地を出て、国境に向うということである。

 

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              マナウスカラカス行長距離バス

              (BOA VISTA経由・乗換) 長距離夜行バス

 

 

 

■ 4月4日 マナオス(Brasil)➔カラカス(Venezuela)<ボア・ビスタで乗換>

      🚐移動

 

バスは、ギアナベネズエラ・ブラジルの三境にまたがるギアナ高地を喘ぎながらのぼり、ベネズエラのサンタ・エレナに向かっている。

この辺りはギアナ高地を控え、一年中曇り、晴れ間が少ないことで有名だという。 今も小雨が降り、蒸し暑さに、車内の冷房を16℃に下げたようで、肌寒さを感じる。

長距離の夜行バスに乗る時は、冷房が効きすぎて風邪をひかないようにするため、必ず毛布かシーツ、または寝袋を持込むことをおすすめする。 

 

ボア・ビスタより約5時間でベネズエラとの国境に着く。 ブラジル側の出国手続きをしたあと、バスはベネズエラの国境の街サンタ・エレナ/Santa Elenaに着くので、まず『ツーリスト・カード/Tourist Card』(Tourismo Carte)  を入手するため長距離バスターミナル近くにある<ベネズエラ移民局>に立寄った。

 

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            ボア・ビスタのバスターミナルでバスの乗換え 

 

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         アマゾンに広がる放牧場の風景  (ブラジル/ホライマ州ボア・ビスタ近郊)

 

ボア・ビスタ/Boa Vistaで乗換えたベネズエラ行のバスには、大型長距離バスにたった8人の乗客が乗込んだ。 ベネズエラ国境の街サンタ・エレナでは、数人が下車してしまい乗客は4人になってしまった。 ブラジルからベネズエラ越え国境であるここは、南米でも一番治安の悪い所と聞き、さらに不安がつのった。

 

国境越えは、いつも緊張するものだ。

取り忘れている書類はないか、何日滞在を許されるのか、必要事項の記入漏れはないか、担当役人の無茶な要求はないか。

かって国境通過にあたって、ソニーのラジオ、日本の記念切手、ポケットに金を入れろという暗示や指示とか、カメラを強要されたことがある。 解決策として、米国ドル紙幣10・20・50US$のいづれかを、その場の状況に応じて役人のポケットに突っ込むこともあった。

 

<陸路国境越え  ブラジル  ベネズエラ

ベネズエラ/ブラジル国境では、次なる書類提出・提示が必要である。 (90日以内、ビザ不要)

 『ツーリスト・カード/Tourist Card』  (在外ベネズエラ大使館や国境にあるベネズエラ移民局で入手) 

『入国カード/Immigration Card』

『Yellow Card/Vaccination Passport』

 

ベネズエラ入国に際しては、イエローカードが必要であると言われ、念のため10年程前アフリカ縦断に際して取得していた「イエロカード」<黄熱病ワクチン接種カード>を提示して難を逃れることが出来た。

 

ブラジルから陸路ベネズエラへの入国は、出来るだけ避けるようにと旅行案内書にも出ていることを書き添えておく。 このバス旅行でも、乗客は若いバックパッカー達と国境までに下車した現地住民たちであった。

国境を越えたのは、ドイツからの2人のバックパッカ―と私の3人だけであった。 またバスはカラカス手前で運行を中止し、ローカルバスに乗り換えさせられてカラカスに向かったものである。 

また途中、数回の自動小銃を持った軍隊や、警察の臨検を受け、緊張を強いられ、疲れるバス旅行であった。

さらに赤道下であるが、ギアナ高地でのバス冷房の効きすぎのために風症状に悩まされた。 毛布や寝袋があればと思った次第。

 

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                  ブラジル/ベネズエラ国境

 

 

ブラジル最北端の街ボア・ビスタからカラカスに抜ける道にはギアナ高地があり、ボア・ビスタから観光ツアーが出ている。 また、ベネズエラ国境の街<サンタ・エレナ/Santa Elena de Uairen>からは、アンヘルの滝<エンジェル・フォール>へのツアーがある。

今回の旅の目玉としてギアナ高地とエンジェル・フォールも当初入っていたが、ここも滞在日数のひっ迫から残念ながら目をつぶって通り過ぎることにした。

 

ベネズエラに入ってからは、ブラジルの陽気な雰囲気は消えたような気がする。

スペイン系のハーフで、色黒く、鋭い目つきの住民に出会うようになったこと、立ちションや、ゴミがやたらに目につき出して、ようやくポルトガル風社会から混沌の中南米に返ってきたように感じた。

バスターミナルも薄暗く、何か物騒な感じがする中で、アルゼンチンやウクライナの西欧化した安心感と違った、生きるというエネルギーを体いっぱいに感じ取ることが出来た。

一方、街には年代物の古き良き時代のアメリカ製のポンコツ・シボレーや大型車が悠然と走り、まるでキューバ―のハバナの街の様子と似ているのに驚かされた。

                                              

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                                                          ベネズエラ国境にある物流税関SENIAT

 

ベネズエラの国境には、セニアット/SENIAT加入の<貿易取引電子化締結国>税関があり、ここでは環境保護のための検閲と課税がなされているようである。 特に、核物質・化学生物兵器・麻薬等の有毒で危険な物質や廃棄物についての国境越えを制御するチェックポイントであるらしい。

ここはあくまで、国境を越える人や物の通過を制御しているだけで、これらの密輸出入に対しての取締りは無きに等しく、南米諸国のSENIATは、ザル法となっているのが現実であるようだ。

 

バスの車窓から見るギアナ高地に、後ろ髪を引かれるような思いであった。 いまごろ時間があれば日本の1.5倍もあるギアナ高地に立って、壮大な景観をこの目で眺めていたであろうと思うと無念である。

せめて、バス車窓からのギアナ高地の景色を目に焼き付け、スケッチに描きとめた。

カラカスに向かう国際長距離バスは、ベネズエラの国道10号線を北上している。 

バス右側の車窓からモンテ・ロライマ国立公園にそびえる標高2810mのロライマ山<テーブルマウンテン>を遠望できる。

かかる国立公園にも軍隊のチェックポイント(検問所)があり、機関銃を持った軍人の臨検がなされていた。

 

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                                     ギアナ高地/Macizo Guayanes    サンタ・エレナ近郊(ベネズエラ

 

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                                  テーブルマウンテン>と呼ばれる ロライマ山2810m

 

財布にブラジル貨幣R$100(レアル)が残ったので、ベネズエラのBs(ボリバリ)に両替したら、なんと162,000Bsになって、ちょっぴりお金が増えた様な気持ちにさせられた。

 

ベネズエラ国境越えの厳しさよりも、カラカスに向かう各都市のバスターミナルでの空港並みX線検査と手荷物の徹底した検査、その後の手荷物への密閉テープの貼付けを強いられた。

なぜか説明はなかったが、多分麻薬の流入を防止するためであろうと推測したものだ。

 

マナオスからカラカス行国際長距離バスに乗り、途中、ボア・ビスタで乗換えることは知っていたが、国境を越え、カラカスの目の前の<Port dela Cruz>のバスターミナルで、このバスはここまでで、カラカスには行かないのでここで降りろという。

ここまで乗り続けていた乗客は、大型バスにたったの3人(ドイツ2名、日本人1名)であり、

どうも乗客3名では採算が合わないからだと思われるが、ひどい話である。 とにかく、朝3時の出来事、

随分と掛け合ったが、聞く耳持たずで、致し方な早朝一番のバスで、バスターミナルPort dela Cruzからローカルバス(@40,000Bs)に乗ってカラカスを目指すことになった。

 

 

■ 4月5日 ベネズエラ首都 カラカス到着    快晴

 

緊張や予定外のスケジュールで疲れた体を引きずりながらカラカスのバスターミナルに早朝にたどり着いた。

最後まで一緒だったバックパッカーであるドイツ青年の内、ヤン君がローカルバスに乗換えた<Port dela Cruz>のバスターミナルで忽然と姿を消し、消息を絶ってしまっていた。

心配だが、致し方なくベン君と二人でカラカスに到着し、宿を探すことにした。

 

カトリックを国教とするカラカスは、イースター(復活祭)の期間中であり、商店街は閉まり、人の姿もあまり見られず、街は静まり返っていた。

地下鉄もがらがらで、のどかな一日である。

カラカスへは二度目の訪問、滞在である。 43年前、当時のカラカスは街が人で溢れかえり、車で騒然としていたことが思い出された。 ブラジル・バウー研修所へのボーイスカウト移住として、ブラジル丸で渡航中に飲料水補給のため、ここカラカスにも立寄ったのである。

 

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      イースターで静まり返ったカラカスの街         1964年渡伯途中 カラカス訪問

 

▼4/5  カラカス滞在 <Hotel Center Park>  @45,000Bs(15US$ エアコン付)

                 Av. Lecuna Velasquez a Miseria #20   Tel:542-41-10

 

同宿するはずで決めたホテルだが、ベン君は宿代が高いと言い出し、カラカスにあるドイツ大使館の宿舎に移ると言い出した。 多分、彼はすでに旅行を続けるだけの旅費を使い果たしていたに違いないと理解し、一人でTV/エアコン/シャワー/トイレ付のバックパッカーとしては考えられない贅沢な部屋を独占することになった。 ゆっくりと旅の疲れをとっておくことにした。

旅の途中で知り合うバックパッカーは、特に一匹狼的な旅人が多く、それぞれのポリシーがはっきりしており、危険を伴う場合や、協力して危機を回避する場合以外は、単独で行動することを是とするものである。 この場合も国境越えの困難を一緒にしただけで、以後の行動は束縛されたくないということでもある。 

旅における互いの束縛から解放されてはじめて、自由を愛する一人旅が実現のである。

しかし、ドイツ青年の旅はワンダーフォーゲル(渡り鳥)的で、自由を愛する若者が多いようである。

ヤン君の失踪や、ベン君の行動という旅の姿勢にドイツ人の独自性<自我の解放>を見る思いであった。

 

ベネズエラという国の印象は、パキスタンやトルコ、エジプトと言ったアラブの匂いがするとともに、雑然を好むところも同じようである。

ただ、太りに太ったベネズエラのご婦人のような人を、アラブ諸国ではあまり出会うことはない。

カラカスの街を歩いていても、3,4人の子供を引き連れて、堂々とお尻を振りながら闊歩する女性たちの姿に出会う。 やはりベネズエラはラテンの国、女性上位の平和な国民性を見る思いである。

 

気のせいか、ベネズエラの働く女性には笑顔が見られないことに違和感を覚えた。 あのラテン系特有の天真爛漫な笑顔はどこへ行ったのだろう。 街を歩く時の溌剌としたリズミカルな表情とは全く違うなので驚いたのである。

 

今日は、マナオス出発以来、不足している野菜や果物を補充するつもりである。

さっそく、宿に持ち込んで、キャベツ、トマト、キュウリ、バナナを刻み、マヨネーズで野菜サラダを作り、パンにツナをはさんで食べた。

 

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                                                              バックパッカーの楽しい食事時間だ

 

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                                                                  Hotel Center Parkの部屋 

 

バスのエアコンの効きすぎと、バス車中での2泊による疲労から、少し風邪気味である。 持参の塩をミネラルウオーターに混ぜてうがいをし、風邪薬、栄養剤とたっぷりのオレンジジュースを飲んで、睡眠を十分にとることにした。

 

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南米のどこの街にもあるファベーラ(貧民街)を背に                           カラカスの中心街 

 

                          

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                カラカスの高層ビル群 (ベネズエラ首都)

                 Skyscrapers in Caracas (Capital of Vene)

                                  Water Color Paiting by Sanehisa Goto

                       (背景はアピラ山2215m)

 

 

■  4月6~7日  カラカス滞在/観光/散策  イースター期間中の祝日

 

カラカスの街を散策していると、大統領選挙のポスターがにぎやかに張り巡らされ、中でもキューバ革命カストロ大統領を崇拝するチャベス/CHAVES現大統領(2007年当時)のポスターが多いのに気づかされる。

カストロに学べと、チャベス社会主義を導入しているが、はたしてカストロ中南米に幸福と自由と解放をもたらしたのであろうか。

チャベス大統領は、ベネズエラの選挙で選ばれた4年任期の大統領であり、専制国家における独裁的地位が確立されているカストロ大統領との立場とは異なる彼の独裁的言動が、どこまで国民の支持を得られるかが今回の選挙の争点であるようだ。

彼がベネズエラの真の改革者と認められるには、倫理・道徳面からの改革を進め、人民の教育のレベルを上げることであろう。

 

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                                                                    ベネズエラの国会議事堂

 

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                          カラカス市内バス               カラカス観光案内所の標示

 

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                            アビラ山2215mを背景にしたカラカスの摩天楼とスラム街の対比スケッチ

 

 

■  4月8日 カラカス(ベネズエラ) ➔ ボコダ(コロンビア) 

 

カラカスでは、復活祭という聖週間に重なり、交通機関の大部分が運休、とくに国境越えの長距離バスは止まってしまっているため、長期滞在となってしまった。

<La Mandera バスバスターミナル>に出かけ、やっとのことでコロンビアの首都ボコダ行国際長距離バスの切符を手に入れたが、今日の16:30発という。

急ぎホテルに戻り、荷造りをして宿泊代の精算をすることになったが、どうもホテル側の請求と、こちらの前払い合計額とのあいだに差額があり、ひと悶着。 ホテル側は、支払い台帳に一泊分しか入っていないと、こちらは3日分前払いしたが、埒が明かない。

海外の安宿でよくあるトラブルだが、長旅で気を許していたのであろう、前払いに対しての領収書をもらっていなかったことに原因があったようで、こちらの負けである。

 

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     カラカス街角の露天商            カラカス大聖堂前のイースター市場

 

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    メトロポリタン(カラカス)大聖堂        カラカス大聖堂の十字架上のキリスト

                              <Semana Santa イースター礼拝>

 

カラカスのカトリック信者と共に、カラカス大聖堂の十字架の前で、復活祭のミサに出席した。

Semana Sant (聖週間・イースター・復活祭)は、クリスマスと同じくカトリック教徒にとって大切な儀式であり、1週間も続く祝日である。

溢れるばかりの信者の波は、このカセドラル(大聖堂)を埋め尽くし、その熱気はキリストの復活を祝っていた。

 

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               カラカスの近代的な摩天楼群

                  Modern skyscrapers in Caracas

                         Water Color Painting by Sanehisa Goto

 

バスターミナルに出かけると、またまたトラブルである。

予定のバスは、コロンビアからこちらへ向かっている途中で故障し、出発は明日に延期になったということである。 これまた海外の遠隔地でよくあるトラブルである。 こちらも、年老いたと云ってもバックパッカーを自任している限り、かかる事態を乗り越えるために宿に戻らず、 ここLa Manderaバスターミナルで過ごすことにした。

何といっても赤道に近いベネズエラは、とにかく暑い。 夕食(ピザ・バナナ・こーく)をとったあと、暑さを避けるためメトロ(地下鉄・約20円)に乗って、何度も往復、冷房の効いた車両で、イースターを楽しむカラカスの住民たちの衣装を楽しんだ。 

 

情熱のラテン国であるベネズエラを楽しみにしていたが、立派なハイウエーや、立ち並ぶハイライズのビル群、整備された地下鉄のあるカラカスを見ていると、アメリカを嫌う政権が続くにもかかわらず、アメリカの機能美を取り入れていることに違和感を持ったものである。

他の南米のようにコロニアル風の建物が並び、どこかスペイン風の古き雑然とした街を予想していただけにちょっぴり失望を隠せなかった。 なぜならスケッチの対象として、摩天楼は少し単調すぎて、絵にならないのである。

 

▼4/8  <La Manderaバスターミナル> のベンチ泊

 

 

 

■  4月9日 🚙移動 <ベネズエラ/カラカス➔コロンビア/ボゴダ >   曇り空

 

昨夜は、コロンビアへ向かうはずだった多くのベネズエラの乗客たちと共に、バスの故障のため、ここ<La Manderaバスターミナル>のベンチで一夜を過ごすこととなった。

こうして現地の人達と一夜を共に過ごしてみて、この国の混血化が進んでいることに気づかされるのである。 スペイン人との混血は土着化し、完全にインディオ化したと云える。

同じ南米であるウルグアイやアルゼンチンでみられる白人的西欧化ではなく、カボクロ(混血土着)化という道を歩んでいるといっていい。

これも進化の一方向性であろう。

ベネズエラはすでに温血95%といった表現が許されるのではないだろうか。

 

ベネズエラは、石油収入によるインフラや社会資本は充実し、潤沢だが、その豊かな資金を使いこなせていないようである。 投資したすべてのものに対して機能していないように見受けられる。

例えば、立派なゴミ箱があっても周りがゴミだらけであり、ゴミはゴミ箱へといった教育や習慣に行き着ていない。 どこへ行ってもゴミであふれ、メンテはなされず、街は雑然としている。

その雑然とした公園には、地中に埋設した原油のパイプラインが敷設され、中継パイプのバルブがむき出しに光っている文明的機能美に出会い、違和感を感じてしまうのである。

 

<コロンビア国境越え>

   国境越え   🚙移動 <ベネズエラ/カラカスコロンビア/ ボゴダ>

   バス会社  :   BERLINAS BUS   @245,000Bs

 

         カラカス/Caracas 16:30 発 ➔ 06:00 着 国境の街/サンアントニオ/San Antonio(ベネズエラ) 

 

         ======国境越え   出国税 20US$ <時差発生 マイナス1H>

                 (国境越えタクシー代/国境➔ククタ @25US$)

 

   ククタ/Cucuta  4/8  07:30発➔ ボゴダ/Bogota  4/9 22:00着(コロンビア)

 

 

<コロンビア国境の越え方> 

ベネズエラ側 国境の街サンアントニオでタクシー(25US$)に乗って、国境で出国税20US$を支払い<出国スタンプ>を押してもらい、国境を越え、コロンビアの入管で<入国スタンプ>をもらい、コロンビア側 国境の街ククタにたどり着く。

ククタ/Cucuta で待っていた同じ国際長距離バスに再乗車し、目的地ボゴダに向かう。

 

時差が発生しているのだろう、朝6時だというのにまだ暗い。

ベネズエラ国境の街サンアントニオで起こされ、バスから降りて、タクシーで国境を越え、コロンビア国境の街ククタで待つこのバスに乗って欲しいとの運転手からの伝言である。

私以外の乗客45人はこのままバスに乗って国境を越えるという。 そのなかただ一人での国境越えはいつもながら不安なものである。 

どうもベネズエラとコロンビア間の国境越えは、両国民は協定により簡易入出国審査で済むようで、バスに乗車したまま手続きを終えるようである。

ただ一人の日本人のため、時間のかかる入管手続きを、全乗客がバスに乗って待っていてくれたようである。

 

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コロンビア国境越えのシボレーとドライバー・ジョー    コロンビア国境近くにある検問所

 

当初、 国境でわたし一人がバスを降ろされた事情が分からず不安であった。

乗せられた旧型のシボレーにも驚いたが、タクシーの運転手ジョーはボリュームいっぱいのジャズを流し、サンアントニオから国境にある入国管理事務所に立寄り、コロンビアのククタまで飛ばしてくれた。

それもラジオに聴き入ってしまい、入管を素通りする始末である。

驚いて、「パスポートに入出国のスタンプが必要だから入国管理事務所に立寄ってくれ」とジョーに言うのだが、英語があまり通じないようで、知っているスペイン語Necesita un sello de inmigración en su pasaportepor favor>を並べて、ようやく入管に立寄ってくれた。

 

何とも言えないのどかな国境越えではあるが、入管の入国スタンプなしでコロンビアに入ってしまうと、出国に当たって密入国者として扱われ大変なことになってしまうことを知っている者にとっては、知らずのうちに国境越えをしてしまったと、のんきなことを言っておられないのである。

 

バックパッカーとしては、国境越えの際、時としてタクシーに乗ることがある。

例えば、パラグアイのアスシオンからアルゼンチン側のイグアスの滝観光に行き、そこからブラジル側のイグアスの滝観光を終えて、そのままアスシオンに戻る場合など、タクシーは各国の入管に立寄らず(パスポートに入出国のスタンプをもらわず)に済むことが暗黙に了解されているのである。

ただし、出発地点のアスシオンに戻らず、そのまま旅を続けブラジルやアルゼンチンに入国する場合は、密入国者にならないために、必ず入国スタンプを入管でもらっておく必要があることを理解しておくことである。

 

ちなみに、出入国手続き補助・サンアントニオからククタまでのタクシー代は、チップを含めて30US$を支払った。

いつものことだが、国境越えは、スリリングであることはもちろん、緊張がはしり身構えるものであり、疲れるものである。

国家間の見えざる壁として存在するシンボルとも言える。 特に印象に残っているのは、政治・宗教体制の異なる国境であり、敵対国の国境である。

そこには冷徹な警察国家としてのスパイ、敵対者や犯罪者摘発の厳しい詮索が待っているからである。

徹底した身体検査、尋問調書、鉄格子の部屋収監、脅しや、強要(金品)、ほかカメラのフイルムを何度抜き取られたことか。

それぞれが懐かしいバックパッカーの思い出であり、個人的には隠れた勲章にも見えてくるものである。

 

 

 

■ 4月10日  コロンビア首都 ボゴダに🚐バスで向かう

 

コロンビアの国境の街ククトで、外国人観光客であるわたし一人の入管手続きを待ってくれていた乗客の拍手を受けながらバスに乗って、アンデス山脈の北端、標高2640mにあるコロンビアの首都ボゴダに向かってバスは喘ぎながら上って行く。

過行くアンデスの高山をぬってボゴダに向かう景色を見ていると、コロンビアは雲のなかの天上の国である。

眼下に雲をいただく峰々が見える、雲海が美しい。 街もすべて高い山の上にある。

バスも暖房をつけてくれているが底冷えがする。 乗客は、みな防寒具を身に付けているほどである。

 

<黄金郷/エル・ドラード/El Dorado>伝説の地

 コロンビアの都市文化は、広大なアマゾナスではなく、アンデスの高地に花開いている。 変化に富んだ美しい自然のなかに、インディヘナ文化というエル・ドラード<黄金郷>伝説を生んだ。

エル・ドラードは、大航海時代にヨーロッパで広まった噂である。

16世紀、コロンブスアメリカ大陸到達に続いて、多くのスペイン人が<黄金郷=エル・ドラード>の噂を聞きつけ、新大陸の富を略奪するため南アメリカへと押し寄せたのだ。

ボゴダの北約50km、ローカルバスで1時間半のところにあるグアタビータ湖の種族の首長が体に金粉を塗りつけて儀式を行っていた風習を聞き知ったスペイン人たちが、アマゾンの奥地アンデスに<黄金郷/エル・ドラード/El Dorado>があるという伝説を作りあげたようだ。

 

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 アンデスの山中の村ウカラマンガで昼食休憩          ボゴダに向かうバス

 

 

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                                              ボゴダ行バスは途中、ウカラマンガ村で休憩する

 

バスは、12:30ごろ、昼食のためウカラマンガ村に立寄り、休憩。

さっそくコロンビアでの生活費を引き出すためATMや両替屋を探したが、イースター休暇が続いているためか、ドルをペソに両替することが出来なかった。

今手元には、タクシーに乗ったさい、釣銭としてもらった4000ペソ(約5US$)だけである。

無駄に仕えないので、ランチはカラカス出発時に購入した非常食であるロールパンの残りをかじり、リンゴとチョコとフルーツジュースで腹を満たした。

バックパッカーの旅では、いつも非常時に供え、最低3日分の食料や水、アメやビスケットを携行食としてリュックに忍ばせておくことである。

「備えよ常に」<BE PREPARED>は、ボーイスカウト運動のモットーであり、バックパッカーのモットーでもある。

 

バスは昼食休憩を終え、13:00過ぎにボゴダに向け走り出した。

アンデスの北の峰々の山上を走り抜ける<天空のハイウエー>は、爽快そのものである。

 

4月9日夜、22:00過ぎ、コロンビアの首都、アンデス山脈の北端、標高2640mにあるボゴダのバスターミナルにすべり込んだ。 ベネズエラの首都カラカスを出たバスは、約30時間という長旅を終えることになった。

まずは、バスターミナルでのインフォーメーション、トイレ、ATMの所在確認である。

ATMでは、為替レートの確認のため、20,000ペソ(1US$=1538ペソ)を引出してみる。

続いて、2日間にわたるバスの旅での空腹を満たすため、焼肉定食(@6500ペソ)を注文、そのボリュームの大きさ驚いて、つい写真に収めた。

 

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                                                              すきっ腹を焼肉定食で満たした

 

▼4/10      Hotel Dann   @15US$

                  Calle 19 #5-72, Bogota (ボリバール広場近し)

       

 

■ 4月11日 ボゴダ散策

 

さっそく、近くにあるボゴダ旧市街の中心地、カテドラルや国会議事堂、裁判所に囲まれたボリバール広場/Plaza de Bolivalに出かけてみた。

広場の名前の由来となったシモン・ボリバールは、南米アンデスの5か国をスペインから独立させた人物であり、解放者として尊敬されている。 シモン・ボリバール像は、ここ国会議事堂前右手に建てられている。

 

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                                                                          カテドラル/大聖堂

 

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                                                          ボリバール広場に建つ国会議事堂

 

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                解放者シモン・ボリバールの像          ボリバール広場 国会議事堂を背景に

 

コロンビアの首都ボゴダは、アンデスの山並み、標高2650mの高地にあるだけに緑豊かで、街も昔懐かしいクラッシクな建物が並び、どこか哀愁に満ちた心温まる豊かさを感じる街である。

ただ治安が悪いのか沢山の兵士によるパトロールが街角で見受けられた。 

反政府組織や麻薬取締りの治安維持のための配置のようである。 

ゆっくりとボゴタを見て回る時間も限られているので、ボゴタを一望できるモンセラッテの丘(標高約500m)へ、ロープエー(往復$11,200)を利用し、散策してきた。

 

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                 モンセラッテの丘よりボゴタを眺望

 

標高2640mと高いボゴダの夜は実に寒い、外に出てみると凍でつくほどに寒い。 住民は毛皮のコートや、

ダウンジャケット、マフラ、手袋で防寒スタイルである。 アンデスの夏も終わりを迎えているようである。

 

▼4/11    Hotel Dann 泊    @15US$

     Calle 19 #5-72, Bogota (ボリバール広場近し)

       

 

 

■ 4月12日  エクアドル首都キトを目指す

 

<コロンビア / エクアドル国境越え>

コロンビアの首都ボゴタを出た国際長距離バスはコロンビアン・アンデスの高地を走破し、朝6時半ごろ、国境の街イピアレス/Ipialesに着いた。

全員バスから降ろされ、各自タクシーやコレクティーポ(相乗り @1000ペソ)に乗換えて15分先の国境に向かう。

 

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                                                                コロンビア/エクアドル国境           

 

まず、コロンビア側の出国スタンプをもらい、エクアドルの入国管理事務所へ移動、入国カードの提出、入国スタンプをパスポートに捺してもらい、税関で荷物検査を受ける。 この間,15分ほどだろうか、めずらしくスムーズにエクアドルに入国出来た。

ただ、どこでもそうだが陸路からの入国の際には、麻薬や大金、銃器の持込を防ぐため、無差別ではあるが、当局が目をつけた旅行者の荷物に対しては徹底的にチェックをしているようである。

陸路国境越えの場合は、国境での荷物検査のわずらわしさを考え、前もって検査を受けやすいように、分類整理し、中身が見えるように数個の袋にまとめておくとよい。

また、火気類(マッチ・ライター)や凶器類(爪切り含めカッターナイフや缶切り・小刀)、顆粒・粉末の漢方薬ほか麻薬に見られる、または みなされるものは、何時でも指示に従い破棄又は没収されてもいいように、一つの袋にまとめておくか、ホテルで始末しておくことをおすすめする。

一度官憲から怪しいとにらまれると、時間やほかの乗客の迷惑も考えずに、荷物の隅々まで、あらゆるすべての物を徹底的に調べられることを心しておきたい。

時には、金品要求のための言いがかり的検査も、残念ながらあることも心得ておきたい。

また、バックパッカーの自由な服装や、パスポートに見られる無数の入出国スタンプは、検査ターゲットの標的となっていることも無視できないと云える。

 

エクアドル入国を許可された者は、入管前からタクシーやコレクティーポに乗り、エクアドル側国境の街トウルカン/Tulcanで待っているバスに向かった。

 

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トウルカン・ バスターミナル(エクアドル国境の街)   エクアドル北方の村イバラ/Ibarraを通過

 

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          バスで親しくなったエクアドル家族と、途中の村で記念写真

 

15:30 キトにあるカルセレン北バスターミナルに無事到着した。

 

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             キトにあるカルセレン北バスターミナルに到着したバス

 

▼4/12  キト旧市街  ホステル スクレ <Hostal Sucre>   @2US$

      キト旧市街のフランシスコ広場近くにある4階建てのビルの中にある。

      ホステル受付は2階にあり、宿泊者以外は入れないはずだが、盗難に注意。

      <スクレ>は、エクアドルを独立に導いた将軍・英雄の名前とのこと。 

      日本人バックパッカーの定宿、日本語情報交換ノートあり。

 

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                  ホステル・スクレ / HOSTAL SCURE              

 

 

■ 4月13日 エクアドル首都 キト散策

 

宿泊先のホステル・スクレは、長距離バスターミナル<カルセレン>より、北西へ700m、サン・フランシスコ広場の近くにある。 独立広場にある市庁舎を中心に碁盤の目に区割りされたキト旧市街にあり、南側にパネシージョの丘が、キトの街を見下ろしている。

 

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      ホステル後方にあるパネシージョの丘           パネシージョの丘の聖母像

 

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   パネシージョの丘よりキト市街を眺望           独立広場に建つ独立記念碑

 

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    ラ・コンパーニア教会(イエズス会)         ラ・コンパーニア教会聖堂内

 

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     サン・フランシスコ教会             サン・フランシスコ聖堂内

 

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    エクアドル大統領宮殿(独立広場)           ランチのココナッツ・カレー

 

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         カテドラル(独立広場)               カテドラル聖堂内

 

 

 

■  4月14日  アンデスの山並みを走り、ペルー首都リマに向かう

 

キトからリマへの直通国際バスは、週に2便ということで、待ち時間を有意義なものとしたいために念願のアンデス縦走のバスの旅にでかけ、そこからリマへの直通バスが毎日出発しているグアヤキルへ向かうことにした。

 バスターミナルからバス<リオバンバ行>に乗ると、アンバートにかけての<アンデスの廊下>とも、<エクアドル・ボルケーノ・アベニュー/Ecuador Volcano Avenue/火山通り>とも呼ばれる美しいアンデスの山岳風景のなかをバスは走り続ける。

エクアドル富士と日系移民に呼ばれているコトバクシ山(世界最高峰の活火山・標高5896m)、続いてイリニシ山(5263m)、その先に雪帽子をかぶったトウンガウラ山(5016m)、そしてエクアドル最高峰チンボラソ山(6310m)の勇姿を眺めながら、豪華なアンデス山稜を観賞できる。

平均標高2800mの道路から見る山並みは、富士山より高い5000~6000級の山々がとても低く見えるものである。

バスではあるが、アンデス山脈を縦走していると思うだけで、血潮がたぎり、夢の実現に満足したものだ。

 

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      エクアドル富士> コトバクシ山(世界最高峰の活火山・標高5896m)

 

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         アンデスにそびえるエクアドル最高峰チンボラソ山 (標高6310m) 

 

リオバンバからは、太平洋岸のグアヤキル行のローカルバスに乗り、ここでリマ行きのオルイメーニョ社の国際長距離バスに乗換えた。

グアヤキルからリマへのバスは毎日一便(US$55)あり、パンアメリカン・ハイウエーを走る約30時間の長旅である。

 

3か月にもおよぶ南米大陸一周の旅も、終わりを迎えつつある。

出国の日も決まっているので、フライトに間に合うようにペルーの首都リマに向かわなくてはならない。

その前に、帰国に備えてグアヤキルの路地裏の散髪屋で身支度をすることにした。

 

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                 坊主頭なのに路地裏で帰国前の整髪

 

ベネズエラからは、ほとんど駆け足の旅となったが、残されたリマまでの北部インカの世界にひたりながら、パンアメリカン・ハイウエーのバスの車窓から太平洋岸の景色を楽しみたい。

 

エクアドル ➔ ペルー  🚐国際長距離バスによる国境越え>

    グアヤキルエクアドル)4/13  12:30am発 ➔ リマ/(ペルー)4/14  18:30pm着  

    所要約30H / @55US$

    バス会社 : オルイメーニョ社

 

    グアヤキル 3H エクアドル側国境の街 マチャラ 1H エクアドル入出国管理事務所

     ⇓

    国境 両国の入出国管理事務所で出国・入国のスタンプを受けておくこと

     ⇓

    ペルー入出国管理事務所 ペルー側国境の街トウンベス ➔ リマに向かう

 

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              オルメーニョ社長距離バス<グアヤキル➔リマ>

 

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     オルメーニョ社長距離バス<グアヤキルリマ> 車中スナック & 食事

 

帰国日が設定されており、それもあと2日になり少し慌てている。

何となく帰国準備のこころにモードが切り替わっているのか、過ぎゆくプレ・インカ時代のチャンチャン遺跡、エル・ブルホ遺跡や、太陽のワカ・月のワカ(古代先住民の墓)の横をバスが走っているにもかかわらず、心ここに在らずである。

もったいないような、そう度々来られそうにもない南米大陸であるのに、リマへ急がなければならないのは残念である。

 

エクアドルグアヤキルを昨日お昼に出た長距離バスは、リマ/Lima(ペルー)に翌日、太陽が沈むころ18:30pmに到着した。

 

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               太平洋に沈む太陽  リマ近郊カラオ/Callao

 

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                アンデスの山々に囲まれたカヤオ港(ペルー)

              Callao Port (Peru) surrounded by Andean mountains

                   Water Color Paiting by Sanehisa Goto

                  Jan. 28, 2014

 

▼4/13   長距離バス 車中泊

 

 

■ 4月14日  18:30pm リマ到着

 

この1月23日にリマを出発し、約3か月の南米大陸一周の旅に出かけて、ようやくリマに戻ってきた。

道中、予定のスケジュールは大幅に変更され、自由気ままな旅となってしまった。 また、ブエノスアイレスでは置きひきに遭い、カード類や現金を盗られるというお粗末をしでかしたり、夢を追いかけて南極に足を延ばしたりと、我が人生の如く波乱万丈の旅でもあった。

お陰で、後半は日程との競争となり、駆け足の旅になってしまったが、スケッチを楽しめたことはせめての慰めである。

また一つのドラマを、ここ南米大陸に残すことになった。

南米最後の夜を、ここリマ旧市街のアルマス広場近くにある日本人バックパッカーの定宿である<アルベルゲ(宿)沖縄/ Alberge Okinawa  >のドミトリーのベットで過ごすことにした。

 

▼4/14   リマ宿泊   Alberge Okinawa  @9US$

              Jr.Lampa 286, Lima

 

 

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                                                宿 Alberque OKINAWA 入口 と ドミトリ4人部屋

 

 

■ 4月15日 帰国の途につく

 

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          宿近くのカテドラルで旅の無事に感謝の祈りを捧げ空港に向かう

 

帰国便(3か月オープンチケット) リマ/#AA2110/07:05発13:40着マイアミ/#AA2617ロスアンジェルスAAで成田経由関西空港帰宅

 

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           リマの<ホルヘ・チャベス国際空港>より帰国の途につく

 

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                  南米大陸に別れを告げる

 

 

南米大陸に別れを告げる>

南アメリカ大陸は、エル・ドラードという、黄金郷としてヨーロッパの列強、特にスペインと、ポルトガルが押し寄せ、その強力な武器による脅しと、偽りと、強欲によって黄金を強奪した。

その上、土着の生活や、文化文明までも破壊し、植民地として富を吸い上げ続けたが、現地の不満の爆発によって為政国より独立を果たした。

搾取の過程で、侵略者もまた土着化し、今の南アメリカスペイン語圏とポルトガル語圏を中心とした現在のコミュニティー国家が出来上がった。

コロニアル文化を花咲かせ、往時の姿を色濃く残しているのも南アメリカである。

一方、西欧化した摩天楼がアンデスの山中、それも4000m級の山岳地帯に見られるのも驚きである。

特に南米北部は、人種のるつぼが、分離を繰り返して、土民化に向かっているようにみうけられる。

南北においてその交配の分布が、乖離しつつあるように見受けられた。

ましてや、ながい地球歴史からしてそのものの地穀変動、地球温暖化により、南アメリカ大陸は幾つかに分裂するかもしれないし、海底に沈み、新しい陸地が代わりに誕生するかもしれないと想い描いてみた。

人類の未来の不安定さが、理解できるような気がする。

いまを生き、いまの人々の生活に触れ、その姿をスケッチにし、書き残すこともまた、未来の人類への継承だと思うと、楽しくも意義ある旅であったと思う。

いま、小さい島国に向かって帰る己の小ささにも笑えてくるものがある。

 

星の巡礼 南アメリカ一周の旅 21000km』の日記を書き終えようとしたとき、

2022年2月24日、ロシア帝国再興の夢にかられた一人の人間の狂気によって、同族であるウクライナの抹殺に手を染めだした。

まるでスペイン軍ピサロが自分の欲望を満たすために、アンデスに平和なインカ帝国を築いていたアタワルパをだまして財宝を強奪し、その帝国を滅亡に追いやった歴史的事実と重なった。

人間のあくなき欲望と妄想によって、殺戮と破壊を繰り返しているように見えてならない。

 

殺戮や破壊には、人間の英知も、宗教も役に立つことは一つもないという空しさを感じつつも、最後の人類愛を信じ、平和と自由な日がもどることをを願いつつ、この旅の日記をしめくくりたい。

 

どうも、地球の消滅よりも、人類の滅亡の方が速いようだ。

こころして毎日を、自由と平和のなかに生きたい。

 

合掌感謝        

志賀の里 孤庵にて  後藤實久 記                 

 

 

 

<参考資料>

南米大陸一周21000㎞行程表(スケジュール表)

 

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■<南極大陸一周21000㎞携行品リスト


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          『星の巡礼 南米一周の旅 21000m』 Ⅲ

 

                   

 

 

 

<関係ブログ>

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2007『星の巡礼 南米一周の旅 21000㎞』Ⅰ

 

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2022『星の巡礼 南米一周の旅 ブログ・スケッチ展』

 

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2021星の巡礼『南極大陸』ブログ・スケッチ展

 

南極大陸』ブログ・スケッチ展 『南極に立つ』 少年時代にドキュメンタリー「白瀬中尉の南極大陸」を観て以来、 夢のなかで温めてきました。 2007年2月、南米大陸一周の旅に出かけ、ウシュアイア(アルゼンチン)に 滞在したおり、この地が南極大陸クルー…

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2021『星の巡礼 パタゴニア・フィヨルド ー パノラマスケッチ展』

 

星の巡礼 パタゴニアフィヨルド ー パノラマスケッチ展』 《 パタゴニアフィヨルド ― パノラマスケッチ展 》 Patagonia on the Chilean side / Peaks of the Southern Andes, a collection of panoramic sketches 2014年1月18~20日、南米最南端のビー…

     

  https://shiganosato-goto.hatenablog.com/entry/2022/01/28/235057

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2021『星の巡礼 パタゴニア・フィヨルド ー パノラマスケッチ展』

星の巡礼 パタゴニアフィヨルド ー パノラマスケッチ展』

 

      

     《 パタゴニアフィヨルド ― パノラマスケッチ展 》

     Patagonia on the Chilean side / Peaks of the Southern Andes,

           a collection of panoramic sketches 

  

2014年1月18~20日、南米最南端のビーグル水道ウシュアイアから、氷河ピオ11世までのパタゴニアフィヨルドを、ピースボート第81回 南半球世界一周船旅の途上、客船オーシャンドリーム号の船上よりスケッチしたものです。

 

January 18-20, 2014, I sketched the Patagonia Fjord from Ushuaia, the southernmost part of South America, to the glacial Pio 11 from the board of the cruise ship Ocean Dream, on the way to the 81st Peace Boat Round the World Circumnavigation.

 

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             パタゴニアフィヨルドへ続くマゼラン海峡を航行中の

               ピースボート81 オーシャンドリーム号にて

               Navigating the Staite of Magellan leading to the Patagonia Fjord

             On the Ocean Dream, Peace Boat 81, Jan.18~20,2014

 

 

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                                      パタゴニアフィヨルド遊覧ルート図

                      2014 ピースボート81 オーシャンドリーム号にて

                Patagonia Fjord Sightseeing Route Map

 

ハガキ大のスケッチ用紙5枚によるパノラマ・スケッチ7組、計35枚の連作で、色彩は白黒を基調にして記録風に仕上げたスケッチ集です。

客船<オーシャンドリーム号>は、パノラマスケッチの右<ウシュアイア>から左<氷河ピオ11世>へ、チリの太平洋西岸、南アンデスのチリ側パタゴニアフィヨルドを観賞しながら西北西に向かって航行中です。

 

A series of 35 panoramic sketches, 7 pairs of 5 postcard-sized sketch papers.

The colors are a collection of sketches based on black and white and finished in a record style.

The cruise ship <Ocean Dream> is sailing from the right <Ushuaia> to the left <Glacier Pius XI> of the panoramic sketch toward the west-northwest while admiring the Chilean Patagonia fjord on the Chilean Pacific coast of Chile and the South Andes.

 

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                                           パタゴニアフィヨルド観光遊覧母港ウシュアイア停泊中の

                   オーシャンドリーム号 37000t

           Patagonia Fjord Sightseeing Tour Homeport Ushuaia

                    Mooring Ocean Dream 37000t

 

 

この<パタゴニアフィヨルド・パノラマスケッチ>は、縦10cmの横幅 5m25cmであり、全容を並べてお見せできないのが残念です。

実際は、①の左に②の右がつながり、氷河幅が約5kmもある⑦<ピオ11世氷河>へとつづく連続作品です。

 This <Patagonia Fjord Panorama Sketch> is 10 cm long and 5 m 25 cm wide, and it is a pity that the whole picture cannot be shown side by side. Actually, it is a work that connects the left of to the right of and continues to the last <Pio Ⅺ Glacier>.

 

作品でもわかるが、チリ側パタゴニア付近の南アンデスの山並みはかなり低くなり、マゼラン海峡で姿を消し、アルベルト・デ・アゴスティニ国立公園のダーウイン山に続くことになる。

スケッチした2014年1月18~20日は、南半球の真夏であるが、アンデスの山には万年雪が残り、至る所に幾世紀にもわたり太平洋に移動し、注ぎ込む氷河がその姿を見せていた。

南アンデス山脈が迫った海岸線は、至る所に大小の険しいフィヨルド(氷河による渓谷)が形成され、人を寄せ付けない風情であり、その景観は人を圧倒するスケールで迫る自然の造形である。

 

As you can see in the work, the mountains of the Southern Andes near Patagonia on the Chilean side have become quite low, disappearing in the Strait of Magellan and continuing to Mount Darwin in Alberto de Agostini National Park. The sketched January 18-19, 2014, is midsummer in the Southern Hemisphere, with icecaps remaining on the mountains of the Andes, and glaciers pouring into the Pacific Ocean everywhere for centuries. .. The coastline, approaching the Southern Andes, has steep fjords (glacier valleys) formed everywhere, creating an atmosphere that keeps people away, and the landscape is a natural sculpture that approaches on an overwhelming scale.

 

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              出航前にウシュアイア近郊のマルティアル氷河に挑戦

             Challenge the Martial Glacier near Ushuaia before sailing

 

2007年の南米大陸一周バス旅行に際しては、サンチャゴ以南のパタゴニアフィヨルドという天然の断崖を避け、アンデス最高峰のアカンコグア山麓を越えてアルゼンチンのメンドーサに向かい、アルゼンチンのパタゴニア大平原を南下して、南米大陸最南端の街ウシュアイアに到達したものである。

その時に、立寄れなかったチリ側パタゴニア・フィヨールド遊覧を実現させ、描き上げたパノラマスケッチをブログ作品展として発表できることを喜んでいる。

 

During the 2007 round of South America, avoid the natural cliffs of the Patagonia Fjord south of Santiago, cross the foothills of the highest peak of the Andes, Mendoza, Argentina, and head south on the Great Plains of Patagonia, Argentina. It reached the southernmost city of Ushuaia. At that time, I am delighted to be able to realize the Patagonia Fjord tour on the Chilean side, which I could not stop by, and to present the panoramic sketches I drew at the blog exhibition.

 

         f:id:shiganosato-goto:20220118154731j:plain

                  マルティアル氷河に登攀中

                 Climbing to the Martial Glacier

 

 

このパノラマ・スケッチでさえ、1500kmにおよぶチリ側パタゴニアフィヨルドの<ビーグル水道ウシュアイアより、ピオ11世氷河まで>のほんの一部に過ぎない。

パタゴニアフィヨルドのパノラマスケッチの連写をお楽しみください。

 

Even this panoramic sketch is only part of the 1500km stretch of Patagonia on the Chilean side, from the Strait of Magellan to the Glacier of Pius XI. We hope you enjoy the continuous shooting of panoramic sketches of the Patagonia Fjord.

 

 

 

    《 パタゴニアフィヨルド南アンデスのパノラマスケッチ展 》

    Panorama sketch of Patagonia and South Andes on the Chilean side

               Water color Paint

             Sketched by Sanehisa Goto

 

 

われわれのオーシャンドリーム号は、寄港地ウシュアイア(アルゼンチン・南米最南端の街)を出港、ビーグル水道を西へ針路をとりパタゴニアフィヨルド遊覧をはじめた。

これよりマゼラン海峡をとおり最大の『ピオⅪ世氷河』をへて、太平洋へとでる。

これより3日間、壮大な地球の営み、幾万年も雪や氷を堆積し氷河となって削り上げたフィヨルドを満喫したい。

いまだ残る氷河、そこにはグレイシャス・ブルーが輝き続けていた。

この悠久の世界をスケッチとして残したいと、船7階の右舷に座って描き続けた。

ハガキ40枚、約5メートルのパノラマスケッチが出来上がった。

刻々と表情を変える氷河の魅力をご鑑賞、ご堪能いただければ幸いである。

 

Our Ocean Dream departed from the port of call Ushuaia (the southernmost city in Argentina and South America), took a course west of the Beagle Aqueduct, and began a Patagonia fjord excursion.

From this, we will pass through the Strait of Magellan, and also the largest "Pi Glacier", and go out to the Pacific Ocean.

For the next three days, I would like to enjoy the magnificent life of the earth and the fjords that have been carved into glaciers by accumulating snow and ice for tens of thousands of years.

The glacier that still remains, where Glacier Blue continued to shine.

I wanted to leave this eternal world as a sketch, so I sat on the starboard side of the 7th floor of the ship and continued to draw.

A panoramic sketch of 40 postcards and about 5 meters was completed.

Please appreciate the charm of the glacier, which changes its expression every moment.

 

 

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        ビーグル水道に面したパタゴニアフィヨルド遊覧船母港ウシュアイアを出航

         Patagonia Fjord Tour Boat Departs Ushuaia Facing the Beagle Aqueduct

 

 

 

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➀⇐         ⇐船の進行方向                                    ⇐ スタート/ビーグル水道                                                                                                                                         ウシュアイア11:00出航

⇐ Direction of travel of the Ocean Dream                   ⇐ Start / Ushaia 11:00

                                                  Beagle Channel-Red-light house  f:id:shiganosato-goto:20220118160200j:plain

 

 

 

 

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②⇐         ⇐ Direction of travel of the Ocean Dream              ⇐➀

 

 

 

 

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 左端/イタリア氷河    オランダ氷河                        

f:id:shiganosato-goto:20220118161643j:plain f:id:shiganosato-goto:20220118161721j:plain

    Italian Glacier        Dutch Glacier

 

 

 

 

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④⇐                     ロマンチエ氷河               ⇐➂

 

 

 

 

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⑤⇐    これよりマゼラン海峡⇦⇑⇒ビーグル水道ここまで              ⇐④

    From this, Magellan Strait Beagle Waterway so far

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                        Magellan Strait                                              Beagle Waterway

 

 

 

 

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➅⇐   イングレス水道(この辺り)              南米大陸最南端     ⇐⑤

      Ingress Strait  /  The southernmost tip of the South American continent

                                                                                      f:id:shiganosato-goto:20220118164242j:plain

 

 

 

 

f:id:shiganosato-goto:20220118164420j:plainゴール/ピオ11世氷河 17:27着        ⇐ 船の進行方向              ⇐➅                 

Goal / Pius II Glacier 17:27Arrived         ⇐ Direction of travel of Ocean Dream

                               

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                                                                  ゴール/ピオ11世氷河 17:27着

                                                               Goal / Pius II Glacier 17:27Arrived

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                                                ピオ11世氷河 Pius II Glacier

 



            《 パタゴニア フィヨルドに捧ぐ 》

                  詩  後藤實久

 

           ああわれいま

             地球星の最南端におりて

               これより大先達マゼランと共に

                 パタゴニアフィヨルドを探検す

 

           天よりの慈雨にぬれし

             豊けき大地に わが心溶け入り

               銀嶺の雪となりて

                 パタゴニア アンデスに鎮座す

 

           ああわれいま

             与えられし時の流れに命あずけ

               君と共にパタゴニア フィヨルドに在るを

                 感謝し 瞑目す

 

                   (オーシャンドリーム号 ピ-スボート81にて)

 

 

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                                           《Patagonia Dedicated to the Fjord》

                   Poetry by Sanehisa Goto

                        Jan. 18, 2014

 

                                    Oh my god

                                    At the southernmost tip of the Earth's star

                                    With the great pioneer Magellan

                                    Explore the Patagonia Fjord

 

                                   Wet in the rain from heaven

                                   My heart melts into the abundant earth

                                   Becoming the snow of Ginrei

                                   Settled in the Patagonia Andes

 

                                   Oh my god

                                   Give life to the flow of time given

                                   Being in the Patagonia Fjord with you

                                   Thank you and meditate

 

                                   (At Ocean Dream/ Peace Boat 81 Goto)

 

 

 

パタゴニアフィヨルド / 南アンデス パノラマスケッチ 連写俯瞰図 》

 ーPatagonia Fjord / South Andes Panorama Sketch Continuous Bird's Eye Viewー

  

チリ側パタゴニアフィヨルドをスケッチ連写した作品としては世界初と思われるので連写俯瞰図をあげておきたい。

大変だが、パソコン画面を立てにしてご鑑賞いただければ幸いである

 

It seems to be the world's first sketched continuous shot of the Patagonia fjord, so take a bird's eye view of the continuous shot. 

It's difficult, but I would appreciate it if you could watch it with your computer screen upright.

 

 

 

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ブログ 《 パタゴニアフィヨルド南アンデスのパノラマスケッチ展 》にお立ち寄りくださり、ありがとうございました。

また、機会がありましたら、ぜひパタゴニアフィヨルドにお出かけください。

それはそれは、偉大な自然の姿を目の当たりにして、神による創造の賜物に心震わされることでしょう。

 

人類共通の感動にこそ、自由と平和の価値観が生まれるものと信じています。

 

2022年1月17日 

阪神淡路大震災27年目の日に

志賀の里 弧庵にて  後藤實久

 

 

 

Thank you for visiting my blog "Patagonia Fjord and Southern Andean Panorama Sketch Exhibition".

Also, if you have the chance, be sure to visit the Patagonia Fjord.

It thinks that it witnesses the great nature and is shocked by the gift of creation by God.

I believe that the values of freedom and peace are born from the emotions common to all humankind.

 

January 17, 2022

On the 27th year of the Great Hanshin-Awaji Earthquake

At Shiga-no-Sato, Japan  

Sanehisa Goto

 




              

      《 パタゴニアフィヨルド ― パノラマ・スケッチ展 》

                  

 

   

 

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2007星の巡礼 南米一周の旅 21000㎞』 Ⅱ

 

Ⅱ《 ボリビア縦断 ウユニ塩湖に遊び、南米最南端ウシュアイアに向かう》 

     ―ボリビア/ラ・パス  チリ/サンチャゴ アルゼンチン/ウシュアイア ―

 

五大陸最後の南アメリカ大陸にやって来た。

前回は、ペルーの首都リマをスタート、アスカ、クスコ、マチュピチュを廻り、ティティカカ湖を経て、ボリビアへ入ったところで終えている。

今回は、引き続きボリビアの首都ラ・パスに立寄ったあと、神秘のウユニ塩湖ツアーに参加し、そのままチリ国境を越え、首都サンチャゴに至る。

そこからアンデス山脈アコンカグア山を見ながら、アルゼンチン・メンドーサを経て、アルゼンチン・パタゴニア(パンパ/大平原)を縦断するという過酷な旅を続けながら、ウシュアイアンに向かう。

 

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                 南アメリカ大陸一周ルート略図

 

 

■2月1日 <ペルー ➔ ボリビア>国境越え

 

朝6時40分、迎えのタクシーでプーノのバスターミナルに向かう。

パンアメリカン社の国際バスでペルー側国境の街ユングーヨから出国し、国境の無人地帯200mを徒歩でボリビアに入国する。 

40分ほどの入国手続きを終え、入国管理前で待機している同じバスに乗り込み、ボリビア国境の街コパガバーナに向かう。

ラパスへは、コパガバーナで乗り換えることになる。

 

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              ティティカカ湖周辺 と ボリビア陸路入国ルート

 

 

<時差を忘れて大失敗>

ペル / ボリビア国境越えの注意として、時差の変更に十分に注意することである。

ボリビアでの時間調整の際、バスの出発時間を聞いていたにもかかわらず、時計の針をボリビア時間に合わせていなかったものだから、集合場所に戻って来た時には、1時間も前にバスはラパスに向かって出発してしまっていたのである。

ペルーとボリビアでは+1時間の時差があることをすっかり忘れ、ティティカカ湖の風景を撮っていたのである。

ただ、助かったのはバスの荷物室にあったバックパック(リュック)を置いて行ってくれたことである。

道路に投げ捨ててくれていたので、以降のスケジュールを少し変更するだけで順調に旅を続けることが出来た。

 

バックパッカーとしての注意>

ツアーと違って、単独行動のバックパッカーは、行動上のすべてに対して全神経を集中してとりかからなければならない。 特に乗り物であるバスなどには細心の注意を払いたい。

今回のような時差からくるバスのトラブルはもちろんだが、空港に向かう途中でのトラブルはもっと厄介である。 飛行機に乗る場合は、あらゆるトラブルを想定して、数時間前(3~4H)に飛行場に到着するように宿泊先を出ることにしている。

特に未開の地では、飛行場への途中、バス等への検問、襲撃、エンジントラブル、天災、クーデターなど何が勃発するかわからないからである。

また、かかる移動の時は、万が一を考え必ずミネラルウオーター(ペットボトル1本)と非常食(ビスケット・チョコレート・ドライフルーツなど)をリュックに入れておくことにしている。

さらに、陸路での国境越えや、検問所、強盗団襲撃などでは金品を要求されることがあるので、たえず20~100米ドル紙幣を別ポケットに忍ばせておくことにしている。

これでおのれの命を救い、旅を続けられるのであるからお忘れなく。

気楽に見える単独行動のバックパッカーは、たえず危険と隣り合わせなのである。

 

 

お陰で、コパガバーナで1日体を休めることになった。

しかし、ここコパガバーナも標高3814mあり、顔がむくみ、息が苦しい。

でもせっかくの自由時間、夏祭り真っ盛りであるコパガバーナ(ボリビア)の街にくり出した。

阿波踊りよろしく、みな仮想し踊りまくっている。

十基ほどの山車も繰り出し、盛大なものである。

フェスティバルは、1台の山車に楽隊と100人ほどの軍団が取り囲み、盛り上げている。

ファッションは、各軍団のお好みらしく超ミニのご婦人たちや、ピエロ風に塗りたぐった男たちが、独自の踊りを披露しながら行進するのだ。

青森のねぶた祭阿波踊りを合わせたような陽気な南米の山車と踊りである。

ブラジルのリオ、コパカバーナのカーニバルに似ているので懐かしく観賞させてもらった。

 

夕食は、屋台のおばちゃんが油で炒めてくれたティティカカ湖で獲れた白身の魚ペヘレイをいただいた。

ただ、野菜サラダ(ニンジン・玉ねぎ・クレソン)が曲者である。

生野菜は、海外では何度も激烈な下痢に悩まされているので手を付けないことにしているが、生野菜に飢えていたのか、つい手を出してしまった。

もちろんホテルにかえって、念のため正露丸を5粒、口に放り込んだ。

 

▼2/1  コロニアル・ホテル / HOTEL COLONIAL泊 (コパガバーナ・ボリビア)  @9US$ (60Bs)

 

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       民族色豊かなボリビアのご婦人たち (コパガバーナ/ボリビアの街角で) 

 

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          ボリビアコパガバーナの街で出会った民族衣装によるカーニバル

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              ボリビア・コパガバーナのセントロで

 

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          カンテラリア教会   (標高3814m コパカバーナ―/ボリビア

               Sao Cantelia Church / Copacabana/Bolivia 3814m

                    Sketched by Sanehisa Goto

                      Feb 1  2007  11:30am

 

 

 

■ 2月2日(金) ボリビア国境の街コパガバーナ

 

早めの目覚めである。

南米一周の旅、2番目の国・ボリビアに入ったので、ボリビアの首都ラパスから、南極への入口であり

南米最南端の街ウシュアイアへの行程を再確認しておくことにする。

 

南米大陸一周 Ⅱ  ラ・パス/ボリビア  最南端ウシュアイア/アルゼンチン>

  ―南米縦断行程表の確認図—

 

La Pas   ラ・パス                                         <ボリビア首都>

Unyuni ウユニ湖                                         <ボリビア

Ragunabran(Bolivia) ラグナブラン村  <ボリビア国境の街>

 

――――<Bolivia/Chili Border>―――ボリビア/チリー国境

San Pedro(Chile) サンペドロ/チリー      <チリ>

Santiago サンチャゴ(チリー首都)

――――<Chile/Argentina Border>―――チリー/アルゼンチン国境

Mendoza メンドーザ <アルゼンチン> 

Bariloche(Argentina) バリローチェ    <アルゼンチン/パタゴニア

Comodoro Rivadavia コモド・リバダビア <アルゼンチン/パタゴニア

Rio Dallegos リオ・ガジェンゴス             <アルゼンチン/パタゴニア

―――<Argentina/Chile Border>―――アルゼンチン/チリー国境  

Punta Arenas(Chile) プエルト・アレナス <チリー/パタゴニア

<マゼラン海峡 フェリー乗船>

Porvenir(Chile)  ポロベニール                          <チリ/フェゴ島>

―――<Chile/ Argentina Border>―――チリー/アルゼンチン国境

Ushuaia(Argentina) ウシュアイア <アルゼンチン/フェゴ島/南米大陸最南端/南極入口>

 

 

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        ボリビアの首都ラ・パスからアルゼンチンのウシュアイアに向かう

               

 昨日は、時差の関係でバスに乗り遅れるという失態をおかした。

お陰で、コパガバーナのカーニバルに出くわし、体を休めることができたことで良しとしたい。

今朝は、昨日と同じ時間の午後の国際バスまで待つべきか、それともラパスへの路線バスで少しでも早く到着すべきかを決めたい。

路線バスの場合は、追加の運賃7US$(56Bs)が必要となるが、ラパス到着後ウユニ・ツアーに参加してラパス宿泊費を節約できることが分かった。

もちろん路線バスを選んで、ラパスに向かうことにした。

 

 

コパカバーナ脱出>

いよいよラパスへと意気込んでバス停に行ってみると、今日2月2日はボリビアの祝日<聖カンテラリアの日>であり、路線バスは運休しているという。

ただでさえ遅れ気味のスケジュール、どうしてもラパスに午前中に着き、街を散策したあと、ウユニ塩湖に向かわなければならない。

街角に立っていると、客を乗せたミニバンが通りかかったので、手を上げラパスへ行くかと聞き、乗せてくれるように頼んで見た。 運転手は満席を理由に乗車を拒否したが、老いぼれの東洋人に同情したのであろうか、ミニバン後方の荷物置き場にスペースがあるが、そこで我慢できるのならOKだという。

こちらは、このようなときに備えて体を鍛えてきたとばかりに荷物置き場に納まり、無事コパカバーナを脱出、ティティカカ湖にあるティキーナ湖峡の連絡船乗場まで乗せてもらうことになった。 (ミニバン料金 10Bs)

急カーブあり、凸凹ありとそれは大変、排ガスに悩まされながら1時間、ティキーナ湖峡(ティティカカ湖とウイニヤマルカ湖)の連絡船乗場まで我慢することにした。

 

ティキーナ湖峡を連絡船(1.5Bs)で渡り、対岸で客待ちしていたラパス行きのミニバン(8.5Bs/2.5H)に飛び乗り一路ラパスへ向かう。

ミニバンは、のどかな丘陵地帯を走り続け、ラパスの騒音の中に吸い込まれていった。

大変な街である。

大平原から谷底に向かって、すり鉢を転げ落ちていく感覚である。

生半可な坂道ではない。

よくもまあ標高4000mに近いところに都市(首都)を造ったものである。

太平洋からの強風を避けるために、すり鉢状の中に街を造ったという。

 

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       ラパスに向かうミニバンは、ティティカカ湖のティキーナ湖峡を連絡船で渡る

 

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    ティキーナ湖峡連絡船の乗船客           ラパス行きミニバンに乗り継ぐ

 

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       民族衣装を着飾ったボリビアの赤ちゃん(ティティカカ湖・ティキーナ湖峡連絡船で)

                Bolivian baby dressed in national costume

                    Drawing by Sanehisa Goto

 

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                 ラクダ君も湖峡連絡船待ち 

              Camel is also waiting for the strait ferry

                   Drawing by Sanehisa Goto

 

 ボリビアと言えば、夢にまで見たウユニ塩湖、ツアーに参加してランドクルーザーで走り回るつもりだ。

南米大陸一周という壮大な冒険旅行はまだまだ始まったばかりである。

 

 

■ 2月3日  ボリビア首都ラパス散策  <ウユニ塩湖ツアー準備>

 

ラパスは、標高3650mという世界で最も高い所にある首都である。

110万の人口のうち、半数以上を三つ編みの髪の上に山高帽をかぶった先住民族インディヘナ)が占める。

ラパスは、スペイン・ピサロ軍の侵入時、最も抵抗し、自分たちのアイデンディティ―を守った誇り高きインカの子孫たちが多く居住いている。

ラパスの街角では、民族衣装に身を固めた多くの人々が、商売に励み、日常生活を堅持している姿に感動させられた。

 

ラパスの街は、すり鉢状の中に造られ、その底に富裕層の邸宅が立ち並び、中腹にかけて高層ビルの建つ中心街があり、坂を上がるにつれて貧困層ポトシ)の街が広がっている。

すり鉢の底と淵には、1000m前後の高度差があるラパスは、多くの坂をかかえ交通の便が悪く、移動はロープウエイで行われる。 

3650mという高地での坂道の上り下りをしていると、息切れが激しいのでゆっくりと呼吸を整えながら歩くことにした。

 

ラパス散策前に、まずは、ウユニ塩湖へのツアーを申し込むためツアー会社<Colque Tours>に立寄った。

 

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担当者とウユニ塩湖ツアー打ち合わせている時、ツアー後ラパスに戻るのか、それとも南下してチリー国境を越えるのかと尋ねられて、はじめて国境越えツアーがあることを知った。

もちろんウユニ塩湖ツアーの後、国境越えを計画しているというと、<ウユニ塩湖経由チリ国境越えツアー>を押さえてくれた。

これでラパスに戻ることがないことが分かったので、ツアー予約後、ツアー出発の夕方まで出来る限りラパスの街を歩き回ることにした。

 

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              世界一の標高3650mにある山岳都市ラパス

 

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                 ボリビア首都ラパスの路地裏で

 

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                山の上に世界最高所の街ポトシが広がる

 

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                    ラパスのバスターミナル

 

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                 世界遺産 ラパスの山頂の街ポトシ

              背後の山 霊峰イリマニ山/ Mt. Illimami 6402m

                World heritage site Potosi, the city of La Paz

                             Sketched by Sanehisa Goto 

                      2007/02/02  13:32

 

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        ムリリョ広場にあるPalacio Legislativo De Bolivia / ボリビア国会議事堂

 

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      ムリリョ広場にあるカテドラル  Church of Our Lady of La Paz(右)大統領官邸(左後)

                             

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                     議国会事堂の衛兵

 

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              都市交通機関ロープウエーからのラパスの景観

 

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     標高3650mの盆地に密集する都市ラパス     ロープウエー下に広がるサイケ色彩の迷彩家屋群

 

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          世界で最も民族衣装に身を包んだご婦人に出会える都市ラパス

 

ラパスの街を歩いてみて、その坂の急なること想像以上である。

特に上り坂は、ゆっくりと息を整え、立ち止まりつつ、一歩を踏み出すのである。

さらに、都市計画は無秩序で、所狭しと住宅が立ち並び、道路は狭く、坂道が多いためたえず交通渋滞が起こっている。

この高低差の激しさと、無秩序な環境から、移動にはロープウェーが発達したという。

 

この厳しい環境にも涼しい顔をして日常生活を送っているラパスの人々を、ラパスの背後にそびえる雪をかぶったイリマニ山/Montana Illimani 6420mの霊峰が、あたたかく見守っている。

「慣れてしまえばなんとはないですよ」と、Café ETNOを経営する比嘉花子(沖縄県人二世)さんが、片言の日本語で慰めてくれた。

 

<ウユニに向かう>

19:00発のバスは、ラパスを出発して、ウユニ塩湖ツアーがスタートするウユニの街へ翌朝07:30に着く、長距離夜行バス(12H /80Bs)で移動する。

 

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                長距離夜行バスでウユニの街に向かう

 

ラパスを出た長距離バスは、ウユニの街への途中、バスは、午前2時ごろトイレ休憩である。

海外旅行中のバックパッカーの習性で、乗り物でのトイレ回数を減らすため、水分補給を極端に減らすことにしている。

多分そのためだろうか、車中の乾燥も手伝って、唇が割れるほどである。

3000m以上の高所移動中によくある兆候であり、走行中は水を少しづつ口に含んで耐え、トイレ休憩でコーヒーとミネラルウオーター(3.5Bs)を摂った。

 

<▼ 2/3  長距離夜行バス 車中泊> 

 

前夜、ラパスを出発した長距離夜行バスは、約12時間のアンデス山脈に広がる荒涼とした砂丘と戦いながらウユニの街に到着した。

ウユニ塩湖ツアー参加者の集合まで時間があるのでウユニの街を散策、スケッチを楽しむことにした。

 

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              ウユニ塩湖ツアーが出発するウユニの街

 

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               民族衣装の糸巻き女 (ウユニの街にて)

               Pincushion woman in national costume

                   Drawing by Sanehisa Goto

                   Feb 4, 2007   

 

 

<ウユニ塩湖よりチリー国境越えツアー>

 

ツアー旅行社 : <COLQUE TOURS>   Potosi Av. №54   P/F591-2-26933031

                      2nights 3days   @70US$

 

このツアーの特徴は、ウユニ塩湖をツアーしたあと、出発地点であるウユニの街に戻らず、チリ―との国境を越え、サンペドロの街で解散し、サンチャゴ(チリ首都)行のバスに乗せてくれるという私にとって都合よく、便利なツアーである。

 ウユニの街でスケッチし、午前11時、ツアー集合場所である旅行社に向かうと、すでに一緒にツアー参加するチリ・サンチャゴの大学生たち青年5人も待っていた。

同行するチリの学生たちも、サンチャゴに向かっての途中、ウユニ塩湖をツアーしたのち、帰国するという。

チリからの陽気な学生5人組(パンチョ・アリ・ホセ・コニ・ルシオ嬢)と、ドライバー兼ガイド・世話人であるカルメーロとわたしの7人でチームを組み、ランドクルーザーでウユニ塩湖冒険ドライブをすることになった。

 

いよいよ憧れていたウユニ塩湖に向かって、運転手を含め7人を乗せたランドクルーザーは出発した。

途中、メルカード(市場)に立ち寄り、ドライバーは期間中のわれわれの食料を調達、われわれも非常食やアメ、チョコ、日焼け止めなどを購入した。

 

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     ウユニ塩湖ツアー会社に集合         ランドクルーザーの屋根に荷物の積込み

 

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                途中のメルカード(市場)で食料調達

 

 

■ 2月4~6日  ウユニ塩湖ランクル・ツアー 2泊3日

 

<塩の大平原  ウユニ塩湖>

見渡す限りの塩・しお・シオ、氷のように真っ白である。

塩の平原と言っていいだろう、四国の半分の広さに、真っ白な塩が湖面を覆っている様は、想像をはるかに超えるスケールである。

びわ湖の何倍もある湖一面が見渡す限り塩で固まり、その湖面をランドクルーザーで駈走するのだから、今までに経験したことのないエキサイティングな大冒険である。

このような海底が隆起して出来上がった現象が、4000m近い高所で見られるとは驚きである。

この逆、すなわち海面下200mにあるイスラエル死海に出会ったときは、塩分濃度が高く浮遊体験はしたものの、それほどの驚きではなかった。

ランドクルーザーと言えば、ネパールのカトマンズからヒマラヤ越えでチベットに入った時のエネルギッシュな精悍さを想いだしたものである。

ランドクルーザーの過酷な秘境での活躍にエールを送りたい。

 

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               ツアー仲間のチリの大学生グループと

            パンチョ・ルシオ嬢・アリ・ホセ・コニ と 私

 

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                   ウユニ塩湖/Salar de Uyuni

                塩ブロック/盛り塩/ Salt Block/Prime Salt

               背後に火山ツヌパがそびえる/Volcano Thunupa

                                         Sketched by Sanehisa Goto

                                               Feb.4, 2007  12:03

 

 

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              真っ白なウユニ塩湖と湖畔に育つ巨大サボテン群

            White Uyuni salt lake and cactus growing on the shore

                     Water color painting by Sanehisa Goto

                                         Feb 4, 2007  13:10pm

 

<▼ 2/4  ウユニ塩湖 共同宿泊所 ー Puerto Chuvica村>

 

今夜は、共同宿泊所の一室をシェアーし、6人仲良く就寝である。

同宿者全員、ダイニングで夕食をとる。

隣の席には、世界一周サイクリング中のドイツ人カップル。 彼は農業に従事、彼女は薬剤師とのこと。 

彼らは、マウンテンバイクでサンチャゴよりウユニ塩湖を経てクスコからリマに抜ける過酷なアンデス越えをするのだとエキサイティングに語ってくれた。

この昼の大変な暑さと、夜の零下の冷え込み、酸素の薄さの中、テントで寝るのだから猛者の二人である。

 

共同宿泊所の夕食は、ポテト・ニンジン・チキン・ライス・豆腐スープ・ミックスフルーツ・ティー

 

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                 ウユニ塩湖ツアー共同宿泊所の夕食

 

 

■  2月5日(ウユニ塩湖ツァー2日目)

                

 ツアー2日目の朝、ウユニ塩湖畔<プエルト  チュビカ / Puerto Chuvica>村にある共同宿泊所<ホテル カクタス>で、小鳥たちや、ニワトリの時のお告げによって目覚めた。

同行のツアー仲間であるチリの青年たちから、「あなたは老後の手本のような旅人だ」と関心を寄せられ、何よりも嬉しい瞬間だった。

東の空を紅く染めながら幻想的なウユニ塩湖に昇る太陽は、この世とは思えないほどに美しく、素晴らしい。

富士山と同じ高さ3700mに広がるウユニ塩湖に、冷たさを裂いてその太陽が今まさに昇ろうとしているところである。 

その幻想的な風景を、友人である写真家 故宮内幸男氏がおさめた一枚の写真がある。

まさに天地創造の朝の瞬間である。

 

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            ウユニ塩湖に昇る幻想的な太陽 (宮内幸男氏 撮影)

 

ウユニ塩湖もモルゲンロートよろしく紅色が徐々に染みわたり、広がりゆく幻想的な風景である。

西に残る満月は、にこやかに太陽の姿を迎え入れ、その姿を消し去らんとしている。

幻想的なウユニ塩湖の朝の変化を観賞したあと、昨日知り合ったサイクリストのドイツ人カップルと早めの朝食をとった。

朝食のメニュー : ロールパン・レエイチェ・バター&ジャム、オレンジジュース・コーヒー。

カップルのランドクルーザーがエンジントラブルを起こし、出発が遅れるそうだとしきりに嘆いている。

この地の果てにいる限り、すべてはドライバー任せではないかと、お互い<That’s life!>とうなずきあった。

こちらのランドクルーザーも塩っけを抜くため出発を遅らせるとのこと、2時間ほどのあいだホテル・オーナーの娘カカロライナとお絵かきをしながら時間を過ごすことになった。

 

 

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               Painting by Carolina

 

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             ウユニ塩湖ツアーの立食式バイキング昼食

 

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                 ウユニ塩湖畔にある列車の墓場でコニと

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      結晶化した塩の表面に塩水が薄く張り、ランドクルーザーはこの上を走り回るのだ

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                真っ白なウユニ塩湖の上に立てられた土産屋

 

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                真っ白なウユニ塩湖を見下ろす巨大サボテン

 

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             憧れであった真っ白なウユニ塩湖畔を散策

 

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  ウユニ塩湖の巨大サボテンが歓迎してくれる     ツアー・メンバーとウユニ湖畔でピクニック

 

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                 真っ白なウユニ塩湖でホセと 

  

 

 <友人の写真家 故宮内幸男氏のウユニ塩湖 写真集より>

宮内幸男さんとは、2013-14年の第81回ピースボート南半球世界一周の船旅でご一緒させていただいた。

宮内さんの作品は、被写体の持つ極致美を引き出す達人であった。

船上から南半球に輝く南十字星を撮影する際には、何夜も寝ずに甲板に立ち尽くし、その一瞬の輝きにシャッターを押す、待ちの写真家でもあった。

残念ながら一昨年、長い闘病生活のあと、優しい笑顔を残され帰天された。

ここに、生前に宮内氏から送っていただいた写真の内、ピースボート乗船青年男女の協力のもと、ウユニ塩湖で撮られたトリック写真の遺作品のうち、受賞作品ほか数枚を紹介しておきたい。

幻想的なウユニ塩湖で、天地創造の中で踊る影絵の構成美は絶妙である。

 

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   ウユニ塩湖に踊る躍動美をとらえた1枚     いつも笑顔の写真家 故 宮内幸男氏(松山出身)

 

▼2/4  ウユニ塩湖畔の プエルト  チュビカ /  Puerto Chuvica村 共同宿泊所 連泊

 

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             Puerto Chuvica村にある共同宿泊所<ホテル カクタス>

 

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              ウユニ塩湖畔のPuerto Chuvica村付近で見られるサボテンたち

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   Puerto Chuvica村カトリック教会堂前で        ツアー参加者全員での最後の晩餐

 

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                ウユニ塩湖畔 Puerto Chuvica 村に沈む夕日

 

 

■   2/5 ウユニ塩湖ツアー  3日目 (最終日・国境越え)

 

ウユニ塩湖畔にあるPuerto Chuvica村で、朝04:30頭上に南十字星を見ながら起床。

6時、前日のランクル・ツアーの疲れから冷めやらない6名を乗せて出発である。

この日の朝は、手が凍えて寒さに震える状態だ。

ここは富士山よりも高い、標高3700mもあるのだ。

ウユニ湖に上がる朝日の光景を、出発までにスケッチにおさめる。

今日は、ツアーを続けながら、チリに向かう我々を国境の村ラグナブランカ/Laguna Blancaまで連れて行くことになっている。

 

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             真っ白なウユニ塩湖を見下ろすPuerto Chuvica村の朝

                   Sketched by Sanehisa Goto

                                            Feb 5,2007  06:12am

 

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                         ウユニの狐と出会う            標高4125mにあるCanapa湖に遊ぶフラミンゴ

 

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            ドライバーのカルメーロがランチの準備

 

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                                活火山ツヌパの麓にあるカナパ/Canapa湖(標高4125m)でツアー仲間と

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              カナパ/Canapa湖畔の奇岩の前で

 

<間欠泉と温泉> カリエンテス/Calientes

途中、標高4600mにある<Calientes /カリエンテス>、温泉と間欠泉を見学に向かう。

寒さ厳しく、体が震え、指凍えるが、温泉につかれという。

温泉は適温だ。 しかし、外気があまりにも冷たく、老体であるこちらは足湯にとどめるが、同行のチリの学生たちは、全員声を上げて温泉に飛び込む、もちろんスイム・パンツをはいてだ。 元気がいい。

    

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             ツヌパ火山麓から噴き出す間欠泉

 

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             ツヌパ火山の麓にある大露天風呂・カリエンテス(温泉)

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    月の砂漠のようなカリエンテス村            あまりの寒さに足湯で我慢

 

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            カナパ湖畔にあるカリエンテス・露天風呂全景

 

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    若き仲間・チリ人学生たちの入浴姿           仲間とツアー最後のランチ

 

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      活火山ツヌパ(ウユニ富士)をバックにお世話になったドライバーのカルメーロと

 

その後、チリへの越境組が集まるボリビア側ラグナブランカ/Laguna Blanca村に到着。

ランドクルーザーから荷物を降し、待つこと約1時間半、チリ―側サンペドロからやって来た、ツアー会社が予約したマイクロバスに乗って国境越え。

 

ボリビア/チリの陸路国境越えの情況と注意> 

われわれのツアー会社が手配したマイクロバスに、ほかのツアー会社に参加していた一人の日本人青年が乗ってきたことで、ちょっとしたトラブルが発生した。

どうも、青年が参加したツアーにはチリ越えは彼一人で、ここで待っていればチリ―行のマイクロバスが来るので、それに乗れと指示されたようである。

こちらのチャーターしたマイクロバスの運転手は、彼の乗車を拒否して出発時間が遅れるばかりである。

結局、青年はツアー会社に騙され、置き去りにされたことに気づき、運転手との和解に努め5US$を支払って問題は解決した。

ウユニ塩湖ツアーに参加するにあたって、チリ―側サンペドロへ抜けることを告げ、陸路国境越えの手順を確認しておくことをお勧めする。 

 

ボリビア国境にあるラグナブランカ村でマイクロバスに乗り換え、チリ側国境の<サンペドロ村>へ向かう。

ボリビア入出国管理局での出国手続きはいたって簡素である。

出国申請用紙と15Bs(ボリビアーノ)を提出、パスポートに出国スタンプを押してもらうだけである。

 

チリ側は、国境から約15㎞先の<サンペドロ村>手前で入国手続きが行われる。

まずマイクロバスを降りる時、種子や細菌の持込を防止するため、粉末消毒剤を踏まされる。

前もってマイクロバスで配られた入出国カードを提出し、パスポートに入国スタンプをもらう。

次に、記入した税関用紙とリュック(荷物)を運び入れ、すべての持ち物チェックを受ける。

特に、動植物の持込にうるさく、隠し持っているコカインには厳罰が下るようである。

すべての入管手続きが済むと、待っているマイクロバスに乗り込みチリ側国境の村サンペドロに向かう。

 

<ツアー仲間 チリ青年たちとの別れ>

泊3日のウユニ塩湖ツアー仲間であったチリ・サンチャゴ大学建築科の2人、チリ―国立大学歯

学科2人、それにサンチャゴにある専門学校のペット科在籍の女学生の5人との別れの時が来た。

それぞれ18~19歳のティーンエージャ、その考え方・行動・語学・マナー・言葉遣いのどれひとつとっても洗練されていることに驚かされたものである。

こちらが国立大学の大学院に籍を置き、教職にあることを知ってか、専門性・宗教性・人間性をもって接してくれたものである。 素晴らしい交流を持てた三日間であったことに感謝したい。

星の巡礼』の目的でもある、旅を通して愛を交歓することが出来たことを喜んでいる。

 

ボリビア / チリ国境の村 サンペドロ>

国境のチリ側の村サンペドロに到着。 

マイクロバスの運転手に、今日中に出発するサンチャゴ行バスに乗れるように交渉してもらったが、本日の座席はすべて満席とのことである。

明日午後に8席の空きがあるということで、サンチャゴまで@58US$(片道)のチケットを購入した。

ただ、情報によると、ここ国境から次の村カマラ/Kamalaまでローカルバスで行くと、サンチャゴ行きバスが複数あるという。

しかし、この三日間ウユニ塩湖ツアーでランドクルーザーに揺れて、疲れ切った体はこれ以上の行動を拒否するのである。 

今夜は国境の村サンペドロでゆっくりと体を休めることにした。

 

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    サンペドロ村のカトリック教会堂          サンペドロ村でもスケッチを楽しむ

  

 

▼2/4 サンペドロ <ホスタル・ソンチェク/Hostal Sonchek>  宿泊  @5000ペソ(10US$)

 

宿を決めたあと、国境の街サンペドロを散策しながらスケッチを楽しむ。

夕食は、昼のカレーパンの残りと、ツナ缶、トマト・プラム・ビール/CARTA BLAUCA-Chiliである。

バックパッカーは、いかなる環境にあっても、生き抜くための準備をしておく必要がある。

 

ウユニ塩湖ツアーで一緒だったチリ学生たちと、ここでお別れである。

若き彼らと兄弟のような付き合いをした情が、別れがたいものにする。

別れ際、ハグをしながら『Sane、あなたのフィロソフィーに感動した。いつかあなたに会いに日本を訪問したい。』と言ってくれた言葉がこころ深くに残った。

 

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   宿泊先<ホスタル・ソンチェク>裏庭で       バックパッカーの質素な夕食         

 

 

■  2月5日 チリ国境の村 サンペドロ 

 

一番鶏の声、騒々しい猫の喧嘩に起こされ、頭上の南十字星が目に飛び込んできた。

チリ国境の村 標高2350mにあるサンペドロの宿泊先<ホスタル・ソンチェク>で朝を迎えた。

気温は22℃、南半球の真夏の中にいる。

いよいよ、チリを縦断し、首都のサンチャゴを目指す。

 

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            Mt. Salt/Licanca’ bur Volcano w/Southern Cross

                                                活火山サルト山/リカナブル山/南十字星

                                       San Pedro/Chile

                                Sketched by Sanehisa Goto

                        Feb 5  2007 23:45

          

 

 

                                         《 南十字星 と 私 》 

                詩 後藤實久

                                         

              南十字星に出会いて

                                           われこころ踊らせ

                                           清き幸に満たされて

                                           帰りゆく星を見る

 

                                                                  南十字星輝きて

                                                              深き愛を伝えくる

                                                              熱き視線を送るに

                                                              帰りゆく星や笑ふ

 

                                          南十字星半眼で見るに

                                          大宇宙の不思議輝きて

                                          語りかけし愛を感じ

                                          帰りゆく星や歌ふ

 

                                                             南十字星の深き息

                                                             吹きかけてや輝き

                                                             われを迎えし喜び

                                                             帰りゆく星嬉しや

 

                                         なんたる南十字星

                                         温かき交わりありて

                                         感涙を誘いてや

                                         帰りゆく星送りし

 

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                  ブランカ湖/Laguna Blanca

                    ボリビア・チリ国境付近

                               Sketched by Sanehisa Goto

                                   Feb.6, 2007  09:21am

 

 

<時差調整  +1時間プラス   ボリビア/チリ国境>

国境で300US$をチリーペソに両替、@530ペソで159,000チリーペソを手にする。

バックパックをしながら、数えきれないほどの国境越えをしたが、ボリビア/チリーほどその道路事情の差異を見せつけられたところはない。

もちろん、国の豊かさの違いからだろうが、ボリビアの素朴なホコリ舞うデコボコ道が、振動のないアスファルトに急に変わるのだから、体の変化が追い付かないほどである。

ただアンデス山脈の荒涼とした木のない茶褐色な山並みの光景は変わらず、続くのである。

国境より一気にバスは、アンデスを下る。 ボリビア4600mからチリ―・サンペドロ2300mへと、その標高差は2300mもある。

一気な、急激な下山は、高山病的症状ではなく、胃腸の調子を狂わせてしまったようである。

 

サンペドロから、チリの首都サンチャゴへは2本の長距離バス(10:30am & 14:15pm @58US$)がある。

 

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                月の谷 / Luna Valley

            アンデスの山を飾る南十字星 (チリ山村サンペドロにて)

                                                         Sao Pedro/Chilli

               Feb 5,  2007 11:30pm  Feb, 6  05:30am

 

 

■  2月6日 サンペドロ ➔ サンチャゴ (バス移動)

 

《 月の谷で我が影を踏みて 》

  詩 後藤實久

 

ああわれいま月の谷 荒野をさまよいて

神のなされし 試みをおもいて沈思す

 

アンデスのいただき 白雪かぶりて

山 その姿 月影に まぶしく輝きし

 

月光に赤く染まりし大地 赤き石埋まり

荒涼たる地の果てまでも続くがごとし

 

月の谷かすかな涼けき風 肌に迫り来て

紅き月 南十字星と語りてや我を認む

 

静寂なる荒野に 神のみわざを見るに

のみ込みて こみ上げし喜びを嚙みしむ

 

いまわれここ月の谷に神と共におりて

感謝の言葉にむせび ただただ祈りし

 

 

 

《 石ころのこころ、知りて嬉し 》

     詩 後藤實久

 

石ころ君一つ一つに心魂ありて

呼びかけしわれ 石に問いかけし

「君 石ころなりしを喜びしか」

「君われ思う 心知りてや嬉し」

 

われまた 赤い大地に染まりて

君味わいし 涼風を感じて喜ぶを

われもまた君と同じく溶け合いて

赤い大地の涼風に混じりて遊びし

 

ああわれ君と遊びて愛を感ずるに

とらわれず風に逆らわず自由の身

宇宙のなか 我ら個々を尊びあい

われらいま一心の兄弟なるを喜ぶ

 

 

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                チリ山村サンペドロの朝

                      Sao Pedro / Chili

                                               Sketched by Sanehisa Goto

                     Feb. 6, 2007  08:40am

 

 

                   <聖ペドロ教会堂での祈り>

                 詩 後藤實久

                    

                    主よ、我ながい旅路が

                    神と共にあるを感謝す

                    我に与えられし人生が

                    導かれ守られんことを

                    主の深き恵みに満たされ

                    我が旅路が充足するを

                    主の温かき導きに奮え

                    わが魂 歌いて賛美す

                    神の無限なりし愛に

                    われ包まれてや感謝す

 

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                祈り・聖ペドロ教会堂にて

                   サンペドロ村 チリ

                      2007/2/6 10:28am

 

 

<サンペドロよりサンチャゴに向かう>

 サンチャゴ行きのバスは快適なリクライニングシートの長距離夜行バスである。

2月6日サンペドロを14:15発、翌日2月7日13:00到着、約23時間のロングランである。

 

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                                                                  サンチャゴ行き長距離バス (サンペドロ / チリ)

 

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                                                 アンデスの茶褐色の砂丘陵が、月の砂漠のように続く

 

バスの昼食休憩は、朝食を兼ねベジタリアン・レストラン<Café Sonchek>でとる。

メニューは、野菜サラダ付きのオムレツ・パン・コーヒーで、3600チリーペソである。

いま12:32、出発前の腹ごしらえをし、車中での非常食として果物とビスケットとミネラルウオーターを購入する。

ボリビアからチリに入って、まず出くわすのは、蝿の大軍に襲われることである。

食べ物に蝿が群がり来るので、蝿を払いながら食べるのである。

こういう光景は、南米ではよく出くわす。 ブラジルでは、肉屋にぶら下がった肉が、真っ黒になるほど蝿で覆い隠されている光景によく出会ったものだ。

しかし、スペイン風パティオに咲く花々は、旅人のこころを慰めてくれるから、蝿の不作法は許されるのであろう。

珈琲を飲みながら、マリンブルーの空のもと、パティオの花を眺め、流れる情熱的なラテン音楽の調べに耳を傾けていると、幸せが満ちてくる。

朝、描きかけたスケッチに彩色をほどこしているおのれが、南米のチリ―にいるというだけで夢心地である。

 

これより、サンチャゴに向けてほぼ丸一日、アンデスの荒涼とした砂丘陵のなか、バスによる長距離旅行である。 それも車中泊であるから子供のように心が高鳴るというものだ。

手元には水も、非常食もある。 トルストイの短編集「人はなんで生きるか」もあり、読破したい。

有り余った時間は、アンデスの山々に魅入りたい。 なんと贅沢な時間であろうか。

夜行バスが、アンデスの天空の峰々を駆け抜けて、わたしを夢の世界へと誘うと思うだけで興奮を抑えることが出来ない。

 

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                           ベジタリアン・レストラン<Café Sonchek> での ランチメニュー

 

 

 <サンチャゴへの道>

 

バスは、チリ―最北部Moon Valleyを抜け出て、快適なアスファルト道路を一路南下、サンチャゴに向かっている。 立派な道路をバスは、約100km/hのスピードで走り続けている。

見渡す限りのアンデスの不毛、砂丘地帯の風景が4時間ほど続く。

その砂漠に、道路に沿って見え隠れしながら幾本かのパイプラインが敷設されているのが、この国の豊かさを現わしているようだ。

チリ―は世界有数の鉱業大国であり、レアメタル/鉄鋼材料の添加剤/希少金属としての銅・モリブデン・リチウムなど豊富な鉱物資源を有している。

道路からは、大型の掘削用重機が多くみられるとともに、掘削した鉱物資源を運ぶ鉄道が延々と続く。

住人の服装も西欧化され、白人系が多く住んでいるようだ。

ペルーの山岳地帯やボリビアで出会った民族衣装を身にまとった古典的な人々と接したあとだけに、ここがアンデスの中にあるチリーなのかと、それぞれのインカの末裔がたどった歴史を目の当たりにして、驚きを隠すことが出来ない。

チリ―は、ペルーやボリビアより西欧に近いのだ。

 

砂漠地帯特有の丸帽子草をときどき見かけるほかは、月の砂漠のように水もなく、生き物を見ることもない。

沈黙の中にこそ神はいたもうと思えば、沈黙と対峙している今こそ、神の言葉を聞くことのできるその時であると云える。

こころしたい。

 

19:45pm、出発して4時間後、太平洋に面した大きな街Antofagastaに着いた。

サンチャゴに向かう沢山の乗客が乗り込んできた。

バスは、さらに南へ向けて走り続けるが、相変わらずのアタカマ砂漠がつづき、まるでペルーのナスカにいるような錯覚を覚える。

ただ自動車の量が増え、このような砂漠にも街が発達するものだと感心もさせられた。 ただ、その砂漠の街に育つ樹々の一本一本にはウオーターパイプが水を運んでいるのである。

いや、大変な乾燥地帯である。

 

南米の夏の夕陽に照らされた砂漠の丘陵は、月旅行をしているように、紅色に変わり、その化粧の美しさに目を見張った。

バスは、さらにアンデスの山並みを走っているはずだが、あのマチュピチュで見慣れたアンデスの男性的な山姿には出会っていない。

 

▼2/6 車中泊(サンペドロサンチャゴへの長距離夜行バス)

 

サンペデロを出発した翌日、午前6時50分、ラ・セレナ/La Serenaを通過し、サンチャゴへあと5時間の地点で初めて草の生えたパンパ(大平原)に出た。 

チリの首都である大都会サンチャゴ/Santiagoも近いようだ。

 

バスの通過時間を記しておきたい。

<国境の街サンペドロ 2/5 14:15発 ➔ コピアポ/Copiapo 2/6 02:30通過 ➔ ラ・セレナ 06:50通過 

    ➔ サンチャゴ 13:00 到着>

 

 

■  2月7日  サンチャゴ <チリ首都>

 

このバス旅行でも、可愛いチリの紳士・淑女と友達になった。

相変わらずの草木一本も見当たらない砂漠の風景に飽きた少年少女は、見慣れない東洋のおじいさんに興味を持ってくれたのである。

素敵な友人たち3人は、サンチャゴ大学歯学部教授のお子さん達である。 

家族で里帰りからの途中だという。

バスの中では、スペイン語の会話を教えてくれたり、一緒にスケッチしたりと楽しい時間を過ごした。

 

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      サンチャゴ行き長距離夜行バスで仲良しになったチリの豆紳士と淑女

             (左から ホセ・アンドリュー・アンドリア)

 

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       ホセの絵ラビット                   ホセ

 

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        アンドリア             ホセが描いたわたしの似顔絵

 

13:00丁度、ホセ、アンドリュー、アンドリアとのお遊びに興じている間に、バスはサンチャゴ駅横のバスターミナルに滑り込んだ。

まるでインカの古代文明から、西欧の近代文明に迷い込んだような錯覚にとらわれたものである。

一歩バスを降りて、近代都市の抱える充満した人間の熱気や排気ガスに息苦しさを味わうことになった。

 

さっそく、この都会の雑踏を抜け出し、アルゼンチンの素敵な田舎メンドーサにエスケープするためにバス会社に飛び込み、チケットの申し込みをする。

しかし、メンドーサ行きのバスは全席満席とのこと、翌日の夜の座席を確保し、ようやく予約することができた。 どうも、チリーはバケーション・シーズンで、どこも混雑しているようである。

バス・チケットは、列車駅より5分ほど離れたTerminal de buses Santiagoで購入する。

 

<サンチャゴ07:30am発メンドーサ着 翌日16:30pm    マイクロバス @1200ペソ>

 

結局、当日のチケット購入に失敗し、逃げ出したかった雑踏のサンチャゴに1泊することになってしまった。

バックパッカーとしての節約精神から、駅裏のキッチン宿(ホテル34―@7000ペソ/14US$)に投宿。

これがまた大変な宿、1畳半ほどのベニヤ壁の粗末な部屋、まず隣の部屋の声が丸聞こえであり、部屋の鍵が壊れており、自衛を余儀なくされる。

部屋の枕元の板壁に、にこやかに迎えてくれるマリリンモンローのピンナップが飾られているのが印象的であった。

サンチャゴの夜も遅くまで騒々しく、ホテル(木賃宿)の出入りも賑やかである。

サンチャゴ脱出は正解であるようだ。

 

夕食は、白身魚のムニエルに、ポテトスープ、野菜サラダとパン、地ビール(cerveza)である。(300ペソ)

 

南米の地図、特にチリの形を見ると、その南北に伸びた姿はまるで南米大陸の背骨のように伸びていることに気づく。

その背骨であるアンデス山脈はチリ中部プエルト・モン辺りで、すなわち太平洋岸・西側で断崖となって切り落ちている。

そのため南へ向かうためには、どうしても一度アルゼンチンに入り、アンデスの東山麓パタゴニア・パンパを南下する必要がある。

今回も、サンチャゴから、メンドーサ―に出て、アルゼンチン側のパンパ(大平原)やパタゴニアを下ってチリーに再入国することにしている。

 

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                                  サンチャゴ駅構内 (バスターミナルは駅より徒歩5分ほどのところにある)

 

▼2/7  サンチャゴ(チリ首都)  <HOTEL34>  @7000ペソ  サンチャゴ駅の裏手

 

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                              サンチャゴ駅裏にある<HOTEL34>の入り口    と 板壁シングル・ルーム

 

明朝07:00発のメンドーサ行バスに乗るので、バスターミナル近くの<HOTEL34>に投宿する。

とんでもなくひどい木賃宿であることはすでに述べたが、バックパッカーとしてはいかなる状態、いかなる所でも眠れなければならないという覚悟が必要である。

湿った部屋では、マリリンモンローが笑顔で迎えてくれた。

ここ<HOTEL34>が、この南米一周巡礼路の聖地と思えば、有難く,こころして眠りにつけるというものだ。

 

 

■ 5月8日  サンチャゴ  スモッグの朝に驚く

 

朝3時ごろから、南米に入ってはじめて下痢症状に見舞われる。

下痢状態でのバス移動ほど苦しく、大変なことはない。

しかし、世界を旅する限り、生水からくる下痢症状はつきものである。 さっそく救急袋から下痢を一発で止める<ストッパー>を取りだして服用。 さらに調剤の抗生物質と、念のため正露丸を口に放り込む。

後は出来る限り、水溶性の便を出し切っておくことに集中する。

急性下痢の原因は、魚定食についていた生野菜のサラダのようである。

普段は水洗いの生野菜を口にすることはないのだが、野菜不足や、慣れと気のゆるみからか口にしたものだ。

 

移動中のバスの中でのピーピー程苦しく、ほかの乗客に迷惑をかけることはない。

また、生水からの細菌性下痢は、待ったなしにピーピーがやってくるから始末が悪いのである。

世界を旅していて、何度バスを急停車させ、近くの樹木の影や、窪地や、他人の家のトイレに飛び込んだことか。 

生水は、いかに注意していても口に入ってくるから致し方がないが、始末が悪い

薬の準備と、生水への予防対策(絶対に口にしない・手洗い励行)をたてて、恐れずに旅を続けている。

 

サンチャゴ中央駅から北へ歩いて5分ほどのサンチャゴ・バスターミナルの隣にあるアラメダ・バスターミナルからメンドーサ―行のミニバスが出る。 チケットは59番窓口<COITRAM/SERVICIO MINIBUS MENDOZA>で購入する。

 

07:30 メンドーサ/Mendoza行ミニバスに乗る。 (1200ペソ)

 

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 アルゼンチン・メンドーザ行バス・チケット購入      メンドーザ行小型バン(ミニバス)

         <列車駅より北5分に所にあるアラメダ・バスターミナルにて>

 

再度、アンデス山脈を横断して、メンドーサ(アルゼンチン)へ向かうのいである。

途中、アンデス山脈、いや南米一高い山アコンカグア山(6961m)のフランカ/Franca峠4200mを越えていく。

バスでは、揺れながらスケッチに一生懸命に手を動かした。

 

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       チリから見るアンデス山脈(南米)で一番高い山 アコンコグア山6961m(奥)

           (サンチャゴよりメンドーサ / アルゼンチンへのアンデス越え)

              

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              アカンコグア山6961m (チリ―側)

               Peak of Mt. Aconcagua 6962m (Chili side)

                   Sketched by Sanehisa Goto

                    Feb 8,  2007  10:36pm

             フランカ峠4200mからのアコンカグア山の眺望がいい

 

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                     夜間ハイク中止によるアカンコグア山と星座/南十字星の関係 想像スケッチ

 

 

この南米一周の旅の7年後、機会に恵まれてピースボート81<世界一周南半球一周>の途上、太平洋バルパライソ沖よりアンデス山脈にそびえる南米一高いアコンカグア山をパノラマスケッチにおさめたので、その雄姿をご紹介しておきたい。

 

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           パルパライソ沖 太平洋上より眺めるアコンカグア山(中央)

           Mt. Aconcagua seen from above the Pacific Ocean (center)

                   Off the coast of Valparaiso

                 Water color Painting by Sanehisa Goto

                                                     Jan 24, 2014 

 

 

■ 2月9日 アンデス山脈フランカ峠越え 

🚐 サンチャゴ(ペルー)メンドーザ(アルゼンチン) 

 

アンデス山脈のフランカ峠を下るにしたがって、アルゼンチン側の猛暑が待ち受けていた。

チリとアルゼンチンの国境で、簡単な入出国と税関検査を受ける。

国境というところは、通過するときはいつも一種の緊張が走る。 しかしここチリーとアルゼンチンの国境はいたって平和、両国のフレンドリーな関係が緊張を緩和させているのであろう。

 

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  サンチャゴ(ペルー)メンドーザ(アルゼンチン)は険しいアンデス山脈フランカ峠を越えて行く。

 

現在、アカンコグア山を越えるフランカ峠を喘ぎながらミニバスは上っている。

雪残る山嶺が美しさの中に、険しく厳しい姿を見せている。

2007年2月8日、10時45分アンデスを越えた記念すべき日である。

フランカ峠からメンドーサへは、191㎞と標識にあった。

       

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          アコンカグア山6961m チリ側の勇姿 (フランカ峠手前チリ側)

 

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                             アコンカグア山6961m アルゼンチン側の勇姿 (フランカ峠越え)

 

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          フランカ峠を越え、アコンカグア山を背後にメンドーサ―に向かう

 

 

サンチャゴを出発して、アコンカグア山越えのフランカ峠まで約4時間かかっている。

後は、アルゼンチン側の豊かなパンパ(緑の大平原)に迎えられ、地平線に向かって葡萄畑が延々と続いている中を191km走ってメンドーサに着くのだ。 

南米で一番豊かな国の風景である。

 

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            有名なメンドーサ・ワインを産する葡萄畑

         アンデス山麓まで続く広大な葡萄畑が延々と続く豊かな風景である

 

16:00過ぎ、ミニバスは約8時間走って、予定より少し遅れてメンドーサに到着した。

さっそく投宿先を探すが、バケーション・シーズンなのと、メンドーサという避暑地としての人気からか、部屋が全部ふさがっているという。 

三軒目の<KAPAC HOTEL>で、ようやくダブルルーム(@80チリ・ペソ/27US$/3000円)があるという。

バックパッカーとしては贅沢な宿泊費、アカンコグア・夜間トレッキング・ツアーをキャンセルし、宿泊代に充てることにした。

楽しみにしていた夜空にそびえるアカンコグア山と南十字星のスケッチを、昼見た山を想像しながらスケッチに描いてみた。(前掲)

 

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    疲れ顔 KAPAC HOTELのロビーで      バケーション客でメンドーサは混雑していた

 

とにかく、体調の回復と休養に努めることにした。

1日ほとんど何も食べずに過ごした甲斐あって、下痢の症状も改善されたうえに、お腹がすいてきた。

さっそく近くのスーパーマーケットでトマト2・バナナ2・生ハム・インスタントラーメン2・ビール・フランスパンを購入し、ホテルでかぶりついた。 

ビールは、時としてミネラルウオーターよりも安く手に入り、ミネラル水よりも殺菌性が高いのでよく利用している。 海外では、時としてペットボトルが、再注水して売られていることがあり、旅人は密閉されたキャップの確認にこころすべきである。

 

▼2/8 -10  KAPAC HOTEL(@80チリペソ/27US$/3000円) メンドーサ3連泊

 

 

■  2月9日 休養日 メンドーサ滞在(アルゼンチン)

 

今日も主に守られていると思うとこころ踊る。

ここ数日間、アンデスの山を駈けるバスに揺れ続けたうえ、生水にやられ、サンチャゴからのバスでは食事を控えていたため体調もすぐれない。

すこし疲れがたまったようである。

朝食は、ホテル代込み、ピーチジュース・アプリコットゼリー・フルーツサラダ・菓子パンにコーヒーである。

久しぶりの休養日、パティオに咲く花を愛でながら、ウユニ塩湖以降のスケッチの彩色にとりかかった。

 

 

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           ホテルの簡単な朝食(宿代込み) KAPAC-HOTEL/メンドーサ

 

メンドーサの街は、避暑地としても有名、人口が何倍も膨れ上がっているようである。

ここが南米かと疑うほどヨーロッパの避暑地と変わらない上に、ここに来るまでに過ごしてきたアンデスの住人とは全く異なる人種が闊歩しているのだから、白人の世界に迷い込んできたみたいな錯覚に襲われた。

 

外は、なんと暑いことか。

頭から汗がしたたり落ちてくるのである。

甘党の私には、アイスクリームとチョコレートがあるのがいい。

それも種類が多く、めっぽう美味しいのである。 暑い時にはアイスクリームに限る。

 

メンドーサの街角には、お花屋さんのスタンドが立ち並び、その鮮やかな色彩は観光客を楽しませてくれる。

街を散策しながら、次の目的地である南米のスイスと言われる<バリローチェ>へのバス予約をするために旅行社に立寄る。

メンドーサからバリローチェまで、約2000kmを19時間かけて長距離夜行バスで移動する。

 

🚐 Mendoza 20:00出発 ➔ Bariloche 翌日13:30到着 2000km 19H  50US$>

     バス会社:ANDERSON CO. 座席番号#43 

 

19時間のバス旅行に備えて体を休めておくことにして、葡萄畑にでかけスケッチを楽しんだ。

白い雪をかぶったアンデスの山々の見下ろす葡萄畑が、その山裾に消え入るように広がる様は、はじめてパンパ(緑の大平原)を目にする者にとってその広大さは驚きであった。

 

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       花を愛するアルゼンチン人、メンドーサの街角には必ずお花が溢れている

 

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          雪かぶるアンデスの山の前に広がるメンドーサの見渡す限りの葡萄畑

              A vineyard as far as the eye can see from Mendoza

                in front of the snow-capped Andean mountains

                     Sketched by Sanehisa Goto

 

 

<バイキング形式の中華料理>

腹痛(下痢)で食事を抑えていた空腹を満たすため、中華のバイキングに挑戦した。 世界のどのような小さな街でもお目にかかれる中華料理店、その味は絶品、またそのボリュームは最高である。

また食べ残しは、入れ物に包んでくれるのだから、バックパッカーの救世主であると云える有難い存在である。

 

日本を出て以来、口にしていなかったナスビと茹で卵とを目にしたときの、なんと新鮮で嬉しかったこと、真っ先にプレートに盛り付けたものである。

また、ボリビア国境以来、日本人はおろか、東洋人にもただ一人として会っていなかった。

ここ中華料理店で、もちろん中国人オーナーと出会っただけで、ほっとした気持ちにさせられた。

異国、特に辺境の地を旅するときは、孤独である。 

ただ独りで、国を代表しているようなものである。

なにか事故や事件があれば孤の人であり、たえず緊張の中にあるのだ。

時として僻地で、日本の冒険青年にばったりと出会うことがある。

嬉しさがこみ上げ、その日本語に安心し、自分を解き放つものである。

 

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                  中華バイキング(18ペソ)                                

          

           

■  2月10日 パタゴニアに向かう     

🚐移動  メンドーザ(アルゼンチン) バリローチェ(アルゼンチン)  944km 19H

 

これから向かうバルローチェ/正式にはSan Carlos de Barilocheは、標高770mの高地にあり、ナウエル・ウアビ湖畔にある<南米のスイス>と呼ばれる風光明媚な地である。

背後にはセロ・カテドラル山/Cerro Catedral 標高2388mがそびえる国立公園の中にある。

 

チェックアウトを済ませ、バスターミナルへ直行、バックパックを預け(3US$)、まずトイレでバス乗車前の下痢予防対策をとる。

長距離バス移動における万が一を考え胃腸を出来る限り空にし、正露丸を放り込むという原始的な予防法である。 あと、緊急用チャック付冷凍保存バックとウエットティッシュと水と下痢止め薬<ストッパー>がウエストポーチにあるかを確認する。

バス移動中の下痢症状ほど、悲惨なことはないという経験からの<備えよ常に>である。

 

次に、非常食である果物(バナナ・リンゴ)とビスケット、チョコレート、ミネラルウオーターを購入、最後にATMで両替して、バス旅行の準備を終えた。

バス出発まで、ガーデンテラスでコーヒーを注文、スケッチの彩色を続けた。

さんさんと照る南半球の太陽の光を受けて、メンドーサ―の街路樹は透き通る緑の美しさを競っている。

この美しさを、美しさとしてとらえられるこの現象もまた神の贈り物であると思うだけで嬉しさがこみあげてくる。

ズボンにボールペンからあふれ出た油性のインクがべっとり付着しているのに気づいた。 メンドーサの暑さに日本から持参したペンが耐えられず、逆流したのであろう。 もちろん現地のボールペンを、さっそく2本(2ペソ)手に入れた。

 

 

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           メンドーサ・バスターミナル・カフェテラスで

                       2007/02/10 11:32am

 

12:30~18:00まで、メンドーサの多くの店が、シエスタ―(午睡)をとるらしい。

店のシャッターを閉め、家に帰ったり、公園の木陰に寝そべるのである。

カフェテラスの私の周りでも、犬たちが横になったり、足をひらけて昼寝である。 

いやはやメンドーサ―の暑さは猛烈である。 

ただ日本の夏と違って、蝉一匹鳴かない静寂の夏である。

 

わたしもスケッチの彩色を中断し、この暑さをさけるため、カフェテラスの芝生にフリースを広げて、寝ころんでトルストイ短編集「人は何で生きるか」のページをめくってみた。

52ページに、『すべての人は、彼らが自分で自らのことを考えるからではなく、人々の心に愛があることによって、生きているのである。』 とある。

 

確かに人はみな、「何かを待つ」ている。 この世をはなれて、天に帰る日をである。 この待つ時間が人にとって大切に思えてならない。

時と共に流れながら、ひとの愛を見つめなおすことが出来るからである。

 

<長距離バスの乗り方>

世界各地で、長距離バスに乗る場合は、まず自分が乗っているバスの外観(形・配色・ロゴ・行き先・プレートナンバー)と、ドライバーの特徴や癖、同乗者とくに自分の周りの乗客の顔や性別などを詳しく観察しておくことである。

そして、前後左右の隣人に声掛けして、顔見知りになっておくことにしている。

特に、バスドライバーにはたえず声掛けをして、こちらを覚えてもらうことが重要である。もちろん途中でドライバーが交代することもあるので、その都度ドライバーとのコミュニケーションをとっておくことが大切である。

シベリアや中央アジア、アフリカや中国の奥地などでは何日間もバスで寝起きしながら、目的地に向かうことがある。 もちろん、バスもまた寝台バスになっていることもある。

休憩地では、多くのバスが集散するので、同じ会社のバスや、よく似たバスで混雑し、錯覚を招くことがある。

このような場合、ほかのバスに乗ったり、残されたままバスが出発してしまうことがある。

かかる場合に助けてもらえるのが顔見知りの乗客や、ドライバーであるからである。

その上、休憩停車中は、ドライバーが見える範囲内か、同じバスの群れの中にいるように注意することが肝要である。

バスが休憩する前に、ドライバーが出発時間や、駐車位置をアナウンスするが、南米ではスペイン語か、ポルトゲスなので、聞き取れなかったり、理解できなかったりすることが多いので、特に注意が必要である。

 

一度、モンゴルのウランバードールのバスターミナルで、多くのバスが待つなか自分の乗るバスと思われるドライバーに乗車券を見せて、行先を念押したうえで乗車したはずが、ここは私の席だと言い張る乗客がいて初めて、バス間違いに気づいて慌てたことがある。 問題はドライバーの不親切さだが、こちらの発音にもおおいに原因がありそうである。

それ以来、英語圏以外ではドライバーに、乗車券を見せ、行先を何度も念押しをすることにしている。

 

また国や、地域によってバスの行き先の標示の仕方が異なることや、数字がアラビア文字(アラビック)であったりと、特に長距離のバスに乗る場合は、気を付けたいものである。

 

<40分遅れでバルローチェにむけ出発>

日本以外で体験する発車時間があるようでないバスの発車風景、一切のアナウンスなく、乗客も騒ぐことなく、バスはいつもの通り静かにメンドーサのバスターミナルを40分遅れで、20:40pm、バリローチェに向かって走り出した。

バスそのものは、メルセデスベンツ製で最新型、重厚で豪華そのものであり、どっしりした走りをする。

約18時間の長距離ドライブ、アルゼンチン中部に位置するナウエル・ウアピ国立公園にあるバルローチェ向かう。

 

▼2/10 長距離夜行バス  車中泊

 

 

■  2月11日  <メンドーサ➔バリローチェ 長距離夜行バスで走行中>

 

バスは、アルゼンチンのパンパ、大草原の朝日に迎えられて一路バリローチェに向かっている。

 

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               アルゼンチンのパンパ(大平原)に上がる朝日

         Sun rising to Pampa (Great Plains) in Argentina

                Sketched by Sanehisa Goto

                        Feb 11, 2007  06:25am

 

 

<アルゼンチンのパンパ/大草原をバスで縦走>

このように豊かな国がこの地球星にあるものである。

プラタナスが天を突くがごとく育ち、灌漑用水路が縦横に張めぐらされ、パンパ/大草原は緑の豊作物で埋め尽くされている。

北海道のあの豊かな大地でさえ比較にならないほどの広大さである。

リンゴ畑など何時間も延々と続くのである。

360度の視界に山影はなく、地平線の真ん中をバスは走り続けている。

アンデスの山並みはどこに消えてしまったのだろうか。

 

自然の豊かさに比べて、農村の家々は少し疲れて見える。

煙突から立ち上る一筋の白い煙が晴天に吸い込まれていく風景がパンパによく似合う。

パンパを走る田舎の小径は、みな赤土であるのがまたいい。

 

パンパが終わり、手つかずの大荒野が残され、ところどころに牧場の緑の芝生がパッチワークのように見えだす。 将来のパンパとして残されている未開の地のようである。

今から50数年前、卒業して間もなく南米移住を志望する青年が集って、訓練を受けたキリスト教系<力行会>という実修所が東京江古田にあった。

そこで同期であったK君は、養鶏農家目指して、アルゼンチンに移住したことが想いだされた。

この広大なパンパのどこかで養鶏に一生を捧げ、がんばっていると思うと感無量であった。

 

バスの車窓から美しいナウエル・ウアピ湖に映るアンデスの山嶺をスケッチにおさめている間に、バスは終点バリローチェに近づいたようだ。

 

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 12:30am    ナウエル・ウアピ湖 バリローチェ (バス車窓よりスケッチ2景)      13:15

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<バリローチェに到着>

13:18pm バスはナウエル・ウアピ湖の美しい景色の中に吸い込まれるようにバリローチェのバスターミナルに滑り込んだ。 出発の遅延は、15分早く到着して修正、すべてよければOKであり、大陸的である。

やっとのことで、パタゴニアの入口に着いたが、これからが大変である。

そう、自分が行きたい土地へ、行きたいときに、行ってくれるバスがないという不便である。

もし、バスの便があったとしても、週に何便しかなかったり、当日であれば満席で乗ることすらできず、2~3日足止めされる羽目にあう。

他の会社のバスを探すにしても、スケジュール通り、思いのままに行動することは望めない。

便があるならば、躊躇せず目的地まで行ってしまうのが賢明である。

 

ということで、バルローチェの観光を楽しむ暇もなく、現地のバスの便をチェックし、次の目的地ウシュアイアへ向かう一番早い便を乗り継ぐことにした。

乗継便の時間を惜しんで、バスターミナルから、ナウエル・ウアピ湖/Lago Nahuel Huapiに映るアンデスの山々をスケッチした。

 

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                                  ナウル・ワラビ湖に映るアンデスの山々  (バリローチェ/アルゼンチン)

 

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         ナウエル・ウアピ湖/Lago Nahuel Huapiに映るアンデスの山々

           Andean mountains reflected in Lago Nahuel Huapi (Argentina)

                   バリローチェ/アルゼンチン

                 Water Color Paiting  by Sanehisa Goto

                    Feb.11,2007  14:38pm

 

 

■  2月12日 バリローチェよりウシュアイアへ向かう

 

<ウシュアイアへの道のり ―乗継地―>

🚐バリローチェ コモドーロ・リバダビア    リオ・ガジェンゴス ウシュアイア

  Bariloche   Comodoro-Rivadavia   Rio-Gallegos  ➔   Ushuaia 

 

バリローチェ        20:40発    06:00着   コモドーロ・リバダビア車中泊

リバダビア            08:00発       18:30 着  リオ・ガジェンゴス(ホテル泊) 

リオ・ガジェンゴス   08:05発    ➔     21:00 着  ウシュアイア

 

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乗継地バリローチェ / ナウエルウアピ湖畔でスケッチ   歓迎・バリローチェへようこそ<素敵な旅を>

 

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                        バリローチェ・バスターミナルから次の乗継地コモドーロ・リバダビアへ向かう 

 

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                          バリローチェの夕焼け

 

 

           ▼2/11    コモドーロ・リバダビア行長距離バス    車中泊 

 

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               コモドーロ・リバダビア行長距離夜行バス

 

 

■ 2月12日 パタゴニア・パンパを縦断、コモドーロ・リバダビアへ向かう

 

バリローチェからウシュアイアへの直通バスはなく、途中でバスを乗り継いでいくことになる。

バリローチェから、コモドーロ・リバダビアへ向かうバス会社<DON OTTO-Lider Patagonico>のサービスの悪さに、バックパッカーという過酷な条件を知り尽くした者にでさえも、愚痴るほどであった。

長距離バスであるにも関わらず、食事のサービスはなく、乗降者の無い各バス停に止まるなど、まるでローカルバスである。

夜中空腹を覚え、バスの休憩時間に小さな村に立寄ったので、店に入ってみたが食べ物は無い状態である。

もちろんかかる状況にも備えて非常食を買込んでいたので、水・バナナ・ビスケットで空腹を満たした。

 

ここは辺境の地、パタゴニアである。 バス路線があるだけでも有難いと思いなおして、ウシュアイアまで有意義に時間を過ごすことに気持ちを切り替えたものだ。

 

コモドーロ・リバダヴィアへは、バリローチェから始まるパタゴニアという険しい山塊を進むことになる。

また、多くの氷河が重なるパタゴニアアンデスの絶景を見ながらの旅でもある。

バリローチェを出てすぐ、右手に見える富士山に似たトロナド―ル山3554mの美しいシルエットに声を上げた。

車窓からのスケッチを楽しみたい。

 

アンデス山脈は、すでにたどってきたマチュピッチュ、クスコ、ラパスを含む高山としての北アンデスと、サンチャゴよりバリローチェに至る高原のひろがる中央アンデスと、これより分け入る険しく平地の無くなるパタゴニアにそびえる南アンデスの、異なる三つの様相を見せる。

 

バリローチェからの変化に富んだパタゴニアアンデスは、手つかずの自然が残る秘境とも言える。 パタゴニアは、南アンデスを境にチリー側パタゴニアフィヨルドと、アルゼンチン側パタゴニア・パンパに分けられる。

 

パタゴニアの自然の素晴らしさは、荒々らしい山姿の凄味と、見渡す限りの荒涼とした大平原に見ることが出来る。

スイス周辺のアルプスのように、その美しい景観をコンパクトに、一枚のキャンバスに描き上げることは出来そうにない。 

しかし、パタゴニアの景色は、広大な南アンデスの中に散りばめられ、全体として大味であるが、それぞれのシーンを切り取る時、その山々の燃え立つパワーや、見渡す限りの地平線が空と一体となった風景など

、静かなるエネルギーを身近に感じるのである。

 

パタゴニアは、アンデス山脈の東西によって、アンデス山脈の東に広がる荒涼としたアルゼンチン側の<パタゴニア大平原/PATAGONIA・PAMPA>と、アンデス山脈の西に鎮座するチリ側の<パタゴニアフィヨルド/PATAGONIA・FJORD>に大きく二つに分けられる。

 

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              アルゼンチン・パタゴニア/南アンデスの山嶺 2景  

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                                              パタゴニアアンデスの岩稜①  (アルゼンチン)

                      奥にトロナド―ル山3554m

                                                    Rock Ridge of Patagonia Andes (Argentina)

                                           Sketched by Sanehisa Goto

                                                 2007/02/11  16:48pm

 

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                       パタゴニアアンデスの岩稜② (アルゼンチン)

                                                        Rock Ridge of Patagonia Andes (Argentina)

                                                                          Sketched by Sanehisa Goto

                                                           2007/02/11  18:18pm

 

 

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                 パタゴニア大平原パンパ (アルゼンチン)

 

 

▼2/12  コモドーロ・リバダビア行長距離バス  車中泊

 

 

■ 2月13日 リオ・カジェンゴスに向かう (バス移動中の宿泊立寄り地)

 

🚐移動 コモドーロ・リバダビア 08:00発 ➔ リオ・カジェンゴス 18:30着 

         <Comodoro Rivadavia Rio Gallegos>

         バス会社:<DON OTTO SIDER PATAGONIA>(10H 68US$)

 

朝、06:00am ほぼ時間通りに大西洋岸の人口13万人の中堅都市<コモドーロ・リバダビア/Comodoro-Rivadavia>に到着した。

ここで、08:00am発の長距離バス<リオ・ガジェゴス/Rio Gallegos>行に乗り継いでウシュアイアを目指す。

バリローチェからのバスでは、最後尾の座席であったため、揺れが激しく、漏れ出した排ガスのお陰で眠りを妨げられたものである。

バックパッカーは、旅先でのバスチケット購入にに際して、どうしても現地の乗客が予約したあとの座席を振り分けられることになる。 その場合、どうしても最後尾の空いている座席が与えられることになる。

シニア・バックパッカーには睡眠不足ほど体にこたえることはない。

乗継のわずかな時間だが、腹ごしらえと、仮眠をとっておくことにする。

 

06:41 いままさに真紅の朝日が大西洋に昇りつつある。

テラスのテレビでは、イランのラジャ二大統領が、反米のアジ演説に声を上げ、国民は国旗を打ち振って応えている。 権力の誇示は、この清らかな朝日には似つかわしくない。

人間は、なぜ覇権を望み、敵対し、憎しみあうのであろうか。 

愚かである。

 

コモドーロ・リバダビアというアルゼンチンの大西洋岸にある地方都市で、バス乗継というわずかな時間に滞在し、サンドイッチとコーヒーを口にしながら、旅のひとどきを過ごしていることに、贅沢を味わっている。

この騒々しい世の中でも、朝日は今朝もその魅力を余すことなくプレゼントし、魂の浄化に尽くしてくれているから素晴らしい。

 

 

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                  朝焼けの大西洋を見渡す乗継地コモドーロ・リバダビア・バスターミナルにて

 

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                      Terminal De Omnibus - C.RIVADAVIA/コモドーロ・リバダビア・バスターミナルにて

 

旅をしていると、どのような小さな人の善意や親切も、こころを震わすものである。

今朝も、うっかり老人の忘れサングラスを親切にも届けてくれたひとがいる。

小さな善意、人を思いやる心こそ、平和な世の中をつくる一歩であるといえる。

気持ちのいい朝だ。

 

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         リオ・ガジェゴス/Rio Gallegos>行きバス(リアのパタゴニア山稜写真)

 

ここバスターミナルのテラスで、新鮮な朝日と共に、向かいに座っていた10歳ほどの、黒い瞳を持つ少女とのなんともいえない素敵な無言の会話の交流を持った。

 

お互いに認め合い、何かを求め合うという無言の会話、そのようなこころの会話を持つことはないだろうか。 そこには魂の触れ合いが、互いに引き合うように感じられることがある。

お互いの感情がふつふつと湧き上がっているが、言葉には出さず、ひとみで語り合う時間がゆったりと流れる。

そこには、あたたかい心の通った、飾る必要のない会話が、静かに無言の中に流れる。

いまわたしは、神の瞳とアイコンタクトしているのであろう。

わたしたちの間に、神の存在を感じている瞬間である。

そこには幸せを認め合った、それぞれの幸せが感じ取れる。

お互い微笑みを交わし、目と目で別れを告げた。

 

バリローチェからのバスで、ユダヤ教聖典<トーラ>の注釈書<タルムード>を回し読みしていたイスラエルからの男女6人グループは、<リオ・ガジェンゴス>行のバスに乗ると同時に眠りに入った。

バスの中は、眠りで静かである。

バスは眠りを乗せて、45分遅れで、コモドーロ・リバダビア・バスターミナルを静かに滑り出した。

 

バスは、リオ・ガジェゴス/Rio Gallegos>までの約12時間、大西洋岸を南下し、南極へと近づく。

陸地はぺんぺん草の砂漠に変わり、荒涼としたアルゼンチン南部、パタゴニア・パンパがどこまでも続く。

 

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        バスは、荒涼としたアルゼンチン・パタゴニア大平原パンパを走り続ける

                 The desolate Patagonia Great Plains Pampa 

                      Sketched by Sanehisa Goto

                        Feb 13, 2007  09:38am

 

 

 

                 <パタゴニア・パンパ 大平原におりて>

                       詩  後藤實久

 

                旅を眺める そこに自分がいることに気づき

                  旅が自分をながめていることを知る

 

                人生すべて お互いを眺め 理解と認識と

                愛を感じてこそ お互いの存在が成り立つ

 

                   人生における愛は一歩通行ではない

                  認識したら必ず相手は認識を返してくる

 

                   暗黙の共通のルールがあるからこそ

                   この世の愛の交換が成り立つ

 

                 認識されているのに認識できないとき

                  そこには悲しき不成立が確立する

 

                 いつも耳を傾け こころを向けてこそ

                   相手を認識し 心通わすことが出来る

 

                   そして 魂を呼び覚ませてこそ

                 相手の愛を感じ 愛を返すことが出来る

 

                ああわれいまパタゴニア・パンパにおりて

                    旅に身を沈め おのれに語りしを喜ぶ

 

 

 

パタゴニア・パンパをバスで走り抜ける> 

 パタゴニア・パンパは、見渡す限りの荒野だ。

この広大無辺な荒野を、誰が緑に変えるのだろうか。

幾世紀もこのままで、変わることのない光景が続くことであろう。

ところどころ柵が残っているところを見ると、牧草地帯、牧場として利用していたと思われる。

しかし、現在、見渡しても牛や羊は見当たらない。

木陰なく、ぺんぺん草しか生えない荒野は、牧場としても適しないといえる。

 

ウシュアイア行のこのバスの私の隣席に、モンゴル的風貌にアメリカンインディアン風のファッションをした夫婦とその子供が座った。

バスの乗客がほとんど西欧系白人(スペイン系アルゼンチン人)であるから、この家族は原住民の子孫であることが一目で分かる。

バスの中での家族の居心地の悪さを見ていると、オオカミのような征服者の驕りというか、傲慢さのなかに放り込まれた羊のように見えてしまう。

もう一人の乗客であり異邦人であるモゴル系のジャパニーズ、それが厚顔のわたしである。

 パタゴニア・パンパを駈け抜けながら、この国アルゼンチンの成立ちの一部分に触れたような気がした。

 夕、午後8時というのにここパタゴニア・パンパは、陽が高く、明るく大地を照らしている。

南極が近いことが分かる。

 

バリローチェから、バスを乗り継いでここリオ・ガジェゴスまでは長い道のりであった。

昨日20 : 40バリローチェを出て、リオ・ガジェゴス翌日の18:30に着いたのだから、途中2時間の乗継休憩はあったものの、約22時間の長距離バス旅行、その間ほとんどが荒野、パタゴニアの山並み以外は無味乾燥な風景であった。

 

 

 ▼2/13 リオ・ガジェゴス  Hotel Liporaci泊  @100ペソ (アルゼンチン)

 

バス代を節約するために、ウシュアイア行直行に乗り、バスで車中泊する計画もあったが、長旅での老体をいたわるために、ここリオ・ガジェゴスで途中下車し、Hotel Liporaci>で1泊することにしたのである。

バックパッカーにとって、疲れは早めに取っておくほうが得策である。

 

夕食は、2階のレストランにあるレストランでピザと赤ワインを注文した。

ピザの大きいこと、赤ワインも絶品<Red Wine-VINAS DE BALBO>、素晴らしいディナー(ワイン込み16ペソ)となった。

 

いよいよ明日は、地球の最南端の街ウシュアイアに立つことになる。

今夜は赤ワインで乾杯、少し酔ってきたようで、バスの疲れもあって安眠できそうである。

ベットの上で、思いっきり体を延ばして眠りについた。

まだ体に、バスの振動を残しているような感覚である。

 

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                    Hotel Liporaci / ホテル・リポラシ (リオ・ガジェンゴス)  100ペソ

 

Hotel Liporaci> バケーションシーズンなのかシングルは満室で、ダブルルームに空きがあり100ペソという。 部屋もきれいで、エアコン/TV/TEL付きとバックパッカーには贅沢だが、体を休めるために決めた。

ここリオ・ガジェンゴス/Rio Gallegosは、未開の荒野にできた街の風情である。

観光地とは程遠く、観光地への中継都市として発展したようである。

ここは南米大陸の最南端で、それに続くフェゴ島への入口であり、またファカラ方面のパイン国立公園への乗継地であり、交通の要所である。

 

 

■   2月14日  <リオ・ガジェゴス ➔ ウシュアイア>

 

🚐 リオ・ガジェゴス 08 : 05発 ウシュアイア 21 : 00着

      バス会社 : <TECNI AUSTRAL>   110ペソ

      Rio Gallegos Punta Arenas (フェリー) Rio Grande Ushuaia 

 

   

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            リオ・ガジェンゴス バスターミナルで朝日を迎える

 

08 : 00am ウシュアイア行バス、リオ・ガジェゴス バスターミナルを出発。

09 : 45am チリ国境で入出国手続き、1時間ほどかかった。

外は、パタゴニア特有の強風が吹いている。

パタゴニアの主役は、風船のように浮かぶ無数の雲たちだ。

雲海は、パタゴニアのパンパである荒野に無数の影を造り、そのモザイク模様が美しい。

この辺りのパンパ(荒野・大平原)にはダチョウたちが放牧されており、初めて生き物に出会った。

 

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この大荒野、塩分を含んでいるのではないだろうか。

草木が生えない原因ではないかとふと思った。

わずかな雨が降り、水溜りが出来、乾燥した跡に塩のような白い粉、白い膜をはり、地表を覆っているからである。

 

<チリ側パタゴニアフィヨルドについて>

 ここパタゴニア・パンパの西側には、正反対の地形であるチリ側パタゴニアフィヨルドが連なる。

アンデス山脈が太平洋岸に突き出て断崖絶壁を形成し、人を寄せ付けない地形になっている。

チリの首都であるサンチャゴより南下する国道は、プエルト・モント/Puerto Monttで行き止まりとなる。

チリ側パタゴニアには、船を使うか、アルゼンチン側パタゴニア・パンパに一度入って、プエルト・アイセン/Puerto Aysen(チリ側パタゴニア中部)や、プエルト・ナタレス/Puerto Natales(同南部)へ、バスで向かうことになる。

 

この旅でも、チリ側パタゴニアフィヨルドを縦断して、ウシュアイアに向かうことが出来ないので、サンチャゴからアコンカグア(標高6960m)の峠を越え、メンドーサ(アルゼンチン)に出て、アンデス山脈の東側を南下し、バリローチェを経て、アルゼンチン側パタゴニアを縦断することとなった。

その後、再度リオ・ガジェゴス/Rio Gallegos>経由チリに入り、プンタ・ナタレスからフェリーでマゼラン海峡を渡る。

バスは再びフイゴ島のアルゼンチンに入り、リオ・グランデを経て、南米大陸最南端の街ウシュアイアに到着する。

 

<2014年 チリ側パタゴニアフィヨルドへの立寄り>

この2007年のバスの旅では、陸路でのチリ側パタゴニアフィヨルド/南アンデスに分け入ることが出来なかったが、2014年ピースボート81回南半球船旅に参加する機会があり、オーシャンドリーム号上にて、太平洋側よりのその壮大なフィヨルドの景色をパノラマ・スケッチで連続描写した。

 

アンデス山脈沿いの南下路は、人類の大移動の道<グレイト・ジャーニー>でもあり、モンゴル系人種もまたアリューシャン列島沿いに、北米大陸に渡り、ロッキー山脈沿いに南下を続け、パナマの地峡を渡り、アンデス山脈沿いにフィヨルドを突き進んで、南米の最南端ウシュアイアに向かった大動脈であった。

 

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次回のブログで、神秘のパタゴニアフィヨルド/南アンデスの山稜をお楽しみください。

 

2021『星の巡礼 パタゴニア・フィヨルド ー パノラマスケッチ展』

 

2021『星の巡礼 パタゴニアフィヨルド ー パノラマスケッチ展』 《 パタゴニアフィヨルド ― パノラマスケッチ展 》 Patagonia on the Chilean side / Peaks of the Southern Andes, a collection of panoramic sketches 2014年1月18~20日、南米最南端の…

  

    https://shiganosato-goto.hatenablog.com/entry/2022/01/28/235057

 

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マゼラン海峡を渡るーMagallanes/マガジャネス>

バスは、プンタ・アレーナス/Punta Arenasでフェリーに積まれ、マゼラン海峡を渡り、約20分でウシュアイアのあるフイゴ島に到達する。 フェリーは、フイゴ島のポリベニール / Porvenir(チリ)に着く。

フイゴ島は、九州よりやや大きい島である。

目的地のウシュアイアは、フイゴ島の最南端に位置する。

マゼラン海峡は、1520年マゼランによって発見された海峡で、パナマ運河が出来るまでの大西洋―太平洋最短航路であった。

 

この船(フェリー)が、わたしを乗せてマゼラン海峡を渡るというだけで、高揚した。

マゼラン海峡は、白い綿雲のもと、強い風が吹き、雲間の青い点は透き通り、海峡は静かに波打っていた。

興奮気味の乗船客と、数台のバスや乗用車を乗せて、フェリーはマゼラン海峡を渡り切った。

 

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       マゼラン海峡 フェリーでフイゴ島へ渡る <プンタ・アレナス ➔ ポルベニール>

 

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                    マゼラン海峡 / Strait of Magellan

 

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      マゼラン海峡 フェリー<プンタ・アレナス ➔ ポルベニール>船上でチリの青年たちと

 

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       マゼラン海峡をフェリーで渡り、フェゴ島南端のウシュアイアに向かう

               Strait of Magellan Ferry (Bus to Ushuaia)

                  Sketched by Sanehisa Goto

                       Feb 13,  2007 12:35

 

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<フェゴ島をバスで走る>

 フェゴ島は、九州よりも大きいので島という感じがしない。

フェゴ島は、チリとアルゼンチン領に別れ、ウシュアイアはアルゼンチンの最南端の街である。

ウシュアイアへは、チリ領<プンタ・アレナス/Punta Arenas>から、同じくチリ領のフイゴ島北にある<ポルベニール/Porvenir>にフェリーで渡り、アルゼンチン領のリオ・グランデ/Rio Grandeでバスを乗り換える。 

フェゴ島をはじめ、南米大陸最南端のパタゴニアは、チリとアルゼンチン両国の国境が絡み合って複雑である。

 

フェゴ島にフェリーで上陸して目にした風景を紹介しておきたい。

一面の枯草の荒野が続き、水気のあるところには小さな命たちが自分たちの緑の世界を創り、太陽の光を一杯に浴びて、平和な生活を楽しんでいる。

枯草たちも、マゼラン海峡からの強い風に左右にと駈け回り、踊りを楽しんでいるようだ

バスに揺れていると、おのれが枯草になって風とたわむれているような、夢の中に誘われるのである。

風に託して風に吹かれるままに、いや、心の揺れるままに旅をしているおのれの姿と重ったものである。

枯草も、おのれも存在そのままを、生きていること自体を楽しんでいるのだ。

 

フェゴ島の悪路にも、蝶々が舞い、小さな花たちがその美しさを競っている姿をも目にすることが出来る。

チリ側の悪路(未舗装)は、アルゼンチン側に入ると、一転アスファルト道に変わる。

バスは速度をあげ、バスの乗換え地<リオ・グランデ/Rio Grande>に滑り込んだ。

 

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      綿雲の綺麗なフイゴ島          フィゴ島で出会った世界一周中の自転車

 

<リオ・グランデ/Rio Grandeからの風景>  17 : 45バス乗換

ここまでの三日間、パタゴニアの荒野であるパンパを縦断してきて、突如として姿をあらわす<リオ・グランデ/Rio Grande>の街に出会って、安堵したものである。

ここリオ・グランデの街でも世界一周中の自転車野郎に出会った。

おのれの達しえない世界一周自転車の旅の挑戦者にエールを送った。

 

リオ・グランデを出てしばらくすると、立ち枯れの樹々がお化けのように立ち尽くす光景に出くわす。 

 

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      立ち尽くす枯木の光景に驚く        ビーグレ水道に出るとウシュアイアは近い

 

さらに進み、ウシュアイアに近づくに従って、パタゴニア・パンパでは見かけることが出来なかった、山々に木が茂り、青い水をたたえた湖が点在し、高い嶺には雪をいだいている光景へと続く。

そこは、南極への入口であり、パタゴニアフィヨルドウラン遊覧の母港であり、多くの観光客を魅了してやまない、地の果てと呼ばれるウシュアイアである。

荒涼としたパタゴニア・パンパを何日もかけてバスでやってきた者にとっては、それはパラダイスの地である。

寒さを感じると同時に、バスには暖房が入れられた。

21:00過ぎ、万年雪をかぶる峰に日が沈みかけるなか、ようやくウシュアイアに着いた。

 

 

<ウシュアイア到着> 

ウシュアイアは、南米最南端の街であり、この南米一周の旅の折り返しの街でもある。

少し時間をかけてウシュアイアに滞在したいとおもう。

  

さっそく、ウシュアイア市街の山手にあるホステル・アオニケン<Hostel AONIKENK>に投宿した。

この後、南極大陸ツアーに参加する機会に恵まれ、ツアー出航を待つ7日間を、ここホステル・アオニケン<Hostel AONIKENK>で過ごすこととなった。

 

▼ 2/14 ~20 ホステル・アオニケン<Hostel AONIKENK>  7連泊  

        25 de Mayo 576,  TEL:54-2901 or 422098

 

 

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          ホステル・アオニケン <Hostel AONIKENK>に投宿

 

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  ウシュアイアは南極への玄関口                南極大陸

 

南極大陸ツアーへの熱き想い>

この旅<南アメリカ大陸一周の旅>を続けている間に、スケジュールにない<南極大陸ツアー>に参加できないかと考え続けてきた。

ウシュアイアに到着と同時に、その思いは一気に膨れ上がり、ツアーを取り扱う旅行社に飛び込んだ。

すべての南極ツアーは、出発地でツアーを組むのが通常であり、ここウシュアイア発の企画・募集ツァーはないということである。

乗船できるとしたら、ツアー参加者の内、当日キャンセルされた分に対し、キャンセル待ちとして者だけが南極ツアーに参加できるわけである。

キャンセルが無ければ、キャンセルがあるまで、その日をここウシュアイアで待ち続けなければならないことになる。

ここ現地ウシュアイアから、南極大陸ツアーに参加できるかどうかは、運次第であると云える。 確率は低いが、絶対だめだということでは無い。

ここでは、現地ウシュアイアで、南極大陸ツアーに参加する方法 及び 支払いについて、体験談として載せておきたい。

 

 

■ 2月15日 ウシュアイア ―南極大陸ツアー申込

 

南極大陸ツアー準備・計画>

◎ツアー申込旅行社 : <Rumbo Sur> San Marrin 350、 Ushaia Tel:02901-421139

                                         www.rumbosur.com.ar

 

◎出航日の近いツアー: キャンセルがあれば乗船可能なツアーを紹介される。

            A・Bの内、キャンセルの早くあった方に乗船可能

  A. 2/17出航予定 《Antartica Dream号》                 10泊11日 @3000US$

  B. 2/21出航予定 《Orlova  Lauark号》                       10泊11日    @3995US$

 

       ◎その後の経過: 翌日 09:00am 連絡あり

              「1人キャンセルしそうな人がいる。 本日午前10時ごろ判明。

                 キャンセルとなれば乗船可能」とのこと

                                    11:30am決定

                                            「B. 2/21 Orlova号 キャンセルあり。 2/20迄に入金されたし」

        ◎支払方法 : ツアー代 @4324.65US$ /  13,448.66Peso(Algentin)

                   <VISA/International Money CARD  2300.00US$>

                                             <TC/Traveler’s Check-  Cash                2000.00US$>

                                             <Cash                                                         24.65US$>

 

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                                                  南極クルーズOrlova号航路地図

 

運もよかったのであろう、念願かなってウシュアイアに到着して2日目、2月21日出航予定のロシア砕氷船オルローバー号にキャンセルが出て、代わりに南極大陸ツアーに参加・乗船することになった。

 

乗船日は2月21日に決定、乗船準備にとりかかるにしても、南米大陸一周の途上にあって、6日間の待機と南極大陸ツアー参加期間の11日間の合計17日間のウシュアイア滞在と南極大陸周遊は辛い。

以降のスケジュールを調整する必要がある。

なぜなら、超格安3か月の航空券での南米一周であり、延長は効かず、期限内に南米を去らなければならないからである。

しかし、ウシュアイア滞在時間を有意義に過ごしたいものと、気持ちを切り替えた。

 

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                                               ウシュアイア<地の果て>標識

 

 

■  2月14~20日 ウシュアイア滞在 (南極ツアー待機 1日目) 

      <南極大陸ツアー船旅の準備・待機 及び ウシュアイア観光>

 

思いがけなく、幸運にも南極大陸ツアーにここウシュアイアから参加することになった。

出航までの数日間、旅行社よりの南極ツアー参加にあたっての要綱に従って、防寒に関する携行品や、ツアー参加の目的の一つであるスケッチの用具の取り揃えることにした。

また、残っている南アメリカ大陸の旅費を南極大陸ツアーに使ってしまったので、日本と連絡を取り、VISAカードと銀行キャッシュカードの限度額の引上げの手配のお願いをすることにした。

 

ツアー代支払いにあたって、キャッシング・カードでのATM引出しが効かず、駆けずり回って銀行窓口での現金化に成功した。 ただ、海外の旅で起こる問題は、何時の場合も大変である。 英語圏ならまだしもスペイン語での問題解決には一苦労である。

南極大陸ツアーの申し込みは、旅に出る前に申し込みをしておくことをお勧めする。 そのうえで、乗船日にウシュアイアにいることであろう。

 

準備と手配の合間を利用して、ウシュアイア観光、郊外でのアウトドア・アクティビティ<氷河ウオーキング・乗馬・ビーグル水道シーカヤッキング>に出かけることにした。

 

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               ウシュアイア滞在中の足跡

 

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            ウシュアイア港のシンボルマーク <座礁帆船>

            Symbol mark of Ushuaia harbor <Stranded sailing ship>

                                                           Water color painting by sanehisa Goto

                                                                            Feb.14 2007   20:38pm

 

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                     標識<ウシュアイア港>                                                アルゼンチン国旗

 

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    ウシュアイア市内観光バス       ウシュアイア港のシンボルマーク <座礁帆船>前で

 

 

■  2月15日 ウシュアイア (南極ツアー待機 2日目) ウシュアイア散策とツアー準備

 

◎南極携行品準備   

<船酔薬  パラマレオ購入> <防寒用長靴レンタル代 期間中 20ps 店名CANPO> 

 

<Hostel AONIKENK 窓からの眺め>

ウシュアイアで投宿した、ここ<ホステル・アオニッケン/Hostel AONIKENK>のダイニングルームからの夕陽に照らされたウシュアイアの街並み、雪をいだいた山並み、そしてウシュアイア港の美しさは、北欧ノルウエ―の港町ベルゲンに匹敵するといっていい。

雪山に抱かれた港町は、どこか旅情を慰め、詩情を高めてくれるから好きである。

アルゼンチン・メンドーサ産レッドワイン<Bonarda Malbec>注いだグラスを傾けながら、北欧と見まがう美しい街を見下ろしている。

なんと贅沢な時間を過ごしているのだろうか。

流れるBGM、ショパンのバラードの軽やかな旋律もまた、少し酔った体に刺激を与えてくれ、夢の世界が広がっていくようだ。 長旅の疲れのせいか、少し酔ったようだ。

 

今日の夕食は豪華である。

マルちゃんのインスタントラーメンに、野菜ミックスサンド、ケロッグの野菜スープ、赤ワインにフルーツの盛り合わせ。 

ウシュアイアの暮色を楽しみながら、ワイングラスをかたむけた。

 

 

            《 ああわれいま ウシュアイアにおりて 》

                  詩  後藤實久

 

              ああわれいま ウシュアイアにおり

              夕陽浴び 紅に染まりし峰々の雪 

              心地よく浮きて流れし雲も染まり

              ああわれもまた紅に染まりて嬉し

 

                     ああわれ 赤ワインを口に転がし

                     魂を紅に染め 残雪の友を呼び

                     紅雲に乗りて 魂の色を競うは

                     ああわれいま君達に染まりて嬉し

 

             ビーグル水道 染めし紅の世界

             酔いて君なる紅に溶け入りて

             君と歌うアメージング・グレイス

             ああわれ君と溶合いて幸せなり

 

                    ああわれ ウシュアイアにありて

                    心舞いて 人生に紅を添えしは

                    暮れゆく紅に わが姿を重ねる

                    ああわれいま紅に囲まれて嬉し

 

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        Hostel AONIKENK 窓からの眺め ―ここが地球の最果ての景色―

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夕食後、ホステルの出窓から暮れゆくウシュアイアを眺めていると、初老のオーストラリア人夫婦JohnとJinyに声をかけられた。

ここホステル・アオニッケンに宿をとり、ウシュアイア観光をしたあと、南極大陸ツアーに参加し、帰ったばかりだという。

アイスクリームを頬張りながら、南極大陸の神秘な生態を語ってくれた。

年金生活に入るにあたって「仕事をとるか、ライフをとるか」という選択にあたって、自分たちはライフをエンジョイする方をとって、二人してホステルを利用しながら世界中を旅してまわっているという。

旅先では、三度の食事の献立を考え、食材を探し、地産のワインを見つけ、二人で料理をし、食卓を囲む喜びの素晴らしさを語ってくれたものである。

二人を見ていると、典型的なホワイトカラーの年金生活者として、家庭愛に満ち、夫婦の愛を信じ、他人に迷惑をかけずに、平和を愛する小市民たらんとする姿がにじみ出て、愛すべき夫婦像を見ているようであった。

多分、推測するにお二人は、小学校の先生ではなかったかと推測する。 噛みしめた英語で、慈愛に満ちた、優しい話し方をされていた。

 

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          大型船が停泊するビーグル水道にあるウシュアイア港散策

 

 

■ 4月16日 ウシュアイア散策 (南極ツアー待機 3日目) 

 

日本では信じられないほどの値段で、美味しいアルゼンチン産の赤ワイン<CHATEAU DEL VALLE>が

飲めるのがいい。 それに世界中で食べ歩いているアイスクリームの味とボリュームと値段の安いのがいい。

今夜のディナーは、この赤ワインとアイスクリームに、野菜の混ぜご飯、サーモンのバジル焼、ナスビのチーズ蒸し、パンプキンスープ、コーヒーで12ペソ、約400円である。

豪勢なメニューが、500円以下で食べられるのだからウシュアイアの長期滞在も、超倹約パックパッカーにとっては天国になりそうである。

 

ホステル・アオニッケン/Hostel Aonikenkでは、4人部屋(男女共用)のドミトリーにイングランドのお婆さんと二人。 この地球の果てのウシュアイアは、いま冷たい雨が降り、ビーグル水道も雨で曇って姿を隠している。 今晩は静かな夜になりそうである。

神様がそっと、覗かれているような寂しいが、温かい夜になりそうだ。

 

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                    ウシュアイア市庁舎

                     Ushaia city Hall

                                  Water Color Painting by Sanehisa Goto

                                             Feb 16 2007  10:15am

 

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                   地球最果ての街

                   ウシュアイア市公認スタンプ

 

■  4月17日 ウシュアイア散策 (南極ツアー待機 4日目) 

 

朝早くホステルをでて、ウオーキングを兼ねてビーグル水道まで歩き、ウシュアイアを見下ろす雪をいだく銀嶺をスケッチする。

 

午前中に、街中にある南極ツアー用品専門のレンタルショップ<CAMPO>に出向き、耐寒用のラバーシューズ(長靴)・ズボン・ジャケットのレンタルの申し込みをする。

薬局にも寄り、船酔薬を購入。

 

ツアー代理店に立寄り、2月19日の乗馬/Horse Riding 2時間コース (85ペソ)を申し込む。

 

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             ウシュアイアの夜明け と 消えゆく南十字星

          The dawn of Ushuaia and the disappearing Southern Cross

                  Sketched by Sanehisa Goto

                  Feb 17, 2007  08:45am

 

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               ビーグル水道を往く大型クルーズ船 (ウシュアイア)

               Large cruise ship going to Beagle Chanel (Ushuaia)

                  Water Color Painting by Sanehisa Goto

                                     Feb 17 2007  10:15am

 

■ 4月18日 ウシュアイア (南極ツアー待機 5日目)  マルティアル氷河トレッキング

 

<マルティアル氷河トレッキング> (英語読み:マーシャル氷河/Glaciar Martial)

   ビジターセンター 09:15amスタート ➔ マルティアル氷河 12:15amゴール (片道3時間コース)

 

(トレッキングの場合) タクシーで <マルティアル・ビジターセンター>まで行き、トレッキング開始

(バス利用の場合) マイブー通りのバス乗り場、始発10:00発車、帰りはリフト乗場より最終18:30発

                                     ただし、往復とも便数が少ないので要注意、タクシーお勧め。(@20ペソ)

 

トレッキング・ルートの西(左)側に自動車道があるので、強風を伴う荒天の場合に利用することが出来る。

所要時間も3時間のトレッキング道に比べ、自動車道を歩くと1時間ほど短縮できそうである。 略図上の2ヶ所の三叉路とT字路の右折さえ間違わなければマルティアル氷河に到達できる。

水・雨具必携、本格的な氷河歩きにはアイゼン装着。 その他、トレッキングには非常食携行の事。

 

途中、荒々しいマルティアル氷河の姿をスケッチに描きとめてから、氷河を目指した。

 

この日は氷河に到着し、氷河の登攀を開始してからまもなく雪を伴った強風による天候が急変、遭難を回避するため、マルティアル氷河の源に立つことなく下山を余儀なくされた。

余談だが、2014年2月世界一周船旅途上、マルティアル氷河登攀に再挑戦した。

 

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           マーシャル(マルティアル)氷河トレッキング・ルート略図

 

 

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              マルティアル氷河  (ウシュアイア/アルゼンチ)

                                    Martial Glacier (Ushuaia / Argentina)

                  Water Color Painting by Sanehisa Goto

                                                Feb 18 2007  10:15am

 

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               マルティアル氷河を望む河原(スケッチ地点)

                    マルティアル氷河トレッキングにて 

 

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                険しい表情を見せるマルティアル氷河

 

 

■   4月19日 ウシュアイア (南極ツアー待機 6日目) 

    地球最果ての街 ウシュアイアでのシーカヤッキング

 

昨日、雪まじりの強風下でのマーシャル氷河トレッキングで無理をしたのだろうか、ホステルのベットに横たわって体を休めていると、同室の老婦人に声をかけられた。

「イギリスに来ることがあったら、自宅を使って欲しい。 条件は日本料理を教えることですよ。」と言われた。

愛称Mimiさんは、日本人の礼儀正しさと、誠実さに民族的興味を持ったとおっしゃる。

そして日本のインスタントラーメンの美味しさと利便性はもちろん、そのスープの味は絶品とおっしゃる。

ここホステルにもインスタントラーメンのメニューがあり、その味に魅了されたというのであるから、日本人を代表して滞在しているような私には面映ゆい思いであった。

 

Mimiさんは、英国ウインチェスターにお住いの75歳、元ガーデナーで、今はご主人亡きあと、自分の好きなところに長期滞在し、各地の庭園を観賞し、その魅力を本にするのだと目を輝かせておられる上品な英国婦人である。

 

これより、予約済みのビーグル水道にあるシーカヤッキングの艇庫に向かう。

半日コース(3時間 @300ペソ)。 装備はもちろん、乗艇前に漕ぎ方の基礎や準備体操、沈した場合の脱出方法、最後に自己責任のサインをして乗艇である。

 

世界各地で機会を見つけてはカヤッキングやラフティングを楽しんできた者にとって、ここ南半球最南端ビーグル水道でのシーカヤッキング体験は長年の夢であった。

 

ビーグル水道の水面に浮かぶ白雪をかぶった銀嶺が、美しく揺らいでいる波間をシーカヤックで駈けるさまの心地よいこと、最高な気分を味わうことが出来た。

シーカヤックに乗ってみるとわかるが、目線がほとんど水面近くに沈み、仰ぐ天の空間が一段と広く感じられるのである。

その広がりの中に銀嶺の峰々が覆いかぶさってくる風景は、ビーグル水道にシーカヤックを浮かべた者に与えられる神からの贈り物であるといっていい。

 

絵葉書の中にいる自分を見ているようで、少し興奮気味である。

ペアーを組んでいる英国マンチェスターからのエマ/Emaもパドルを漕ぐのを忘れ、まるでお伽の国のアリスのような不思議な国に迷い込んだような顔をしている。

ここウシュアイアでこのような恍惚とさせられる風景に迎えられたことに二人して、「ブラボー!」と同時に声を上げて感謝したものである。

ウシュアイアは、地の果てにあって、その厳しい情景のなかに、汚れ無き乙女のような清純さと地のぬくもりを感じる。 その懐に抱きかかえられたエマと私は、幸せの極致を味わっているのである。

それはそれは素敵な地の果てビーグル水道でのパドリングであった。

 

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                ビーグル海峡でシーカヤッキングを楽しむ

                   Enjoy sea kayaking at Beagle Chanel

                                   Water color painting by Sanehisa Goto

                                            Feb 19  2007  11:30am

   

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      ”Canal Fun & Nature”(Ushuaia) /Beagle Chanel/ Sea-Kayaking半日コース@300ペソ

 

 

 

■ 4月20日 ウシュアイア (南極ツアー待機 7日目)  

         ―乗馬トレッキングー

 

ウシュアイア郊外での乗馬トレッキングに出かける前に、ここウシュアイアでの南極大陸ツアー参加のために必要な日数である乗船待機日数とツアー参加日数の合計日数18日分のロスの第一回目の調整をしておくことにした。

まずは、ウシュアイアよりブエノスアイレスまでの長距離夜行バスの日程の4日分を、飛行機に切換えることにした。

後の日程調整は、臨機応変に現地調整とするが、この地点で検討している案を載せておくことにする。

A  ブエノスアイレス滞在をせず、ウルグアイに向かう。

B パラグアイは通過するが、今回は滞在を見合わす。

C ギアナ高地ガイアナスリナム・仏領ギアナ立寄り計画を取り消す

D エクアドルは、通過するが滞在しない

 

以上を調整しながら、南極ツアー参加日程、18日分を消化することにしている。

 

海外での長期旅行では、天災・乗り物の故障・戦争・盗難・事件・遅延・道迷い・遭難・災害・トラブル・変更・逮捕・投獄等と、いつもスケジュール調整の毎日である。

一人旅は、おのれ自身で場面・情況で判断を下し、行動するのだから真剣であり、決死である。

旅は、人生そのものである。

 

さっそく旅行代理店に向かい、ブエノスアイレス行の航空券のチケットを購入した

 

Ushuaia                    ➔ Buenos Aires  アルゼンチン航空/AR#2811N便

March 3/ D20:41pm  ➔     March 4/ A00:01am

   

 

南極大陸ツアーは、いよいよ明日出航である。

ホステルの部屋にも、同じツアーに参加するというイスラエルカップルとフランスからの中年女性が転がり込んできて、急に賑やかになった。

いつも同室者の事を思うのだが、それぞれの人生という物語を歩んでいる人間たちが、一つの空間に集い、ある期間同じ目的のため寝食を共にするのだから、お互いなんらかの因縁、機縁があるような気がするのである。 

それぞれの運命を書き上げ、そのストーリに従って人生を歩ませている偉大なる主がいるからだと思ったりもする。

それぞれに自由を与え、それぞれの使命に向かわせるその偉大な力に驚くものである。

 

南極大陸に向かう前の、ひと時をウシュアイアの原野に馬を走らせた。

 

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                                      乗馬にてウシュアイア近郊の原生林を抜けビーグル水道に至る

 

南極大陸に向かう喜びを、旅日記に次のように走り書きしている・・・

 

『ビーグル水道を隔て 雪いだく銀嶺 その姿を水面に映す

 朝陽受け 朱に染まりて その勇姿 そそり立ちて 天を突く

 

 南米最南端の街 ウシュアイア その優美なる佇まい心を打ち

 夕べの華 香を残して こころ吹き抜け 南十字星と交わりし

 

 暁の静けさ 眠りを後に残さず 今日生きるを 神与え給う

 南極に旅立ちし日 心はやりて 鼓動高鳴るを抑えきれずや』

 

 

 

■ 4月21日 ウシュアイア 8日目    

         ―南極クルーズ乗船日ー

 

南極へ向かう砕氷船<ORLOVA号>の乗船は、午後4時である。

 

<地球最果ての博物館で学ぶ>

南極大陸ツアーへの万全の準備を終えていたので、午前中は人類のグレイト・ジャーニをたどって見たいと

「地球最果ての博物館」と、「YAMANA博物館」に出向いた。

我々の祖先、モンゴリアンがベーリング海峡を渡ってここ南米大陸の最南端フイゴ島の街ウシュアイアに下ってきたロングジャーニの足跡を知るためである。

この地にたどり着き、土着した種族のうち、有名なのは、Yamana族と、Ona族であったという。

Yamana族は裸族であり、祭りのときにだけ縞模様のボディペイントをした。 また、Hut(草ぶき小屋)に住み、カヌーを操り、魚を獲り生活していた。

一方、Ona族はSea Seal(アザラシ)の皮を着用し、体格もよく、技術的に進んでいた。

 

しかし、彼ら先住民族少数民族として、ヨーロッパからの入植者よって駆逐されていった。

いつの時代にも起こる少数民族の悲哀を知ることになった。

 

博物館では、素敵なカナディアン・カップルに出会った。

陳列物をスケッチしていると、にこっと笑って絵に魅入ってくれ、ナイスと言って、どこから来たかという。

日本からだというと、モンゴリアンのグレイト・ジャーニはシベリアを東進し、ベーリング海峡を渡り、カナディアンロッキーを下って、カナダにも定住し、なお南下、アンデス山脈からパタゴニアへと移住を繰り返し、ここ地の果てまでやってきたことに驚きを隠せない、と話しかけてきた。

いつの世にも、自分たちのルーツの歴史的追跡にロマンを感じる人たちがいるものである。 

この博物館での、わずかな触れ合いでも、同じく人類のロマンに興味を持つ人々に出会うことの嬉しさ、楽しさを知ることだけでも幸せを感じるものである。

覇権を叫ぶ独裁者がいるすさんだ世の中で、こころから愛せる人たちがいることは救いである。

 

南極大陸ツアー概要>

◎乗船チェックイン : 16:00pm Check-in at Passenger Control Desk

                                            w/ Passport + Bags Check

 

◎Voyage         :      Antarctica Classic

◎Ship               :         <ORLOVA>  Russian flag / icebreaker  4376t

◎Staff/Crew   :      87

◎Passenger      :         130

◎Term              :         2007/02/21~03/02   11days 

◎Port               :         Ushaia,  Argentin

◎Tour Fee        :         @4,324.65US$ / @13,448.66ペソ

 

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                               南極大陸ツアー出航前の砕氷船オルローバ号の前で(ウシュアイア港)

 

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南極大陸ツアーについては、すでにブログで<南極大陸スケッチ展>として掲載済みなので、

以下のブログでお読みいただけたら幸いです。

 

2021星の巡礼『南極大陸』ブログ・スケッチ展

 

南極大陸』ブログ・スケッチ展 『南極に立つ』 少年時代にドキュメンタリー「白瀬中尉の南極大陸」を観て以来、 夢のなかで温めてきました。 2007年2月、南米大陸一周の旅に出かけ、ウシュアイア(アルゼンチン)に 滞在したおり、この地が南極大陸クルー…

                                   

   https://shiganosato-goto.hatenablog.com/entry/2021/03/12/084948

   

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次回は、最終編として『星の巡礼 南米一周バスの旅 21000㎞』Ⅲ南米大陸東岸北上 》 

ウシュアイア ➔ リオデジャネイロ ➔ アマゾン ➔ リマ >をお送りします。

 

                                     

 

 

                                            2007星の巡礼 南米一周バスの旅 21000㎞』 Ⅱ

              Ⅱ《 ボリビア縦断 ウユニ塩湖に遊ぶ : ラパス  サンチャゴ ウシュアイア

    

                                                                               

 

 

 

                                                     次回

            2007星の巡礼 南米一周バスの旅 21000㎞』 Ⅲ

                 Ⅲ南米大陸東岸北上 》

         《 ウシュアイア  リオデジャネイロ  アマゾン  リマ 》

                     につづく

                         

                    現在作業中

 

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■ 関連ブログ

 

 

2007『星の巡礼 南米一周の旅 21000㎞』Ⅰ

 

2007『星の巡礼 南米一周の旅 21000㎞』Ⅰ 五大陸最後の南アメリカ大陸を約4か月かけて一周した。 『星の巡礼 南米一周の旅 21000㎞』 の第一歩は、ペルーからである。 ペルーの首都リマを発ち、ナスカの地上絵を空から眺め、マチュピッチュ遺跡に立ち、イン…

https://shiganosato-goto.hatenablog.com/entry/2021/12/14/105253

 

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2021『星の巡礼 パタゴニア・フィヨルド ー パノラマスケッチ展』

 

2021『星の巡礼 パタゴニアフィヨルド ー パノラマスケッチ展』 《 パタゴニアフィヨルド ― パノラマスケッチ展 》 Patagonia on the Chilean side / Peaks of the Southern Andes, a collection of panoramic sketches 2014年1月18~20日、南米最南端の…

https://shiganosato-goto.hatenablog.com/entry/2022/01/28/235057

 

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2021星の巡礼『南極大陸』ブログ・スケッチ展

 

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